

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
筋トレをすると性欲が向上するって本当?
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「筋トレをすると性欲が向上する」という噂を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は筋トレのようなダンベルなどを使った高負荷をかける運動は、血清テストステロン濃度を上昇させる可能性があるのです。
「既存のコンディション、体重、年齢に関係なく、レジスタンス運動を行うことで血清テストステロン濃度を増加させる可能性がある」と結論づける論文もあります出典[1]。
筋トレによって破壊された筋繊維を修復するために、脳は筋肉を太くする信号を発信してテストステロンを分泌するようになります。
実際にテストステロンで勃起不全や性欲を改善できたという研究があるほど、テストステロンは性欲に欠かせない重要なホルモン出典[2]。
つまり筋トレをすれば筋肉量と同時に性欲もアップできる可能性があるのです。
しかし、どんなことに注意してトレーニングすればいいのか分からないという方も多いはず。
そこで本記事では性欲アップのために具体的にどのような筋トレ方法を実施すればいいのか、研究や論文を用いて解説していきます。
性欲アップが期待できるおすすめ筋トレ方法
ここからはどのような筋トレ方法が性欲アップに効果的なのか、具体的なポイントを見ていきましょう。
マシンではなくフリーウェイトをメインに行う
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筋トレにはマシンを使ってトレーニングの軌道を確保しながら鍛える「マシンウェイト」と、ダンベルやバーベルなどを使って自分でトレーニングフォームを調整しながら鍛える「フリーウェイト」という方法があります。
性欲アップを狙いたい人は、後者のフリーウェイト種目をメインに行うのがおすすめです。
下半身多関節運動のフリーウェイト(スクワットなど)とマシン(レッグプレス)でホルモンの変化を評価したところ、フリーウェイトはマシンよりも血清テストステロン濃度の上昇が大きく見られました出典[3]。
これはマシンベースの運動よりもフリーウェイトの方が腹筋や背筋などの安定筋と体幹筋といった全体的な筋肉量の関与が大きいためだと考えられています。
フリーウェイトはマシンに比べて怪我のリスクも高いため、十分注意しながら最大限の負荷をかけて追い込みましょう。
大筋群を鍛える種目を先に行う

筋肉には大胸筋・広背筋・大腿四頭筋など大きな筋肉が集まっている「大筋群」と呼ばれる部位があります。
実はこれらの部位を鍛える種目を優先的に行うことで、テストステロンが分泌されやすくなるのです。
全く同じトレーニングプログラムで大筋群から二の腕・肩・ふくらはぎなどの小筋群の順で行ったものと小筋群から大筋群の順番で行ったものとでは、前者の方がテストステロンレベルの増加が大きくなったことが研究でも明らかになっています出典[4]。
たとえば同じ日に肩と脚を鍛えるのであれば脚トレを先に行うといった具合で、大きな筋肉を使う種目を優先的に取り入れましょう。
HIITトレーニングを取り入れる
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HIITと呼ばれる高強度インターバルトレーニングは、テストステロンレベルを有意に上げることも明らかになっています。
HIITとは高強度の運動と休憩を繰り返すトレーニング法で、20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返すのが一般的です。
運動習慣がない健康な男性22名を対象に、150分/週の中強度有酸素運動からなる6週間のプレコンディショニング期間を実施した実験を見てみましょう。
6週間のHIITを実施した結果、なんと被験者のテストステロンレベルが13.2 ± 5.5nmol/Lから14.6 ± 6.1nmol/Lに上がったのです出典[5]。
HIITではその間全身の筋肉を使った激しい運動を行うため、筋肉に強い刺激が加わることになります。
この刺激によって身体はテストステロンや成長ホルモンが分泌されやすくなるのです。
ただしHIITは短時間でかなりの疲労をともなうトレーニングなので、行う際は体調を万全にしておきましょう。
トレーニングは週3日を目安に行う
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「毎日トレーニングをすればそれだけ性欲アップ効果があるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、それはあまりおすすめしません。
実は、トレーニングは週3日を目安に行うのが効果的と言われているのです。
4週間にわたって週3回、70~75%ほどの強度の筋力トレーニングやレジスタンストレーニングを行った男性は、トレーニングプログラム開始前の安静時と開始後を比べるとテストステロンレベルが高くなったことが判明した研究もあります出典[6]。
トレーニング量を増やしすぎる、いわゆるオーバーワークは逆にテストステロン量を減らしてしまって逆効果になることも。
ある研究では、週4日以上トレーニングしている人が3ヶ月間にわたり週のトレーニング量を2倍にしたところ、3ヶ月後にはテストステロン値が52%減少したと報告しています出典[7]。
筋肥大のためにも、休息日を設けた方が筋肉も大きくなりやすいです。
トレーニング量が多ければ多いほどテストステロンが増えるわけではないことは、しっかり覚えておきましょう。
セット間の休憩時間は60秒~2分程度
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実はトレーニングの量以外にも、セット間の「休憩」もテストステロンの生成にかかわる重要な要素。
3~5回10~15セットのような高ボリュームのトレーニングでは、セット間の休憩時間を60秒~2分程度と比較的短くした方が総テストステロンの大幅な増加を引き起こすことも分かっています出典[8]。
これは休憩時間を操作することでホルモン生成されやすい環境が整備され、結果的にテストステロンが出やすくなるのが原因。
休憩時間を短めにすると「筋肉の回復を急がなくてはいけない」というストレスが与えられ、これに応じるために身体がホルモン(テストステロンや成長ホルモン)を増やそうとするのです。
インターバルを3分以上に設定している人は、テストステロンレベルを上げるのが目的であれば2分以内にとどめておきましょう。
筋トレは性欲アップにつながる可能性が高い
結論として、筋トレをすることで性欲をアップさせるテストステロンが分泌されやすくなる可能性があることが明らかになりました。
性欲をアップさせたい日があれば、その日のうちにトレーニングに励むのもひとつの手段でしょう。
ただし性欲アップを狙うばかりにオーバーワークになって「身体が疲れすぎてスタミナ切れになった…」ということがあっては元も子もありません。
性欲をアップさせたい夜は、筋トレと休養をとって万全な状態にして備えましょう。
出典
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