男性のなかには、性欲が強い方を羨ましく思ったり、性欲が低下してきたことに焦りを感じたりする方もいるかもしれません。

性欲の強い、弱いは何で決まるのか、性欲が低下してきた原因は何なのか、気になる方も多いはず。実は性欲の強さや性欲減退の悩みと切っても切れない関係にあるのが、男性ホルモンであるテストステロンなのです。

テストステロンは性欲や勃起力、精子の製造能力のような、男性機能を司るホルモン。ほかにも筋肉の合成や骨量の維持を促したり、やる気や競争心を高めたりといった、肉体面や精神面への作用も確認されています。

男性のたくましさ、あるいは男らしさのカギとなるテストステロンですが、残念ながら体内量のピークは20歳ごろ。その後は徐々に低下し、とくに35～40歳以降では、テストステロンは年に1～3％の速度で急激に減少するとのデータも確認されています^出典[1]。

テストステロンの減少を原因として、男性の更年期障害である性腺機能低下症が見られる場合がありますが、性欲減退もこの症状のひとつとしてよく見られます。性欲の低下は特別なものではなく、加齢により多かれ少なかれ生じるものと考えられるでしょう。

しかしテストステロンの減少を食い止めたり、分泌能力を高めたりすることができれば、若い頃のような性欲を保ちやすくなります。テストステロンを増やすカギは生活習慣の改善にあります。食事、運動、睡眠などを見直し、テストステロンを増やしやすい暮らし方に切り替えてみましょう。

性欲が強い男性は、テストステロンの減少を抑える、あるいはテストステロンの分泌効率を高めるような生活習慣を取り入れている可能性があります。性欲減退に悩んでいる方は、次に紹介するような特徴を意識して生活習慣を改めることで、テストステロンの体内量を増やし、性欲を回復させやすくなるかもしれません。

ここからは性欲が強い男性に見られる特徴を10種類紹介します。達成できていないものがあれば、性欲を高めるため、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。

BMI25未満

性欲が強い方は筋肉質で引き締まった体型の方が多いもの。BMIが25kg/m²を超える肥満体型では性欲も湧きづらくなると考えるべきでしょう。若いころよりも体重が増えた方や、肥満体型を長らく改善できていない方は、まず食事や運動の調整による減量プランを組んでみましょう。

中国の男性448人を対象にBMIとテストステロン濃度を調べた研究では、BMIが上がるほど血清テストステロンが低いという逆相関関係が見られたと報告されています^出典[2]。さらにBMIが35～40を超えるような重度の肥満では、痩せ型の男性よりもテストステロンが50％以上低いとのデータも^出典[3]。

肥満において脂肪組織が増えすぎた状態では炎症が起こりやすく、炎症性サイトカインの放出により多量の活性酸素が発生します^出典[4]。活性酸素は普段の生命活動においても一定量発生するものですが、過剰になると酸化ストレスとして体にダメージを与えてしまうのです。

テストステロンの合成場所である精巣は、酸化ストレスに非常に弱い組織^出典[5]。酸化ストレスにより精巣が傷付けばテストステロンの分泌量も減り、性欲も落ちてしまうでしょう。

加えて脂肪組織の炎症により、アロマターゼと呼ばれる酵素が増えることも問題です^出典[5]。アロマターゼはテストステロンを、女性ホルモンのエストラジオールに変換するため、肥満によりアロマターゼの分泌量が増えれば、さらにテストステロンが減りやすくなるでしょう。

体重管理の目安として、正常体重の範囲であるBMI25kg/m²未満を推奨します。体脂肪を減らすべく、日々の食事量や活動量などを見直してみましょう。

過激なダイエットをしていない

肥満体型では性欲が沸きづらくなりますが、かといって減量を焦る必要はありません。一刻も早く体重を減らす必要があると医療機関で指示された場合を除き、基本的に減量は月1～2kgまでのペースでゆっくりおこなうようにしましょう^出典[6]。

普段から体を鍛えているアスリートにおいても、急激に体を絞る減量期においては、テストステロンの減少が見られます。たとえば減量期の2～3週間で体重を約8.2%、体脂肪を約6%減少させた18名の一流レスラーでは、テストステロンが減量前の値から約63%も減少しており、除脂肪体重にも約7.9%の減少が見られていました^出典[7]。

短期間での急激なダイエットでは、体脂肪だけでなく、テストステロンや筋肉も減らしてしまいます。筋肉量が減少すると基礎代謝が低下し消費エネルギーが減るため、太りやすい体になる可能性も。

また、減量ペースだけでなく、減量の方法にも注意が必要です。効率よく痩せるため、食事からの脂質を徹底的にカットして摂取カロリーを落としたり、長時間の激しい運動に取り組んで消費エネルギーを増やしたりすることを考えるかもしれません。

しかし脂質の極端な制限も^出典[8]、長時間におよぶ持久力運動も^出典[9]、それぞれテストステロンを減らしやすくする可能性があるため、性欲を重視する場合には避けるべきです。

食事制限と運動を無理なく組み合わせて、緩やかに体重を落としましょう。

ジャンクフードを食べない

性欲が強い方の食事には、ハンバーガーにフライドポテト、冷凍ピザ、カップ麺、スナック菓子、清涼飲料水などの、いわゆるジャンクフードがあまり出てきません。性欲を強めるために食生活を改めたいと考えている方は、まずこれらのジャンクフードを食べる頻度から減らすとよいかもしれませんね。

ジャンクフードは高糖質かつ高脂質であり、カロリーも高めです。また塩気が強いものも多く、糖質や脂質と塩分の組み合わせは食欲を刺激しやすく、食べる量も増えやすいため、とくに太るリスクが高いと言えるでしょう。

また、糖質の多いジャンクフードは血糖値を急激に上げる性質があります。血糖値の急上昇では活性酸素が大量に発生し、酸化ストレスとして細胞にダメージを与えてしまいます。

活性酸素は血糖値の急上昇によっても発生し、酸化ストレスとして精巣を傷付けます。実際、血糖値は一時的な上昇でもテストステロンを大きく減らすことが分かっているため^出典[10]。ジャンクフードを毎日食べることで血糖値の急上昇を繰り返せば、テストステロンの合成能力はますます落ちてしまうでしょう。

ファーストフードや清涼飲料水の摂取で、テストステロンの減少リスクが高まることは、いくつかの研究により確認されています^{出典[11]出典[12]}。

水分補給の感覚で飲んでいる清涼飲料水を無糖のお茶に変える、ハンバーガーとポテトの夕食を刺身定食に置き換える、などの試みで、簡単に摂取カロリーや糖質量は減らせます。自炊の習慣がない方は、外食での定食メニューを積極的に活用すると、糖質ならびに脂質の摂りすぎを防ぎやすいでしょう。

魚料理を頻繁に食べる

一人暮らしの方で自炊の習慣がないと、インスタント食品や冷凍食品に偏りやすく、刺身や焼き魚などの魚料理を食べる機会も減っているかもしれません。しかし性欲を強めたい場合には、魚から摂取できるさまざまな栄養素が非常に重要です。

魚料理はジャンクフードや肉料理よりも摂取カロリーを抑えやすいことに加え、テストステロンの分泌能力を高める栄養素、ビタミンDや亜鉛などを摂りやすい点がメリットとなります。

ビタミンDが体内に十分にある状態では、精巣のビタミンD受容体が刺激され、テストステロンの合成量を増やすように働くことが分かっています^出典[13]。また亜鉛はテストステロンの分泌を促すホルモンの合成に関わっています^出典[14]。

ビタミンDや亜鉛の不足が続くとテストステロンの分泌能力が低下し、テストステロンが減少します。ビタミンDや亜鉛の体内量はテストステロンと相関することも確認されているため^{出典[15]出典[16]}、魚料理から不足なく摂ることが重要と言えそうですね。

また魚からはDHAやEPAといった、抗酸化物質として機能するω-3系脂肪酸を摂取できる点も見逃せません。抗酸化物質は酸化ストレスを減らすように働く成分。魚油由来のω-3系脂肪酸の継続摂取によりテストステロンを増やす効果が見られたとのデータもあるため^出典[17]、ω-3系脂肪酸を効率よくとれる魚料理はさらにおすすめです。

ω‐3系脂肪酸は加熱に弱い性質があるため、食べる場合は刺身がベスト。加熱する場合でも、高温の揚げ調理を避け、ホイル蒸しや焼き魚などでいただきましょう。

お酒をあまり飲まない

性欲が強い方に大酒飲みはあまりいません。アルコールと性欲の相性は最悪で、とくに飲酒量が増えると、次のようなメカニズムで、テストステロンを減らすことが分かっているのです。

• 体内の抗酸化活性を下げる^出典[18]
• テストステロンを減らす酵素「アロマターゼ」を増やす^出典[19]
• テストステロンを分泌する指示を出すホルモンの生成を阻害する^出典[20]
• 糖質の多いビールや日本酒が肥満のリスクを高める^出典[21]

大量飲酒にはテストステロン、ひいては性欲を減らすリスクが非常に高いと言えるでしょう。

とはいえ、お酒好きの方においては、今日から一滴もお酒を飲まないようにするというのはたいへん厳しいものです。性欲への影響を抑えるためには量の調整が重要。アルコールと性ホルモンの分析では、1週間に7単位、1日1単位未満（純アルコール換算で1日20g未満）の摂取であれば、性ホルモンへの影響が出にくいことが分かっているため^出典[20]、この量を飲酒量の上限にするとよいでしょう。

純アルコール量は、お酒の容量とアルコール度数、さらにアルコールの比重「0.8」を掛け合わせて計算できます。アルコール度数40％のウイスキーであれば飲酒量は約63ml、ダブル1杯が上限となるでしょう。

また性欲を意識する場合には飲むタイミングも重要。アルコールを摂ると、興奮に関わる神経の伝達能力が低下し、反対に抑制に関わる神経の伝達能力が高まるため^出典[22]、性的な欲求も起こりにくくなると考えられます。性行為を控えている場合には、お酒を飲まない判断も必要になるかもしれませんね。

毎日7時間程度の睡眠を取れている

性欲が強い方は、睡眠時間を大切にしています。夜更かしを繰り返していたり、睡眠の質が極端に悪かったりする場合には、やはり性欲も落ちやすいでしょう。

睡眠時にはテストステロンの分泌量が最大化することが分かっています^出典[23]。つまり睡眠時間が短いほど、テストステロンを効率よく増やすタイミングを逃しているということに。

テストステロンが多いはずの若い男性でも、5時間睡眠を1週間続けただけで、血中テストステロンが10～15％減少したとのデータも存在します^出典[24]。睡眠がテストステロンにおいていかに重要であるかが分かりますね。

また、短時間睡眠では、食欲を抑制するホルモンのレプチンが減り、食欲を高めるホルモンのグレリンが増えるため、食欲のコントロールが効かず食べ過ぎてしまいやすくなります^出典[25]。

1日7時間未満の短時間睡眠が習慣化すると、性欲低下に関わる肥満のリスクが上がるとも言われているため^出典[26]、体脂肪を増やしすぎないためにも、十分に眠る必要がありそうですね。

夜更かしをしなくていいように、夕方から夜にかけてのスケジュールを見直してみましょう。睡眠の質が悪い場合には、利尿作用および覚醒作用があるカフェイン飲料やお酒の摂取を避けることをおすすめします。入眠がスムーズにいかない場合には、寝る90分～2時間前に温かいお風呂へ15分浸かって体を温めたりする方法も有効です^出典[27]。

屋外での活動を楽しむ習慣がある

性欲の強い方で、一日中屋内にこもって過ごしている方はほぼいないでしょう。屋外での活動をアクティブに楽しんでいたり、日常生活で体を動かす機会が多かったりする方ほど、テストステロンが増えやすいものです。

身体活動量が多い方は運動不足の方よりもテストステロンが多いことが、アメリカやスペインにおける男性を対象とした調査で判明しています^{出典[28]出典[29]}。

身体活動量を最も簡単に把握したい場合には、歩数をチェックするとよいでしょう。歩数とテストステロンの関係を調べた論文では、1日の歩数が4000歩未満である人の割合が、低テストステロンのグループで最も多かったことがわかっています^出典[30]。

歩数を増やすほどテストステロンが増えているというデータも同論文で得られているため、性欲を強めたい方は積極的に歩く時間を作るとよいでしょう。

歩数を増やす場合には、屋内のランニングマシンを使用するよりも、屋外で日の光を浴びながら歩くことをおすすめします。

テストステロンの分泌に関わるビタミンDは日光浴によっても合成されるため^出典[31]、より効率よくテストステロンを増やせるかもしれません。気持ちをリフレッシュさせる意味でも、散歩や散策を兼ねた屋外でのウォーキングはおすすめです。

一方、マラソンのような過剰な持久力運動は、運動による筋肉の炎症を誘発し、テストステロンを下げる可能性が高いため要注意。25分以上の持久力運動でテストステロンが減少する可能性があると示した論文も出ているため^出典[32]、ランニングのように体に負荷がかかる運動は、一回20分程度を目安におこなうとよいかもしれませんね。

高負荷の筋トレに慣れている

激しい持久力運動はテストステロンを増やすために逆効果ですが、筋トレについては高負荷のものほど効果的であることが分かっています。体を鍛える趣味がある方ではテストステロンが増えやすいため、性欲も強い可能性が高いでしょう。

筋トレ初心者の方でも手軽にできるものとしては、腕立て伏せやスクワットのような反復操作を伴うものがおすすめ^出典[33]。特別な器具を必要としないため、ジムに通わずとも自宅ですぐに取り組めます。

より効果を出したい方や、筋トレにある程度慣れている方は、全身を用いるウエイトトレーニングや、高強度インターバルトレーニング（HIIT）を試してみましょう。

とくにHIITは筋トレと有酸素運動を組み合わせたものであり、脂肪を燃焼させる効果も高いとされています。体脂肪を減らしたい方にも適しているでしょう。

平均年齢60歳の鍛えられた持久力アスリートが、6週間にわたるHIITプログラムを受けたところ、テストステロンのなかでも、性機能や身体機能への活性を持つ、遊離型のテストステロンが約7.9％増加したと報告されています^出典[34]。

35～40歳の男性30名による8週間のHIITでは、テストステロンが36.7％増加したとの報告も^出典[35]。

テストステロンを効率よく増やすためには、より多くの筋肉で、より高負荷の筋トレをおこなう方法が効果的です^{出典[36]出典[37]}。筋トレ慣れしている方は、ぜひレベルの高い筋トレに取り組んでみましょう。

ストレスを溜め込まない

性欲が強い方が慢性的な強いストレスに悩まされることは稀です。ストレスが少ない環境で生活できている方か、あるいはストレスの発散が上手な方でなければ、テストステロンの量も保ちづらいでしょう。

急性のストレスはテストステロンを一時的に増やしますが、精神的ストレスのような慢性的なものは、テストステロンを大きく減らすことが分かっています。

たとえばニューヨークの病院では、ストレスを受けやすい立場にある病院の研修医のテストステロンが、同じ病院のほかの職種の方の平均値より約42.7％も低かったと報告されていました^出典[38]。

また、スイスの士官学校の生徒における唾液テストステロン濃度は平均約4.5pg/mLでしたが、長期かつ重度のストレスを12週間受けることにより、平均約3.0pg/mLまで減少したとの報告も^出典[39]。

ストレスの多い環境が、テストステロンを増やすための大きな障害になることが分かりますね。

ストレスは性欲減退のみならず、不眠や肥満、糖尿病など、さまざまな健康上のトラブルを招きます。環境を変えられる場合にはストレスフルな環境から脱するのが一番ですが、難しい場合には趣味の時間でのリフレッシュタイムや、十分な睡眠による給養などが重要。リラックスできる時間を積極的に取り入れて、ストレスを解消できるよう工夫してみましょう。

テストステロンブースターを飲んでいる

性欲が強い方は、テストステロンを増やすため、良質なサプリメントを継続的に飲んでいるかもしれません。

亜鉛やビタミンDのような基本栄養素もテストステロンの分泌能力を維持するために重要ですが、よりテストステロンを増やしたい場合には、希少成分を摂取できるテストステロンブースターがおすすめ。生活習慣の改善と併せて活用すれば、よりテストステロンを増やしやすくなるでしょう。

テストステロンブースターを選ぶ際には、有効成分の一定量の含有が保証された規格化成分を選ぶことをおすすめします。

たとえばテスノアはザクロ由来のプニカラギンを3.5％、カカオ由来のテオブロミンを0.5％含む規格化成分のサプリメントです。どちらも強力な抗酸化作用を持つため、酸化ストレスから精巣を守り、テストステロンを増やしやすくしてくれるでしょう。

テスノアの摂取によるテストステロンの増加は、20代の若者から70歳の高齢者にまで幅広く見られています^{出典[40]出典[41]出典[42]}。性欲の増加のほか、睡眠の質の改善やリラックス効果なども確認されているため^{出典[43]出典[44]}、不眠やストレスに悩んでいる方にも役立つ可能性がありそうですね。

規格化成分にはほかにも、トンカットアリ抽出物を効率よく摂れるLJ100や、ムクナマメの有効成分を含むバイオドーパなどがあります。自身の目的に合うものを選び、2～3か月を目安に飲み続けてみましょう。

性欲に関わるホルモンのテストステロンは、加齢や生活習慣の乱れにより減少するため、年を取った方ほど、そして生活習慣に課題がある方ほど、性欲も落ちやすい傾向にあります。

性欲が強いまま維持できている方は、体重管理や食事量、飲酒量、睡眠時間に活動量などを良好にコントロールできているものです。本記事でぜひあなたの課題を見つけ、改善できるものから取り組んでみましょう。

とはいえ、課題が複数あったり、食事管理や運動を苦手としていたりする場合には、思うように体質を改善できないこともあるでしょう。

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