マグネシウムが含まれる食材と効率的な摂取方法
2026年2月26日更新

監修者

上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー

関川裕大

睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

マグネシウムにはどんな役割がある?

マグネシウムは体内で4番目に多いミネラルであり、健康維持に不可欠な役割を果たしています。

ここでは、私たちの体の中でマグネシウムが担っている主要な働きについて解説します。

300種類以上の酵素反応とエネルギー産生への関与

マグネシウムは、体内で実に300種類以上もの酵素反応の「補因子(サポーター)」として働いています。

これは、筋肉や神経が正常に機能するため、あるいは身体を作るタンパク質を合成するために欠かせないプロセスです。

さらに、私たちが活動するためのエネルギー源である「ATP(アデノシン三リン酸)」の代謝にも深く関与しています出典[1]

つまり、マグネシウムが不足すると、細胞レベルでエネルギーがうまく作れなくなり、慢性的な疲労感やパフォーマンスの低下につながる可能性があるのです。

日々の活力維持には十分なマグネシウムが不可欠と言えるでしょう。

 

心血管疾患の予防と血圧の調整

男性の健康課題として多く挙げられる高血圧や心疾患のリスク管理にも、マグネシウムは重要な役割を担っています。

マグネシウムには血管の平滑筋をリラックスさせ、血管を拡張させる作用があり、これにより血圧を健康的なレベルに保つ手助けをします。

近年の研究では、マグネシウムの積極的な摂取が収縮期血圧(上の血圧)および拡張期血圧(下の血圧)の低下に関連していることが示されました出典[2]

また、心臓の筋肉の動きを調整することから、心不全や不整脈といった心血管イベントのリスク軽減にも寄与する可能性が示唆されています。

 

血糖コントロールとインスリン感受性の改善

糖尿病予備軍の方や血糖値が気になる方にとっても、マグネシウムは見逃せない栄養素です。

体内のマグネシウム不足は、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の効きが悪くなる(インスリン抵抗性)状態や、高血糖と密接に関連しており、2型糖尿病のリスクファクターとなります。

複数のランダム化比較試験において、マグネシウムの補給が空腹時血糖値の低下や、インスリン感受性の改善に寄与することが示されています出典[3]

適切な糖代謝を維持し、メタボリックシンドロームを予防するためにも、意識的な摂取が推奨されます。

 

メンタルヘルス(うつ・不安)と睡眠への影響

身体の健康だけでなく、心の健康や睡眠の質にもマグネシウムは関わっています。

神経系の過度な興奮を鎮める働きがあることから、マグネシウムは「天然の鎮静剤」とも呼ばれ、うつ症状や不安感の軽減に関連しているという報告があります出典[4]

また、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成や睡眠サイクルの調整にも関与しており、摂取量が多い人は推奨される睡眠時間を確保しやすい傾向にあります。

ストレスが多く眠りが浅いと感じる方は、マグネシウム不足を疑ってみても良いかもしれません。

 

マグネシウムが豊富に含まれる食品とは?

現代の食事、特に欧米化した食生活では不足しがちなマグネシウムですが、身近な食品を意識して選ぶことで十分に摂取することが可能です。

ここでは代表的な供給源を紹介します。

種実類(カボチャの種、アーモンドなど)

ナッツや種子類は、マグネシウムの非常に優れた供給源(パワーハウス)です。

中でも「カボチャの種(パンプキンシード)」や「チアシード」、「アーモンド」などは特に含有量が高く、少量を食べるだけでも効率的に補給できます出典[1]

これらは良質な脂質やタンパク質も含むため、仕事中の小腹満たしのスナックとして、あるいはサラダやヨーグルトのトッピングとして日常的に取り入れるのがおすすめです。

手軽に持ち運べるため、忙しいビジネスパーソンの栄養補給にも最適です。

 

緑黄色野菜(ほうれん草など)と全粒穀物

植物の緑色の色素である「葉緑素(クロロフィル)」の中心構造にはマグネシウムが存在しています。

そのため、ほうれん草や小松菜といった濃い緑色の葉物野菜は良い供給源となります出典[5]

また、精製されていない穀物にも多く含まれており、白米を玄米や雑穀米に変える、パンを全粒粉やライ麦パンにする、キヌアやオートミールを活用するといった工夫も有効です。

さらに、黒豆や枝豆、大豆製品(豆腐・納豆)などの豆類も、日本人が日常的に摂取しやすい優秀なマグネシウム源です。

 

飲料水からの摂取

意外と見落とされがちですが、食事だけでなく「飲料水」もマグネシウムの供給源となります。

特にカルシウムとマグネシウムの含有量が多い「硬水」や、一部のミネラルウォーターには豊富なマグネシウムが含まれています。

研究によると、日々の水分補給を通じて、1日の推奨摂取量の約10%程度を補うことができると言われています出典[6]

便秘気味の方などは、マグネシウムを含む硬水を選ぶことで、水分補給とお通じの改善を同時に期待できる場合があります。

 

効率的にマグネシウムを摂取する調理法は?

食品に含まれるマグネシウムを無駄なく体内に取り込むためには、食材の選び方だけでなく、調理法や食べ合わせにも少しの工夫が必要です。

加工食品を避け、未精製の食品を選ぶ

マグネシウム摂取において最も注意すべき点は、「食品の加工過程でその多くが失われてしまう」という事実です。

例えば、穀物を精白したり、野菜を下茹で(ボイル)して加工食品にしたりする過程で、本来含まれていたマグネシウムの大幅な減少が起こります出典[1]

そのため、可能な限り加工度の低い「ホールフード(未精製の食品)」を選ぶことが重要です。

インスタント食品やスナック菓子を控え、素材そのものの形がわかる食事を心がけることが、マグネシウム不足解消の第一歩です。

 

調理による損失を最小限にする

調理方法によっても摂取量は変わります。

マグネシウムは水溶性(水に溶けやすい性質)がある出典[1]ため、野菜などをたっぷりのお湯で茹でると、煮汁に栄養が流出してしまいます。

これを防ぐためには、「蒸す」「電子レンジ調理」といった水を使わない加熱法を選ぶか、スープや味噌汁にして煮汁ごと摂取するスタイルがおすすめです。

また、特定の穀物や種に含まれる「フィチン酸」はミネラルの吸収を阻害する可能性がありますが、発酵や浸水などの下処理で軽減できることも覚えておくと良いでしょう。

 

吸収率を高める栄養素との組み合わせ

マグネシウムを効率よく体内に取り込むためには、相性の良い栄養素と組み合わせることも大切です。

特に注目したいのが「ビタミンD」です。

ビタミンDは腸管でのカルシウムやマグネシウムの吸収を促進する働きがあると考えられています出典[7]

ビタミンDが不足している状態ではマグネシウムの吸収も低下する恐れがあるため、適度な日光浴を心がけるとともに、ビタミンDを多く含む魚類(鮭、青魚など)やキノコ類を食事に組み合わせるのが効果的です。

 

Q&Aコーナー

最後に、マグネシウムについて読者の皆様が疑問に持ちやすいポイントについて、Q&A形式で回答します。

Q:マグネシウムが不足するとどんなサインが出ますか?

マグネシウム不足の初期サインとしては、原因不明の全身の倦怠感(だるさ)、まぶたのピクつき、筋肉のけいれんやこむら返り、食欲不振などが挙げられます。

また、神経過敏になり睡眠障害を感じることもあります出典[2]

これらを放置して慢性的な不足状態が続くと、骨密度が低下して骨粗鬆症のリスクが高まったり、高血圧や糖尿病などの代謝疾患のリスクを増大させたりする可能性があるため、早めの対処が大切です。

 

Q:サプリメントで摂る場合、どの種類が良いですか?

市販のサプリメントには、酸化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウムなど様々な種類があります。

一般的に、クエン酸やグリシン酸などの「有機塩は、安価な酸化マグネシウム(無機塩)に比べて生体利用率(吸収率)が高く、お腹を下すなどの胃腸への副作用が少ない傾向にあります出典[1]

便秘解消目的であれば酸化マグネシウムが使われますが、体内のマグネシウムレベルを上げたい場合は、吸収率の良いタイプを選ぶと良いでしょう。

 

Q:摂りすぎによる副作用はありますか?

通常の食事から食品として摂取している分には、過剰分は尿として排出されるため、過剰症のリスクは極めて低いです。

しかし、サプリメントや便秘薬などの薬剤によって大量に摂取した場合は、下痢、腹痛、吐き気などの消化器症状を引き起こすことがあります出典[1]

特に腎機能が低下している方は、排出機能が弱まっており「高マグネシウム血症」になるリスクがあるため、サプリメントの使用については必ず医師に相談してください。

 

まとめ

マグネシウムは、日々のエネルギー産生から、血圧調整、心血管系の健康維持まで、多岐にわたる生理機能に不可欠な「縁の下の力持ち」のようなミネラルです。

しかし、加工食品の多い現代の食生活ではどうしても不足しがちです。

まずは全粒穀物、ナッツ、緑黄色野菜といった食材を意識的に食事に取り入れることから始めてみましょう。

必要に応じて吸収率の良いサプリメントも検討し、適切なマグネシウムレベルを保つことで、将来の健康リスクを低減できる可能性があります出典[8]

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