

監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
効率的に筋トレ効果を上げるならサプリがおすすめ
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日々筋トレに勤しんでいるトレーニーの中には「サプリメントを使ってより効率的に筋肉を成長させたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。
筋トレによって筋肉が損傷すると、修復や成長のためにたんぱく質などの栄養素が必要となります。
サプリは食事だけでは摂取しきれない栄養素を効率的に補給するのに役立つ心強い味方です。
また筋肉の合成を促進して筋肉量や筋力を増加させたり、疲労を軽減させて回復を早める効果が期待できるサプリもあります。
自分の目的に合ったサプリを選んでトレーニングに取り入れることで、より筋トレによる筋肥大効果を実感しやすくなるでしょう。
筋トレで飲むべきおすすめサプリ7選
ここからは筋トレで飲むべきおすすめサプリメントを7つ、研究や論文を用いて学術的な観点からご紹介します。どのサプリを選ぶべきか分からない方は、ぜひ参考にしてください。
プロテイン

「筋トレで飲むべきサプリメント」といえば真っ先に思い浮かぶのが、プロテインではないでしょうか。
プロテインは筋力の向上や筋肥大に効果的なサプリメントとしても有名です。
863名の参加者による49件の研究から、たんぱく質の補給によって1回あたりの反復最大筋力が2.49kg増加、 筋線維断面積が310µm2増加したというデータもあります出典[1]。
またある研究ではプロテインはどの時間に摂取しても筋量や筋力の増加に差が見られないことが判明したため、いつ飲むかではなく1日あたりの摂取量が重要です出典[2]。
別の実験ではレジスタンストレーニングを行った被験者が1.62g/kg/日を超えるたんぱく質を摂取しても、筋肉はそれ以上増加しないことが判明しました出典[3]。
プロテインはあくまでたんぱく質を補給するサポート的な要素が強いため、食事から十分にたんぱく質を摂取できていれば無理に摂る必要はありません。
まずは今の自分に足りないたんぱく質量を把握してそれを補う量を摂取すれば、筋力の向上や筋肥大を実感しやすくなるでしょう。
マルトデキストリン

マルトデキストリンとは、トウモロコシや米、ジャガイモなどのデンプンを酵素で分解して作られる水溶性の多糖類です。
砂糖と同じカロリーですが甘みが控えめで、プロテインやBCAAなどと混ぜるとおいしく摂取することができます。
トレーニング後に素早くエネルギーを補給できるだけでなく、筋肉の合成を促進して効率的にバルクアップをサポートしてくれる成分です。
マルトデキストリンの摂取によって筋グリコーゲンが増加し、水分と結びついて筋肉内に補充されることで筋断面積が増加することが分かっています。
5人の被験者が日間の極度に炭水化物を制限した食事の後、さらに4日間の極度に炭水化物を多く摂取した実験では、大腿筋の断面積は78cmから80cm、大腿周囲は146cmから150cm、ふくらはぎの周囲は78cmから82cmに増加しました出典[4]。
これはあくまで水分量が増えただけで筋線維そのものが大きくなったわけではありませんが「身体をより大きく見せたい」という人にはおすすめです。
マルトデキストリンは水に溶けやすくて吸収効率に優れるため、ワークアウトドリンクとして取り入れてみてくださいね。
HMB

HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)とは、必須アミノ酸であるロイシンが体内で代謝されて生成される物質です。
さらにこのHMBは、筋肉の合成を促進し分解を抑制する効果があると言われています。
3gのHMBを7週間にわたり摂取して毎日2~3時間のウェイトトレーニングを行った結果、1回あたりのベンチプレスの反復最大筋力が平均15ポンド増えたことが実験でも実証されています出典[5]。
同研究では効果を実感したい場合は1日3回1g、合計で1日3gのHMBを取る必要があると結論づけているようです。
HMBは肉や魚、乳製品などの食品にも含まれていますが、食事だけで理想的な量を摂取するのは難しいと言われています。
そのため、1日3gのHMBを摂取する場合はサプリを活用するのが効率的でしょう。
EAA

EAAとはたんぱく質を構成するアミノ酸のうち体内で合成できない9種類の必須アミノ酸です。
また、筋肉の合成促進や分解抑制をサポートする筋肥大に欠かせない成分でもあります。
EAAは、1.5~18 g の範囲の投与量で安静時のたんぱく質合成を刺激することが研究で明らかになりました出典[6]。
また同研究では運動による血流増加と血中EAA濃度の上昇により、筋肉にEAAが供給されやすくなりトレーニング効果が増大すると結論づけています。
ただしトレーニング中は筋肉の分解が進んでアミノ酸が失われるため、トレーニングの30分前〜トレーニング中の摂取がおすすめです。
テスノア

筋肉量の増加や筋力の向上にも欠かせない男性ホルモンであるテストステロンを高めたい人は「テスノア」がおすすめです。
テスノアはザクロの果皮とカカオ種子から抽出した成分を組み合わせた天然成分です。
テストステロンブースターとして今注目を集めている成分で、特に筋力や筋肉量など、スポーツ分野における臨床試験が積極的に行われています。
ザクロ由来のプニカラギンを3.5%、カカオ由来のテオブロミンを0.5%含むように規格化されています。
120名の36~55歳の健康な男性参加者において、200mg/日または400mg/日のテスノアを56日間摂取するランダム化比較試験では、200mg/日群は39.16%、400mg/日群は48.28%遊離テストステロンが増加し、さらに握力の大幅な改善も見られました出典[7]。
また同研究の臨床試験では、56日間継続的にテスノアを摂取しても副作用は報告されませんでした。
2020年にアメリカで開発されたばかりの最新テストステロンブースターなので、最新成分を試したい方はぜひ検討してみてください。
βアラニン

βアラニンは、肝臓で内因的に生成される非たんぱく質性アミノ酸です。
βアラニンは疲労の原因である水素イオンの疲労発生を抑制してくれるカルノシンを増やす効果があると言われています。
そのため、βアラニンの摂取によって筋肉の疲労を遅らせてトレーニング量の増加などの運動パフォーマンスを向上させる効果が期待できるのです。
βアラニンを4~6g/日の用量で長期間補給すると、2週間後にはカルノシンが20~30%、4週間後には40~60%、10週間後には最大80%増加することが分かっています出典[8]。
トレーニングの疲労が残ると翌日以降のトレーニングパフォーマンスにも大きく影響します。
「連日トレーニングをしても毎回全力を出し切りたい!」という方は、ぜひ取り入れてみてください。
グルタミン

グルタミンは「免疫システムの燃料」と考えられるほど重要な栄養素で、体内で生成できる非必須アミノ酸です。
筋肉や腸、肝臓などに多く存在し、免疫力や筋力の維持といった効果が期待できます。
実は高強度なトレーニングによって、私たちの体内に侵入してきたウイルスや細菌などの異物から体を守ってくれるリンパ球の増殖が抑制されてしまうことが研究で立証されています出典[9]。
しかしグルタミンと免疫システムの関係性について調べた動物実験では、食事にグルタミンを含めることで細菌感染に対する生存率が向上することが示されました出典[10]。
実際、激しいトレーニングによる免疫低下を予防するために、トレーニング後にグルタミンを摂取しているボディビルダーも多いです。
免疫システムが正常に働くことで筋肉の修復と再生をサポートしてくれるため、結果的に筋トレにも効果的であると言えます。
風邪予防の一環としてもおすすめなので、日々の健康サポートに活用してみるのも良いかもしれません。
サプリを活用して筋トレ効果をアップさせよう!
今回はサプリを活用してより効率的に筋肥大させたい方に向けて、筋トレにおすすめのサプリメントを7選ご紹介しました。
冒頭でも解説したように、正しくサプリを活用すれば筋肉量や筋力を増加させたり、疲労を軽減させて回復を早める効果が期待できます。
しかし、サプリだけに頼ってしまいトレーニングを疎かにしてしまうのはNGです。
サプリはあくまで食事・トレーニング・休養をしっかりと行った上で身体づくりのサポートとして使用しましょう。
サプリの摂取を習慣化すれば効果も実感しやすくなるので、種類に合わせて自分の飲みやすいタイミングで取り入れてみてください。
今回紹介した内容をもとに、自分の目的に合ったサプリを探してみてくださいね。
出典
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