監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。
執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
サウナがペニスのパフォーマンスをサポートする理由3選
サウナは体を温め発汗する温浴法であり、健康面で様々な良い効果があります。
血流が良くなったり、自律神経が整えられるのでストレス解消にも繋がります。
サウナがペニスのパフォーマンスをサポートする理由を3つ紹介します。
1.ペニスへの血流を改善する
1つ目はペニスへの血流を改善できることです。
サウナで身体が温まると血管が拡張されるので血流が良くなります。
2015年に東フィンランド大学で行なわれた研究で、サウナに入浴する頻度が高いほど心血管疾患のリスクが下がることが報告されました。週に1回の頻度だと発症リスクは22.3%ですが、週4〜7回になると12.0%にまで低下します出典[1]。
血流が良くなることは勃起にとって重要です。
なぜなら、勃起はペニスに血液を送り込まれることで、ペニスが硬く大きくなる現象だからです。
サウナに入ると血流が改善されるので、勃起時のハリや硬さの改善に繋がる可能性があります。
2.体重を落としてテストステロンのサポートに繋がる
2つ目は体重を落とすことができ、テストステロンのサポートに繋がることです。
サウナに入ると一定のカロリー(30分で約80kcal)を消費するだけでなく、血流が良くなり体温が上がることで脂肪燃焼効果を高めることができます。体重を落とすことができるので、性機能の改善に繋がる可能性があります。
ここで、重要になるのは勃起などの男性機能に欠かせないホルモンであるテストステロンです。
多くの研究から、体脂肪率が高くなるとテストステロンは低下してしまうことがわかっています出典[2]。一つの理由として、体脂肪にはテストステロンを女性ホルモンに変換するアロマターゼがあり、テストステロンが減ってしまうことが挙げられます。
サウナは脂肪燃焼効果が高まり体重を落とすことができるので、テストステロンを高めるサポートをしてくれると考えられます。
しかし、体重減少の基本は食事と運動であり、サウナだけで体重を減らせるわけではないことを忘れないようにしましょう。
3.ストレス解消に繋がり心因性EDの改善をサポートする
3つ目はストレス解消に繋がり、心因性EDの改善をサポートできることです。
勃起は心身がリラックスした状態の時に発生する現象です。
ストレスなどの心理的要因が原因で勃起しにくくなるのを心因性EDと呼びます。
ストレスがある状態だと自律神経のバランスが崩れてしまうことで、勃起しにくくなります。また、体内で炎症を起こす物質である炎症性サイトカインや活性酸素が増えてしまい、精巣にダメージを与えることでテストステロンの合成を低下させる原因になってしまうのです。
2005年に鹿児島大学で行われた研究で、サウナに1週間に5回入るのを4週間続けるとリラックススコアが2倍近くも良くなることが示されています出典[3]。
つまり、サウナにはリラックス効果を通じて、心因性EDの改善をサポートする可能性があると言えるのです。
ED改善に効果的なサウナの入り方
サウナはペニスにとって良い効果をもたらしてくれるものの一つです。
サウナに入る際に意識して欲しいポイントがいくつかあります。
次に、ED改善に効果的なサウナの入り方を5つ紹介します。
1回の合計時間は20~25分を目標に
1つ目は、1回のサウナの合計時間は20~25分を目標にするようにしましょう。
2021年にアメリカのノースアラバマ大学が発表した総説で、サウナに入ることでの健康への良い効果は20~25分くらいから見え始めることが示されています出典[4]。瞬間的ではなく継続した時間サウナに入る必要があるのです。
しかし、サウナの時間は長すぎても良いわけではありません。
先程のノースアラバマ大学の論文では、サウナによる健康への良い効果は30分以降は平衡状態になっていることが示されています出典[4]。
また、1986年のフィンランドのオウル大学で行なわれた研究では、サウナに1時間入るとテストステロンを下げる作用のあるプロラクチンが2.3倍に増えることが示されています出典[5]。
サウナに入る時間は長すぎても良いわけではないので、20~25分を目安に入るようにしましょう。
頻度は週3~4回がベスト
2つ目は頻度としては週3~4回がベストであることです。
先程のノースアラバマ大学の論文では、サウナに入る頻度と健康への影響も調べられました。週3回あたりから健康への良い効果が認められ、4回くらいで平衡状態に達することが明らかにされています出典[4]。
とはいえ、週3~4回以下でも効果がないというわけではありません。週に2~3回サウナに参加した男性の心血管系死亡率が約30%減少したデータもあります出典[4]。
最低限は週末に入ることを目安にして、可能であれば高頻度で入るのがよいでしょう。
水風呂に入るなら短めに
3つ目はサウナの後に水風呂に入るなら短めにすることです。
サウナの後に水風呂に入って体を冷やす「寒冷刺激」を行うことで、血流がより良くなるのでサウナの効果を高めることができます。
しかし、寒冷刺激にはテストステロンを低下させる恐れがあるのです。
1991年に兵庫医科大学で行われた研究では、運動後に体を冷水を浴びると血中のテストステロン濃度が10%も低下することが報告されています出典[6]。
また、2007年に発表されたアメリカのバージニア・コモンウェルス大学が発表した総説でも、寒冷刺激でテストステロンが低下することが示されています出典[7]。
テストステロンが低下してしまうと性的興奮を感じた際にペニスに十分な量の血液が流入しなくなることで、勃起しにくくなってしまうのです。
サウナの後に体を冷やすことは大事ですが、長時間の水風呂は避けたり、水風呂ではなく自然欲のみで身体を冷やすのがよいことをオススメします。
併設のウォーターサーバーでこまめな水分補給を
4つ目はサウナに入ったら、併設のウォーターサーバーでこまめな水分補給をすることです。
サウナに入ると汗をかくことで体内の老廃物を外に出すことができます。
しかし、汗をかくことで体内の水分も失われているのでこまめに給水をしておく必要があります。
血液の主成分は水であるため、汗で水分が失われることで血流がかえって悪くなってしまい、男性機能に悪影響が出る可能性があるのです。
喉が渇く前にこまめにウォーターサーバーを活用して水分補給することをオススメします。
妊活中は控えた方がいいかも...
最後に紹介するのは妊活中の方はサウナを控えた方がいいかもしれないことです。
妊活の成功のためには勃起機能だけでなく、精子の量や質が重要になります。
理由は精子が造られる精巣は熱に弱いからです。
少し古い論文ですが、1984年にオーストラリアのシドニー大学の研究グループは、たった1回85℃のサウナに20分間入るだけで、精子の量が40%近くも低下し、形態異常の精子が増えることを報告しています出典[8]。
また、サウナで減ってしまった精子が正常な状態に戻るまでにはかなりの時間を要します。
2013年にイタリアのパドヴァ大学で行われた研究で、サウナによって減少した精子の量や質が正常に戻るまでの期間が調べられました。3か月では不十分で完全に戻るまでに6か月かかることが示されています出典[9]。
失った精子を取り戻すための時間を考えると妊活中の方はサウナを控えた方が良いかもしれません。
サウナを上手く活用して男性機能を高めよう!
今回はサウナとEDの関係について解説しました。
サウナは体を温め発汗する温浴法であり、健康面で様々な良い効果があります。
血流が良くなったり、自律神経が整いストレスが解消できたりするので、ペニスの機能を高め、EDを改善・予防するのに効果的です。
1回に20~25分を週に3〜4回行うのが理想的です。
サウナを上手く利用して快適な性生活を送れるようにしましょう。
出典
LINEで専門家に無料相談
365日専門家が男性の気になる疑問解決します