私たちの生活で身近な食材のひとつである「玉ねぎ」は、精のつく食べ物としても知られています。

しかし果たして本当に玉ねぎで勃起力が向上するのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

噂が本当であれば、玉ねぎを上手に活用して精力アップや勃起不全改善に役立てたいですよね。

そこで本記事では、学術的見地から玉ねぎと性欲・勃起力など精力効果の関係性について探っていきます。

玉ねぎで勃起力アップを目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

それでは早速、研究や論文を用いて玉ねぎと精力にまつわる2つの真実を紐解いていきましょう。

男性ホルモンの代表格「テストステロン」を増やす

玉ねぎにはなんと、男性ホルモンとして知られる「テストステロン」を増やす働きがあると言われているのです。

テストステロンは性欲向上や筋肥大など男性の心身の形成に深く関わっているホルモンで、性的興奮時にペニスに血液を送る指令を出すはたらきがあります。

そしてタマネギに含まれる「ケルセチン」は抗酸化作用を持ち、テストステロンの生成に関連する酵素の活性を促進する役割があるのです。

以上を踏まえて、ケルセチンがテストステロン値を有意に上げたという研究を2つ紹介しましょう。

新鮮なタマネギジュース1mlを20日間経口投与した雄ラットの性行動パラメーターとテストステロンレベルを測定した研究では、交尾効率が向上して血清テストステロン値が2倍に増加しました^出典[1]。

またEDなどの加齢に伴う身体症状がある男性60人を対象にタマネギエキスを摂取させた実験においては、これらの症状が緩和して唾液テストステロン値が高くなったことも明らかになっています^出典[2]。

これらの研究から分かるように、玉ねぎには少なからずテストステロンに関与する成分が含まれているようです。

勃起力に重要な血流も促進する

玉ねぎには、勃起力アップに必要不可欠な血流を促進させる成分も含まれているという事実が明らかになりました。

勃起は陰茎にある「海綿体」と呼ばれる組織に血流が流れることで硬くなります。

そして玉ねぎに含まれる「アリシン」には、血管を拡張させる作用のある一酸化窒素の合成を促進する効果があるのです。

論文では「アリシンには抗酸化作用があり体内での酸化ストレスを軽減するため、一酸化窒素の分解を抑えて濃度を高める」と考えられています^出典[3]。

また同様に玉ねぎに含まれる葉酸も同様の働きがあり、ED（勃起障害）の重症度を改善するという研究結果が報告されています^出典[4]。

その研究では、勃起障害の重症度やED治療の効果判定に用いられるIIEF-5スコアが、重症と言われる4点から軽症程度の14点までスコアがアップしました。

玉ねぎを使った料理を意識的に食べ続ければ、血流促進効果も期待できるかもしれませんね。

それでは、玉ねぎで勃起力アップ効果を実感するためのおすすめの食べ方を2つご紹介します。

生で食べる

血流促進効果が期待できるアリシンは熱に弱い性質を持つため、できるだけ生で食べるのをおすすめします^出典[5]。

酢漬けにしたりこまかく刻んでサラダにトッピングしたりなどアレンジも効くので、生でも美味しく食べやすいでしょう。

それでも「生だと辛みが強すぎて食べられない」という方もいらっしゃるかと思います。

栄養素を逃がさずに辛味だけを抜くには、繊維に対して垂直になるべく薄くスライスして、空気に触れるように1～2時間広げて放置しましょう。

煮汁を利用する

ケルセチンは水溶性のため、茹でたり煮たりすると栄養素が水に流れ出てしまうことがあります。

そのため、栄養素が流れ出た煮汁ごとそのまま出汁として使うレシピがおすすめです。

肉じゃがなどの煮物やオニオンスープなどにして味わってみるのも良いですね。

玉ねぎにはテストステロンレベルを上げたり血流を促進させたりする栄養素が含まれていることが明らかになりました。

しかし玉ねぎ1食分に含まれる栄養素はごくわずかなため、その効果は即効性がないのも事実。

また男性機能はほかの栄養素の影響を大きく受けるため、玉ねぎだけを食べ続けたとしても男性機能の向上は見込めないでしょう。

食材で勃起力アップを目指すのであれば、まずは全体の食事のバランスを整えつつ、玉ねぎはあくまでサポートとして活用するのがおすすめです。

勃起力アップのサポートは健康的な食事から、少しずつでも継続していけば徐々に効果を実感できるかもしれません。