執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
ただの伝統食材である可能性も
すっぽんと言えば精力効果ですよね。
しかし、本当にすっぽんには精力効果があるのでしょうか?
ただの伝統食材であるだけで、実際には精力効果なんて無い可能性もありますよね?
今回は、すっぽんの精力効果の謎を徹底的に解明していきます。
すっぽんは天然の完全栄養食!!
果たしてすっぽんには精力効果があるのでしょうか?
含まれる栄養素を分析することで謎を紐解いていきましょう。
体作りの必須栄養素「タンパク質」
含有成分の中でも代表的なのがタンパク質。
炭水化物・脂質とならぶ三大栄養素の一つですね。肌や髪、爪、筋肉の合成に欠かせない栄養素でもあります。
実はすっぽんには、可食部100gあたり16.4gのタンパク質が含まれているんです出典[1]。
高タンパク食材として、すっぽんを取り入れるのも一つの手でしょう。またタンパク質は、アミノ酸が結合してできています。すっぽんを食べると、体内で合成できない必須アミノ酸をはじめとする、豊富なアミノ酸を摂取できるのです。
テストステロンを高める「脂質(オメガ3)」
良質な脂質を構成する、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸。
すっぽんにはこれらが豊富に含まれます。
オメガ3はさまざまな病気を予防するほか、テストステロンを上昇させる可能性も。
2020年オーストラリアの研究によると、DHAの摂取が肥満男性のテストステロンレベルを上昇させました出典[2]。
テストステロンは、男性機能に関わるホルモン。分泌量が増えれば性欲や勃起力などの男性機能が高まるんです。
つまりすっぽんは精力向上に有効な可能性があることがわかりますね。
ちなみに、テストステロンを増やすオススメの素材をまとめた記事もあるので、ぜひ参考にして下さい。
エネルギー代謝に関わる「ビタミンB群」
すっぽんにはビタミンB群も多く含まれます。
ビタミンB群は、効率よくエネルギーを合成する栄養素。
2016年にアメリカで行われた調査では、161kmマラソンの走者がレース直前と90km地点でリボフラビン(ビタミンB2)100mgを摂取。
32人のうち、摂取した18人はほかの14人と比較して、レース中および直後の筋肉痛が少なかったのです出典[3]。
エネルギー合成効率が上がり、疲労回復できたといえるでしょう。
幸せホルモンの分泌を促す「ビタミンD」
すっぽんには、ビタミンDが豊富に含まれます。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、骨の健康に欠かせない栄養素です。
またビタミンDによって、セロトニンが増える効果も。セロトニンは幸せホルモンとよばれ、精神を安定させる働きがあります。
2020年に台湾で行われた研究では、うつ病患者において、ビタミンDが負の感情を軽減させました出典[4]。すっぽんは体の健康だけではなく、メンタル面もサポートしてくれるのです。
精力向上には継続が基本
タンパク質や良質な脂質、ビタミン類など、栄養豊富なすっぽん。確かに精力に関連する効果があることが分かりました。私たちの健康をサポートする、優秀な食材であることは間違いないでしょう。
「男性機能を高めるためにすっぽんを食べよう!」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかしすっぽんを一度食べたからといって、爆発的に精力が向上するわけではありません。
「精力剤」ではなく、あくまで「栄養価が高い食材」です。そのため継続的に食べない限り、体の変化を感じるのは難しいかもしれません。
精力を向上するためには、すっぽんを食べ続ける必要があるわけです。
継続的に食べる食材としておすすめしない理由3選
では、精力向上を目指すなら毎日すっぽんを食べるのと良いのでしょうか?
残念。精力を目的にすっぽんを食べるのはあまりおすすめできないんです・・。
具体的な3つの理由を解説しましょう。
①定期的に食べるにはコストが高い
精力向上を目的とするなら、すっぽんは継続的に食べるのが理想的。しかし、継続して食べ続けるのは難しいのが現状です。
まず問題となるのは、コストが高いこと。野生すっぽんは絶滅の危険性が高まっている動物に認定されているため、その希少性から価格が高くなってしまいます。
また水の管理やエサの費用など、養殖するためにコストが多くかかることも、すっぽんが高価格となる原因でしょう。
すっぽんを定期的に食べるのは、コスト面で現実的ではありません。特別なときのごちそうとして食べるのが一般的といえますね。
②調理方法によって栄養が減少
コスト面以外でも、精力アップのためのすっぽん摂取はおすすめしません。すっぽんは調理方法によって栄養が減少してしまうからです。
たとえば、オメガ3脂肪酸は熱に弱い性質があります。
「生で食べればよいのでは?」と思うかもしれませんが、食中毒リスクの面からすっぽんの生食は推奨されていません出典[5]。
すっぽんの食べ方としては、鍋が一般的ですよね。鍋料理ですっぽんを食べる場合、加熱時間が長くなるためオメガ3脂肪酸が減少してしまいます。
仮に継続してすっぽん鍋を食べたとしても、期待する栄養効果を得るのは難しいのです。
③あくまで伝統的な活力食材でしかない
すっぽんは栄養価が高く、古代から健康によい影響をもたらす食材として食べられてきました。
しかしエキスやパウダーなど、すっぽん抽出物を使用した臨床試験は確認されていません。
精力向上効果が証明された食材ではなく、すっぽんはあくまで伝統的な活力食材でしかないのです。
普段の食事ですっぽん料理を楽しむのは何も問題ありませんが、精力向上を目的とするには証拠としてのデータが足りないといえるでしょう。
「すっぽん=精力食材」は、伝統的に培われたイメージでしかないことを頭に入れておいてください。
まとめ:栄養価は高いが精力向上には適さない
すっぽんは天然の完全栄養食といっても過言ではないほど、優秀な食材です。
しかし、コスト面や調理方法、臨床データの不足などから、精力向上目的で食べるのには適していません。
精力を高めるなら、テストステロンの分泌をサポートするサプリメントがおすすめです。より効率よく精力の向上が期待できるでしょう。
出典
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