ビタミンD不足が招く爪のトラブルとは?役割と適切な摂取量を解説
2026年2月26日更新

監修者

上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー

関川裕大

睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

ビタミンDの本来の役割とは?

「ビタミン」という名前がついていますが、ビタミンDは単なる栄養素にとどまりません。

実際には体内でホルモンのように作用し、全身の健康維持において司令塔のような不可欠な役割を果たしています。

まずは、その基本的な働きについて見ていきましょう。

腸管でのカルシウム吸収を促進する

ビタミンDの最も主要な役割は、食事から摂取したカルシウムを腸管から効率よく体内に吸収させることです。

もしビタミンDが不足すると、せっかくカルシウムを摂っても吸収効率が低下してしまいます。すると体は、血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、貯蔵庫である「骨」からカルシウムを溶かし出して補おうとします。

これが続くと、骨がスカスカになって脆くなったり、変形したりするリスク(くる病や骨軟化症)が高まってしまうのです出典[1]

 

細胞の成長と分化を調整する

ビタミンDの働きは骨だけではありません。

実は、全身の多くの細胞に「ビタミンD受容体(受け皿)」が存在しており、細胞の増殖や分化、そしてアポトーシス(プログラムされた細胞死)を制御する多くの遺伝子を調節しています。

つまり、古くなった細胞が新しい細胞へと正常に生まれ変わるサイクル(ターンオーバー)を、遺伝子レベルでサポートしているのです。

この働きは、皮膚や爪といった新陳代謝が活発な組織の健康維持に深く関わっていると考えられています出典[2]

 

ビタミンDが欠乏すると爪にどんな変化が起きる?

では、ビタミンDが不足すると、具体的に爪にはどのような影響が出るのでしょうか。

爪は皮膚の一部が変化したものであり、その主成分はタンパク質の一種「ケラチン」です。

ビタミンD不足は、このケラチンの形成や、硬さを保つためのカルシウム代謝に影響を与え、爪のトラブルを引き起こす可能性があります。

低カルシウム血症による爪の脆化

ビタミンDが不足して腸からのカルシウム吸収が滞ると、血液中のカルシウム濃度が下がる「低カルシウム血症」を引き起こすリスクがあります。

カルシウムは骨だけでなく、爪の硬さや構造の維持にも関与しているミネラルです。

そのため、不足状態が続くと爪の強度が保てなくなり、爪が薄くなったり、少しの衝撃で割れやすくなったりする「脆爪(ぜいそう)」の状態を招く可能性があります。

丈夫な爪を育てるためには、土台となるカルシウム代謝を正常に保つビタミンDが不可欠なのです出典[3]

 

細胞代謝の乱れと爪の成長不全

爪は、根元にある「爪母(そうぼ)」という、いわば爪を作る工場で細胞分裂を繰り返すことで成長します。

先述の通り、ビタミンDは細胞の成長や分化を調整する重要な役割を担っています。

そのため、ビタミンDが不足すると爪母での細胞分裂がスムーズに行われず、爪が伸びるスピードが遅くなったり、表面に凸凹が生じたりといった形成異常につながる可能性があります出典[1]

健康で滑らかな爪を維持するためには、細胞レベルでの栄養サポートが必要なのです。

 

ビタミンDの適切な摂取量とは?

健康維持のためにビタミンDは重要ですが、「多ければ多いほど良い」というわけではありません。

年齢やライフステージに合わせた必要量を知り、過剰摂取のリスクも理解しておくことが大切です。

安全上限摂取量(1日4,000 IUまで)

ビタミンDは「脂溶性ビタミン」であり、水溶性ビタミン(ビタミンCなど)とは異なり、摂りすぎると体内の脂肪組織に蓄積してしまいます。

過剰に蓄積すると、血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎる「高カルシウム血症」や、それに伴う腎障害などの中毒症状を引き起こす危険性があります。

米国医学研究所(現・全米医学アカデミー)をはじめとする多くのガイドラインでは、成人が健康被害を受けずに摂取できる安全な上限(Tolerable Upper Intake Level: UL)を1日あたり4,000 IU(100mcg)と設定しています。

サプリメントを利用する際は、この数値を意識しましょう出典[4]

 

必要量(1日600〜800 IUが目安)

では、骨や爪の健康を維持するために、最低限どれくらい必要なのでしょうか。

 一般的な推奨食事摂取量(RDA)としては、成人で1日600 IU(15mcg)、70歳以上の高齢者では吸収能力の低下も考慮して800 IU(20mcg)とされています出典[5]

ただし、ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されます。

デスクワーク中心で日光を浴びる機会が少ない人や、日焼け止めを常用している人は、食事やサプリメントから少し多めに摂取する必要があるかもしれません。

 

まとめ

ビタミンDは、単に骨を強くするだけでなく、カルシウム吸収の促進や細胞の成長調整という重要な役割を通じて、私たちの「爪の健康」にも深く関わっています。

爪の割れや変形は、体からのSOSサインかもしれません。

爪や骨の健康を守るためには、魚類やキノコ類などの食事や適度な日光浴を心がけ、1日600〜800 IUを目安に摂取することが大切です。

サプリメントを活用する場合も、上限の4,000 IUを超えないよう適切に管理し、健やかな指先と体を維持していきましょう出典[6]

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