トンカットアリの副作用に脱毛はある?論文を基に解説
2024年10月21日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

トンカットアリってどんなサプリメント?

トンカットアリはマレーシア熱帯雨林から採取できる植物です。植物自体をそのまま摂取することは困難であるため、粉末状に加工したもののうち、有効成分を一定以上含むことを保証する「規格化」されたものが、サプリメントとして広く普及しています。

たとえば米国フロリダ州サラソタにある HP Ingredients から販売されているのは「LJ100」というサプリメント。トンカットアリ抽出物のうち、22%のユーリペプチドと40%のグリコサポニン、ポリサッカライド20%を含むものがLJ100として規格化されています出典[1]

それぞれの成分の役割を確認しましょう。

【LJ100の有効成分と主な効果】

有効成分

主な効果

ユーリペプチド

・アロマターゼ阻害によりテストステロンを保護する出典[2]

・遊離テストステロンの放出率を高める出典[3]

グリコサポニン

抗酸化作用により精巣を保護する

ポリサッカライド

血糖値の上昇を抑えて活性酸素の発生を防ぐ

ユーリペプチドにはテストステロンを保護したり活性の高い遊離テストステロンを増やしたりする効果や、グリコサポニンやポリサッカライドには酸化ストレスを抑える効果が確認されています。

男性ホルモンのテストステロンを増やすことで、性欲や勃起力を高める、精子の質を改善する、男性の更年期症状を軽減する、といった効果が期待できるでしょう。

実際に320人の男性が200mgのLJ100を1ヶ月間摂取したところ、血中テストステロンが平均46.8%上昇したこと、男性更年期スコア(AMSスコア)が平均で約37.8%改善したことがわかっています出典[4]

加齢や肥満、強いストレスなどによるテストステロンの低下を防ぐためのサプリメントとして出典[3]、トンカットアリ抽出物を含むサプリメントは重宝するでしょう。

 

トンカットアリの副作用に脱毛はあるのか?知っておきたい3つのこと

サプリメントの使用において気になるのが副作用。とくに薄毛のリスクを減らすため、脱毛の副作用があるものはなるべく飲み続けたくないものですよね。トンカットアリには脱毛のリスクがあるとの噂もあり、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

しかし結論から申し上げると、トンカットアリには脱毛の副作用は確認されていません。トンカットアリを安心して飲めるよう、次の3つの情報を押さえておきましょう。

トンカットアリは健康食品のため重篤な副作用はない

まずトンカットアリは植物由来の成分を抽出した、いわゆる「健康食品」に該当します。西洋の薬剤とは異なるため、重篤な副作用を生じることはまずありません。

男性の更年期症状を改善するための方法として、医療機関ではテストステロン補充療法を受けられます。しかしテストステロン補充療法には肝機能障害、前立腺疾患、多血症のような副作用が確認されており出典[5]、多少のリスクが伴うようです。

トンカットアリのようなサプリメントを活用すれば、体への負担をより減らしつつテストステロンの減少を抑えられるでしょう。

ただしすべてのサプリメントが安全というわけではありません。日本では医薬品や劇薬に指定されているような以下の成分も、海外産のサプリメントには含まれる可能性があるため注意が必要です。

【サプリメントで注意すべき成分と副作用】

成分

確認されている副作用

トリビュラス(ハマビシ)

肝機能障害、腎機能障害、神経毒性出典[6]

アシュワガンダ

黄疸や高ビリルビン血症をはじめとする肝機能障害出典[7]

ヨヒンビン(ヨヒンベ)

胃腸障害、頻脈、けいれん発作、心臓発作出典[8]出典[9]

トンカットアリにはこのような重篤な副作用が確認されておらず、安全性の高い成分であることが知られています。

脱毛のリスクはもちろん、ほかの悪影響を抑えつつテストステロンを増やす手段として、トンカットアリは有効に活用できるでしょう。

 

薄毛の原因はジヒドロテストステロン

そもそも、なぜトンカットアリが脱毛リスクを高めるとの噂があるのでしょう?

おそらく「テストステロンの増えすぎにより薄毛になる」との誤った認識が広まっているためと考えられます。

しかし薄毛の原因はテストステロンそのものではなく、ジヒドロテストステロンと呼ばれる別の男性ホルモン。トンカットアリにジヒドロテストステロンを増やす作用は確認されていないため、薄毛に不安がある方でも安心して飲めるでしょう。

ジヒドロテストステロンはテストステロンから作られるホルモン。5-αリダクターゼと呼ばれる酵素がテストステロンに作用することで、ジヒドロテストステロンが生成されてしまうのです。

ジヒドロテストステロンは薄毛のほか、ニキビや前立腺肥大などのリスクを高めるホルモンとしても知られています。男性ホルモンの一部ではあるものの、男性としても積極的には増やしたくないホルモンですよね。

 

薄毛対策を兼ねたい場合にはテスノアがおすすめ

トンカットアリに脱毛の副作用は確認されていませんが、脱毛の作用がないことが研究により認められているものを使用したい場合には、同じくテストステロンを増やすサプリメントの「テスノア」がおすすめです。

テスノアはザクロとカカオの有効成分を含んだサプリメントで、副作用を生じない安全な素材であることが証明されています。ザクロ由来のプニカラギンを3.5%、カカオ由来のテオブロミンを0.5%含むものとして規格化されており、抗酸化作用や抗炎症作用、血管拡張作用に優れることで有名です。

酸化ストレスによるダメージを受けやすい精巣出典[10]を保護する効果や、ストレスホルモンであるコルチゾールを減らす効果出典[11]が期待できるでしょう。

実際に120名の36~55歳の男性がテスノアを8週間摂取したところ、それぞれ次のような結果が得られています。

【テスノア摂取による血清ホルモンやAMSスコアへの影響出典[12]

 

200mg/日

400mg/日

総テストステロン

21.39%増加

24.56%増加

遊離テストステロン

39.16%増加

48.28%増加

AMSスコア

12.77%改善

18.09%改善

遊離テストステロンをとくに大きく増やす効果や、更年期症状の生活への影響を改善する効果などが認められる一方で、DHTの有意な増加が起こらなかったことも同時に確認されています。

さらに21~35歳の若年男性が同様にテスノアを摂取した試験においても、DHTを増やさず遊離テストステロンを増やすという、理想的な結果が得られました出典[13]

脱毛の可能性を抑えつつ、テストステロンを効率的に増やす手段として、ぜひテスノアを試してみましょう。

 

まとめ

トンカットアリは植物由来のサプリメントであり安全性が高く、脱毛の副作用は認められていないため安心して使用できるでしょう。

より高い安全性と効果を両立させたい場合には、脱毛リスクを高めるDHTを増やさずに遊離テストステロンを大きく増やせるテスノアがおすすめです。

なお、精力増強にはトンカットアリの規格化サプリのLJ100をはじめ、さまざまなサプリメントが存在するため、自身にあったサプリ選びに悩む方も多いでしょう。

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