勃起には野菜が必須?勃起力を高める野菜7選
2025年9月16日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

野菜にはどんな効果が期待できる?

野菜が体にいい、とはよく言われることであり、主にメディアではダイエットや生活習慣病予防への効果が広く取り上げられていますね。しかし野菜を積極的に摂ることは、勃起をはじめとする性機能においても効果的である可能性があるのです。

まずは野菜を摂ることで勃起にどのような効果が期待できるのか、解説します。

 

抗酸化物質が精巣や血管を保護する

野菜から豊富に摂れる成分として、抗酸化ビタミンやポリフェノールなどがあります。これらは抗酸化物質として機能し、体内で発生した過剰な活性酸素の働きを抑えるように働くのです。

活性酸素は、私たちは呼吸や代謝などあらゆる生命活動において発生するものですが、生活リズムの乱れにより量が増え過ぎることも。過剰な活性酸素は酸化ストレスとして精巣や血管など、勃起に関わる組織を傷付ける可能性があるのです。

酸化ストレスの影響を受けやすい精巣は出典[1]性的興奮と勃起との連動をサポートするホルモン、テストステロンを分泌する組織です。酸化ストレスにより精巣が傷付きテストステロンが減れば、勃起も難しくなるでしょう。

また抗酸化物質は、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)の保護にも役立ちます。NOが酸化ストレスにより減少すれば血管を十分に拡張できず、勃起時の陰茎の大きさや硬さにも影響が出るでしょう。

実際に抗酸化物質と勃起機能との関係を調べた18件の研究を分析した論文では、抗酸化物質入りのサプリメントを摂取した場合、プラセボ(偽のサプリメント)を摂取した場合よりも、国際勃起機能指標(IIEFスコア:6~30点満点で勃起機能を主観的に評価し、点数が高いほど勃起機能が高いことを示す)が有意に高かったとのデータが得られています出典[2]

抗酸化物質の不足を野菜により防ぐことができれば、勃起のポテンシャルも高められそうですね。

 

勃起力の低下につながる肥満や生活習慣病を防止

野菜が肥満や生活習慣病防止に役立つことは広く知られています。低カロリーであることや、糖や脂質、ナトリウムの吸収を抑える食物繊維が豊富であることなどが、健康維持に役立つと考えられているのです出典[3]

BMI25~30kg/m²の肥満体型の男性では性機能に問題を生じるリスクが1.5倍、30kg/m²を超える肥満では3倍高くなるとも言われています出典[4]。中等度や重度のED発祥は、BMIが上がるほど高まるとのデータもあることから出典[5]勃起機能はBMIが高いほど落ちやすいと推測できますね。

また、食べすぎによる糖、脂肪、ナトリウムの摂りすぎは、それぞれ糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因になります。これら生活習慣病では血液がドロドロになったり、血管が硬くなったりしやすくなり、勃起において重要な血流が悪化。EDのリスクが高まることも分かっています出典[6]出典[7]

さらにこれらの生活習慣病により血流が大きく阻害されると、心血管疾患のリスクも上昇。なかでも冠動脈疾患の男性では、EDの有病率が90%を超えるとも言われています出典[8]。生活習慣病の予防は、勃起においても重要であることが分かりますね。

野菜を積極的に摂る生活では、摂取カロリーの増え過ぎ防止や、食物繊維による糖や脂質、ナトリウムの摂りすぎ防止などの効果が期待できます。ぜひ野菜の摂取量を増やして、健康維持とともに勃起機能の改善をはかりましょう。

 

勃起力を高めるために役立つ野菜7選

このように、野菜を積極的に摂ることは勃起力の向上にプラスの影響があることが分かりました。基本的には偏りなくさまざまな野菜を摂るべきですが、なかでも血流改善や抗酸化作用などの効果が高いものを選ぶことで、勃起力へのさらなるよい効果が期待できるかもしれません。

ここからは、そんな勃起力向上のポテンシャルを秘めた野菜を7種類厳選して紹介します。食生活の改善を考えている方は、ぜひ次に紹介する野菜を中心に、摂取量を増やしてみましょう。

 

トマト

まず紹介したいのはトマト。緑黄色野菜であるトマトには、βカロテンと呼ばれるカロテノイドが多数含まれています。抗酸化物質として機能するため、酸化ストレスによる精巣や血管へのダメージを防ぐ効果が期待できそうですね。

βカロテンはニンジンをはじめ、ほかの緑黄色野菜にも多く含まれていますが、トマトからはさらにリコピンと呼ばれるカロテノイドを同時に摂れる点も優秀です。

EDでない男性はEDの男性よりもリコピンの摂取量が多いとのデータが存在します出典[9]トマトのリコピンを摂ることは、EDのリスクを下げるために役立つと考えられそうですね。

トマトの成分を効率よく摂るためには、食塩や砂糖を加えていない無添加のトマトジュースがおすすめです。リコピンやβカロテンをより手軽に、より効率よく摂取できるでしょう。

トマトジュースを継続摂取した例では、LDLコレステロールが減少したり出典[10]、動脈硬化の原因となる過酸化脂質の形成が抑制されたりといった効果が確認できています出典[11]

リコピンの吸収効率は朝起きてすぐや空腹時のタイミングで高まると言われているため出典[12]、ぜひ朝にトマトジュースを取り入れてみましょう。

トマトそのものを食べる場合には、アボカドやオリーブオイルのような高脂質食品を少量加えることで、リコピンやβカロテンの吸収効率を高められます出典[13]。カプレーゼやアボカドサラダなどであれば手軽に作れるため、自炊が苦手な方でも用意しやすいでしょう。

 

玉ねぎ

玉ねぎに豊富な抗酸化物質はケルセチン。ブロッコリーやほうれん草、紅茶や赤ワインにも含まれていますが、タマネギの含有量および吸収量は群を抜いています出典[14]

そんなケルセチンには臨床研究において、性腺機能低下症の発症を遅らせる効果が期待できると述べられているのです出典[15]

性腺機能低下症とは、加齢による男性のテストステロンの減少を原因とする不調全般を指す病態であり、性欲減退やEDも含まれます。ケルセチンには勃起力の低下をはじめ、加齢にともなうさまざまな不調を防ぐ効果が期待できそうですね。

また、ケルセチンは抗酸化作用に加え、抗炎症作用にも優れています出典[16]炎症は活性酸素を増やす引き金になるため出典[17]、運動やストレス、糖尿病などによる炎症をケルセチンにより抑えることができれば、活性酸素による酸化ストレスが減り、精巣や血管へのダメージを抑えられるでしょう。

さらにケルセチンには、LDLコレステロールをはじめとする血中脂質のバランスを改善する効果も確認されています出典[18]。玉ねぎにより血液をサラサラにすることができれば、より勃起もスムーズになるでしょう。

ケルセチンは脂溶性のため、脂を用いた料理と相性がよいと考えられます。炒め物や洋風のスープなどに玉ねぎを入れると、ケルセチンの吸収効率を高められそうですね。

 

ブロッコリー

次に紹介するのはブロッコリー。玉ねぎほどではありませんがケルセチンの摂取源としても活躍します。βカロテンやビタミンCのような抗酸化物質が豊富なことでも知られていますね。

ブロッコリーに特徴的な成分として、今回はスルフォラファンと呼ばれる成分に注目しましょう。

スルフォラファンはブロッコリーを切ったり砕いたりすることで、ミロシナーゼと呼ばれる酵素との反応により生成される成分。体内の抗酸化酵素を活性化させる働きが確認されているため出典[19]、精巣や血管へのダメージを抑える効果が期待できそうですね。

マウスを用いた動物実験では、高脂肪食による肥満でテストステロンが減るところ、スルフォラファンの摂取により減少量を抑えられたと報告されています出典[20]

さらにスルフォラファンを用いた細胞実験では、脂質の過酸化を防ぐ効果や、過剰なコレステロールによる炎症およびインスリン分泌障害を防ぐ効果が確認できています出典[21]

スルフォラファンには、血中脂質や血糖値のバランスを整えたり、炎症を抑えて酸化ストレスを減らす効果が期待できそうですね。

スルフォラファンをより効率よく摂りたい場合には、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトの摂取がおすすめ出典[19]。加熱不要でサラダにそのまま加えられるため、熱に弱いビタミンCの摂取源としても優れています。

少量の野菜から抗酸化物質をたっぷり摂りたい方は、ぜひブロッコリースプラウトを試してみましょう。

 

オクラ

オクラといえばあのネバネバ。粘性の高い食物繊維で構成されているためか、オクラの食物繊維量は100g中5gと、野菜の中でも多めです出典[22]

粘性のある食品は、食後の血糖値の上昇を抑える効果がとくに高いことで知られています出典[23]

実際に糖尿病疑い、およびⅡ型糖尿病患者を対象とした8件の研究を分析したところ、オクラの摂取により空腹時血糖値が有意に低下したとのデータが得られました出典[24]

またオクラに豊富な食物繊維は、食物中の脂質の吸収を抑えるようにも作用します。同じく糖尿病疑いまたはⅡ型糖尿病患者を対象とした9件の研究による分析では、オクラの摂取でLDLコレステロールが有意に減少したことが分かっているのです出典[25]

ネバネバ食品であるオクラを摂ることで、血糖値の上昇を防いだり、血中脂質のバランスを整えたりする効果が期待できるようです。血液をサラサラにできることはもちろん、生活習慣病の予防による血管の保護効果も期待できそうですね。

オクラは生でも食べられる野菜ですが、野菜特有のにおいが気になる場合には茹で調理がおすすめです。輪切りにしたものをぽん酢であっさりと和えるだけで、簡単に副菜が一品出来上がります。食物繊維不足が気になる方はぜひ取り入れてみましょう。

 

ほうれん草

ほうれん草からは、勃起に関わる栄養素を複数摂取できます。

  • 抗酸化ビタミン:抗酸化作用により精巣や血管へのダメージを抑える
  • 亜鉛:テストステロンの分泌を促すホルモンの合成をサポートする出典[26]
  • マグネシウム:活性の高い遊離テストステロンの割合を増やす出典[26]
  • NO3:体内でNOに還元され血管拡張を促す出典[27]

抗酸化ビタミンであるビタミンCやEが不足すると精巣で酸化ストレスが増し、テストステロンの分泌に支障が出ることも出典[28]ほうれん草を摂る習慣をつけてこれらの不足を防止できれば、テストステロンの量も維持しやすくなるでしょう。

亜鉛やマグネシウムはテストステロンの分泌や活性に関係の深いホルモンです。とくにマグネシウムは日本の食事において不足しやすいため、ほうれん草や魚介類など、含有量の多い食品から積極的に摂りたいものですね。

またほうれん草は、血管拡張物質であるNOに変換できる物質、NO3を豊富に摂れる点でも優秀です。

ほうれん草よりもさらにNO3が多い赤ほうれん草から抽出したNO3を男性が摂取した実験では、安静時の呼気NO濃度の上昇と、血圧の低下が確認できました。実際にNO3の摂取量を増やすことで、体内のNOが増加し、血管も拡張しやすくなったことが読み取れますね出典[29]

一般的なほうれん草は尿路結石の原因となるシュウ酸を豊富に含むため、生食は避けるべきです。食べる際にはたっぷりのお湯で茹でてシュウ酸を減らしましょう

 

セロリ

セロリもほうれん草と同様に、勃起に関わる複数の栄養素を摂取できる優秀な食材です。

  • 抗酸化ビタミン:抗酸化作用により精巣や血管へのダメージを抑える
  • NO3:体内でNOに還元され血管拡張を促す
  • アビゲニン:アロマターゼ阻害活性の高いフラボノイド出典[30]

セロリに多いフラボノイドのアビゲニンは、アロマターゼを阻害するように働くことで知られています。

アロマターゼとは、体内のテストステロンを、女性ホルモンのエストラジオールへと変換する働きを持った酵素のこと。臨床現場では乳がんのような、女性ホルモンの異常な増殖がリスク因子となる疾患において、アロマターゼ阻害効果が予防に役立つのではと注目されてきました出典[31]

男性においてはテストステロンの減少理由につながるアロマターゼを阻害することで、テストステロンを維持しやすくなるのでは、とも考えられています。

アロマターゼは肥満で増える可能性が指摘されている酵素。実際にテストステロンの減少が見られる性腺機能低下症の肥満男性にアロマターゼ阻害剤療法をおこなったところ、エストラジオールの減少とテストステロンの増加が確認されているのです出典[32]

セロリは生で食べられる野菜であるため、調理不要でサラダや野菜スティックにして食べられます。手軽に取り入れやすいため、ぜひ毎日の野菜の選択肢に加えてみましょう。

 

にんにく

最後に紹介するのはにんにく。S-アリルシステイン(SAC)による強力な抗酸化作用が、勃起力を高めると期待されているのです。

ヒトの臨床試験では、EDの治療薬のひとつ、タダラフィルの効きが悪い方がにんにくを併用することで、勃起機能を見るIIEFスコアに有意な改善が見られています出典[33]。動物実験でもEDの改善が確認できており出典[34]勃起力への作用は大きいと考えられるでしょう。

SACはヒトの性腺機能低下症の治療に役立つ可能性も指摘されている優秀な物質であり、マウスへの投与ではテストステロンを増やす効果も確認できています出典[35]。勃起をはじめ、性機能全般へのよい効果も期待できそうですね。

実はSACは、生のにんにくよりも熟成にんにくに多い成分。生のにんにくには硫化アリルのアリインが豊富であり、すり潰したり砕いたりすると、においと辛みのあるアリシンになります。しかし砕かずにそのまま熟成させることで、アリインがSACに変化、より効率的に抗酸化物質を摂ることができるでしょう。

熟成にんにくには甘みがありにおいも少ないため、食べやすい点も大きなメリットですね。

もちろんアリシンも抗酸化物質として機能するほか、動脈硬化や高血圧の予防効果が認められている優秀な成分です。熟成にんにくでなければ意味がないということではないため、自身の食事に馴染みやすい形で取り入れてみましょう。

勃起力を改善する最善策とは?

勃起力を高めるためには食生活のケアが重要。野菜を積極的に摂ることで肥満の解消や抗酸化物質の積極的な摂取など、勃起におけるあらゆるプラスの効果が期待できます

とくに本記事で紹介した野菜には、テストステロンの増加や血流の改善といった、勃起に特化した効果が期待できる点が特徴的です。何を食べればよいか迷った場合には、ぜひこれらの野菜を中心に食卓へ取り入れましょう。

もちろん、勃起力を高めるために役立つ栄養素や食品はほかにも多数あります。自身の栄養状態や体調により、効果が出やすい食品も、ケアの方法も異なるでしょう。

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勃起に関わるテストステロンも血流も、加齢とともに状態が悪くなりやすいものです。何の行動も起こさないままでは勃起力は下がるばかり。ぜひ今日からの取り組みで、若々しい勃起力を取り戻しましょう

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