執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
精子がさらさらになる2つの原因
妊活を成功に近づける上で重要なポイントの1つが精子の量です。
精子の量が減ったかどうかは精液の状態を見ることで判断できます。
精子(精液)がさらさらしている場合は、精液量に対して、精子数が少なく、精液が薄くなっている状態です。
精子がさらさらになってしまうと妊娠確率が下がってしまうので、子どもを望むカップルにとっては改善しなければならないことの1つであります。
まずは、精子がさらさらになってしまう原因を2つ紹介します。
造精機能の低下
1つ目の原因は造精機能の低下です。
精子を作るためには、様々な栄養素とホルモンが関わっています。
食事のバランスが悪く栄養素の摂取が不足すると、精子の形成に関与するタンパク質など様々な因子の働きが悪くなります。
それだけでなく、糖質や脂肪分を摂り過ぎると体内の炎症が高まることで、精巣へのダメージが増えてしまうことも精子を減らしてしまう要因の1つです出典[1]。
また、テストステロンや黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)などの精子形成の指令を出すホルモンのバランスが整っていないと、精子を作るための指令がうまく伝わらなくなり、精子の合成が低下してしまいます出典[2]。
ホルモンバランスが悪くなる原因には、栄養バランス、運動、ストレスなど様々な生活習慣が関与します。
造精機能を保つためには生活習慣の見直しが重要です。
熱やストレスによる精子の死滅
2つ目は熱やストレスによる精子の死滅です。
精子や精巣は熱やストレスに弱く、これらに長期間晒される状態では精子が少なくなってしまいます。
精巣がダメージを受けることで精子が死滅してしまうだけでなく、運動率や形態なども悪くなり質も低下してしまいます。また、男性ホルモンであるテストステロンの合成も抑えられることでも精子形成は抑制されてしまうのです。
特に注意すべきは熱です。
2019年にフランスのトゥールーズIII大学で行なわれた研究で、精巣が含まれている睾丸の温度は身体の体温より2~6℃ほど低いことが示されています出典[3]。睾丸が身体から少し離れてぶら下がっているのは、熱に弱いので体温で温まり過ぎないようにするためです。
また、1988年の大阪大学の研究では、精巣が機能を最大限に発揮できる温度は31~37℃と体温より少し低い温度であることが示されています出典[4]。
そのため、精子を守るためには精子や精巣にかかる熱やストレスを減らす必要があるのです。
さらさらの精子を濃くする7つの方法
精子がさらさらである場合は精子数が減少しているため改善しなければなりません。
なぜなら、精子の量は妊活を成功に近づける上で重要なポイントであるため、精子がさらさらだと妊娠確率が下がってしまうからです。また、それだけでなく精子が少ないことは身体のどこかに不調がある証拠でもあります。
2021年のイタリアのブレシア大学で行なわれた研究で、一回の射精で精子数が3900万以下の男性は、性腺機能低下症(精巣機能の低下)のリスクが高いだけでなく、高血圧や高脂血症(血中の中性脂肪やコレステロール)が多いなどのメタボリックシンドローム、骨粗鬆症などの有病率が高いことが示されています出典[5]。
このことから、妊活のためだけでなく健康のためにも精子のさらさら具合は改善しておく必要があるのです。
次に、精子を濃くするための方法を7つ紹介します。
1.マルチビタミンミネラルサプリメントを摂取する
1つ目はマルチビタミンミネラルサプリメントを摂取することです。
マルチビタミンミネラルサプリメントは、ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2などのビタミン12種類と亜鉛・鉄・マグネシウムなどのミネラルが一緒に配合されているサプリメントのことです。
2023年にサウジアラビアのカスィーム大学のMona S. Almujaydil氏がまとめた総説によると、ビタミンやミネラルなどは抗酸化作用により酸化ストレスによる精子へのダメージを減らしたり、精子合成やテストステロン分泌をサポートしたりする役割があることが示されています出典[6]。
ビタミンやミネラルは野菜や果物などに多く含まれているので、食事から摂れるのがベストです。
しかし、いきなり野菜や果物を食生活に取り入れることは難しいかと思いますので、まずはサプリメントを活用してみることをオススメします。
2.精子の質を下げる食べ物を避ける
2つ目は精子の質を下げる食べ物を避けるようにすることです。
摂取することで体内の酸化ストレスや炎症を増やしたりする食べ物は精巣にダメージを与えます。その結果、精子にダメージを与えたり、テストステロンを低下させたりするので避けるべきです。
次に挙げるものが避けるべき食品です。
- 加工肉:ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉に含まれる飽和脂肪酸は、体内で分解されにくいので精巣にダメージを与え、精子を減らしてしまいます出典[7]。
- ファストフード:ハンバーガーやカップ麺などのファストフードには飽和脂肪酸が多く含まれているため、精巣にダメージを与え、精子を減らしてしまいます出典[8]。
- 清涼飲料水や甘いお菓子:清涼飲料水や甘いお菓子の甘みのもとであるシュクロース(砂糖)が精巣にダメージを与える原因です。1日に一杯以上(220ml)の清涼飲料水を飲んでいると精子濃度や総精子数が低下することが明らかにされています出典[9]。
- お酒:アルコールは体内に炎症や酸化ストレスを発生させ、精巣にダメージを与えます。アルコール摂取量が増えるほど精子濃度が低下することが明らかにされています出典[10]。
精子を増やすためにまずは食生活を見直してみましょう。
3.お腹周りの肉が気になる場合はダイエット
3つ目はお腹周りの肉が気になる場合はダイエットを実施することです。
肥満はテストステロンを低下させてしまうので、精子がさらさらになる原因の1つです。
なぜなら肥満になると、テストステロンを女性ホルモンに変換する酵素(アロマターゼ)が増えたり、炎症性のホルモンの分泌が増えたりすることでテストステロンは低下してしまいます。
2020年にウクライナの国立リビウ・ダニーロ・ハールィツィクィイ医学大学で行なわれた研究で、BMI25以上の肥満の方は健康体重の男性よりも精子の濃度が26%、総数が42%も低いことが明らかにされています出典[11]。
BMI25が高い方は適切体重であるBMI22を目指してダイエットに取り組みましょう。
身長170cmの人は63.5kg、180cmの人は71kgくらいが目安です。
4.長時間座るのを避ける
4つ目は長時間座るのを避けることです。
デスクワークなどで座っている時間が長いのは精子数を減らしてしまう原因となります。
なぜなら、座った状態が長くなると股間に熱がこもりやすく、精巣に熱ストレスがかかり、精子が死滅してしまうからです。
2019年にポーランドのポメラニアン医科大学で行われた研究によると、仕事時間の50%以上(週17.5時間以上)を座りっぱなしの姿勢で過ごした男性(デスクワークが多い男性)は、50%以下の男性と比較すると精子へのダメージが2倍も大きくなることが示されています出典[12]。
適度な運動は精子の質にもよいため、座る時間が長い人は、散歩や立ち上がったりするなどを適宜取り入れることで股間に熱が溜まりにくくなるように工夫をしてみてください。
5.最近流行りのメンズヨガに取り組む
5つ目に紹介するのは、最近流行りのメンズヨガに取り組んでみることです。
ヨガはストレスの解消に効果的なので、精子を増やす効果が期待できます。
2024年にインドのオール・インディア・インスティテュート・オブ・メディカル・サイエンシズ・デリーが発表した論文で、6週間ヨガを続けると酸化ストレスが低下し、精子濃度が10%増えることが明らかにされています出典[13]。
毎日、少しずつでも良いのでヨガを生活に取り入れてみましょう。
6.ゆったりとした下着を履く
6つ目はゆったりとした下着を履くことです。
精巣は熱に弱く、ダメージを受けやすい組織なので、下半身を暖める習慣はよくありません。
ボクサーパンツのようなタイトな下着は股間に熱がこもりやすくなるので避けるべきです。
2018年にハーバード大学で行われた研究では、不妊治療センターに通う男性が着用する下着の種類と精巣機能の関係が調べられました。
ボクサーパンツなどのタイトな下着を履いている男性は、精子濃度が25%、精子数が17%、精子の運動率が33%も低いことが示されています出典[14]。
精子を守るためにも、トランクスなどゆったりとした下着を着用することをおすすめします。
7.サウナや長時間の入浴を3か月程度控える
最後に紹介するのは、サウナや長時間の入浴を3か月程度控えることです。
精子は熱に弱いので、サウナや長時間の入浴は大敵です。
2016年に中国の華中科技大学で行われた研究では、43℃のお湯に入浴するのを10日続けると、形態異常や死滅した精子が増えることが明らかにされています出典[15]。
また、サウナについてはたった1回85℃のサウナに20分間入るだけで、精子の量が40%近くも低下し、形態異常の精子が増えることが示されています出典[16]。
しかも、2013年にイタリアのパドヴァ大学で行われた研究で、サウナによって減少した精子の量や質がもとに戻るまでに3か月以上もかかることが示されているのです出典[17]。
精子のさらさら具合を改善したい人はサウナや長時間の入浴は3か月程度は控えて、サッと入浴するようにしてみましょう。
精子を濃くしたい人は公式LINEで無料相談を!
今回は精子がさらさらな原因と対策をご紹介しました。
まずは7つの対策を意識して濃い精子を目指しましょう!
とはいえ、何が最も有効な取り組みであるかは人によって異なります。
食事を見直すのが最優先の方もいれば、熱ストレスを減らすことに取り組んだ方がいい人もいるでしょう。
やり方を間違えるとむしろ逆効果になるとも…。
そこでナイトプロテイン公式LINEでは、延べ20,000人の男性の相談にのってきた経験から、あなたに合った解決方法を提案しております。
「精子を濃くしたい」とメッセージをいただけましたら、ご状況をヒアリングの上、あなたに合った対策を提案させていただきます!
相談は完全無料ですので、是非👇のボタンからお気軽にご相談ください!
出典
LINEで専門家に無料相談
365日専門家が男性の気になる疑問解決します