

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
テストステロンエナンセートとは?

男性ホルモンの代表格であるテストステロンは男性機能を維持したり、筋骨隆々とした体を作ったりするなど、男性が健康的な生活を送る上で必要不可欠なホルモンです。
テストステロンを高める方法の一つとして注目されているのがテストステロンエナンセートの摂取になります。
テストステロンエナンセートは、日本名でテストステロンエナント酸エステルと呼ばれる医薬品です。体内で加水分解されることでテストステロンを生成します。1~4週間ごとに臀部に注射することで、体内のテストステロン量を高めることができます。
テストステロンの量が高まるので、筋肥大・筋力向上、男性機能の向上などの様々な効果が期待できるのです。
テストステロンエナンセートに期待できる7つの効果
男性が健康的な生活を送る上で欠かせないホルモンの1つであるテストステロン。
医薬品であるテストステロンエナンセートを体内に投与することでテストステロンを高めることができます。
次にテストステロンエナンセートを投与することで期待できる7つの効果について解説します。
1.筋肥大・筋力向上

1つ目は筋肥大・筋力向上効果です。
1996年にアメリカのチャールズ R. ドリュー・ユニバーシティ・オブ・メディスン・アンド・サイエンスが行った研究では、週に1回の600mgのテストステロンエナンセートの摂取を10週間行うことで、テストステロン値が5倍以上になり、筋肥大・筋力が向上することが示されました。
具体的には、上腕三頭筋や大腿四頭筋の面積が10%程度増加し、スクワットやベンチプレス時の筋力も10〜20%高まることが明らかにされています出典[1]。
増加したテストステロンの作用により、筋肉細胞でのタンパク質合成の増加とタンパク質分解の抑制が起こることで、筋肉は肥大化するのです。
2.男性機能の向上
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2つ目は男性機能の向上です。
テストステロンは勃起や精子の質などの男性機能に関わるホルモンです。
そのため、テストステロンエナンセートを摂取することで男性機能が高まることが知られています。
2005年にアメリカのチャールズ R. ドリュー・ユニバーシティ・オブ・メディスン・アンド・サイエンスが行った研究によると、週に1回の300mgのテストステロンエナンセートの摂取を20週間行うことで勃起機能が2倍以上になることが示されています出典[2]。
勃起とって大事なのは血液量です。
テストステロンエナンセートによってテストステロンが高まると、血管拡張物質であるNO(一酸化窒素)が増えて血管が拡張されるので、その結果、ペニスに血液が流れ込むことで勃起力が高まります。
3.男児の発育のサポート

3つ目は男児の発育をサポートする効果です。
1995年にエジプトのアレクサンドリア大学が行った研究では、平均年齢14.3歳の体質性成長遅延および思春期遅滞を有する男児148人を対象に、毎月100mgのテストステロンエナンセートを6ヵ月間投与し、男児の発育への影響が調査されています出典[3]。
その結果、テストステロンエナンセートの投与により、血中のテストステロン濃度が増えるとともに、平均身長成長速度、身長標準偏差スコア、体重の増加が高まることが明らかにされました出典[3]。
先ほども紹介しましたが、テストステロンには筋肉・骨格形成や男性機能を高める効果があるので、テストステロンエナンセートの摂取によりテストステロンが高まることで発育がよくなるのです。
4.骨密度の向上

4つ目は骨密度の向上効果です。
2017年に金沢大学が行った研究では、骨粗鬆症の患者74人を対象に、50mgテストステロンエナンセートの注射を4週間ごとに12ヵ月間投与行ったところ、骨密度が5%も高まることが示されています出典[4]。
テストステロンには骨形成を促進する作用があるため、テストステロンエナンセートでテストステロンが高まることで骨密度が向上するのです。
5.気分の改善
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5つ目は気分の改善効果です。
1996年にアメリカのハーバーUCLAメディカル センターが行った研究で、200mgのテストステロンエナンセートを20日ごとに60日間投与したところ、イライラや悲しみ、疲労感などの感情が有意に減少し、活力や幸福感などの感情が有意に高まることが示されました出典[5]。
また、テストステロンの量と幸福感は正の相関関係があり、逆にイライラや疲労感は負の相関関係があったことから、テストステロンが高まることで気分が改善することが明らかとなっています出典[5]。
テストステロンは脳にも作用し、やる気・活力に関わるドーパミンや、幸福感やリラックス効果のあるセロトニンの分泌を高めてくれます。
6.認知機能の回復

6つ目は認知機能の回復効果です。
2001年にワシントン大学の研究グループは外因性のテストステロン投与が認知機能に与える影響を調査しました。論文では、50~80歳の25人の男性を対象に、テストステロンエナンセート100mgの筋肉内注射を実施したところ、6週間後に血中テストステロン濃度が約20%増えるとともに、空間記憶や言語記憶などの有意な認知の改善が示されています出典[6]。
増えたテストステロンが脳に作用することで、ドーパミンなどの神経伝達物質の分泌が高まることで認知機能が改善されます。
7.睡眠や夜間頻尿の改善

7つ目の効果は睡眠や夜間頻尿の改善です。
2015年に石川県立中央病院の研究グループは、夜尿症(1晩に2回以上)と性腺機能低下症と診断された64人の患者を対象に250mgのテストステロンエナンセートの筋肉内注射を4週間ごとに実施しました。その結果、6ヵ月後に夜尿症や睡眠の質が改善することが示されました出典[7]。
テストステロンは筋肉の形成に関わるホルモンです。
テストステロンが低下すると膀胱の筋肉が衰え、膀胱の機能が低下してしまうので頻尿になります。夜間頻尿の場合、睡眠が妨げられてしまうので睡眠の質の低下に繋がります。
テストステロンエナンセートの投与により、テストステロンが高まることで膀胱の筋肉がつくようになり、頻尿が改善することで睡眠の質が良くなると考えられます。
テストステロンエナンセートの副作用

ここまでテストステロンエナンセートを摂取することでのポジティブな効果を紹介してきました。
しかし、医薬品であるテストステロンエナンセートは、テストステロンを人工的に急上昇させるため作用が強力な分、副作用も強いです。
肝障害や持続勃起、精巣委縮、脱毛、ニキビ、女性化乳房などの副作用の恐れがあります出典[8]。
また、外部からテストステロンを取り入れることで、身体が「自分でテストステロンを分泌する必要がない」と勘違いして、テストステロンの自己分泌能力が低下してしまう可能性もあります。
医師の指導の下で使用するのは、体調やテストステロン値等を見ながら補充量を決定するので、大きな副作用が発生する可能性は低いです。
しかし、海外から個人輸入するなどして自分の判断で使うことは深刻な副作用をもたらす恐れがあるのでやめるようにしましょう。
まとめ
今回はテストステロンエナンセートの効果と副作用について紹介しました。
テストステロンを高めることは男性が健康的な生活を送る上で欠かせません。
医薬品であるテストステロンエナンセートは効率よくテストステロンを高めてくれるので、テストステロンの低下に悩む人にはオススメです。
ただし、間違えた使用は深刻な副作用の原因となるので、個人の独断では行わず、必ず医師の指導のもと試すようにしましょう。
出典
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