執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
目次
はじめに
ここ最近「テストステロン」という言葉をよく耳にするようになりましたね。コンビニにおいてあるビジネス雑誌から、インターネットやテレビ番組等ありとあらゆる媒体で特集されています。
テストステロンは筋肉質かつ体脂肪の少ない男らしい肉体、獣のような力強い性的能力、ストレスに負けない強靭なメンタリティ、さらには出世や高収入など、まるで男性の成功を象徴するようなホルモンとして取り上げられています。
そんなテストステロンが筋トレをすることで増やせるといった情報が最近では少しずつ広まってきており、ギラついた獣のような男を目指して運動を始める方は増えております。
数ある運動の中でも最も手軽に始められる自重タイプの筋トレとして思いつくのが「腕立て伏せ」ではないでしょうか?ただし腕立て伏せでテストステロンを増やす事は可能なのでしょうか?増えるのであれば、具体的に何パーセント増えるのでしょうか?さらには腕立て伏せは他の筋トレよりも効率的にテストステロンを増やせるトレーニングメニューなのでしょうか?
いやいや、そもそもテストステロンって積極的に増やして良いものなのでしょうか?テストステロンが増えるとハゲる、ニキビが出来る、攻撃的になるといったネガティブな噂を聞いた事がある方もいらっしゃるはず。
このように気になる事がたくさんありますよね。今回はテストステロンを増やして得られるメリットやデメリットを説明したうえで、腕立て伏せで具体的にテストステロンがどの程度増えるのか?そして腕立て伏せ以外にもジムに行かずに自宅で出来るテストステロン爆上げの方法をご紹介します。
男性の皆様の昼と夜のQoL向上にピッタリな内容になっておりますので、ぜひ参考にしてください。
テストステロンとは?増やすメリットとデメリットは?
そもそも皆様はテストステロンが一体何なのか?その正体をご存じでしょうか?
テストステロンとは男性ホルモンの一種であり、一言で言うならば男性と女性、そして少年と成人男性の違いを作り出す存在です。
テストステロンを理解するうえで、男性の皆様にとって最も分かりやすいのが思春期の変化でしょう。思春期になると男子は異性に興味を持ち(性への目覚め)、体は筋肉質になり、声は野太くなり、そして体毛も増え始めますね。実はこの変化は同時期にテストステロンの大量分泌が始まるためなのです。
では年齢を重ねれば重ねるほど、男性はより精力が強く、筋骨隆々になっていくのでしょうか?残念ながらそうではありません。実は男性は30歳前後から毎年1~2%程度テストステロン値が低下していく事が確認されています。
この加齢によるテストステロン値低下が中年太りや精力減退、男性更年期障害を招く原因となるのです。男性の幸せはテストステロン量に支配されているといっても過言ではありませんね。メディアがこぞって特集するのもうなずけます。
逆にいえばテストステロンを支配することが出来れば、男としての幸せや喜びを最大化する事も十分に可能。
ちなみにテストステロンが高いとハゲる、ニキビが増える、また攻撃的になるのでは?という噂もありますが、これは正確な理解ではありません。
例えばですが、抜け毛やニキビを増やす原因はテストステロンとは異なるジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる存在が影響しています。ジヒドロテストステロンとはテストステロンと同じく男性ホルモンの一種なのですが、別物。
テストステロンを原料に生成されるホルモンではありますが、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する存在である5αリダクターゼの活動量は残念ながら先天的に決まっています。これが抜け毛は遺伝がほとんどといわれる所以なのです。
またテストステロンと攻撃性の直接の関係性を示した学術的論文は存在していません。確かにテストステロンを注射などで人工的にかつ強制的に注入し、劇的の増加させる方法もありますが、運動や睡眠、食やサプリメント等を用いてナチュラルに増やすという事であれば副作用のリスクは確認されておりません。
何歳になっても若々しく雄々しい心と体を維持したいと考えているのであれば、ナチュラルな方法でのテストステロンブーストにデメリットはございません。数ある方法の中でも高確率でかつ無料でテストステロンを増やす事が出来る方法が自重トレーニングです。
続いては自重トレーニングの代表的存在である腕立て伏せによるテストステロンブースト効果について理解を深めていきましょう。
腕立て伏せでテストステロンはどのくらい増える?
それでは本題に入りましょう。実はかなりコアな研究テーマではありますが、腕立て伏せのテストステロン値への影響度を調べた臨床試験は存在します。
米国のルイジアナ大学ラファイエット校は2018年に腕立て伏せをベースとした複数の種目の実施とそれによるテストステロン値への影響を調査しています出典[1]。
この実験では18名の若く健康的な男性被験者にサスペンションプッシュアップと呼ばれる改変型の腕立て伏せ10回を6セット実施させ、その直後に被験者の唾液中のテストステロン値を計測を行いました。
まずは両足は地面につけて、両手をストラップで吊るし地面から手の位置が離れた比較的負荷の弱い腕立て伏せを行わせた直後にテストステロン値を計測した試験では、テストステロン量に大きな変化は見られない結果が確認されました。
次に手足両方を中に浮かせ、一般的な腕立て伏せよりも若干負荷がかかるクワッドサスペンションプッシュアップも同様に被験者に10回×6セット行わせてテストステロン値を計測しました。この試験でも残念ながら優位といえるほどのテストステロン値の変化は確認されませんでした。
腕立て伏せとテストステロン値の関係性を調査した試験は実は非常に数が少なく、残念ながらホルモンへの影響といった意味では、学術的根拠の乏しい筋トレの種目と言わざるを得ません。
学術的根拠が存在する自重トレーニングは存在する?
腕立て伏せをしてもテストステロンは増えるかどうか分からないのか・・・ならもう運動するのは止めようかな・・・
お待ちください!そう考えるのは時期尚早です。
腕立て伏せとテストステロン値の関係性を調査したデータが十分に存在していないだけであり、運動がテストステロン値の最適化にポジティブに作用することは周知の事実です。さらには2016年に筑波大学が発表した調査では、食生活によるカロリーコントロールよりも運動の方がテストステロン値向上に有効であるといった結果も確認されております。出典[2]
では一体どんなトレーニング種目にテストステロン値上昇効果が確認されているのでしょうか?実際にテストステロン上昇に効果的であるといったデータが確認されている自重トレーニングを紹介致します。
①HIITトレーニング
数ある自重トレーニングの中でも最もテストステロン値上昇に効率的として認知されている自重トレーニングがHIITでしょう。HIITとは”High Intensity Interval Training”の略語。日本語では「高強度インターバルトレーニング」と呼ばれています。
HIITは数分程度の短い時間で極めて強い負荷を掛ける事が可能な筋トレと有酸素運動を掛け合わせたようなトレーニングです。そして負荷が強い分、テストステロンへの影響も非常に強力です。
2021年に米国のノースカロライナ大学によって発表された研究では、平均年齢27歳の若く健康な男性被験者に90秒のHIITを14セット行わせ、テストステロン値を計測したところ、なんと開始前と比べて64%もテストステロン値が上昇する結果が確認されています出典[3]。
HIITは最近ではyoutube等でも無料で動画コンテンツが公開されております。運動習慣があまりない方の場合は、まずは「HIIT 初心者」などと検索して出てきた動画を参考に試し見てるのがおすすめです。
②ジョギング
短時間でハードな負荷をかける筋トレよりも一定時間自分のペースで無理なく動き続けたいといった持久系トレーニングが好みの方にはジョギングもおすすめです。実際に2017年に日本メンズヘルス医学会が発表した論文では、毎月120km程度のジョギングをしている男性ほどテストステロン値が高いといった結果が示されていました出典[4]。
ちなみに長時間動き続ける有酸素運動はエネルギー消費量も非常に大きい運動であり、エネルギー消費の代謝物として生成される眠気誘発物質であるアデノシンを増やすといった観点でも注目が集まっています。
睡眠時間の確保はテストステロンを増やすうえで非常に重要です。2015年に発表された研究では、被験者の睡眠時間を1週間の間5時間以下に制限し、テストステロン値を計測したところ、制限前と比較してテストステロン値が約15%も低下する事が確認されました出典[5]。最近寝つきが悪くて悩んでいるといった方にはジョギングはピッタリの自重型の運動です。
確実にテストステロンを増やせるのか?残念ながら明確な答えは存在しません。ただし、少なくとも腕立て伏せよりも臨床データが豊富な事に間違いはありあませんし、どんな運動でも継続することは体のコンディショニングにおいては良い事だらけです。
是非無理のない範囲で試してみてください。
筋トレや運動をするだけで本当に悩みは解決出来るの?
テストステロンは確かに男性の心と体を整える男にとっては最強のホルモンです。ただし、本当にテストステロンを増やすために筋トレをしていれば悩みは解決できるのでしょうか?残念ながらこれに対して100%YESと断言する事はできかねてしまします。これはあなたが現在抱えているお悩みの原因がどこにあるのか?によって対策は大きく異なるためです。
最適な対策の選定には必ず原因の特定という作業がセットになります。原因の特定が出来ていない状態のままネットに転がっている良いとされている対策や製品利用を始めても十分に改善効果を期待できない可能性は当然大いにございます。
効率的に対策をするためにも、信頼のおける男性ヘルスケア専門家に相談をすることをおすすめしております。
ちなみに弊社のLINEお客様相談窓口では、男性ヘルケアに詳しい薬剤師やトレーナー、サプリメントアドバイザーや睡眠指導士など各種資格を保有したスタッフが在籍しており、365日誰でも無料で相談して頂く事が可能です。
男性特有の周囲に相談しづらいお悩みをお持ちの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ナイトプロテイン所属の専門スタッフが1対1で直接応対させて頂きます。
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