

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
そもそも中折れとは?
勃起とは性行為時など性的興奮が高まった際に、ペニスに血液が流れ込むことで、ペニスが硬く大きくなる生理現象のことです。
女性の腟内にペニスを挿入するために勃起は必要不可欠です。
しかし、挿入後、射精前(オーガズム前)に勃起が維持できなくなることを「中折れ」と呼びます。
勃起が持続できなくなってしまうとペニスを女性の腟内に挿入できなくなり、性行為が継続できなくなってしまうため、性的満足度の低下に繋がります。
「中折れ」は、勃起不全(ED)の1種であり、血管やホルモンのバランスが衰える中高年以降に多いです。
しかし、勃起は繊細な生理現象であり、若い人であっても、身体的や精神的なコンディションが悪ければ中折れが発生することは十分にあり得ます。
20代男性が中折れする原因7選

中折れが起こると性行為が継続できなくなってしまうため、男女ともに満足度の高い性生活を送れなくなってしまうリスクが上がります。
勃起は繊細な生理現象であるため、コンディションが悪ければ、若い人であっても中折れが発生することは十分にあり得るのです。
20代男性が中折れしてしまう原因を7つ紹介します。
1.性行為に対して緊張や不安を抱えている

1つ目は性行為に対して緊張や不安を抱えていることです。
勃起は副交感神経が優位でリラックスした状態で発生する生理現象です。
「はじめての性行為による緊張」や「失敗したらどうしようといった不安」、「相手は本当に満足してくれているのか?といった疑問」など、性行為に対して緊張や不安を抱えていると、心理的なストレスとなり交感神経が優位になります。
そうすると、脳が上手くはたらかず、ペニスに血液を送り込み指令を出せなくなってしまったり、興奮が上手く起こらなくなってしまったりすることで勃起が上手くいかなくなり、途中で萎えてしまうのです。
2004年にアメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学が発表した総説では、性行為に対する不安などの心理的要因を解消することがEDの改善につながることが明らかにされています出典[1]。
緊張や不安はパートナーとしっかり話をすることで軽減できる面もあるので、リラックスして性行為ができる環境を整えましょう。
2.仕事のストレスが大きい
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2つ目は仕事のストレスが大きい可能性です。
性行為に対する緊張や不安だけでなく日常生活のストレスも性行為に影響を及ぼします。
2013年にクロアチアのザグレブ大学が行った研究では、仕事関連のストレスを抱える男性は、そうでない男性に比べて性的満足度が低くく、性的機能への問題が1.8倍も起こりやすいことが示されています出典[2]。
例えば20代の場合、上司に叱られることや慣れない仕事にストレスを抱えたりすることもあるでしょう。
性行為中に仕事のことを思い出すことで、リラックスできなくなり、途中で萎えてしまうといったことは十分に考えられます。
3.副作用の強い薬を使用している
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3つ目は副作用の強い薬を使用している可能性です。
健康に生活を送るために欠かせない薬ですが、中には血流阻害やテストステロンを低下させる副作用があり、薬の服用により勃ちが弱くなってしまう場合があります。
2022年にアメリカのメイモナイズ・メディカル・センターの研究グループは、2010年から2020年までのED有害事象報告の頻度が最も高い薬剤を調査しました。20の薬物で合計6,142例のED報告があり、このうち5-α還元酵素阻害薬(5-ARI)が2,823例(46%)、抗精神病薬が2,442例(40%)が頻度として高くなっています出典[3]。
5-ARIは頭皮脱毛症(AGA)の治療などに使われる薬です。テストステロンからジヒドロテストステロへの変換を阻害するため血管拡張因子であるNOが十分に合成されなくなるため、服薬している方の15%ほどに副作用として勃起に悪影響がでることが知られています出典[4]。
また、抗精神病薬はドーパミン受容体を阻害して興奮を感じにくくしたり、中枢神経系に作用し、脳からのテストステロンの合成を促すための司令に影響を与えたりすることで勃起に悪影響を与えます出典[5]。
若くて身体が健康でも勃起をさせにくくするAGA治療薬や抗うつ薬などを服用している場合は、中折れを発生させる可能性があるので気をつけましょう。
4.自慰行為で強い刺激を与えている
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4つ目は自慰行為で強い刺激を与えていることです。
自慰行為で実際の性行為よりも強い刺激をペニスに与えている場合、性行為の刺激だけでは物足りなさを感じ、中折れになる可能性があります。
2024年に中国の中山大学の研究グループが発表した論文で、不適切な方法での自慰行為をしていると10%以上でEDが認められることが示されています出典[6]。
不適切な方法の自慰行為とは、高速ピストンや床オナ、強グリップなど、膣内より強い圧力や性行為より速いピストンスピードで自慰行為を行うことです。
自慰行為がダメというわけではないので、正しいやり方で自慰行為を意識することを心がけましょう。
5.ポルノ視聴が習慣化している
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5つ目はポルノ視聴が習慣化してしまっていることです。
自慰行為の際にポルノを見る人もいるかと思います。
ポルノは現実ではありえないシチュエーションの性行為を、容姿が整った女優が行うため、ポルノに慣れてしまうと、現実のセックスで興奮できなくなり、中折れに繋がる可能性があるのです。
2014年にドイツのマックス・プランク協会で行なわれた研究で、ポルノの視聴時間の長さと脳内の灰白質の量に負の相関関係があることが明らかにされています出典[7]。
ポルノの画像や動画は性的刺激が強いため、興奮作用や快楽をもたらすドーパミンが大量に分泌され、過剰に脳が活性化されてしまいます。
そうすると、脳の機能が消耗してしまい、脳の神経細胞が集まる領域である灰白質が小さくなってしまうことで、現実のセックスで興奮できなくなってしまうのです。
6.睡眠不足が続いている
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6つ目は睡眠不足が続いている可能性です。
勃起の指令を出すホルモン「テストステロン」は1日の中で眠っている間に最も分泌されるため、寝不足が続くと若い人でもホルモンバランスが乱れ、中折れが生じる可能性があります。
2010年にシンガポール国立大学で行なわれた研究では、531人の男性を対象にして睡眠時間とテストステロンの関係が調査されました。その結果、8時間以上眠る男性と比べて、睡眠時間が4時間未満の人は35%、4〜6時間の人は14%、テストステロンレベルが低いことが示されています出典[8]。
また、睡眠の時間の短さだけでなく、質の悪さも勃起機能を低下させる要因です。
2023年にペルーのリカルド・パルマ大学が発表した論文では、平均年齢23歳の若者であっても睡眠の質が悪いと9割近くで勃起不全が認められることが明らかにされています出典[9]。
「若いから大丈夫」と過信せず、しっかりとした睡眠をとることを心がけましょう。
7.性行為前に飲酒している
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7つ目は性行為前に飲酒していることです。
お酒に含まれるアルコールは、短期的にはペニスの感覚を鈍らせ、長期的にはテストステロンの分泌量を下げることで、中折れを招く原因となる可能性があります。
理由は、アルコールには脳や神経機能を麻痺させてしまう作用があるからです。ペニスの感度が鈍り興奮しづらくなったり、脳からの「勃起せよ」の司令が上手く伝わらなくなったりしてしまいます。
また、アルコールはテストステロンをつくる精巣にダメージを与えることでテストステロンを低下させてしまうのです。
2021年に中国の安徽医科大学が発表した総説では、アルコール摂取量とEDリスクにはJカーブの関係があり、適量以上の飲酒はEDのリスクを高めることが示されています出典[10]。具体的には、1週間のアルコール量が10ドリンク(1ドリンクはアルコール12gで計算)が分かれ目であり、1日平均だとアルコール20g以下になります。目安としては500mlのビールや日本酒1合(180ml)、ワイン2杯分(200ml)などです。
お酒が完全にダメというわけではありませんが中折れが気になる方は性行為の前の飲酒は避けるようにしましょう。
対策次第で中折れは改善できる
今回は20代男性が中折れしてしまう原因を7つ紹介しました。
性行為の際に勃起がしっかりと持続してることは男女とも満足度の高い性生活を送る上で重要です。
「中折れ」が起こると性行為が継続できなくなってしまい、性的満足度を低下させる要因となります。
中折れは中高年だけでなく、若い人であっても身体的・精神的にコンディションが悪ければ中折れが発生することは十分にあります。
ストレスや睡眠、飲食など日々の生活習慣が影響しますので、まずは自分の生活習慣を見直してみましょう。
出典
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