男女ともに満足度の高い性生活を送る上で、勃起力を高めるのは重要なことの1つです。

男性のペニスは勃起することで女性の膣内に挿入できるようになります。そのため、勃起力が低下してしまい、勃起が起こらなかったり、持続できなかったりすると挿入できなくなり性行為の失敗に繋がります。

勃起力を高める方法の1つとして注目されているのがペニスをマッサージする陰茎マッサージと呼ばれる方法です。

ペニスを揉むことで血流が改善され、ペニスに流れ込む血液量が増えることで勃起力が高まると考えられています。

また、ペニスに送りこまれる血液が増えることで、太さやハリが増し、ペニスサイズが増大するとも言われています。

陰茎マッサージにはペニスの血流を良くすることで勃起力を高める効果が期待されています。

勃起力を高めたい人にとってはもってこいの方法ですが、本当に効果があるのでしょうか？

論文から分かる陰茎マッサージの3つの真実について紹介します。

ペニスを揉むことが男性機能を高めるというデータはない

1つ目はペニスを揉むことで男性機能が高まるという明確な研究データはないことです。

残念ながら、ペニスを揉んだり押したりすることで男性機能が改善したり、増大したりする効果が確認された研究報告は現状ありません。

肩こりの時は凝り固まった筋肉をほぐすことで血流が改善されますが、ペニスは血管の集合体であり、筋肉はほとんど存在しないため、マッサージしても血流は改善されないと思われます。

100%効果がないとは言い切れませんが、科学的には証明されていないのが現実です。

電気マッサージや振動マッサージは一時的な効果はある

2つ目は電気マッサージや振動マッサージには勃起や射精などを一時的に引き起こす効果があることです。

電気や振動によってペニスを刺激することで、勃起や射精に繋がる可能性があります。

例えば、2004年に中国の中国人民解放軍空軍軍医大学が行った研究では、射精障害患者90名に対して電磁刺激と振動マッサージの治療を行ったところ、程度の差はあるものの100%の治療効果が得られたことが報告されています^出典[1]。

同様に2002年にデンマークのコペンハーゲン大学が発表した論文でも、ペニスへの振動マッサージと電気刺激により射精障害が治療できることが示されています^出典[2]。

しかし、どちらも医療的な器具が必要であり、個人で行うことは難しいです。

また、一時的に勃起や射精を引き起こすだけであり、勃起力の改善はできないので根本的な解決にはつながりません。

マッサージをするならペニスではなく前立腺の方がよい？

3つ目はマッサージをするならペニスではなく前立腺の方がよいかもしれないことです。

ペニスを揉むことで勃起力が良くなる研究報告はありませんが、前立腺であればマッサージすることで血流が改善されたという報告があります。

前立腺をマッサージを行うことで血流が良くなり、勃起時のペニスが大きくなることが示されているのです。

ただし、前立腺マッサージは泌尿器科の専門医が実施する治療であるので、素人が自己流で勝手に行うのはやめておきましょう。

今回は陰茎マッサージの効果について論文を基に紹介しました。

陰茎マッサージは勃起力を高める方法として注目されていますが、論文によって効果が確認されていない、科学的根拠のない方法です。

素人が手軽に行える方法ではないので、陰茎マッサージではなく、生活習慣を見直すなど他の方法で勃起力を高めることをオススメします。