ストレスは性欲減退の原因に!科学的に正しい解消方法7選
2023年11月21日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

日常的なストレスは性的欲求の低下の大きな原因

現代は社会問題としてストレスが顕在化した「ストレス社会」です。

厚生労働省の調べによると、労働者の半数以上は不安やプレッシャーなどの何かしらのストレスを抱えています出典[1]。仕事以外にも、家庭問題やパートナーとの関係などもストレスの要因として挙げられます。

体調を崩しやすい・不眠・疲労感・うつなどだけでなく、性的欲求(性欲)の低下もストレスによる症状の一つです。

実際に仕事やパートナーとの関係などのストレスは性欲を低下させる要因であることが明らかにされています出典[2]出典[3]

ストレスによって性欲が減退する理由は性欲の鍵となるホルモンである、男性ホルモンの代表格のテストステロンや意欲や興奮作用を持つドーパミンなどの低下です。

ストレスを受けると体内では、呼吸・代謝など生命維持に必要な機能を調節する自律神経のバランスが崩れたり、炎症を起こす物質である炎症性サイトカインや細胞にダメージを与える活性酸素が産生されます。自律神経の乱れはドーパミンの分泌を減らす要因です。炎症や活性酸素などはテストステロンを分解したり、合成を抑制します。

また、炎症などを抑えるために副腎から分泌される「コルチゾール」によって、テストステロンの前駆体であるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が消費されることもテストステロンの低下に繋がる要因です出典[4]

健康的な生活を送る上で欠かせないストレスケアは性欲の低下を防ぐためにも必要不可欠になります。
 

科学的に正しいストレスの解消方法7選

ストレスは性欲の低下を招いてしまうので、快適な性生活を送る上で日々のストレスをしっかりと解消しておくのはとても重要になります。

運動などで気分転換したり、物事の捉え方を変えたり、心を落ち着けリラックスすることなどはストレス解消に効果的です。

科学的エビデンスに基づいたストレスの解消に効果的な方法を紹介しますので、取り組みやすいことから実践してみてください。

1.20分程度の軽い運動を行う

運動することで免疫力強化・肥満予防・筋力増強など体にとって良い効果を得ることができます。ストレス解消効果も運動による良い効果の1つです。

もちろん体が疲労困憊になってしまうような激しい運動は必要ありません。体を動かすことで「スッキリした」と感じられる程度、時間にして20分程度の軽い運動で十分です。20分程度の運動後に気分が落ち着き、数時間効果が持続することが多くの研究から明らかになっています出典[5]

運動することで気分転換やリラックスできる理由は、体内で気分の調節を行う脳内神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が増えるからです。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神面を安定させ、気分や行動に影響を与えることが示されています出典[6]

また、ストレスによって血管が収縮すると血流が悪くなってしまい、頭痛・高血圧・動悸などの症状が出現しますが、運動は血管を拡張し血流を良くするのでストレス症状が軽減します出典[7]

筋トレよりもウォーキング・ランニング・スイミングなどの有酸素運動が効果的です。1週間に150分程度、一日あたり20分程度を目安に取り組んでみましょう。

一度にたくさん運動するよりも継続して行うことが大事です。

 

2.緑の深い公園を散歩する

草木や花などの自然環境と触れ合いは心身をリラックスさせてくれるのでストレス解消に効果的です。

森や林などの緑に囲まれた自然の中を歩いているだけで気分爽快になったり、リフレッシュできた経験は誰しも一度はあるのではないかと思います。

理由は自然と触れ合うとストレスを感じた時に分泌される「コルチゾール」が低下したり、リラックスするために重要な「副交感神経」が活発化するためです出典[8]ストレスが減り、リラックスできるので気分爽快になります。

筑波大学の研究グループの発表によると森林散策や緑地散歩の頻度が⾼いほど、労働者のストレス対処能力が⾼いようです出典[9]

緑の深い公園などを散歩するのを1週間に一回くらいの頻度で行うようにしてみてください。

高いリラックス効果を得るためには自然を五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)で感じるのが大事です。音楽を聴いたり、スマホ見ながらなどの散歩は避けるようにしましょう。

都心に住んでいると近くに緑の深い公園がないかもしれません。代わりに1日15分程度を目安に日光浴をしてみてください。幸せホルモンであるセロトニンの分泌が増えるのでリラックスでき、気持ちも落ち着きますよ。

 

3.1日に両手で4杯程度の野菜と果物を食べる

健康的な生活を送る上で野菜や果物をしっかりと食べることは欠かせません。

野菜や果物はビタミンやミネラルなどを豊富に含むので免疫力向上・肌荒れ予防・疲労軽減などの様々な効果を持ち、ストレス解消にも効果的です。

オーストラリアの研究グループは1日に470g以上の野菜と果物を食べている人は、230g以下の人に比べてストレスレベルが10%も低いことを明らかにしています出典[10]

ストレスによって様々な症状が出現するのは、ストレスによって発生した活性酸素や炎症物質が体内の細胞にダメージを与えるためです。野菜や果物に豊富に含まれるビタミンCには抗酸化作用があるので活性酸素を減らすことができます出典[11]。ビタミンCを多く含む食べ物はブロッコリーやピーマン、みかんやレモンなどです。

また、野菜や果物はビタミンやミネラル以外にもポリフェノールを多く含みます。ポリフェノールは食物の色素や苦味の成分の総称です。例えば、ブルーベリーなどの果皮の青紫色はアントシアニンと呼ばれポリフェノールの成分になります。ポリフェノールもビタミンC同様に抗酸化作用が高く活性酸素を減らすのでストレスを軽減してくれるのです出典[12]。また、ストレス時に発生する炎症物質やコルチゾールを減らしてくれる作用もあります出典[13]

農林水産省の「食事バランスガイド」では、1日に野菜350g、果物200gを摂取することを推奨しています。野菜350gは一般的な野菜サラダ(70g)だと1日に5皿です。果物の場合、みかん2個・リンゴ1個・いちご5~6個がそれぞれ200gに相当する量なので毎食1皿分くらいになります。野菜と果物で1日あたり8皿分に相当するので、イメージとしては両手で4杯分くらいの量です。

体に良いと言っても果物には糖分が含まれているので、食べ過ぎは肥満や糖尿病の原因になります。くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。

 

4.物事の捉え方を変える

ストレスは我慢するもの・恐れるものだと思われがちですが、実は考え方を変えるだけで自分でコントロールできるのです。

物事に失敗したり、誰かに叱責されたりなどの自分にとってマイナスなことは、ネガティブな捉え方をしてしまうことでストレスを感じる要因になります。

大事なのは物事の捉え方(マインドセット)を変えることです。

アメリカの研究グループは物事の捉え方を変えるとストレスに対する反応が変化すること、ポジティブに捉えることでストレスを軽減できることを明らかにしています出典[14]

物事の捉え方をポジティブに解釈する方法は「リフレーミング」と呼ばれる方法です。

広島国際大学の研究グループは、大学生24名を対象にリフレーミングを実施するとストレス時に認められる不眠や抑うつ状態が軽減することを明らかにしています出典[15]

具体例を挙げてみましょう。

仕事などで失敗してしまった時は「失敗してしまった。どうしよう。次も失敗するかもしれない。」と思うのではなく、「今回は失敗して残念だった。けど、いい経験になった。次に活かそう。」と前向きに捉えてみてください。

また、上司があなたを叱責するのは「あなたのできが酷い。あなたが嫌い・憎い」のではなく、「あなたに期待しているからこそ、成長してほしい。できると信じている。」からです。

何事もポジティブに捉えるようにしてストレスになりそうな要因を上手に減らしてあげましょう。

 

5.1日10分瞑想を実施する

日々の生活で心を落ち着けるための時間を確保するのはストレスを解消するために大事です。

瞑想を行うと、リラックスするために重要な副交感神経の働きが優位になり、心身がリラックスするのでストレスを低減することができます。 

瞑想は目を閉じ、肩の力を抜いて胡座をかいて座った状態で行う「4−7−8呼吸法」と呼ばれる方法が正しいやり方です。

  1. 酸素が体に行き渡るのをイメージしながら息を4秒間ほど吸い込む
  2. 息を7秒間止める
  3. ストレスが体から逃げるのをイメージしながら、8秒かけて息を吐き出す

ドイツの研究グループは6カ月の瞑想トレーニングで慢性的なストレスは25%減少することを明らかにしています出典[16]

また、瞑想の一つの方法である「マインドフルネス瞑想」を行うと、ストレスによる症状の一つである疲労感が軽減するのでストレス解消に有効です。マインドフルネス瞑想は目を閉じて腹式呼吸を繰り返す際に呼吸することに意識を向けながら行う瞑想になります。

アメリカの研究グループは1日あたり10分のマインドフルネス瞑想を行うと、1日44分追加で寝たのと同じくらいの疲労感軽減効果が得られることを明らかにしています出典[17]

また、瞑想を行うことで性欲にとって大事なドーパミンも増やすことができるようですよ出典[18]

1日に10分程度でよいので心を落ち着けるために瞑想する時間を取り入れてみましょう。

 

6.パートナーとハグする

愛情表現の一つである「ハグ」は幸福感や安心感をもたらしてくれるので心が落ち着きます。

子供の頃に不安な時に親に抱きしめてもらうと安心し、心が落ち着いた経験は誰しもあるのではないでしょうか?

ハグをする(される)と脳内から「オキシトシン」が分泌されます。オキシトシンはハグやスキンシップなどの他者との触れ合いにより分泌されるので、幸福ホルモンや愛情ホルモンとも呼ばれるホルモンです。オキシトシンは副交感神経の働きを活発にすることでストレスや不安感を軽減し、幸福感を高めてくれます出典[19]

アメリカで行われた研究ではパートナーとハグをすることで、ストレスに関連したネガティブな感情が増えにくくなると同時にポジティブ感情が減りにくくなるようです出典[20]

また、ストレスの影響で免疫力は低下してしまうので風邪などの感染症にかかりやすくなります。パートナーとハグを行うことでストレスが軽減すると感染症にかかりにくくなることも報告されています出典[21]

「ハグ」は愛情表現なのでストレスを減らせるだけでなく、パートナーとの仲を深めることもできますよ。

 

7.友人や家族と気持ちの伝わる会話をする

あなたは1日1度は他人とちゃんと会話をしていますか?

ストレスや不安に感じていることなどを他人に話すことで、気が楽になったり、スッキリした経験が一度はあるのではないかと思います。

アメリカの研究グループは友人と質の高い会話を1日1回するとストレスレベルが下がり、幸福度が高まることを明らかにしています出典[22]

質の高い会話とは次の7つのような内容の会話です。

  • お互いの近況報告
  • 役に立つ有意義な話をする
  • 冗談を言い合う
  • 気遣いや励まし
  • 相手の相談に乗る
  • 相手の意見を尊重する
  • 心からの褒め言葉を送る

7ついずれのタイプの会話を行なっても1日のストレスレベルが下がり、幸福度が高まることが示されています。

家族・パートナー・友人などの身近な人と、1日1回は気持ちの伝わるような会話をすることを心がけましょう。

 

まとめ

今回はストレスと性欲の関わりとストレス解消方法について紹介しました。

ストレスが溜まってしまうと性欲の低下だけでなく、心身に様々な異常が現われてしまうので健康的な生活が送れなくなってしまいます。

運動などで気分転換したり、心を落ち着けリラックスすること、物事の捉え方を変えてみることなどがストレスを解消するのに大事です。

少しずつでも良いので日々のセルフケアでストレスを解消し、充実した性生活を過ごせるようにしましょう。

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