【最新エビデンス】過敏性早漏の治し方8選
2024年1月30日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

過敏性早漏とは?

そもそも「早漏」とは、性行為時に期待している時間よりも早く射精してしまう状態です。

国際性機能学会では、以下の3点のいずれかに該当する状態を早漏と定義しています出典[1]

  1. 射精が膣内挿入前または挿入後1分以内に起こる
  2. 腟内挿入時に射精までのタイミングがコントロールできない
  3. 早漏に対する悩みや苦痛を感じている、または性行為自体に負担を感じ避けている

1分以上の挿入時間でも短いと感じ、ストレスになっていれば3つ目に該当します。

全世界で約30%の男性は早漏に悩んでおり、最も一般的な性機能障害です出典[1]早漏になると自分もパートナーも性行為に満足できず、充実した性生活を送れなくなります。自信喪失を起こし不安やストレスの原因となると共に、性欲が低下し性行為に対して消極的になってしまい、パートナーとの関係悪化を招く要因の一つです。

早漏は性的刺激に過敏なことで起こる「過敏性早漏」、加齢などによる筋肉の衰えが原因の「衰弱性早漏」、ストレスなどの精神面が要因の「心因性早漏」の3つに分かれます。3つの中で健康な人でも起こってしまうのは過敏性早漏で、性経験の乏しい10〜30代の若い人に生じやすいです。

健康なのになぜ過敏性早漏は起こるのでしょうか?

通常は性的な刺激や感覚は脳で情報処理されて勃起・射精と繋がりますので、自らの意志で射精できます。一方で、過敏性早漏の場合、陰茎の神経は過敏に刺激を感じ取ってしまい、脳に性的刺激が伝わる前に射精が起こってしまうので自分ではタイミングをコントロールできないのです。わかりやすい例は、急に物が飛んできたときに咄嗟に目を閉じてしまう反射反応と同じになります。

性的経験が少ないこと以外には、陰茎の亀頭部分が包皮に覆われている状態である「包茎」も過敏になりやすい要因の一つです。包皮で覆われている陰茎は普段は刺激を受けにくいので、刺激に慣れておらず、挿入時などの刺激に過敏に反応しやすく射精してしまいます。

その他には、すぐに射精しようとする間違った自慰行為なども過敏性早漏の原因です。過敏性早漏は身体的には問題なく、むしろ健康な証でもあるのであまり気にしすぎなくても大丈夫ですよ。

 

過敏性早漏の治し方8つ

身体的には問題ないので気にしすぎる必要はないですが、過敏性早漏であることにストレスなどを感じている場合は改善しておく必要はあります。改善すると言っても、勃起機能など身体面では問題ないので薬を飲む必要はなく、セルフケアで十分に改善できるのです。具体的な方法を紹介していきますので、充実した性生活を送る上でも取り組みやすいことから実践してみてください。

1.行為の回数を増やす

性経験の少なさは過敏性早漏の要因の一つになります。

性経験が少ないと挿入時の刺激に慣れておらず、刺激に対して過敏に反応してしまうので射精しやすくなるのです。多くの研究で、性行為の回数を増やすことで過敏性早漏を改善できることがわかっています出典[2]回数を重ねることで徐々に刺激に慣れてくるので、次第に射精のタイミングをコントロールできるようになるのです。

パートナーに協力してもらい性行為の回数を増やすのは、過敏性早漏の改善に有効な手段になります。1日に複数回行ったり、週に行う回数を増やしてみましょう。ただし、互いに負担にならないように注意してくださいね。

また、早漏の不安・悩みをパートナーに打ち明けることで、性行為に対する緊張や不安・プレッシャーが軽減され、自然と改善に向かうこともあります。何事も相手のことを理解し合うのは大事ですよ。

 

2.体位を変える

あなたはパートナーとの性行為はどのような体位で行っていますか?性行為の際の体位を変更するのは過敏性早漏の改善に有効かもしれません。

弊社調査で早漏に悩んだことがあり、早漏の対策をしたことがある18歳〜67歳の男性275名に射精しずらい体位についてアンケートを行いました。4割近くの人は最も射精しづらい体位は「騎乗位」と回答しています。騎乗位は前後に動くタイプの体位なので陰茎への刺激は弱いため、射精しにくいようです。2番目は「後背位」で相手の顔が見えにくく、興奮しづらいなどの意見になります出典[3]

いつも同じ体位で行ってるという人は一度、別の体位を試してみてください。射精しにくい体位を把握しておくことは重要ですよ。また、性行為の途中で体位を変えるのも有効です。興奮状態を一度リセットできるので射精までの時間を伸ばせます。

 

3.PC筋のトレーニング

骨盤底筋(PC筋)をトレーニングで鍛えるのは、過敏性早漏の改善に有効です出典[4]

骨盤底筋は骨盤の底にある恥骨と坐骨の間に位置する筋肉になります。わかりやすい例を挙げると排尿を途中で我慢した時に、「キュッと締まる」肛門の付近の筋肉です。膀胱と腸を支えている筋肉で排尿や勃起の維持に欠かせません。射精時には骨盤底筋を収縮させることで精液を押し出したり、射精を我慢できる(身体に留められる)のです。

ケーゲル体操は骨盤底筋を鍛えるトレーニングとして有名な方法になります。

  1. 仰向けの状態で膝を曲げ、足を肩幅に開く
  2. お腹に手を当てて、息を吸いながら肛門や尿道に力を入れて5秒間締める
  3. 5秒間緩める
  4. 1~3を1分1回×10回行う

1日3セットを目安に取り組んでみましょう。慣れてきたら10秒程度まで延ばしてみると効果的です。12週間のトレーニングで挿入時間が2倍以上になることが明らかにされています出典[5]

 

4.早漏トレーニングができるオナホールを使う

マスターベーションの際に早漏トレーニングのできるオナホールを使うのは過敏性早漏の改善に効果的です。

オナニー補助具として販売されている「Men's Training Cup Keep Training (MTCK)」は、締め付け具合と強さを5段階に分けているオナホールになります。レベル1は最もソフトな締め付け感なので刺激は弱く、レベル5は最もハードな締め付け感なので刺激は強いです。段階的に締め付け感の強いオナホールを使用することで、刺激に慣れさせることができます。

順天堂大学の研究グループは、パートナーのいる20~60歳の男性を対象にして、MTCKによる8週間のトレーニング実施後の早漏に対する効果を検証しました。8週間のトレーニング後に早漏や挿入時間が改善し、性行為の満足感も高まることを明らかにしています出典[6]

MTCKを用いたトレーニングでは、各レベルを少なくとも2回使用した後に次のレベルに移行します。また、骨盤底筋など射精に関わる筋肉をコントロールすることに意識を向けながら行うトレーニングです。

  1. 骨盤底筋や肛門周りの筋肉の動きに注意しながらマスターベーション(1週目)
  2. 1回のマスターベーションにつき4回、最大45秒間の停止を行う。停止時に尿道や肛門周りの肉を緩める(2〜4週目)
  3. 刺激を止めることなくマスターベーションを行い、射精前に尿道や肛門周りの筋肉を交互に締める・緩めるを4回行う(5、6週目)
  4. 3を行い、その後に性行為を行う(7、8週目)

MTCKを用いたトレーニングにより、射精を我慢するための筋肉をコントロールできるようになるので、射精を我慢できるようになります。

 

5.早漏防止トレーニングを行う

射精を自分でコントロールできるようにするために早漏防止トレーニングを行うのは効果的です。具体的には「ストップ&スタート法あるいはセマンズ法」「スクイーズ法」と呼ばれる方法になります出典[7]

「ストップ&スタート法」は自慰行為を行う際に、すぐに射精しないようにする方法です。射精しそうになったら手を止め、射精感が落ち着いたら再び手を動かすのを3回繰り返してから射精します。ストップ&スタート法でトレーニングすることで射精を我慢する感覚を身に着けれるのです。1週間に3回を6週間行うことで早漏を改善できると報告されています出典[8]

一方で、「スクイーズ法」はパートナーに射精感を技巧的に中断してもらうことで、 男性に射精を我慢する感覚をトレーニングさせる方法です。射精しそうになったら刺激を止め、陰茎を絞るように手で握ってもらうことで射精感を減らして、射精を我慢します。

「スクイーズ法」はパートナーの協力が必要になりますが、「ストップ&スタート法」は一人でも行えるので気楽に行えますよ。

 

6.陰茎の根元で自慰を行う

一つ前の「早漏防止トレーニングを行う」で述べたストップスタート法やスクイーズ法以外にも、早漏防止に効果的なトレーニングはあり、ペニス・ルート・マスターベーション(PRM)と呼ばれる方法です出典[9]

PRMは自慰行為を陰茎の根本で行う方法になります。大きく分けてPRMは4段階のステップです。

  1. 性的刺激によって完全に勃起させます。
  2. 親指1本または2本を陰茎の根本(陰茎全体のうち根本側の3分の1)の背面に当て、上下に動かしたり、回したりしてマッサージします。
  3. 射精感を感じたらマッサージを中止し、射精を我慢します。
  4. 射精感を感じなくなったらマッサージを再開し、2と3のステップを15分間繰り返します。

PRMで大事なのは射精は我慢することです。中国の研究グループは、PRMを週3回3ヶ月間続けると射精までの時間を60秒から180秒に伸ばせることを明らかにしています出典[9]

PRMも一人で行えるトレーニングですので実践してみてください。

 

7.厚めのコンドームを使用する

性行為に使用するコンドームの厚みを増やすのは、過敏性早漏の改善に有効です。

中国の研究グループは、早漏患者100人を対象にした研究からコンドームの厚みが早漏の改善に有効であることを明らかにしています出典[10]

コンドームに厚みを持たせることで、陰茎に加わる刺激を減らせるので、射精までの時間を伸ばせるようです。

普段使用しているものよりも厚手のコンドームを購入して使ってみると良いでしょう。

 

8.コーヒーを飲む

眠気覚ましや集中力を高めるためにコーヒーを飲む人は多いのではないでしょうか?

コーヒーに含まれるカフェインの効果として有名なのは興奮(覚醒)作用です。私達の体は心拍数を下げたり、リラックスや眠気を誘導するためにアデノシンという物質が分泌されます。カフェインの構造はアデノシンと似ているため、アデノシンの代わりにアデノシンの受容体に結合し、アデノシンの働きを抑えることができるのです。アデノシンの働きが抑えられることで、興奮作用や集中力を高めることができます。

仕事やスポーツと同じく性行為の際も集中力は大事です。不安やストレスなどによる集中力の低下は、射精のタイミングを上手くつかめず早漏のもとになります。

40名の早漏患者を対象にカプセル化されたカフェイン100mgを3週間、性行為の2時間前に摂取する研究が行われています。射精までの時間と性的満足度はカフェイン摂取により増加しています出典[11]

カフェイン100㎎はコーヒー1杯(150ml)やエナジードリンク1本くらいです。

ただし、カフェインの摂り過ぎには注意しましょう。カフェインには中毒性があり、脈拍の増加・吐気・めまいなどを引き起こしてしまい、最悪の場合は死に至ります。成人の一日の推奨摂取量は400mg、1回当たり体重1kgあたり約3mgです(体重60kgなら1回あたり180mgになります)。

加えて、睡眠前のカフェイン摂取は避けるようにしましょう。興奮状態が長く続き、睡眠に悪影響を与えてしまいます。接種したカフェインは分解されて半減するまでに3~5時間かかるので、カフェインを摂るにしても就寝の4時間前までにしましょう。睡眠時間の低下は勃起の大敵ですので気をつけてくださいね。

 

まとめ

今回は過敏性早漏の原因と治し方について紹介しました。

過敏性早漏は身体的には問題なく、性行為の経験不足などを原因とするので過度に気にする必要はありません。

しかし、性行為に対するストレスの要因となるような人にとっては、互いに満足のいく性行為をしてパートナーとの関係を良くするためにも過敏性早漏の改善は必要になります。

過敏性早漏はセルフケアで十分に対策可能なので可能な範囲で実践し、充実した性生活を過ごせるようにしましょう。

 

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