

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
半勃起ってどんな状態?
そもそも勃起とは、性行為時など性的興奮が高まった際に陰茎(ペニス)に血液が流れ込むことで、陰茎が硬く大きくなる生理現象。
勃起が起こることで陰茎を女性の腟内に挿入できるようになるので、性行為の成功のためには勃起が正常に起こるかが重要になります。
半勃起とは不完全な状態の勃起のことを指します。ガチガチに硬くもなく、かと言ってふにゃふにゃなほど柔らかいわけでもない、ちょうど中間くらいの硬さの状態です。
勃起の硬さを表すErection Hardness Score(EHS)であればグレード1~2に相当します。EHSは4段階であり、それぞれの状態における硬さのイメージは次の通りです。
- グレード1: 豆腐、こんにゃく
- グレード2: みかん、皮を向いたバナナ
- グレード3: グレープフルーツ、皮ありバナナ
- グレード4: りんご、キュウリ

グレード4は完全な勃起状態です。一方で、グレード1や2は挿入するには不十分な硬さである、勃起不全(ED)の状態になります。
2008年にカルフォルニア大学で行なわれた研究では、EHSが高くなると性行為の成功率が高まることが示されています出典[1]。具体的にはグレート1の成功率が9%、グレード2が23%、グレード3が60%、グレード4が93%でした。
満足のいく性行為ができないことでパートナーとの関係性悪化や自尊心の低下などの原因になります。また、不妊や男性機能障害にもつながるので早急に対応しておく必要があります。
半勃起の理由15選
半勃起の改善は快適な性生活を送る上で欠かせません。
半勃起になってしまう原因の多くは生活習慣にあるので、セルフケアで対処することは十分に可能です。
次に半勃起になってしまう15個の原因を科学的根拠に基づいて紹介します。
1.加齢

まず1つ目は加齢です。
勃起にとって重要な「テストステロン」と「血流」の2つは両方とも加齢によって状態が悪化してしまいます。
テストステロンによる性的興奮と血管の拡張によって、陰茎に血液が流れ込み正常な勃起が起こるのです。
しかし、テストステロンは20代をピークに年1%ずつ低下してしまいます出典[2]。理由は、加齢によって合成能が落ちたり、酸化ストレスなどで分解されたりするためです。
また、加齢は血管自体にも悪影響を与えます。加齢により代謝が落ちると血管にコレステロールが溜まりやすくなります。
また、血管へのダメージの蓄積はプラークをできやすくなる原因です。血管が詰まりやすくなるので血流が悪くなってしまうのです。また、血管の筋肉が衰えることも加齢で血流が悪化する要因の一つです出典[3]。
加齢によるテストステロンや血流の悪化は40代を過ぎると起こりやすくなるので、中高年の方は特に注意が必要になります。
2.お酒の飲みすぎ

2つ目はお酒の飲みすぎです。
1998年に行われた旭川医科大学の研究で、飲酒により陰茎の硬度と周径が低下することが明らかにされています出典[4]。
理由は、お酒に含まれるアルコールは様々な作用でテストステロンを低下させるからです。
まず、テストステロンを合成する睾丸や副腎の細胞にダメージを与え、テストステロンを低下させてしまいます出典[5]。
また、過度のアルコール摂取により体内に炎症が起こり、炎症を抑えるために副腎から「コルチゾール」が分泌されることもテストステロンが低下する一因です出典[6]。
なぜなら、コルチゾールが分泌されるとテストステロンの前駆体である、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が消費されてしまうからです。
他にも、アルコールによってテストステロンの前駆体であるアンドロステンジオンが、女性ホルモンの代表格であるエストロゲンに変換されやすくなることもテストステロンの低下に関係しています出典[7]。
お酒を飲むにしてもアルコール量として1日20g、500mlのビール1缶や日本酒1合程度を目安にしましょう。
3.太りすぎている

3つ目に考えられるのは太りすぎです。
肥満になると複数のことが原因でテストステロンが低下してしまいます。例えば、炎症性のホルモンの分泌が増えることでテストステロンは分解されてしまいます出典[8]。
また、テストステロンを女性ホルモンに変換する酵素(アロマターゼ)が増えてしまうことも原因の一つです出典[9]。
BMI25以上が肥満です。太りすぎてると感じる方は適切体重であるBMI22を目指してダイエットを心がけましょう。身長170cmの人は63.5kg、180cmの人は71kgくらいが目安になります。
4.睡眠時間が6時間未満

4つ目は睡眠時間の短さです。特に6時間未満の人はリスクが高いです。
2010年にシンガポール国立大学で行なわれた研究で、睡眠時間が6時間未満の人は8時間以上の人と比べるとテストステロンが14%低いことが示されています出典[10]。
テストステロンは睡眠中に分泌されるので睡眠時間の確保は欠かせません。
国立睡眠財団は成人は7~9時間の睡眠時間を取ることを推奨しているので出典[11]、しっかりと睡眠時間を確保するように心がけましょう。
5.デスクワークが中心

仕事のスタイルがデスクワーク中心の人も気をつけなければなりません。
体の中の血流は、心臓からの血液を他の組織に送るための動脈と心臓に血液を戻すための静脈に分かれています。
静脈の血液を心臓に戻すには、筋肉がリズミカルに収縮する必要があります。長時間座り続けていると足の筋肉が動かなくなるため、十分に血液を戻せなくなり血流が悪くなってしまうのです。
2015年にアメリカのミズーリ大学で行なわれた研究によると、デスクワークの時間が長くなればなるほど血流が悪くなり、6時間のデスクワークでは30%以上も悪化することが明らかにされています出典[12]。
しかしご安心を。この論文では、デスクワークによる血流の悪化は短時間(10分程度)の歩行で改善できることも示されています。
デスクワークが中心の方は定期的に散歩するなどして足の筋肉を動かすことを意識するようにしましょう。
6.朝食を抜いている

皆さんはしっかりと朝食を食べていますか?
朝食を抜いてしまう習慣は半勃起のリスクを高めますので改善しなければなりません。
2017年にスペインの国立心臓血管研究センターで行なわれた研究によると、朝食を抜く人は血液中のコレステロールや中性脂肪の量が増えてしまい、動脈硬化のリスクが高くなることが示されています出典[13]。動脈硬化は血流が悪化してしまった状態なので、朝食を抜くと半勃起が起きやすくなるのです。
朝は何かと忙しいですがしっかりと朝食を摂ることを心がけましょう。
7.脂肪分の多い食事を摂っている
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7つ目として考えられるのは脂肪分の多い食事ばかりを摂っていることです。
高脂質な食事はテストステロンと血流の双方に悪影響を及ぼすことが知られています。
2019年にオーストラリアのフリンダース大学で行われた研究では、ハンバーガーやカップ麺、スナック菓子などの高脂質な食事を1回食べるだけでテストステロンが25%近くも低下してしまうことが示されています出典[14]。
高脂質な食事に多く含まれているトランス脂肪酸によって精巣がダメージを受けることでテストステロンが合成されにくくなるためです出典[15]。
また、高脂質な食事を食べ過ぎると血管がダメージを受けたり、血液中にコレステロールや中性脂肪が溜まりやすくなったりすることで、血流が30%近くも低下することが明らかにされています出典[16]。
脂肪分の多い食事を摂るにしてもほどほどにしておきましょう。
8.精神的ストレスが大きい
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8つ目は精神的なストレスが大きい場合です。
ストレスを受けると体内では、炎症を起こす物質である炎症性サイトカインや活性酸素が産生されます。炎症や活性酸素などはテストステロンを分解したり、精巣にダメージを与えたりすることでテストステロンの合成を抑制されてしまいます出典[17]。
また、精神的にストレスがたまっている状態では、中枢のはたらきが悪くなり、勃起の指令が伝わりにくくなることでも勃ちが弱くなってしまうのです出典[18]。
ストレスが溜まりすぎないように日々、適度に発散したり、パートナーなどに相談するようにしましょう。
9.疲労が溜まっている
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9個目に考えられるのは疲労が溜まっている可能性です。
疲労が大きいと体内ではストレス・炎症・活性酸素などが増加してしまうので、テストステロンは分解されたり、合成が抑制されたりすることで低下してしまいます。
市民ランナーの月間のランニングの距離とテストステロン値の関係を調べた研究で、ランニングの距離が月間200km以上を超えてくるとテストステロンが著しく低くなることが日本性機能医学会の雑誌に報告されています出典[19]。
つまり、運動などで体を動かすにしてもほどほどの量にしておくことが大事なのです。
疲れを感じている方は、まずはしっかりと休んで体力を回復させるようにしましょう。
10.喫煙している

言うまでもなく喫煙も半勃起のリスクを高める原因の一つです。
タバコに含まれているニコチンは血管を収縮させるので陰茎へ流入する血流量が低下してしまい、勃ちが悪くなります。
2006年にアメリカのハーバード大学で行われた研究で、喫煙によって勃起不全のリスクは1.5倍も高くなることが明らかにされています出典[20]。
喫煙しても何も良いことはありませんので、喫煙習慣のある方は禁煙を心がけるようにしましょう。
11.射精の間隔が短い
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射精の間隔が短い場合も半勃起になりやすくなります。
通常、射精を行うと勃起していた陰茎は萎えてしまいます。理由は射精をすることで脳下垂体前葉からプロラクチンが分泌されるからです。
プロラクチンには勃起や興奮・性欲に関わるホルモンであるドーパミンやテストステロンの働きを抑える役割があるので、射精をすると勃起力が弱まるのです出典[21]。
プロラクチンが効いている間は勃起が起こりにくいので、前回の射精の間隔が短いと勃ちが悪くなってしまいます。
平均的には20分から30分ぐらいは勃起が十分に起こらないと言われているので、射精からの時間を上手に取るようにしましょう。
12.刺激の強いオナニーを行っている

次に考えられるのは普段から刺激の強いオナニーを行っている可能性です。
刺激の強いオナニーで性行為時とは異なる過度な刺激に慣れてしまうと、実際の性行為時に十分な刺激や興奮を感じられなくなり勃起が不十分になってしまいます。
具体的には足ピン(脚を伸ばした状態での自慰行為)、強グリップ(陰茎を強い力で握る)や床オナ(手を使わないで床に擦り付ける)などです。また、性的刺激の強い画像や動画を見ていることも当てはまります出典[22]。
刺激の強いオナニーはほどほどにしておきましょう。
13.性行為に不安を感じている

性行為に対して不安を感じているのも半勃起になりやすい原因の一つです。
性行為に対して何かしらの不安を感じていたりすると神経伝達がうまく行われず、勃ちが弱くなってしまいます。
正常な勃起や射精には、やる気や意欲・性欲に関わるドーパミンの分泌が大事です。しかし、精神状態が不安定になるとドーパミンの分泌は抑えられてしまい、興奮が上手く起こらず勃起が上手くいかなくなってしまいます。
性行為に不安を感じている方はまずはパートナーに相談してみて、不安を解消しましょう。
14.生活習慣病を患っている
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14個目に考えられるのは生活習慣病を患っている可能性です。
生活習慣病とは、栄養バランスの悪い食事・運動不足・喫煙・飲酒などの健康的でない生活習慣を食事を原因として起こる疾患の総称です。肥満・糖尿病・高血圧・高脂血症・動脈硬化などが該当します。
生活習慣病を患っていると慢性的な炎症が起こることで血管機能やテストステロンが低下し、勃起不全が起こりやすくなります出典[23]。
生活習慣を見直すことで改善できるのでまずは自身の生活習慣を見直してみましょう。
15.勃ちを弱める医薬品を使用している

最後に考えられるのは、勃ちを弱めるような副作用がある医薬品を使用している可能性です。
健康に生活を送るために欠かせない薬ですがテストステロンを低下させる副作用があり、勃起しにくくなる場合があります。EDの原因の約25%は薬の副作用である可能性が指摘されています。
具体例は次の通りです。
- 抗うつ薬
- コレステロール低下薬(スタチン系薬剤)
- 鎮痛薬
- 男性型脱毛症用薬(抗アンドロゲン薬)
- 抗がん剤
抗うつ剤や鎮痛薬などは中枢神経系に作用し、脳からのテストステロンの合成を促すための司令に影響を与えてしまいます出典[24]出典[25]。
また、スタチン系の薬剤は体内でのコレステロール合成を抑制するのでテストステロンを合成するための原料が減少し、テストステロンは低下してしまうのです出典[26]。
気になる方は副作用の低い薬に変更可能か、まずは主治医に相談してみましょう。変更できない場合は他の方法でテストステロン量を高めることを心がけてください。
まとめ:半勃起は自分にあった方法で対策を!
今回は半勃起になってしまう原因を論文を基に紹介しました。
半勃起の原因の多くは日々の生活習慣にあります。
勃起が正常に起こるように自身の生活習慣を見直し、充実した性生活を送れるようにしましょう。
しかし、生活習慣を見直すとは言っても、「自分の生活習慣のどこを改善すれば良いのかわからない。相談したい。具体的な対策方法を教えてほしい。」といった人もいるのではないでしょうか?
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