朝立ちはなぜ起きる?朝立ちの仕組みと頻度を増やす方法を解説
2025年10月13日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

朝立ちはどのようにして起こる?

男性には馴染み深い朝立ち。性的な夢を見ると起こると言われることもありますが、朝立ちは実は性的興奮や心理状態とは異なる理由で生じている、との考えが有力。

朝立ちを起こしているのは、睡眠中のホルモンバランスの変動とされています。朝立ちは学術的には「夜間勃起現象(NPT)」と呼ばれ、睡眠中の勃起として広く知られています。朝立ちよりも夜立ちと考えた方が分かりやすいかもしれませんね。

私たちの睡眠では、交感神経の働きが活発になるレム睡眠と、交感神経が鎮まり副交感神経が活発になるノンレム睡眠とを繰り返しています。1回の睡眠サイクルは約80分。NPTの約8割は、睡眠サイクルのうち睡眠がとくに浅くなるレム睡眠のタイミングで発生し、1回あたり約20分続くとされています出典[1]

睡眠中に体内のホルモンバランスの変化により起こる勃起が、目覚めたタイミングで収まっていないことから、私たちの目には目覚めとともに勃起したように見えているのです。

朝立ちが起こるのは1回の睡眠サイクルにつき約20分程度の、睡眠が浅くなるタイミングです。そのため目覚ましのアラームを用いて、睡眠が深いタイミングで強引に目覚めている場合には朝立ちの自覚が難しくなります。自身が朝立ちしているかどうかを確認するためには、目覚ましのない状態で自然に目覚めたときの体をチェックする必要がありそうですね。

朝立ちにはどのような意義がある?

朝立ちが見られると、男としてのポテンシャルが高いように感じ、自信につながるという方もいるようです。もちろんそうした心理的側面でのメリットもありますが、朝立ちには男性機能を見るうえでのより重要な意義があるのです。

ここからは朝立ちの意義と、朝立ちの有無により分かる男性機能の問題について解説します。

 

男性機能のコンディションを反映する

朝立ちも勃起の一種であるため、朝立ちが十分に起きている場合には勃起機能が良好であると考えられます。

朝立ちを促しているのは男性ホルモンのテストステロン。性機能面のほか、身体や精神への作用も確認されている、男にとってはとても重要なホルモンです。勃起の指令を出すことでも知られていますね。

睡眠中はテストステロンの分泌が増えるタイミングであり出典[2]、朝立ちの時にはとくに顕著になります。朝立ちが起こるときのテストステロンは、日中や睡眠前の1.5倍にまで上昇するとのデータもあるほどです出典[3]

しかしテストステロンは加齢出典[4]あるいは不規則な生活習慣により減少するホルモンです。テストステロンの分泌能力が落ちると朝立ちも起こりにくくなるでしょう。

また勃起には血流も重要です。血管の拡張能力が十分にあるか、血液がサラサラであるか、なども勃起のしやすさを左右します。

血流もまた、暴飲暴食や夜更かし、喫煙、運動不足など、不規則な生活習慣により悪化しやすい性質があります。テストステロンの量に問題がなくとも、血流が悪いと朝立ちも起こりにくくなるでしょう。

目覚ましを使わず自然に起きているにもかかわらず朝立ちが見られない場合には、テストステロンや血流など、勃起に関わる要素に課題があると考えられそうですね。

 

勃起不全(ED)の原因特定に重要

勃起不全(ED)に悩んでいる方にとって、朝立ち、つまりNPTが起こるかどうかのチェックは非常に重要です。

EDの原因はさまざまで、男性機能の低下により勃起できない場合もあれば、性行為時の緊張や不安から十分に興奮できなかったり、普段の自慰行為に問題があり性行為の刺激での反応が難しくなったりするケースもあります出典[5]

もし目覚まし時計なしでぐっすり眠り、睡眠が浅くなった状態で自然に目覚めたときにも朝立ちがほとんど見られない場合には、男性機能自体が低下していると考えられます。テストステロンの減少や、血流の悪化を疑った方がよいでしょう。

一方、朝立ち自体は問題なく起こるにもかかわらず、性行為では十分に勃起できなかったりすぐ萎えてしまったりする場合には、性行為のときの心理状態に課題がある可能性があります。

あるいは普段の自慰のときの刺激が、性行為で得られる刺激とかけ離れたものである場合にも、性行為で十分に興奮できなくなり、勃起の悩みを生じることもあるでしょう。

3000人以上の男性を調査したところ、EDを訴える男性で40歳未満の方は14.1%と少数ではありますが、若年男性のED有病率は年々増加傾向にあるようです。とくに朝立ちが見られないタイプの、男性機能自体が低下しているEDである場合には、心血管疾患のリスクが高いとみなされることも出典[5]

EDの原因が男性機能にあるのか心理面にあるのかを特定し、いち早く解決するためにも、朝立ちのチェックは重要であることが分かりますね。

朝立ちを起こしやすくする方法5選

朝立ちは男性の自信にも関わる要素。なるべく朝立ちを起こしたい、朝立ちしやすい体でいたいと考える方もいるかもしれませんね。

そこでここからは朝立ちを起こしやすくするために役立つ方法について5つ紹介します。今日から取り組めそうなことがあれば、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。

 

目覚まし時計を使わずに約7時間眠る

朝立ちを促すための睡眠として、まず次の2点を意識しましょう。

  • 目覚まし時計を使わず自然に目覚める
  • 1日7時間以上眠る

まず朝立ちを確認するためには、朝立ちが起きているタイミングで目覚める必要があります。

目覚ましのアラームを決まった時間に設定している方では、深い睡眠のときに強引に目覚めている可能性も。目覚めとNPTのタイミングを合わせるためには目覚ましに頼らず、自然な形で目覚める必要がありそうです。

自然な睡眠のためには、何よりも夜更かしを避けて早めに眠り、十分な睡眠時間を確保しましょう。万が一多めに眠ってしまってもいいよう、朝のスケジュールに余裕を持たせることも重要ですね。

十分に眠ることはテストステロンにも血流にも重要です。若い男性が5時間睡眠を1週間続けただけで、血中テストステロンが10~15%減少したというデータ出典[6]短時間睡眠の習慣化では高血圧リスクが増加するとの分析結果も存在します出典[7]

必要な睡眠時間には個人差がありますが、勃起のコンディションを保つためには7時間を目安にしましょう。7時間未満の睡眠では肥満や生活習慣病などのリスクが高まります出典[8]。これらはEDのリスクを高める危険因子であるため、朝立ちを起こしやすくするためにはなるべく避けたいものです。

日頃から十分な睡眠を取って体調管理に努めることで、テストステロンや血流への悪影響を防ぐことが重要ですね。

 

禁煙する

朝立ちを起こすためには血流の改善が必要。血流を阻害する悪習慣として知られるタバコを今すぐ捨てるくらいの思い切りで、禁煙に挑戦することをおすすめします。

タバコは百害あって一利なしとよく言われますが、男性機能においては、煙に含まれる有害物質が活性酸素を大量に発生させる点が問題となります出典[9]。過剰な活性酸素は酸化ストレスとなり血管へのダメージに。血管が硬くなると血流が滞り、朝立ちも起こりにくくなるでしょう。

喫煙習慣は、血管拡張作用のあるNOの生成量を減らすことでも知られています出典[10]NO不足により血流が悪化すれば、ますます勃起しづらくなるでしょう。

喫煙とEDの関係は明らかで、喫煙によりEDの可能性が約2倍になることや出典[11]1日の喫煙本数が増えるほど、喫煙歴が長いほど、EDも重症化しやすくなることが分かっています出典[12]

タバコの害をなくすためには禁煙が一番。たった24時間の禁煙でも、NPTの際の陰茎がより硬くなり、勃起状態が有意に改善されたとのデータもあります出典[13]。禁煙による朝立ちへの効果がいかに大きいかが分かりますね。

自力での禁煙が難しい場合には、禁煙外来や禁煙薬などの力を借りるのもよい方法です。ぜひ禁煙を成功させて、朝立ちに必要な良好な血流を取り戻しましょう。

 

食べ過ぎ防止でメタボを改善

肥満や生活習慣病はEDのリスクを大きく高めます。夜更かしや運動不足なども肥満や生活習慣病の原因となりますが、やはり予防のためには食べ過ぎを防ぐことが最も重要でしょう。

肥満、および糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病におけるEDのリスクを示したデータをまとめました。

  • BMI35~40kg/m²超の重度の肥満では、痩せ型の男性よりもテストステロンが50%以上低い出典[14]
  • ED男性の約79%がBMI25kg/m²以上の肥満体型出典[15]
  • 肥満男性は一般男性よりも性機能障害のリスクが3倍高い出典[15]
  • 糖尿病男性のEDの有病率は、糖尿病でない男性の約3.5倍出典[16]
  • 総コレステロールが240mg/dL以上の男性のEDリスクは、180mg/dL未満の男性の1.83倍出典[17]
  • 高血圧の男性グループではEDの有病率61.79%に対し、正常血圧の男性グループでは20.28%出典[18]

肥満男性の減量により勃起機能が改善することは複数の研究で確認されています出典[19]出典[20]。血糖値や血中脂質、血圧の悪化は、増えすぎた内臓脂肪の影響で起こることが多いため、血管や血液の状態を良好に保つためにも減量は重要ですね。

食事においては腹八分目を心掛けるとともに、夜食や間食など、余分なカロリー摂取の機会を減らせるよう心掛けましょう。

 

こまめに立ち上がって歩く習慣を

肥満の防止には身体活動も重要。運動で減量効率を上げられれば、朝立ちも起こりやすくなるでしょう。

中年期に身体活動を始めた男性グループでは、身体活動が少ないままの男性グループと比較してEDの発生率が70%低下したとのデータもあるほどです出典[21]。体を動かすことは勃起力の向上に多いに役立つと言えそうですね。

身体活動といっても、マラソンや水泳のような本格的な取り組みをしなければならないわけではありません。実際、身体活動とEDの関連について調べた論文では、歩行習慣がある方ほどEDの有病率が低下するという関係が認められましたが、運動習慣にはEDへのよい効果が歩行ほど確認できませんでした出典[22]

エネルギーの消費効率が高いはずの運動習慣より、歩く習慣の方がEDのリスクを減らすために役立つ可能性があるというのは驚きですね。

何より避けたいのは座りっぱなしの生活。テレビ視聴やコンピュータ操作などのために座りっぱなしでいる生活ではテストステロンが減りやすいことが分かっているため注意が必要ですね出典[23]

歩数とテストステロンの関係を調べた論文では、1日の歩数が1000歩増えるごとに、テストステロンが7ng/dL増えたとの統計も得られています出典[24]。1000歩は成人の歩行では約10分で達成できる量。まずは椅子から立ち上がり、1日10分歩く時間を作るところから始めてみませんか。

 

お酒はビールロング缶1本まで

朝立ちしやすい体を作るためには、大量飲酒を避けることも重要です。大量飲酒による体への害は多数報告されており、男性機能の低下もそのうちのひとつ。

アルコール使用障害の患者203名のうち、EDの有病率はなんと68.5%にも及ぶとのデータが存在します出典[25]。大量飲酒による影響がいかに大きいかが分かりますね。

アルコール摂取量とEDリスクについては「J字型」の関係があると言われています出典[26]出典[27]これは少量であれば飲酒は血行促進の効果によりEDのリスクを下げるように働くものの、飲酒量が増えるとリスクが上がり、勃起にさまざまな悪影響をもたらすということ。

実際、大量飲酒では抗酸化能力の低下やテストステロンの分泌能力の低下によりテストステロンが減ったり出典[28]出典[29]、高血圧のリスクが高まり血流が悪化したりします出典[30]

朝立ちのために禁酒がマストというわけではありませんが、飲みすぎないよう量に制限をかけることは重要です。1日純アルコール換算で20g未満であれは性ホルモンへの影響は出にくいとされているため出典[29]、適量の目安にするとよいでしょう。

アルコール度数40%のウイスキーであればダブル1杯60ml、アルコール度数5%のビールであればロング缶1本500mlまでが1日の上限です。

男性機能を改善する最善策は?

朝立ちは夜の睡眠が浅い時間帯に起きる勃起のことであり、睡眠サイクルに即した自然な目覚めのときに見られます。朝立ちがない場合にはテストステロンや血流など、勃起に関わる要素に課題がある可能性も

十分な睡眠、肥満や運動不足の解消、飲酒量の調整、禁煙など、勃起力を高めるためにできるケアはさまざま。ぜひ本記事で自身の課題を見つけ、できることから取り組みを始めましょう。

自身の課題がどこにあるか分からない方や、どれから優先して取り組めばよいか悩んでいる方には、ナイトプロテイン公式LINEへの相談がおすすめです。

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テストステロンが加齢により減少するホルモンである以上、放っておくと勃起力は年々落ちていきます。朝立ちしやすい体質づくりにはいち早い取り組みが重要。ぜひナイトプロテイン公式LINEで相談のうえ、周囲よりも一足早く勃起のコンディションを整えましょう。

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