執筆者
NSCA-CPT、調理師免許
大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)
激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。
ムクナ豆とは
ムクナ豆は別名「八升豆(はっしょうまめ)」とも呼ばれる、東南アジアや中国大陸の熱帯が原産のマメ科の植物。
他の豆類と同じく高タンパクで栄養成分に優れ、古代から食料源や飼料として用いられてきました出典[1]。
また、神経障害や関節炎の治療、さらには媚薬としても使用されてきた歴史を持ち、薬効の高い植物でもあります。
そんなムクナ豆の最大の特徴は、何と言っても「L-DOPA(エルドパ、レボドパ)」が多く含まれているという点。
L-DOPAはドーパミンの一歩手前、いわゆる前駆物質にあたる成分。
摂取すると脳内でドーパミンに変化して、不足しているドーパミンを補う働きを持っています。
ドーパミンは神経伝達物質の1つで、快感や多幸感、意欲ややる気にをもたらすほか、集中力や運動機能にも関わる重要な物質。
このことから、インドのアーユルヴェーダではパーキンソン病の治療にも用いられてきました。
近年はその薬効の高さに注目が集まり、サプリメントタイプや粉末状のものなどが幅広く販売されています。
ムクナ豆はテストステロンを増やす
以上のように、非常に健康効果の高いムクナ豆。
しかも嬉しいことに、テストステロンの増加にも効果的なんです。
実際に、2009年にインドのCSM医科大学から発表された論文では、不妊症の男性に1日5gのムクナ豆粉末を3ヶ月摂取させたところ、テストステロンの値が20~40%ほど増加したというデータが紹介されています出典[2]。
さらに、精子濃度や精子の運動性も60%ほど上昇したことも明らかに。
男性の場合、テストステロンはそのほとんどが精子で作られ、精子の形成にも深い関わりを持つホルモン。
上記論文の実験では、ムクナ豆を摂取することでテストステロンが増え、精子形成が活発化したと考えられるんです。
先ほども紹介した通り、ムクナ豆にはL-DOPAという成分が豊富。
その代謝産物であるドーパミンは視床下部と前脳を刺激出典[3]。
各種ホルモンの分泌をサポートし、さらには精巣でのテストステロンの合成も促します。
つまり、ムクナ豆を摂取してドーパミンレベルを高められれば、テストステロンを増加させられる可能性があるという訳なんです。
テストステロンを増やすムクナ豆の摂り方
この項目では、テストステロンを増やすための効率的なムクナ豆の摂り方を、エビデンスを交えながら3つご紹介します。
L-DOPAが規格化されたサプリメントから摂取するのがおすすめ
先述の通り、ムクナ豆のテストステロンに対する効果はL-DOPAによるものが大きな割合を占めています。
ところが、普通のムクナ豆からL-DOPAを十分に摂取しようとすると、かなりの量を食べる必要があります。
しかも、豆には中毒成分が含まれているため食用とするには良く茹でなければならず、一般的なスーパーでは販売もされていません。
従って、食べてムクナ豆から十分量のL-DOPAを摂取するというのは、現実的な方法とは言えないんです。
そこでおすすめしたいのが、サプリメントの活用。
特にムクナ豆のサプリメント選びで注目すべきは、L-DOPAの含有量が記載されているかどうか。
じつは、L-DOPAには30%以上含有するように規格化された、「バイオドーパ」というものが存在します出典[4]。
バイオドーパが配合されているサプリメントは、それだけL-DOPAが多く含有されているということ。
ムクナ豆のサプリメントを選ぶときは成分表示などを確認し、このバイオドーパが配合されているかどうかをチェックしてみましょう。
中長期的に摂取する
「じゃあ、バイオドーパ配合のムクナ豆サプリを飲みまくれば、途端にテストステロンも爆増するんじゃ?!」
…なんて都合の良い話はありません。
サプリメントは継続して摂取することで、じわじわと身体のコンディションを整えることが目的です。
そのため、薬のように1回2回の摂取による効果を期待するのではなく、毎日忘れずに中長期的に摂取し続けることが重要。
また、例えサプリメントとは言え、飲み過ぎれば副作用を引き起こすことも。
商品に記載されている用法や用量を守り、過剰に摂取しないよう注意しましょう。
加えて、サプリメントというのは、あくまでも「補助」です。
ムクナ豆サプリメントを飲んでいても、毎日ファーストフードばかり食べていたのでは効果は半減。
テストステロンを増やすためには、普段からバランスの整った食事を摂取しておくことも重要です。
さらに、健康的な生活・運動習慣がベースにあれば、ホルモンバランスも整いやすくなります。
毎日を健やかに過ごす中でムクナ豆サプリメントを摂取すれば、より効率よくテストステロンを増やすことができるでしょう。
L-DOPAの吸収を阻害する食べ物を避ける
L-DOPAには、同時に摂取すると吸収を阻害してしまう食べ物が存在します。
その1つが「バナナ」。
実際に、2005年に東京理科大学から発表された論文では、バナナジュースとL-DOPAを併用したラットのL-DOPA血中濃度は、L-DOPA単独で摂取したときに比べて50%以上も低下したというデータが紹介されています出典[5]
じつは、バナナに含まれるビタミンB6(別名ピリドキシン)は、L-DOPAの脳への到達量を減らしてしまう働きを持つ栄養素。
バナナ以外にも、アボカドやブロッコリー、赤身肉や鶏肉、玄米やさつまいもなどにも多く含まれています。
ビタミンB6の具体的な摂取量については、2017年に医薬基盤研究所から発表された論文において、1日50mg以上摂取するとL-DOPAの働きが弱まる可能性が高くなると言及されています出典[6]。
なお、バナナの100gあたりのビタミンB6は1.04mgで、1本食べたくらいでは上記の数字には到底及ばない含有量出典[7]。
また、他の食品も1~2食を食べた程度では、大した数字にはなりません。
しかし、L-DOPAの吸収効率を考えると、ムクナ豆サプリメントとは摂取タイミングを離すのがおすすめ。
ちなみに、ビタミンB6は水溶性なので、調理ができる食品の場合は茹でて食べるのも良いでしょう。
まとめ
ムクナ豆の基本的な情報や、テストステロンを増やすための摂取方法についておわかりいただけたかと思います。
現在ムクナ豆は粉末や粒状のもの、さらにはお茶など、さまざまなタイプの商品が販売されています。
その中でも、バイオドーパ配合の商品を中長期的に摂取すれば、効率よくテストステロンを増やすことが可能。
また、ビタミンB6が含まれている食べ物との摂取タイミングを離せば、よりL-DOPAの働きを引き出すことができます。
ぜひ紹介した情報を基に、ムクナ豆を男性ホルモンの増加に活用してみてください。
出典
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