テストステロンブースターとは?15のおすすめ成分の効果を徹底解説
2024年11月13日更新

執筆者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識できるよう日々邁進中。

そもそもテストステロンブースターとは?

男性ホルモンの1種であるテストステロン。近年、このテストステロンを増やすサプリメントが数多く販売されており、一般的にはテストステロンブースターと呼ばれています。まずはテストステロンの作用やはたらきからテストステロンブースターについてご紹介いたします。

テストステロンとは?男性ホルモンの重要な役割

そもそもテストステロンはどのようなホルモンなのでしょうか?テストステロンは性欲上昇や筋肥大、モチベーション向上などの作用があり、男性らしい心身を形成する上で必要不可欠な男性ホルモンです

男性が思春期に男らしい身体つきになるのも、テストステロンの分泌量が大幅に増加するのが理由だとされています出典[1]。また経営者や年収の高い人ほどテストステロン値が高いと考える研究者もいます。

しかしこの分泌量は20代後半をピークに年1%ずつ減少していくことがわかっています。うつや筋力低下、勃起不全等の男性更年期障害が生じるのもテストステロンの分泌量の低下の影響が大きいと言われています。その他にも生活習慣の乱れや薬の副作用によってもテストステロンの分泌量は低下します。

なんだか気分が上がらない、体力や性欲が落ちたと感じる男性はテストステロンが低下しているかもしれません。

 

テストステロンブースターの主なはたらき

テストステロンは脳の指令により、精巣のライディッヒ細胞でコレステロールから合成されます。しかし折角合成されたテストステロンも98%は、SHBGと呼ばれるたんぱく質と結びつくことではたらきを失ってしまいます。また残りの2%も女性ホルモンやジヒドロテストステロン (DHT) に変換されることで、体内の総量は低下してしまいます出典[2]

テストステロンブースターは、上記のテストステロン分泌のメカニズムをサポートすることで、間接的に体内のテストステロンの分泌量を増加させるサプリメントのことです。例えば、精巣のライディッヒ細胞にテストステロンを産生するように指令を出したり、女性ホルモンやジヒドロテストステロンへの変換をブロックしたりします。

もちろんあくまでサポートとなるため、筋トレや十分な睡眠などの健康的な生活習慣が前提となります。その上で筋肉量UPやモチベーション向上を目指す人は、試してみる価値はアリです。
 

テストステロンブースターは効果なし?15の成分を徹底解説!

ここからはテストステロンブースターによく配合される15の成分を紹介します。どれも科学的に効果が証明された栄養素ばかり。テストステロンブースターサプリメントを選ぶ際はこれらが必要量配合されているかチェックしてくださいね。

1.テスノア:推奨量200~400mg

テスノアはGENCOR社から2020年にリリースされたばかりの最先端のテストステロンブースターです。その正体はザクロとカカオの混合物。ザクロの有効成分のプニカラギンを3.5%、カカオの有効成分テオブロミン0.5%含むように規格化されています。プニカラギンはザクロジュースの抗酸化活性の50%以上を担うポリフェノール。テオブロミンは血管拡張や集中力向上などの作用があり、ギリシャ語で「神の食べ物」という意味を持ちます。

テスノアの大きな特徴は若い世代と中高年世代の双方でテストステロンの分泌量の増加が確認されていることです。実際に研究で200mg/日または400mg/日のテスノアの摂取を56日間続けたグループは、21~35歳の男性においても、36~55歳の男性においても、プラセボ群と比較してテストステロン量が増加したことが報告されています出典[9]出典[10]。また握力の向上や上腕周囲の増加、AMSスコア(男性更年期障害の程度を調べる質問票)の改善も報告されています。

ボディメイクをしている人や男性機能の低下に悩む人は是非とも摂取したい成分です。

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2.バイオドーパ(ムクナ):推奨量300mg

バイオドーパはバイオアクティブズジャパンが販売するムクナマメの抽出成分です。ドーパミンの前駆体であるL-DOPAが30%以上保有するように規格化されており、うつ病やストレス、脳疲労の緩和等の中枢関係の悩みの改善効果が期待されています。またドーパミンは脳の視床下部を刺激することで、テストステロンを含む様々なホルモンを産生するように指示を送ります。

実際に2007年に不妊男性75名を対象にした研究では、3か月間ムクナマメの抽出物を摂取した結果、ドーパミン以外にもテストステロン、黄体形成ホルモン、ノルアドレナリンの値が大幅に改善したことが報告されています出典[11]

闘争心を高めるテストステロンのみならず、集中力を向上させるドーパミンが増えるバイオドーパはビジネスマンの強い味方になること間違いありません。

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3.LJ100(トンカットアリ):推奨量75~200mg

LJ100は、アメリカのバイオメーカーHP Ingredientsが開発・販売しているサプリメント素材です。その正体はマレーシア原産ハーブのトンカットアリ。東南アジアでは古くから精力増強や痛みの軽減のための民間薬として使用されてきた植物です。

世にトンカットアリのサプリメントが多く溢れている中で、LJ100の特徴は有効成分が規格化されている点にあります。具体的にはLJ100は有効成分のユーリペプチドが22%、グリコサポニンが40%、ポリサッカライドが20%を含むように規格化されています

▼それぞれのはたらき

  • ユーリペプチド:テストステロンの合成をサポートする酵素を増加させる
  • グリコサポニン:活性酸素を無害化して酸化ストレスを低減する
  • ポリサッカライド:血糖値の上昇を抑える

2021年にインドの研究チームは 50~70 歳の105人の男性にトンカットアリ100mg、トンカットアリ200mg、もしくはプラセボを12習慣摂取してもらいました。その結果、トンカットアリ100mgを摂取したグループは12週目に、トンカットアリ200mgを摂取したグループは4週目に、プラセボ群と比較してテストステロン値が上昇したことが報告されています出典[6]。またその他の研究ではテストステロン値のみならず、男性更年期障害の症状の軽減が確認されています出典[7]

40代を境に性欲や気分の低下を感じている更年期気味の人にLJ100はおすすめです。

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4.テストフェン(フェヌグリーク):推奨量450~600mg

テストフェンはアメリカのニュートリションメーカーGENCORが開発・販売しているサプリメント素材です。その原料はフェヌグリークというマメ科の植物の種子。海外のアスリートに注目されている成分である他に、カレーのスパイス等によく使用されます。テストフェンはそんなフェヌグリーク種子の有効成分であるフェヌサイドを50%以上保有するように規格化されています

2016年にインドの大学が行った研究では、60人の若い男性にテストフェン600mgを8週間摂取してもらった結果、遊離テストステロンの値が2倍になったことが報告されていますまたレッグプレスの1回の最大挙上重量やベンチプレスの連続挙上回数も有意に向上していました出典[8]

若いアスリートや筋トレの好きの男性は是非とも摂取したい成分ですね。

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5.プリマビエ(シラジット):推奨量200~500mg

プリマビエは、ヒマラヤ山脈で採取される天然の腐葉土と植物性有機物の混合物であるシラジットの規格化素材です。自然界でごく微量しか生産されないフルボ酸を50%以上含むことが保証されています。フルボ酸以外にもDBP(ジベンゾ-α-ピロン)やDCP(DBP-クロモプロテイン)などの有機酸が豊富に含まれています。

▼それぞれのはたらき

  • フルボ酸:活性酸素の除去やデトックス作用
  • DBP(ジベンゾ-α-ピロン):抗酸化・抗アレルギー・抗真菌作用など
  • DCP(DBP-クロモプロテイン):抗酸化・抗ストレス作用

2010年に35人の不妊男性にシラジット200mgを90日間摂取してもらった研究では、血清テストステロンが23.5%、精子数が61.4%、精液量が37.6%上昇したことが報告されています出典[12]

テストステロンは精子形成の指令を出すホルモンでもあります。またプリマビエには強力な抗酸化作用があり、テストステロンのみならず精子を酸化ストレスから守ってくれます。

妊活中で精子の質を高めたいと考えている人におすすめの成分です。

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6.亜鉛:推奨量11mg

亜鉛は牡蠣に豊富に含まれるミネラル。テストステロンの合成に非常に重要な役割を果たすため、精力系のサプリメントにも多く配合されています。

具体的に亜鉛は黄体形成ホルモンの合成に大きく関わっています。黄体形成ホルモンとは、精巣のライディッヒ細胞を刺激することで、テストステロンの分泌を促進するホルモンです。つまり、亜鉛が不足して黄体形成ホルモンが合成されないと、テストステロンは産生されないといっても過言ではない。

実際に20代の若い男性に亜鉛制限食を20週間続けてもらった研究では、血清テストステロン値が3分の1程度低下したことが報告されています出典[3]

厚生労働省によると、亜鉛の推奨量は11mg/日出典[4]。しかし日本人の食事からの平均的な摂取量は8mgと言われています出典[4]。亜鉛が豊富な肉類や貝類、卵をあまり食べない人はサプリメントから効率的に補給するのがよいでしょう。

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7.ビタミンD:推奨量8.5μg

脂溶性ビタミンの1種であるビタミンD。食事以外に日光を浴びることでも体内で合成されることから、サンシャインビタミンとも呼ばれています。

ビタミンDの受容体が、コレステロールからのテストステロンの合成が行われる精巣のライディッヒ細胞に多く存在することから、テストステロン合成におけるビタミンDの重要性が伺えます。

2010年に2000人以上の男性を対象に行われたオーストリアの研究では、血中ビタミンD濃度が高い人ほど、血中テストステロン濃度も高いことが示されました出典[5]

厚生労働省によると、18歳以上の男女におけるビタミンDの摂取目安量は8.5μg/日出典[4]。しかし20〜40代の男女は約5~6μg/日しか摂取できておらず、不足していることがわかっています出典[4]

デスクワークが中心で日光の浴びることが少ない現代人は特にビタミンDが不足しやすいようです。適度な日光浴や食事からの摂取を意識する必要があるでしょう。

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8.マグネシウム:推奨量370mg

マグネシウムは身体の中で最も豊富なミネラルの1つ。タンパク質合成、エネルギー産生、細胞増殖、生殖など、さまざまな生物学的システムにおいて重要な役割を果たしています。

そんなマグネシウムの特筆すべき作用は酸化ストレスと炎症を軽減させることです。テストステロンがストレスや炎症に弱いことを考えると、マグネシウムはテストステロン濃度の維持に重要です。

400人近くの高齢の成人男性を対象に実施された研究では、体内のマグネシウム濃度とテストステロン濃度との間に有意な相関関係があることが報告されています出典[5]

マグネシウムは食品からの摂取以外にも経皮からの吸収が可能です。クリームや入浴剤を1度試してみてはいかがでしょうか。

 

9.ザクロジュース:推奨量500ml

ザクロはプニカラギンやアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールを豊富に含む果物の1つ。強力な抗酸化・抗炎症作用や血流改善作用を持つことから、海外のトップアスリートがリカバリー目的に摂取することが多いです。日本ではザクロ果実があまり流通していないため、ジュースの形で摂取することがおすすめです。

60人のボランティアを対象に2週間ザクロジュースを摂取してもらった研究では、収縮期血圧と拡張期血圧が大幅に低下し、唾液テストステロンレベルが24%上昇したことが報告されています出典[13]。また不安感の軽減も確認されました。

トレーニングでの疲れを感じやすい人や血圧に悩む中高年の方は1日1杯を目安にザクロジュースを摂取するとよいでしょう。
 

10.ノコギリヤシ:推奨量320mg

ノコギリヤシは南アメリカと北アメリカに分布する常緑樹で、その名前の通り葉はギザギザとした形状をしています。テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5-αリダクターゼという酵素のはたらきを阻害する役割があると言われています

ジヒドロテストステロンは抜け毛や前立腺肥大の原因になると言われており、AGAや前立腺肥大症に悩む人から愛用されている素材です。

良性前立腺肥大症を有する40~65歳の男性にノコギリヤシ500mgを12週間摂取してもらった研究では、5α-レダクターゼが減少し、血清テストステロン値が有意に増加したことが報告されています。また男性更年期障害や前立腺肥大症の症状も軽減されたことがわかりました出典[14]

ノコギリヤシの研究の多くは高齢で且つ前立腺肥大等の疾病を有している方を対象としています。健康な若い男性への効果についてはこれからの研究に期待ですが、若々しい身体を取り戻した高齢の方は摂取してみるのも1つでしょう。

 

11.ホウ素:推奨量1~5mg

ホウ素は生物の代謝において多様で非常に重要な役割を持つ微量栄養素です。例えば骨の発達や創傷治癒、ビタミンDの生成と代謝、カルシウムとマグネシウムの吸収と使用などに関わっています。これまでに紹介したビタミンDとマグネシウムの代謝に大きく関わることから、テストステロンの生成にも有益なことは分かりやすいのではないでしょうか。

8名の健康な男性に6mgのホウ素を1週間摂取させた研究では、遊離テストステロン量が11.83 pg/mLから15.18 pg/mLに上昇したことが報告されています出典[15]

ホウ素はアボカドやナッツ類、レーズン、プルーンなどに豊富に含まれています。肉食中心の食生活を送っている人は、サプリメントで補うのがおすすめです。

 

12.セレン:推奨量50μg

セレンも人体に必須のミネラルの1つです。生殖やDNA合成、酸化的ストレスや感染等からの保護に重要な役割を担っており、不妊男性は精子中のセレン濃度が少ない事が研究で示されています出典[16]

2017年に12人の不妊男性を対象に、毎日50㎍のセレンを3か月間摂取してもらった結果、テストステロンや黄体形成ホルモンが増加した他、精子の数や運動率、生存率が大幅に改善されました。また酸化ストレスの指標となるマロンジアルデヒドが減少していたことから、セレンはテストステロンを酸化ストレスから守る効果をあわせもつ可能性があります出典[17]

セレンは肉類や魚類、卵などの動物性の食品に豊富に含まれており、基本的には不足することはありませんが、菜食主義の人は気を付けるとよいでしょう。
 

13.DHA・EPA:推奨量1000~3000mg

魚類に豊富に含まれる不飽和脂肪酸のDHA。血流の向上や中性脂肪の減少、認知機能の向上、生活習慣病リスクの低下など、数多くの機能が報告されています。そして近年ではテストステロンに関する効果も研究で確認されています。

2020年にオーストラリアのニューカッスル大学が発表した研究では、過体重の男性61名に魚油(DHA860mg・EPA120mg)もしくはプラセボ(コーン油)を12週間摂取してもらった研究では、魚油群はプラセボ群と比較してテストステロンが有意に上昇したことが報告されています出典[18]

DHAは人体では合成することができない必須脂肪酸のため、食事から摂取する必要があります。推奨量の1gを満たすには、まぐろ(トロ)で3~5切れ、ぶりで7~8切れ程度と言われています。魚を毎日食べることが難しい人は、サプリメントがおすすめです。
 

14.ジオスゲニン:推奨量20~50mg

ジオスゲニンは山芋に豊富に含まれる天然のステロイドとも言われる成分です。男性ホルモンのDHEAと似たはたらきがあり、筋力増強効果が期待できると言われています。DHEAはドーピング禁止物質ですが、ジオスゲニンはドーピング禁止物質に指定されていないため(2023年4月時点)、アスリートに人気があります。

2020年に立命館大学は山芋の摂取と筋トレの実施がアスリートの筋力の与える効果について調査しました。短距離系の陸上選手15名と対象に、8人に山芋のサプリメント2000mgを、7人にプラセボを8週間摂取してもらいました。8週間の間に筋肥大を目的とした全身性のトレーニングも実施しています。その結果、山芋のサプリメントを摂取した群において、腕の徐脂肪量の増加、デッドリフトとスナッチの1回の最大挙上回数の向上、血清 DHEA値、遊離テストステロン値が増加しました出典[19]

短距離選手やパワーリフターのように短時間で大きな力を発揮することが求められるアスリートは摂取を検討してみるのもよいでしょう。

 

15.マンゴスチン:推奨量400~800mg

マンゴスチンは、マングース科に属するトロピカルフルーツの一種であり、主に東南アジアで栽培されています。希少性や収穫の難しさから、高価な果物としても知られています。抗酸化作用の強いキサトンという成分が含まれており、外傷や皮膚感染症、腹痛、赤痢などの病気の治療における伝統的な薬として長年使用されてきました。

精巣で分泌されたテストステロンはアロマターゼという酵素によって、一部が女性ホルモンに変換されてしまいますが、マンゴスチンにはアロマターゼの働きを阻害する可能性が研究で示唆されています出典[20]

38人の若い男性を対象に、マンゴスチンとシナモンタマラの抽出物800mgの摂取と週5日の全身のトレーニングを42日間継続してもらった研究では、テストステロンがベースラインと有意に比べて上昇し、左腕の上腕周囲や徐脂肪量、ベンチプレスの最大挙上重量、レッグプレス・レッグエクステンションの連続挙上回数が増加していたことが報告されています出典[21]

アロマターゼは脂肪に多く存在する酵素。どうしても脂肪が身体についてしまう増量期に摂取してみるとよいかもしれません。
 

テストステロンブースターの副作用は本当?リスクを回避するための対策方法

サプリメントを使用する上で気になるのが副作用の有無。ここではテストステロンブースターの安全性とともに、リスクを回避する方法について解説します。

副作用が懸念される理由は?メカニズムや注意すべきこと

テストステロンブースターを摂取すると、自分でテストステロンを作る能力が弱くなってしまうのでは?と考える人も少なくないでしょう。確かにテストステロン補充療法のように直接的にホルモンを体内に注入した場合は、身体が自分でホルモンを作る必要がないと判断してしまい、テストステロンを自然に分泌する能力を失ってしまいます

ただし、テストステロンブースターの役割はあくまで身体の各パーツのはたらきをサポートすること。元々備わっている分泌機構を活性化させるというメカニズムのため、摂取を止めることで、摂取前の状態に徐々に戻る可能性はありますが、自己分泌能力が衰えることはありません

もちろん過剰摂取が長期間続くと、頭痛やめまい等の副作用が生じる成分もあるため、上限摂取量を無視した摂取方法は禁物です。推奨量を守って安全に利用するようにしましょう。

 

副作用が報告されている医薬品指定成分に要注意!

とはいえ海外のテストステロンブースターの中には、日本では医薬品指定されている成分が含まれているものもあります。医薬品指定成分は作用が強力な分、副作用も非常に強いため注意が必要です。代表的な成分としてはアシュワガンダ、ハマビシ、ヨヒンビンなどがあります。

  • アシュワガンダ:インドを原産とする樹木。動悸や倦怠感などの副作用が報告されている。
  • ハマビシ:利尿作用や抗炎症作用のある植物。胃の収縮、吐き気、胃酸の逆流などの軽微な副作用から、腎臓への深刻なダメージまで確認されている。
  • ヨヒンビン:ヨヒンベという植物の樹皮から抽出したエキス。胃腸障害や動悸、吐き気、不安感、高血圧などの副作用が報告されている。

医薬品指定成分についてもっと知る

下記のLINE窓口では薬剤師やサプリメントアドバイザーがサプリメントに関するアドバイスをさせていただいております。医薬品指定成分の有無や配合成分の正当性等を確認させていただいておりますので、よろしければご活用ください。

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テストステロンブースターはドーピング検査に引っかかる?注意点や対処法

テストステロンが増えると聞くと気になるのはドーピングに引っかからないかどうかですよね。ここではテストステロンブースターの安全性やドーピングに引っかからないために気を付けるべきことについて解説します。

ドーピング検査とは?どんな基準で判断されるのか?

テストステロンには、元々体内に存在する内因性のものと、故意に体外から取り入れる外因性のものがあります。ドーピング検査の手法については競技や団体によって多少異なりますが、基本的には尿や血液から外因性のテストステロンや禁止物質が確認された場合、ドーピング違反となります。

 

ドーピング検査に引っかかる可能性はある?テストステロンブースターの作用から解説

テストステロンブースターはあくまで内因性のホルモン分泌メカニズムを活性化することで、テストステロンの分泌をサポートする事を目的としたサプリメント。テストステロンやテストステロン様物質を直接体内に取り入れるわけではないため、基本的にはドーピングに引っかかる可能性は低いです

ただしここでも海外サプリメントにはドーピング禁止物質が配合されているものもあります。特に頻繁に配合されているDHEAには注意が必要です。また成分表示上は禁止物質が配合されていなくても、同じ工場で製造している禁止物質が、混入している可能性があります。

 

ドーピング検査に引っかからないためにはどうすればいいのか?

テストステロンブースターでドーピングに引っかからないためには下記2点に注意するとよいでしょう。

  • 日本製のサプリメントであること
  • 配合成分にWADA(世界アンチドーピング機構指定)指定の禁止物質が含まれていないこと

また販売元に確認をとるのも1つでしょう。どんなサプリメントでも100%ドーピングに引っかからないと言えるものはありませんが、禁止物質が配合しているか否かは確認できるでしょう。
 

サプリメントの摂取と同時に行いたいこと5つ

サプリメントの役割はあくまでサポート。効果を最大限に得るためには運動や食事、睡眠などの生活習慣を整えておく必要があります。そこで最後にテストステロンブースターの摂取を合わせて行いたい5つのことをご紹介します。

ジムでトレーニング

テストステロンは95%が精巣で作られますが、近年の研究で筋肉から微量分泌されることがわかっています出典[22]実際に252人の男性の血中テストステロン値と筋肉量を調査した研究では、テストステロン量が上位25%の男性は下位25%の男性と比べて、より多くの筋肉量を有していることが示されています出典[23]

筋肉量を効率的に増やすためには、1セット6~20回ギリギリできる程度の負荷で筋トレを実施する必要があります。全身に適切な負荷をかける上では、フィットネスジムでバーベルやマシンを使ったウエイトトレーニングを行うことはおすすめです。

 

脂質は削りすぎない

テストステロンを作る主な材料はコレステロール。そのためコレステロールの供給源である脂質を摂らなさすぎると、テストステロンブースターを摂っても、男性ホルモンが作られません。実際に、1日に必要なエネルギーの40%を脂質から摂取した人の方が、エネルギーの20%を脂質から摂取した人より、テストステロンの分泌が高いことが研究で報告されています出典[24]

もちろん肥満気味の人は脂質の摂りすぎに注意が必要ですが、アスリートやトレーニーは適度に動物性食品から飽和脂肪酸を摂取するとよいでしょう。
 

十分な睡眠をとる

テストステロンの分泌量は1日の中で大きく変動があり、睡眠中に最も分泌されることがわかっています出典[25]。そのため睡眠時間が十分でないと1日に産生されるテストステロンの総量は減少してしまいます。

テストステロンと睡眠時間の関係を調査した有名な研究では、5時間睡眠を1週間続けた人は、十分に睡眠時間を確保した人と比べて、日中のテストステロン量が10~15%減少したことが確認されています出典[26]

質が良ければ短時間でもよしと主張する人もいますが、基本的にそんなことはありません。質よりもまずは量。7~9時間の睡眠を確保するようにしましょう。

 

心身のリカバリー管理を徹底する

人間は肉体的・精神的に大きな負担がかかった時、負荷に対処するために筋肉や脂肪を分解してエネルギーを取り出します。この時に筋肉を分解する指令を出すのがコルチゾールというホルモンです。テストステロンが筋肉の分解を抑制し、合成を高めるホルモンであることを考えると、真逆の役割を持っていることがわかります。

2つのホルモンの相性はもちろん良くなく、コルチゾールが多い状態が続くとテストステロンは体内で十分に力を発揮することができません出典[27]。つまり心身が疲労してコルチゾールが多くなると、テストステロンブースターを摂っても、筋肉の増加や性欲向上等の効果は期待できません。

そこで心身のリカバリーを徹底することは大切です。仕事や生活の精神的ストレスはもちろんのこと、過度な筋トレによるオーバートレーニングには注意が必要です。

 

体脂肪率は10%前後を維持する

脂肪に含まれるアロマターゼという酵素はテストステロンを女性ホルモンに変換してしまいます。そのため、増量期でも過度に体脂肪をつけると、テストステロンブースターを摂取したテストステロンが無駄になってしまう可能性があります。実際にBMIが25を超える男性は、標準体重の男性よりもテストステロン量が40~50%低いことが研究で示されています出典[28]

一方で絞りすぎも要注意。減量期のボディビルダーを対象にした研究では、コンテスト直前(体脂肪率を5%)は、減量開始前と比べてテストステロン量が20%少なかったことが示されています出典[29]

体脂肪率が11%に近づく時、テストステロン値は最適化されると言われています。オフ期間が太りすぎず絞りすぎずの状態をキープし、コツコツ身体を大きくするのが効率的でしょう。
 

まとめ

テストステロンは男らしい心身を作る上で欠かせないホルモンです。今よりもっと筋肉をつけたい、男らしい精神が欲しいという方は今回紹介した成分を摂取してみるとよいでしょう。

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