【精力効果なし?】オキソアミヂンの6つの効果効能
2023年8月31日更新

執筆者

薬剤師・公認上級妊活マイスター・公認スポーツファーマシスト

牛尾 真智子

製薬会社2社で乳がん・肺がん・大腸がんなど8つの抗がん剤領域を経験。
患者様の人生に携わること・医療業界での知識と経験を生かして、医療と予防医学の懸け橋となる存在になりたいと考えています。また、少しでもお客様のお悩みに寄り添えるよう公認上級妊活マイスター・公認スポーツファーマシスト・メンタルケアカウンセラーの資格を取得。納得感のある、心が軽くなる情報を届けることで、皆様のより良い生活の一助になれるよう邁進いたします。

オキソアミヂンとは?普通のニンニクと違う3つのポイント

そもそも、オキソアミヂンは生ニンニクを普通に食べるだけでは十分摂取できません。その理由と指定医薬部外品として記載されている内容をチェックしていきましょう。

生にんにくに0.03%だけ含まれる希少成分

オキソアミヂンは『ニンニク博士』とよばれる京都大学農学博士の小湊潔教授が長年の研究により発見した稀少成分です出典[1]

発見した当初はスコルジニンと呼ばれていました出典[2]

生ニンニクにたったの0.03%のみ含まれています。つまり、サプリに多く採用される配合量200mgのオキソアミヂンを生ニンニクで摂取しようとすると、11個分に相当します(200mg/0.03%=666.6g。ニンニクの平均的な重さは60g)。

ニンニクだけでオキソアミヂンの効果を得るのはほぼ不可能といえます。

また、有名なニンニク成分『アリシン』とは異なり無臭、胃腸への刺激も少ない、いわゆる『効能効果に特化した成分』といえます。

 

指定医薬部外品で効果効能も明記されている

オキソアミヂンは一般的な健康食品に分類される成分とは異なり『指定医薬部外品』。その中の『ビタミン含有保健剤』に分類されています出典[3]

特に有名なのは滋養強壮、虚弱体質の改善及び栄養補給が目的のもの出典[4]

そのほか『疲れ、冷えや血行不良、二日酔いに伴う食欲低下・だるさ』も記載できる効能効果とされています出典[5]

一方で副作用も明確に記載されています。

オキソアミヂンを含有する商品である「バイタックスEX」という商品の使用上の注意には、皮膚:発疹・発赤、かゆみ、消化器:胃部不快感と記載されています出典[6]

指定医薬部外品であるため効果効能は明記できる一方で、副作用の可能性もあることを覚えておきましょう。

 

オキソアミヂンに期待できる6つの効果

指定部外医薬品であるため、一定の効果効能は認められていますが、実際に臨床試験で確認されている効果はごく一部。

さらに、オキソアミヂンの場合には多くの研究が動物を用いた実験。ヒトでの臨床試験が少ないのが現状です。つまり効果の担保ができていない事を予め理解した上で本章を読み進めてくださいね。

1.精子の質を高め生殖能力を改善する

オキソアミヂンには精子の質を高め生殖能力を改善する働きが報告されています。

寄与しているのはオキソアミヂンが持つ『抗酸化作用』出典[7]。精子自体ももちろんですが、精子を作る工場である睾丸及び精巣もまた、活性酸素に非常に弱く、酸化障害を受けやすいのです。

そのため、抗酸化作用が強いオキソアミヂン/スコルジニンの摂取により、健全な睾丸や精巣の状態に繋がるため、精子の質が高くなります。

特に生殖能力が低くなっている人には好影響…かもしれません。研究では精巣を意図的に傷付け生殖能力を低下させたネズミに、オキソアミヂンを与えました。その結果、さらなる精巣の細胞損傷を予防するだけでなく、プラセボを与えた個体と比較して3.6倍もの速度で精巣の細胞が回復したと報告されています出典[8]

不妊症のカップルのうち半数は男性側にもなんらかの原因があると言われています。ネズミの実験とはいえ、精子の質や精巣の働きにも好影響が確認されているオキソアミヂンが目標の達成に一役買ってくれるかもしれません。

 

2.性欲向上

オキソアミヂンは性的な欲求の回復効果も期待ができる成分です。

そもそも性欲の根源であるテストステロンは体内量のうち95%が睾丸で作られます。この睾丸の天敵は活性酸素。オキソアミヂンが持つ抗酸化力が、睾丸の天敵を除去し、効果的に働くようになるため、テストステロンの増加に繋がり性欲が改善すると考えられているのです。

ネズミの実験でも効果は確認されています。オキソアミヂンを摂取した個体は性行為の回数が3.5倍にもなりました。ちなみに、同実験ではテストステロンを直接注入された個体もありましたが、それよりも性行為回数の上昇幅は大きかったとのことです出典[8]

ニンニクは精が出る、とうイメージはオキソアミヂンが影で働いているからかもしれません。

 

3.肝機能の健康維持効果

男性機能以外にも、オキソアミジンは毒素から肝臓を保護する効果も確認されています。

特にアルコールを体内で分解すると発生する毒素「アセトアルデヒド」に対して効果的です。

致死量のアセトアルデヒドを投与されたネズミに、オキソアミヂンを含むニンニクエキスを与えたところ、8割が生存したとの研究データが存在します出典[8]

また、岐阜大学の研究ではオキソアミヂン(スコルジニン)を混ぜた餌を与えたネズミは肝臓異常の原因となる細胞が少なかったとも発表しています出典[9]

勿論、人での研究データやメカニズムは引き続き研究が必要です。「オキソアミヂンがあれば、お酒飲み放題!」というわけではありませんのご注意ください。

 

4.運動継続能力の向上

オキソアミヂンにはいわゆる“滋養強壮”作用が期待できます。より正確には、運動時の疲労軽減、運動継続能力の向上と言えるでしょう。

血管を柔らかくする平滑筋を活性化。血行が改善しエネルギーが多く筋肉に送られるため、運動時の疲労軽減が期待できる、というメカニズムです。

実際に、オキソアミヂンを摂取しているネズミを泳がせたところ、4倍も長い時間泳ぎ続けることが出来たと報告されています出典[8]

ニンニクを食べて元気になるのは精力だけではありません。運動時のスタミナを付け、健康的で逞しい身体作りの基礎のお手伝いもしてくれるのです。

 

5.免疫活性により、長寿化の可能性

オキソアミヂンの摂取により男性だけではなく女性にとっても嬉しい効果・免疫活性およびそれに伴う長寿の可能性も示唆されています。

抗酸化作用の働きで活性酸素が効率的に取り除かれることにより、若々しくいられる・大病を防いでくれる可能性が考えられます。

活性対象は全身を巡りながらがん細胞やウイルス感染細胞を発見&攻撃する『ナチュラルキラー細胞(NK細胞)』オキソアミヂンを与えられたネズミ個体はNK細胞が1.7倍も活性化されると報告されています出典[8]

高温下に置かれたネズミでも、オキソアミヂンを与えられた個体は長生きしたとの報告もあるほどです出典[10]

免疫活性は、ウイルスなどから身を守るためにも大切です。健康な状態で長生きできるようにオキソアミヂンによるニンニクパワーを取り入れましょう。

 

6.血圧・コレステロール低下をサポート

オキソアミヂンにはニンニクにおける健康イメージ、血液サラサラ効果が期待できます。

末梢血管を拡張し血液循環を活発化する働きと、抗酸化作用によるLDLコレステロールの酸化防止によるものです。

実際に動物実験ではあるものの、いくつか研究データがあります。

ポーラ化成工業株式会社の調査では、スコルジニンを100mg/kg投与したイヌにおいて一過性の血圧下降(20~30 mmHg)作用が確認されました出典[11]

また、低用量のニンニクを投与されたラットでは、コレステロール値が11~14%と大幅な減少が認められています出典[12]

勿論、生活習慣の改善が第一ですが、オキソアミヂンの血液サラサラ効果により血圧やコレステロールもサポートしてくれるかもしれません。

 

副作用は少ないものの、過剰摂取や薬の飲み合わせに注意

オキソアミヂンは副作用の報告がある『指定部外医薬品』。

実は「オキソアミヂン」としてのヒトに対する安全性検査などの臨床データは見つけられていません。

しかし、動物を用いた実験結果などを拝見すると、用量を守る限り安全性は比較的高いといえます。

また、大手ECモールに掲載されているオキソアミヂン200mg含有サプリメントのカスタマーレビュー欄にも、効果の賛否はあるのものの、副作用に関する報告はみうけられません

冒頭にお伝えしたように、皮膚や消化器関連の注意すべき働きはゼロではありません。しかし、ニンニク由来ということで安全性は比較的高いといえるでしょう。

念のため、ニンニクとしての注意点がいくつかご紹介すると、1つが血液凝固のしにくさ。ワルファリンなどの抗凝固薬を服用している、または手術が必要な場合は、ニンニクのサプリメントを摂取していることを医療機関に伝える必要があります。

また、HIV感染症治療薬「サキナビル」など、一部の薬の効果を阻害する可能性や、一部のダイエットハーブや他のサプリと相互作用する恐れがあるため、注意が必要です出典[13]。 

 

よくある質問

ここからは、オキソアミヂンについてEDへの効果・女性の摂取・購入場所・そのほかの有望なニンニク成分の紹介まで気になる質問に回答させて頂きます。

EDへの改善効果は期待できる?

男性向けサプリにもよく配合されているため、EDや男性機能への効果が気になる方もいつると思います。残念ながらオキソアミヂンでEDが改善すると報告する論文はありません

生殖機能との関連性をネズミを用いて確認した臨床試験でも、精子や性欲との関連性は認められています。しかし、オキソアミヂン単体の摂取により、勃起能力やEDの改善は認められていません

しかし、ニンニク自体が全くEDへの効果がない…というわけではありません。熟成ニンニクエキスでは、ED改善への影響が報告されています出典[8]

あくまでも動物を用いた臨床試験であるため、ヒトに直接応用できるかは追加の研究が必要です。しかし、ニンニク自体には男性機能への好影響の可能性は十分に考えられると言えます。

 

女性が摂取しても大丈夫?

女性が摂取しても問題ありません

基本的な働きは抗酸化作用による健康的なお身体実現のサポートです。滋養強壮などには効果が期待できるため、疲労感を憶えている場合には効果的と言えます。

とはいえ、女性(そもそも人間)を対象にした実験などが報告はされていないので、お飲みいただくのであればお体の変化に注意しながら飲んで頂きたいところです。

 

オキソアミヂンは薬局でも市販されている?

はい、市販されています。指定医薬部外品は、薬剤師や登録販売者がいなくても販売可能なため、薬局だけではなくコンビニやスーパーでも販売されています。

本記事では具体的な商品名の記載は控えますが、オキソアミヂンで検索すると、薬局などでも見たことがあるパッケージを見つけられます。

 

アリシンなど他のニンニク成分との違いは?

1番大きな違いはニオイです。

スコルジニン(オキソアミヂン)は、にんにく臭とは無関係な成分。そのためサプリ化した場合でも、にんにく独特な鼻につくニオイは一切発生しません。

また、期待できる効果効能にも違いがあります。

アリシンの効果はビタミンB1の吸収率の向上や、食欲の増進など所謂“一般的な健康”に近い効果が多く報告されています。一方で、オキソアミヂンは精子の質の向上などの生殖機能や肝機能の向上など特定の効果に特化した内容が多く報告されています。

ニンニクには基礎ビタミン&ミネラル以外に、オキソアミヂンやアリシンなど複数の成分が含まれていると言われています。それぞれに異なる役割があり、「効率的に効能を得るためには特定の成分を摂取するのが効果的」という事をまずは憶えていただければ十分かと思います。

 

オキソアミヂンやアリシン以外に有効なニンニク由来成分はある?

近年で最も注目を集めているのは、S-アリルシステイン (S-アリル-L-システイン)。生ニンニクを長期熟成させると発生する成分です。

脳機能改善・抗疲労・睡眠改善・テストステロン向上など、オキソアミヂン以上に様々な効果が確認されています出典[14]。さらにヒトでの臨床試験が行われている点も信頼性が高いポイントです。また、機能性表示である点にも注目。消費者庁からも機能や安全性が認められています。

 

まとめ:オキソアミヂンは動物実験では効果確認

指定医薬部外品であるオキソアミヂン。疲労回復や栄養補給などの働きが医薬品として認められています。

また、ネズミなどの動物を用いた実験では精子の質への影響や運動継続性への好影響が報告されています。

副作用が全く無いというわけではありませんが、比較的安全性も高め。疲労感や栄養不足を感じている方は試す価値がある成分です。

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