これだけは押さえておきたい!妊活で男性がやるべきこと10選
2024年2月6日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

不妊の原因の半数は男性にアリ?

妊娠しやすい体や生活環境を整える活動である妊活は、妊娠を望む男女にとって重要になります。

妊活を始めるに際して重要なのは自分達が「不妊」でないかどうかです。

不妊とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間(1年間)妊娠しないことをいいます。厚生労働省の調べによると、約25%の夫婦が不妊の検査や治療を受けていることが明らかになっています。

ご存知の方も多いかもしれませんが、不妊の原因の半分は男性です。

加齢や「子供を作らなければ。妊娠しなければ。」といった心理的ストレスは男女双方に当てはまる原因です。

男性特有の原因には、精子の質(運動率や形態)や量の低下、射精障害や勃起不全、ホルモンバランスの異常などが挙げられます出典[1]。遺伝的な異常を除けば、栄養バランスの悪い食事・運動不足・ストレス・過度の飲酒などの生活習慣の悪化が男性不妊を引き起こします。

現代人は特に精子の質が低下しているので、男性も女性と同等以上の熱量で妊活に取り組む必要があります。
 

妊活で男性が意識すべき2つのメカニズム

不妊の原因の半分は男性にあるので、妊活の成功には男性側の努力は必要不可欠です。

精子の数や質の低下や勃起不全・射精障害などの男性機能の悪化などが男性不妊の原因となります。

妊活を行う上で重要になる、男性に意識して欲しい2つのメカニズムについて解説します。

テストステロン分泌量の最大化

1つ目はテストステロン分泌量の最大化です。

男性ホルモンの代表格であるテストステロンは筋骨隆々とした男らしい体を作るだけでなく、精子形成を促す作用があります。そのため、精子の量や運動能や形態などの質を保つ上で、テストステロンは欠かせません出典[2]

また、妊活が上手くいかない原因が男性にある場合、勃起不全や射精障害などの男性機能や性欲の低下も原因として挙げられます。テストステロンは男性機能や性欲を維持する上でも大事なホルモンです出典[1]

精子形成や男性機能・性欲に関わるので、テストステロンの低下は男性不妊に繋がります。そのため、妊活を行う男性はテストステロンの分泌が高まるように意識することが大事です。

 

ストレスや炎症から精子を守る

2つ目として、ストレスや炎症などから精子を守ることを意識しましょう。

精子を作る精巣はストレスや炎症に弱く、ダメージを受けやすい組織です。精巣がダメージを受けるとテストステロンの合成が抑制され、精子の質や量が低下してしまいます

特に気をつけなければならないのが温熱ストレス酸化ストレスです。

多くの研究で精巣は熱に弱く、温熱ストレスを与えると精子形成が抑制されることが明らかになっています出典[3]。普段意識することはありませんが、睾丸が身体から少し離れてぶら下がっているのは体温で温まり過ぎないようにするためです。

また、日常的なストレスは酸化ストレスや炎症を発生させ、テストステロンを低下させる要因になります。

上記のようなことから、妊活を行う男性は精子を守るために、精巣にストレスや炎症によるダメージを与えないように心がける必要があるのです。

 

妊活で男性がやるべきこと10選

妊活の成功には男性側の努力は必要不可欠です。

特に、テストステロンを高めることと精子を守ることを意識しましょう。

次に妊活の成功のために男性がやるべきこと10個を科学的根拠に基づいて紹介します。

1.  週に1時間30分の運動

1つ目は週に1時間30分の運動を心がけましょう。

適度な身体活動は酸化ストレスや炎症を減らしてくれ、精子の質が高まることがわかっています。

2014年にアメリカのハーバード大学で身体活動量と精子の質の関係が調べられました。週に1時間30分以上の運動をする人は全くしない人と比べると、精子濃度が42%も高くなることが示されています出典[4]

ただ、自転車での運動は避けるようにしましょう。逆に精子濃度が低下してしまうことがわかっています。自転車のサドルによる圧迫により睾丸(精巣)が外傷的なダメージを受けます。また、締め付けの強い衣服を着用することで保温され、精巣に熱ストレスがかかるからです出典[5]

適度な身体活動は、ストレス軽減・肥満予防や免疫向上など様々な面で健康に良い効果をもたらしてくれるので日々の生活で取り組むようにしましょう。

 

2. 太り気味の場合はダイエットを

2つ目に太り気味の方はダイエットを心がけてください。

肥満度を表すBMI(体格指数)が25以上になると肥満です。

肥満はテストステロンの低下を招くので、精子の量や運動性を減少させる大きな要因です。

テストステロンを女性ホルモンに変換する酵素(アロマターゼ)が増えたり、炎症性のホルモンの分泌が増えたりすることでテストステロンは低下してしまいます出典[6]出典[7]。実際、BMIが30以上だと不妊のリスクが3倍になります。

しかしご安心を。運動で肥満を改善するとテストステロンが増加し、精子の量や質も改善できることが科学的に証明されています出典[8]

BMI25以下、可能なら適切体重であるBMI22を目指しましょう。身長170cmの人は63.5kg、180cmの人は71kgくらいが目安になります。

 

3. 1日に3~8品目の野菜や果物を食べる

3つ目に1日に3~8品目の野菜や果物を食べるようにしましょう。

野菜や果物には、高い抗酸化作用を持つポリフェノール(食物の色素や苦味の成分)やビタミンCが豊富なため、健康に良い様々な効果をもたらしてくれます。もちろん妊活においてもです。

2021年にポーランドのワルシャワ大学で行われた研究で、果物と野菜の摂取量が多い男性は、血液中の抗酸化能が高く、精子の濃度や運動率も良いことがわかっています出典[9]

また、1日あたり50mgのポリフェノール(りんご半分やみかん1個などに相当)を摂取することで、勃起不全のリスクが32%減少することもわかっています出典[10]

農林水産省の「食事バランスガイド」では、1日に野菜350g、果物200gが推奨量です。1日あたり野菜は5皿、果物は3皿分に相当するので、野菜と果物で3~8品目を食べるようにしましょう。

 

4. 甘いお菓子や脂肪分の多い食べ物を避ける

4つ目のポイントは甘いお菓子や脂肪分の多い食べ物を避けることです。

お菓子の甘みのもとになるシュクロースや、揚げ物など脂肪分の多い食べ物に含まれるトランス脂肪酸はテストステロンの低下を招く要因です。体内に炎症が起こることで精巣がダメージを受け、精巣機能が低下してしまいます出典[11]出典[12]

また、甘いお菓子や脂肪分の多い食べ物は精子のエネルギー代謝を低下させ、精子の運動率を悪くする要因でもあります出典[13]

お菓子や揚げ物を食べるとしてもほどほどにしておきましょう。

 

5. 飲み会を控える

5つ目に飲み会を控えるようにしましょう。

飲み会には妊活の成功を妨げる要因が多々あります。

一つは過剰なアルコール摂取(飲みすぎ)です。アルコールは体内に炎症や酸化ストレスを発生させ、精巣にダメージを与え、テストステロンを低下させます出典[14]。アルコールは精子自体にもダメージを与えてしまい、精子の量や質も悪くします出典[14]

また、揚げ物などのおつまみの食べ過ぎも精巣機能を低下させる原因なので、精子にとってはよくありません。

他にも睡眠不足の原因になったりもするので、飲み会はほどほどにしておきましょう。

仕事や友人との付き合いは大事ですが、妊活中はパートナーとの会話やスキンシップを増やす方が重要ですよ。

 

6. タバコを吸っているなら禁煙する

言うまでもなく、タバコを吸っている人は禁煙しましょう。

タバコは「百害あって一理なし」と言われ、私達の体の健康に対して様々な悪影響を与えます。男性機能に対しても例外ではありません。

タバコを吸うと体内に炎症や酸化ストレスを引き起こします。精巣や精子にダメージを与え、精子の運動率の悪化や形態異常を増やす原因です出典[15]

また、タバコの煙に含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を悪くしてしまうので勃起不全のリスクも高まります。2006年にアメリカのハーバード大学で行われた研究によると、喫煙者は勃起不全の発症リスク1.5倍も高いです出典[16]
 
タバコの影響は喫煙者本人だけでなく周りにも及びます。妊娠中の受動喫煙は流産や低出生体重・胎児発育遅延などのリスクを高める要因です。パートナーや産まれてくる子供のためにも、妊活中に限らず継続した禁煙をオススメします。

 

7. 7時間の睡眠の確保

7つ目に7時間の睡眠を確保することを心がけましょう。

睡眠不足は男性機能に影響します。

2016年に中国人民解放軍第三軍医大学で睡眠時間と精子・精液の量との関連が調べられました。睡眠時間が7.0~7.5時間の人が精子や精液の量が最も高いことが示されています出典[17]

睡眠時間が短すぎるのはもちろんですが、9.0時間以上と長くなっても低下してしまいます。つまり、適度な長さの睡眠時間をとることが大事なのです。

また、睡眠不足はテストステロンを低下させる要因にもなります。

睡眠不足だと集中力や免疫力が低下したり、生活習慣病にもなったりするので、良いことは何一つありません。健康のためにもしっかりと睡眠をとるようにしましょう。

 

8. 精神的ストレスのケア

8つ目に大事なのは精神面ストレスのケアです。

仕事や対人関係などの日常生活の様々なことが精神的ストレスの原因になります。中には、妊活のプレッシャーがストレスになっている人もいるのではないでしょうか。

ストレスは酸化ストレスや炎症を発生させるので、精巣の機能やテストステロンの合成を低下させる原因になるのです出典[18]出典[19]

実際に、2014年にインドのマウラナ・アザド医科大学で行われた研究で、精神的ストレスがあるとテストステロンが低く、精子の量や運動率や質が悪くなることが報告されています出典[20]

ストレスは不眠・免疫力の低下・疲労感・うつなどの原因にもなるので、溜め込まずに適度に発散するようにしましょう。

 

9. ゆったりとした下着を履く

9つ目に下着はゆったりとしたものを選ぶようにしましょう。

精巣は温熱ストレスの影響を受けやすい組織です。熱によって精巣がダメージを受けると精子の形成が抑制されてしまいます。

精巣は身体の体温より2~6℃ほど低く、体温の影響を避けるために身体から少し離れてぶら下がっています。しかし、締め付けの強い下着だと精巣と身体が近くなり、体温の影響を受けやすくなるのです。

実際に、2018年にハーバード大学で行われた研究で、主にトランクスを履いている男性は、履いていないと答えた男性に比べて、精子濃度が25%、精子数が17%高いことが示されています出典[21]

ぴっちりした下着は身体が引き締まって見えるのでカッコいいですが、妊活の時はゆったりとしたものを選ぶようにしましょう。

 

10. 常備薬の再評価

最後10個目は常備薬の再評価です。

薬の副作用で、テストステロンや精子の量・質が低下してしまうことがあります。下記は男性機能に影響が出る恐れのある薬の具体例です出典[22]出典[23]

  • 抗うつ薬
  • 降圧薬(カルシウム受容体阻害薬)
  • 前立腺肥大治療薬、降圧薬(α1アドレナリン受容体遮断薬)
  • 癲癇治療薬
  • コレステロール低下薬(スタチン系薬剤)
  • 鎮痛薬

とは言っても、薬は健康に暮らす上で欠かせないものです。

性行為の日は薬を飲まないようにしたり、飲まないといけない薬がある場合は担当医に相談して副作用の少ない薬に変えてもらうなどの対策をしましょう。

 

男性妊活でよくある質問

テストステロンを増やしたり、精子を守るための行動を紹介しました。

いずれも妊活を成功させるために重要なことなので、無理のない範囲で取り組んでみてください。

最後に、男性妊活でよくある質問を3つ紹介・解説したいと思います。

お風呂やサウナに入ってもいいですか?

1つ目はお風呂やサウナに入ってもいいか?という質問です。

精巣が熱に弱いので、気になる人が多いのではないかと思います。

答えは、お風呂は熱すぎないお湯にする、入浴時間を短くするなどの条件付きでOKです。サウナはやめておくのが良いでしょう

40℃以上のお湯に15分以上浸かると精子形成が抑制されます出典[3]。また、2014年にイタリアのパドヴァ大学で行われた研究で、サウナに入ると精子の数や運動率が低下してしまうことが明らかになっています出典[24]

とは言っても、疲れを癒やすためにお風呂に浸かりたいものです。精巣が機能を最大限に発揮できる温度は31~37℃になります出典[25]。お風呂に浸かるにしてもぬるま湯くらいの温度にしておきましょう。

 

コーヒーは飲んでも大丈夫ですか?

2つ目はコーヒーは飲んでも大丈夫ですか?という質問です。

心を落ち着けたり、眠気覚ましにコーヒーは飲みたくなりますよね。

飲みすぎると精子の質が下がる可能性がありますが1~2杯程度であれば問題ありません

2010年にデンマーク国立病院で、若者男性2,554人のカフェイン摂取量と精液や精子の量について調べられました。1日にカフェイン140mg以下であれば精液や精子の量に影響が出ないことが明らかになっています出典[26]

コーヒー1杯(120ml)に含まれるカフェイン量は約70mgです。コーヒーを飲むのであれば1~2杯にしておくのが良いでしょう。

 

妊活中はオナニーしない方がいいですか?

3つ目は、妊活中はオナニーをしない方がいいですか?という質問です。

射精をすることで精子が減ってしまうので禁欲した方がいいのではないかと思う人もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、むしろ適度(2~7日程度の頻度)に射精した方がいいです。

2001年にイスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学で禁欲期間と精液の質の関係が調べられています。禁欲期間が長くなると精液量は増えますが、精子濃度はほとんど変わりません

一方で、精子の運動率や正常形態率については禁欲期間が長くなると低下することが示されています。特に8日を超えてくると顕著です出典[27]。禁欲期間が長くなると状態の悪い精子が増え、正常な精子にダメージを与えてしまい、質の悪い精子の割合が増えてしまいます。

オナニーなどで適度に蓄えられる精子を出してあげる方が良く、妊活を考えている男性にとって過度な禁欲はむしろ悪影響なのです。

 

まとめ:自分に合った生活習慣を知りたい人は無料の公式LINEで相談を!

今回は妊活を行う上で男性が心がけておくべきことを論文を基に紹介しました。

妊活を成功させるには男女双方の努力が欠かせません。

まずは自身の生活習慣を見直して、できるところから改善していきましょう。

生活習慣を見直すとは言っても、「自分の生活習慣のどこを改善すれば良いのかわからない。相談したい。具体的な対策方法を教えてほしい。」といった人もいるのではないでしょうか?

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