監修者
上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー
関川裕大
睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。
執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
ビタミンDの役割は?体の中でどうなる?

まずは基本の復習から。ビタミンDが体内でどのように働き、なぜ重要なのかを整理しましょう。
ビタミンDは、食事からの摂取に加え、日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも作られる珍しい栄養素です。しかし、そのままでは働きません。
体に入ると、肝臓と腎臓で代謝を受けて「活性型」へと変換されて初めて効果を発揮します出典[1]。
その最大の役割は、腸からのカルシウム吸収を助け、頑丈な骨を作ること。
さらに近年の研究では、免疫機能の調整や細胞の成長、体内の炎症を抑える働きなど、骨以外の健康維持にも深く関わっていることが分かってきました出典[2]。
まさに、全身のコンディションを整える司令塔のような存在なのです。
朝と夜どっち?摂取する時間帯による効果の差は?
「朝に飲むのが良いのか、それとも夜が良いのか」。
サプリメントを利用する際によくある疑問ですが、現時点での主要な研究やガイドラインにおいて、朝・昼・夕という「時間帯」そのものがビタミンDの吸収や効果に明確な差をもたらすという報告はなされていません。
私たちの体にとって重要なのは、時計の針がどこにあるかではなく、胃の中に何があるかです。
ビタミンDの吸収率を左右する最大の要因は、摂取する時間ではなく、同時に摂取する食事に含まれる「脂質の有無」にあるのです。
最も脂質を含む食事のタイミングで摂る

ビタミンDは「脂溶性」という性質を持っており、腸管内に脂肪分が存在することで吸収が促進されます。
したがって、1日の中で最も脂質の多い食事の直後、または食事中に摂取するのが最も効率的です。
一般的には夕食が該当することが多いですが、ライフスタイルに合わせて調整してください。
逆に、空腹時や脂肪分のない食事(例:ブラックコーヒーとトーストのみ)の時に摂取しても、吸収率は低下する可能性が高いため注意が必要です出典[1]。
飲み忘れを防げる時間帯を選ぶ

効果を実感するためには、継続が何より大切です。
ビタミンDは、間欠的に大量摂取(ボラス投与)するよりも、毎日摂取する方が生理学的に適切であり、安定した血中濃度を維持できることが示唆されています出典[3]。
特定の時間帯による微細な効果の差を気にするよりも、「毎日欠かさず飲むこと」の方が重要です。
ご自身の生活リズムの中で最も習慣化しやすく、飲み忘れにくいタイミング(例:毎朝食後、毎夕食後など)を固定して摂取することを推奨します出典[4]。
毎日コツコツ摂取する(血中濃度の安定)

「面倒だから月に1回まとめて大量に飲む」という方法はおすすめできません。
研究によると、感染症予防などの効果を得るには、毎日(あるいは週1回)コツコツ摂取して血中濃度を安定させる方が有利であると示されています出典[4]。
逆に、月1回などの頻度で超高用量(6万〜10万IUなど)を一度に摂取する方法(ボーラス投与)は、特に高齢者において転倒のリスクを高める可能性が指摘されています。
副作用を避け、恩恵を最大限に受けるためにも、毎日の習慣にすることが大切です出典[5]。
骨折予防ならカルシウムと併用する

特に高齢の方や食が細くなっている方が、将来の骨折リスクを減らしたいと考えるなら、ビタミンD単体では不十分かもしれません。
多くの研究データを統合した解析(メタ解析)では、ビタミンDとカルシウムをセットで摂取することで股関節骨折のリスクが有意に下がったという報告があります出典[6]。
一方で、ビタミンD単独では明確な予防効果が見られなかったというケースもあります。
骨の強度を高めるには、その材料となるカルシウムとの「合わせ技」がカギとなります出典[7]。
適切なビタミンDの摂取量は?
では、具体的にどれくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか。
最新のガイドラインを基に解説します。
一般成人の目安(600〜800 IU/日)

健康な成人の場合、米国の公的な推奨量(RDA)は、1〜70歳で1日600 IU(15mcg)、71歳以上で800 IU(20mcg)とされています出典[1]。
さらに、2024年に発表された米国内分泌学会の最新ガイドラインでは、75歳未満の健康な成人に対して、推奨量を超える高用量の摂取は推奨されていません。
健康維持が目的であれば、むやみに大量摂取する必要はなく、また特別な事情がない限り、血中濃度を測るスクリーニング検査も不要とされています出典[8]。
サプリメント摂取が推奨される特定グループ

一方で、食事や日光浴だけでは必要量を満たすのが難しい特定のグループも存在します。
最新の知見では、75歳以上の高齢者(死亡リスク低減)、妊婦(妊娠高血圧腎症のリスク低減)、糖尿病予備軍の方(2型糖尿病への進行抑制)、そして18歳以下の小児(くる病予防)に対しては、サプリメント等による積極的な摂取(経験的ビタミンD摂取)が提案されています。
これらに該当する方は、主治医と相談の上、サプリメントの活用を検討する価値があります出典[9]出典[10]。
安全な上限量と過剰摂取のリスク

体に良いものでも、摂りすぎは毒になります。
成人が健康被害なく摂取できる耐容上限量(UL)は、一般的に「1日4,000 IU(100mcg)」と設定されています。
これを大きく超える量を長期間摂取し続けると、血中のカルシウム濃度が異常に高くなる「高カルシウム血症」を引き起こす恐れがあります。
その結果、腎臓へのダメージや血管の石灰化など、いわゆる「ビタミンD中毒」を招くリスクがあるため、サプリメントを利用する際は必ず成分表示を確認しましょう出典[1]出典[11]。
まとめ
ビタミンDは骨の健康を守る守護神であり、特に高齢者や妊婦、糖尿病予備軍の方にとっては積極的な摂取が推奨される重要な栄養素です。
効果を最大化するポイントは、「脂質を含む食事と一緒に摂ること」と「毎日コツコツ続けること」。
一般の健康な成人であれば、1日600〜800 IUを目安にしつつ、上限の4,000 IUを超えないよう注意すれば、安全にその恩恵を受けることができます出典[1]。
正しい知識で、賢くビタミンDと付き合っていきましょう。
出典
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