DHAとEPAが勃起に効く?メリットと摂り方のコツを解説
2025年9月2日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

DHA・EPAと勃起力との関係は?

ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)は魚油に含まれるω‐3系脂肪酸です。健康へのメリットが複数確認されているDHAとEPAは、勃起力の向上にも役立つ可能性があるのです。

まずはDHAおよびEPAと勃起力との関係について、学術的観点から有力とされるものを説明します。

 

陰茎の血管内皮細胞を保護して血管をしなやかに

DHAやEPAのようなω‐3系脂肪酸には、抗酸化作用および抗炎症作用があることが確認されています。これらは血管をしなやかに保つように作用するため、勃起のサポートにも役立つと考えられているのです。

血管と血液の状態は、勃起において非常に重要。十分に勃起するためには、性的興奮による陰茎の血管が拡張すること、そしてそこへ血液が大量に流入する必要があります。サラサラの血液としなやかな血管が、スムーズな勃起のカギになるのです。

抗酸化作用では、血管を拡張させる物質、一酸化窒素(NO)の減少を抑えたり、生成を促したりする効果が期待できます。実際に血管内皮細胞を用いた実験では、細胞に処理をしたDHAやEPAの濃度が高いほどNOの生成量も増えたとのデータも得られているのです出典[1]

また、抗炎症作用も重要です。体内で起こる炎症は活性酸素を過剰に発生させるため出典[2]、酸化ストレスが増えて血管を傷付けたり、NOを酸化させて血管を十分に拡張できなくさせる可能性も抗炎症物質としても機能するDHAやEPAを十分に摂取できていれば、酸化ストレスを抑えられ、NOの酸化を防ぎやすくなるでしょう。

DHAやEPAを含むω‐3系脂肪酸を対象とした調査では、勃起不全(ED)の方ではω‐3系脂肪酸の摂取量が低く、ω‐3系脂肪酸の摂取量が多いほどEDの有病率が低下するという、逆相関の関係が認められています出典[3]

抗酸化作用および抗炎症作用を持つDHAとEPAによりNOを保護できれば、勃起において重要な血管のしなやかさも保ちやすくなりそうですね。

 

精巣を保護してテストステロンを増やす

DHAやEPAの抗酸化作用は、酸化ストレスに弱い精巣を保護するためにも役立ちます。

精巣ではテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが分泌されています。このテストステロンこそ、性的興奮と勃起とを連動させるように働く重要なホルモン出典[4]テストステロンが少ない状況では性的興奮があっても、十分に勃起することが難しくなるでしょう。

ED患者のうち、最大35%でテストステロンの減少が見られるとのデータもあります出典[5]。テストステロンが少ない状況では、EDのリスクも高まると考えられそうですね。

テストステロンの減少要因には加齢をはじめ出典[6]、さまざまなものがありますが、とくに精巣を傷付ける酸化ストレスの増加には注意が必要です。

活性酸素を無害化できる抗酸化物質の摂取により、精巣へのダメージを減らすことができれば、テストステロンの分泌能力を保ちやすくなるでしょう。

実際に肥満男性が魚油を12週間摂取したケースでは、テストステロン濃度の上昇が確認できています。またこの研究では血中のDHAやEPAの濃度と、テストステロン濃度との間に相関が見られており出典[7]、DHAやEPAの血中濃度を保つことが、テストステロンを守るために役立つとも考えられるでしょう。

 

生活習慣病のリスクを減らして血流改善

魚油の健康効果といえば、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの改善効果が有名かもしれませんね。実はこれらの生活習慣病で見られる血行不良は、NO不足とも関連があるとも言われているのです出典[8]

これらの病態ではEDのリスクも高まるため、DHAやEPAで生活習慣病を予防あるいは改善できれば、勃起力の向上に役立つとも考えられそうですね。

たとえば高血圧では、DHAとEPAを合わせて摂取した際の血圧降下が確認されています出典[9]

さらに糖尿病の原因となる空腹時高血糖やインスリン抵抗性が、ω‐3系脂肪酸の摂取により有意に低下したとの報告も出典[10]

また脂質異常症においては、1日2gを超えるDHAとEPAの摂取により、脂質異常症かつ肥満の方での、中性脂肪とコレステロールの減少が見られたことも分かっています。ω‐3系脂肪酸の摂取量が増えるほど中性脂肪とコレステロールが減りやすくなり、心血管疾患の予防に役立つとも言われているのです出典[11]

生活習慣病の進行で見られる心血管疾患も、EDのリスクを高める危険因子出典[12]DHAやEPAを含むω‐3系脂肪酸を十分に摂ることで血液や血管の状態を改善できれば、勃起のトラブルも防ぎやすくなりそうですね。

DHA・EPAのおすすめの摂り方とは?

DHAやEPAは、抗酸化作用や抗炎症作用、生活習慣病の予防や改善の効果により、テストステロンの状態や血流を改善し、勃起力を高める可能性があることが分かりました。DHAやEPAを今後、積極的に摂りたいと考え始めた方もいるのではないでしょうか。

そこでここからはDHAやEPAを摂る際のポイントについて、食材の選び方や調理法、サプリメントを活用する際の注意点などを中心に解説します。

 

脂の多い魚を選んで食べよう

DHAやEPAは魚から摂取できる栄養素であるため、通常の食事から摂りたい場合には魚の摂取量を増やす必要があります。牛丼やトンカツ定食よりも、海鮮丼や刺身定食の方が低カロリーでもあるため、勃起のリスクになる肥満を避けるためにも魚中心の料理はおすすめです出典[13]

より効率よくDHAやEPAを摂りたい場合には、より脂の乗った魚がおすすめ。こってりとしたサンマやブリと、淡泊な白身魚で知られるタラやスズキでは、これだけDHAやEPAの量が異なるのです。

【魚類100gあたりの栄養価(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より)出典[14]

 

カロリー(kcal)

脂質(g)

EPA(mg)

DHA(mg)

さんま(皮つき)

287

25.6

1500

2200

ぶり

222

17.6

940

1700

さば(まさば)

211

16.8

690

970

いわし(まいわし)

156

9.2

780

870

はまち

180

12.0

390

830

かつお(秋獲り)

150

6.2

400

970

しろさけ

124

4.1

240

460

すずき

113

4.2

300

400

かつお(春獲り)

108

0.5

39

120

まだら

72

0.2

24

42

EPAやDHAを目当てにする場合には、さんま、ブリ、サバ、イワシなどの魚がおすすめ。これらの赤身魚からはテストステロンの分泌に関係する亜鉛やビタミンDも摂取できます。どちらも不足によりテストステロンの減少が見られるため出典[15]出典[16]、深刻な不足の場合には勃起力にも影響する可能性も。

勃起のための栄養素を摂るための手段として、脂の乗った赤身魚をぜひ取り入れましょう。

 

焼き調理よりも刺身がおすすめ

EPAやDHAの豊富な魚をより効果的に摂るためには、ムニエルや焼き魚、フライのような加熱調理を避け、刺身やタタキのような料理がおすすめ

なぜなら抗酸化物質として機能するこれらの栄養素は熱に弱く、加熱により酸化されて量が減ってしまう可能性があるためです。

EPAやDHAを含むω‐3系脂肪酸が加熱によりどの程度減少するのかを調べた研究が、2016年に大阪ガス株式会社により行われています。調理試験により、加熱によりω‐3系脂肪酸が減少すること、またω‐3系脂肪酸の残存量も調理法により大きく異なることが分かったのです出典[17]

 

DHA

EPA

グリル焼き

84%

87%

フライパン調理

85%

77%

揚げ調理

58%

51%

揚げ調理では揚げ油にω‐3系脂肪酸が溶け出したことで、より多くの量が失われていると考察されています。またほかの加熱でも1~2割が失われていることから、より効率を求める場合には一切加熱しない刺身や、表面を軽く焙る程度のタタキが適切と言えるでしょう。

ブリやハマチ、秋のカツオやサーモンなど、刺身やタタキとして食べやすい魚がおすすめです。刺身定食はもちろん、海鮮丼やカルパッチョとしてもおいしく楽しめるでしょう。

 

サプリメントは1日2g摂れるものを継続摂取

魚料理を苦手としていたり、自炊の習慣がなかったりする場合には、魚の摂取頻度を増やすことは難しいかもしれません。そのような場合には魚油のサプリメントの摂取も役立つでしょう。

ただしごく少量のDHAやEPAでは期待する効果が得られない可能性があります。目的とする効果を得られる量が含まれているかを、事前に確認するとよいでしょう。

たとえばDHAやEPAの摂取では血圧が下がることが確認されていますが、摂取量として最も適切であったのは2~3g、平均として2.8g/日の範囲であったと報告されています出典[9]

また中性脂肪とコレステロールを減らす効果も、1日2gを超えるDHAとEPAの摂取により確認されていました出典[11]

このように、生活習慣病の予防や改善により血流を良好に保ちたい場合には、2g以上の摂取が目安となることが分かるでしょう。魚を摂る機会がほとんどない場合には、サプリメントからこの量を摂れるように意識したいものですね。

もちろん、サプリメントは量を増やせば増やすほどよい効果を得られるものではありません。商品に記載されている目安量は確実に守りましょう。またサプリメントを飲んですぐに効果が得られるものではなく、体質改善のためには数か月程度の継続摂取が重要であることも覚えておきましょう。

 

勃起を改善する最善策とは?

魚に含まれるDHAやEPAは、抗酸化作用と抗炎症作用に優れた栄養素です。血管や血液の状態を良好に保ったり、精巣を酸化ストレスから保護してテストステロンの分泌能力を守ったりして、勃起のトラブルを改善するために役立つでしょう。

食品から効率よく摂りたい場合には、ブリやイワシのような赤身魚からの摂取がおすすめです。サプリメントはDHAやEPAの含有量を確認のうえ、継続摂取を心がけましょう。

なお、勃起力の向上に役立つ栄養素や、勃起の悩みの解決に欠かせない食習慣のケアの方法はほかにも数多くあります。より自身に合った、より効果的な取り組みを知りたい場合には、ナイトプロテイン公式LINEでの相談を試してみませんか?

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