執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
男がセックスでイケない3つの原因
パートナーとの仲を深め合うセックスは誰しも気持ちよく行いたいものです。
セックスが気持ちよくないと性的満足度が低下してしまい、パートナーとの関係を悪化してしまう要因にもなります。
身体面や精神面に問題があるとセックスが気持ちよく感じられず、イケなくなってしまうのです出典[1]。
まずは男性がセックスでイケなくなってしまう3つの原因を紹介します。
テストステロンの減少
1つ目はテストステロンの減少です。
男性ホルモンの代表格であるテストステロンは性欲や勃起、射精などの男性機能に欠かせないホルモンです。
性的興奮を感じるとテストステロンが高まり、ドーパミンの分泌を促すことで性欲を高めます。
そのため、テストステロンが減ると興奮しにくくなり、快感を感じにくくなる可能性があるのです。
実際に2008年にイタリアのフィレンツェ大学が発表した論文では、早漏の人(オーガズムに達しやすい人)はテストステロンが高く、遅漏の人(オーガズムに達しにくい人)はテストステロンが低いことが示されています出典[2]。
テストステロンは生活習慣の影響で低下しやすいので、日々の生活には十分に気を配る必要があります。
自律神経の乱れ
2つ目は自律神経が乱れていることです。
勃起や射精などの男性機能は、自律神経(交感神経と副交感神経)の適切なバランスの上で成り立つ現象です。
緊張・不安などの心理的ストレスや興奮しすぎているなどで、過度に交感神経が活発化してしまうと自律神経が乱れてしまい男性機能に悪影響がでます。
2021年のポルトガルの研究グループは、緊張などで心拍が高まった状態だと勃起不全のリスクが高まることを明らかにしました出典[3]。
また、2023年にイギリスのサセックス大学の研究は数学的な計算モデルで興奮度合と性的反応の関係を調査し、性的刺激の前や最中に心理的興奮が強すぎると、オーガスムに達するのが難しくなることを報告しています出典[4]。
つまり、セックスを気持ちよく感じるためにはリラックスしていることが大事なのです。
脳やペニスの感覚の鈍化
3つ目は脳やペニスの感覚が鈍化していることです。
詳しくは次の章で解説しますが、オナニーの際に性的刺激の強いポルノを見ていたり、過度な刺激をペニスに与えている場合に起こりやすいです。
興奮を感知する脳が縮小したり、ペニスの触覚が鈍化したりすることで、快感を十分に感じることができなくなってしまいます。
セックスが気持ち良くない男の特徴10選
パートナーと性的満足度の高いセックスを行うためには、しっかりと絶頂に達する(イケる)ことができるかが大事です。
テストステロンが低下していたり、自律神経が乱れたりしているとセックスでイケなくなります。
次にセックスが気持ち良くないと感じてしまう男性の特徴を10個紹介します。
ジャンクフードを好む
1つ目はジャンクフードを好んでいることです。
ハンバーガーやカップラーメンなどのジャンクフードの食べすぎはテストステロンを低下させてしまう大きな要因の一つです。
2019年にオーストラリアのフリンダース大学の研究で、ジャンクフードを摂取して1時間後にはテストステロンが25%も低下してしまうことが示されています出典[5]。
ジャンクフードには飽和脂肪酸などの質の悪い脂質が多く含まれており、テストステロンを合成する精巣にダメージを与えてしまうことが原因です。
睡眠時間が5時間以下
2つ目は睡眠時間が5時間以下であることです。
テストステロンは睡眠中に分泌されるホルモンであるため、テストステロンにとって睡眠不足は大敵です。
2011年にアメリカのシカゴ大学の研究グループは、睡眠時間を1週間の間1日5時間以下にすると、テストステロンが10~15%も低下することを明らかにしています出典[6]。
睡眠時間が短いことでテストステロンが十分に合成されなくなり、セックスでの快感を感じられなくなってしまうのです。
BMIが25以上
3つ目は肥満度を表すBMIが25以上であることです。
BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることで算出できる体格指数であり、この値が25以上だと肥満と定義されます。
2013年にニューヨーク州立大学バッファロー校が行った研究で、肥満者のテストステロンは健常者の半分以下であることやBMIとテストステロンには負の相関関係があることが明らかにされています出典[7]。
肥満でテストステロンが低下してしまうのは、体脂肪が増えることでテストステロンを女性ホルモンに変換する酵素(アロマターゼ)が増えたり、炎症性のホルモンの分泌が増えたりするからです。
太っている方は適切体重であるBMI22を目指してダイエットしましょう。
身長170cmの人は63.5kg、180cmの人は71kgくらいが目安になります。
運動する機会が少ない
4つ目は運動する機会が少ないことです。
運動をすると脳が活性化され、テストステロンの分泌が促されます。運動不足だとテストステロンの分泌が起こらず、低下してしまいます。
また、運動不足で消費カロリーが減ってしまい、脂肪が増えることもテストステロンを低下させてしまう要因です。先ほども紹介しましたが、テストステロンが女性ホルモンに変換されてしまうことで、テストステロンが減少してしまいます。
2016年にデンマークのコペンハーゲン大学で行なわれた研究で、テレビを長時間視聴している男性のテストステロンが少ないことが明らかにされました出典[8]。
また、2017年にイギリスのカンブリア大学が行った研究で、座りがちな生活を送っている人が運動を行うことで体脂肪が低下し、テストステロンが17%も増加することが示されています出典[9]。
運動する機会が少ないことでテストステロンが低下してしまい、イケなくなっている可能性があるのです。
大酒飲み
5つ目は大酒飲みであることです。
お酒に含まれるアルコールは主に2つの作用でイキにくくさせます。
1つは精巣などにダメージを与えテストステロンを低下させることです。
2004年にオランダ応用科学研究機構(TNO)が発表した論文で、1日のアルコール摂取量が40g以上の男性はそうでない人と比べて、テストステロンが6.8%も低いことが示されています出典[10]。ちなみにアルコール40gはビールだと1000mlくらいが目安です。
2つ目はアルコールには脳や神経機能を麻痺させてしまう作用があることです。脳やペニスの感度が鈍り、快感を感じにくくなってしまいます。
2022年にインドのDr. サンパーナナンド・メディカル・カレッジの研究グループは、アルコール摂取者の7%に遅漏、14%に無オーガズムが認められることを報告しています出典[11]
普段からお酒をよく飲む人は注意したほうがよいでしょう。
仕事のストレスが大きい
6つ目は仕事のストレスが大きいことです。
仕事などで精神的ストレスを感じていると体内で活性酸素が発生し、精巣にダメージを与え、機能を低下させるのでテストステロンが低下してしまいます出典[12]。
また、ストレスは自律神経の乱れも引き起こす原因にもなります。
2015年にブラジルのウベルランディア国立大学が発表した論文で、慢性的に精神的ストレスを感じていると自律神経の反応性が悪くなることが示されました出典[13]。
自律神経が乱れることで男性機能に悪影響が出てしまい、イキにくくなってしまうのです。
過激なポルノを視聴している
7つ目は過激なポルノを視聴していることです。
性的興奮を感じていると脳内ではドーパミンと呼ばれる、興奮作用や快楽をもたらすホルモンが分泌されます。
普段から過激(性的刺激の強い)ポルノの画像や動画を視聴していると、ドーパミンが大量に分泌され、過剰に脳が活性化されてしまいます。そうすると脳の機能が消耗(麻痺)してしまい、脳の神経細胞が集まる領域である灰白質が小さくなってしまうことで現実のセックスで興奮しにくくしてしまうのです。
2014年にドイツのマックス・プランク協会で行なわれた研究で、ポルノの視聴時間の長さと灰白質の量に負の相関関係があることが明らかにされています出典[14]。
灰白質が少なくなってしまうことで、ドーパミンが分泌されにくくなり、現実のセックスで興奮できなくなってしまうのです。
自慰でペニスに強い刺激を与えている
8つ目の特徴は自慰でペニスに強い刺激を与えていることです。
床オナや高速ピストン、強グリップなどのペニスに膣圧力以上の刺激を与える方法でオナニー(自慰)を行っていると、ペニスが強い刺激に慣れてしまい、感覚が鈍化してしまいます。そうするとセックスの際の刺激では物足りなくなってしまい、イケなくなってしまうのです。
2024年に中国の中山大学の研究グループが発表した論文で、不適切な方法でのオナニーは勃起不全(ED)のリスクを高めることが示されています出典[15]。
また、2011年にマンスーラ大学が行った研究では、射精頻度が多いと遅漏(イキにくくなる)の割合が高くなることが明らかにされています出典[16]。
オナニーをするにしてもペニスへの刺激はやさしく、ゆっくりと与えることが大事です。
セックスに対して不安や罪悪感を抱いている
9個目はセックスに対して不安や罪悪感を抱いていることです。
「相手を満足させられなかったらどうしよう」、「上手にできなかったらどうしよう」などパフォーマンスに対して不安や心配を抱いていたり、セックスに罪悪感を抱いていたりすると、自律神経が乱れてしまい、オーガズムに達しにくくなります。
2021年に中国の江西中医薬大学で行なわれた研究で、心因性EDの患者は脳の神経細胞が集まる領域である灰白質が小さくなっていることが明らかとなりました出典[17]。
灰白質が少なくなってしまうとドーパミンの分泌がされにくくなるので、オーガズムに達しにくくなってしまいます。
興奮しすぎている
10個目は興奮しすぎていることです。
この記事の前半部分で自律神経が乱れてしまうことはイケなくなる原因の1つであることを紹介しました。
セックスの際に興奮しすぎていることもイケなくなる要因の一つです。
前半でも紹介しましたが2023年にイギリスのサセックス大学の研究では、性的刺激の前や最中に心理的興奮が強すぎると、オーガスムに達するのが難しくなることが明らかにされています出典[4]。
つまり、セックスの際に性的に興奮しすぎると射精できないことが予測されます。
適度な興奮は大事ですが過度に興奮しすぎないように、リラックスしてセックスを行うようにしましょう。
まとめ
今回はセックスが気持ちよくないと感じてしまう男性の特徴を紹介しました。
テストステロンが低下していたり、自律神経のバランスが乱れていたりなどすると、セックスは気持ちがよいものではなくなってしまいます。
もちろんパートナーとの仲を深め合うセックスは誰しも気持ちよく行いたいものです。
気持ちよくないと性的満足度が低下し、パートナーとの関係を悪化させる要因にもなります。
生活習慣が原因であることが多いので、セックスでイケないと感じている方は、まずは日々の生活習慣を見直してみましょう。
出典
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