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株式会社アルファメイル
NP+編集部
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ナトリウムとは?はたらきや食塩との関係について
ナトリウムとは、いったいどのようなミネラルなのでしょうか。まずは、ナトリウムの概要や体内での働き、ナトリウムが豊富に含まれる食材についてご紹介します。また、食品の栄養表示には「ナトリウム」ではなく「食塩相当量」として記載されていることがあります。ナトリウムと食塩の関係についても知っておきましょう。
1.どんな栄養素?
ナトリウムは地球上で6 番目に多い元素であり、その多くは塩化ナトリウム(塩)として存在します。塩化ナトリウムは非常に溶けやすく、地球上では古代から海に浸出されてきました。出典[2]
また、ナトリウム氷晶石やゼオライト、ソーダライトなどの鉱物にも含まれています。出典[2]
2.ナトリウムの歴史
塩化ナトリウム(塩)は 炭酸ナトリウム(ソーダ)とともに有史以前から知られている物質です。海水から精製され、香料や防腐剤として使用されていたことが分かっています。出典[2]
また、1808年にはルイ・ジョセフ・ゲイ・リュサックとルイ・ジャック・テナールによって、苛性ソーダと鉄粉の混合物を赤熱することでナトリウムを得られることが判明しています。出典[2]
3.体の中でどんな働きをする?
ナトリウムは、細胞外液にナトリウムイオンとして存在しています。細胞外液のナトリウムは、細胞内液のカリウムとともに体内の水分や浸透圧を調整します。出典[8]
体内のナトリウムは腎臓の糸球体でろ過された後、尿細管と集合管で再吸収され、最終的には糸球体でろ過された量の約1%が尿として排泄されるのです。
糸球体でのろ過作用と尿細管での再吸収が体内のナトリウムのバランスを調節しているため、ナトリウム摂取量が増加すれば尿中排泄量も増加し、摂取量が減少すれば尿中排泄量も減少します。出典[8]
- 細胞の機能を維持
ナトリウムは、細胞の水分とミネラルのバランスを維持する働きを持っています。成人では体内の水分は体重の約60%です。この水分は、3分の2は細胞内、3分の1は細胞外空間に分配されます。細胞の水分とミネラルの濃度は、生体エネルギー(ATP )によって、ナトリウムとカリウムをそれぞれ細胞の内側から外側、またはその逆に移動します。出典[3] - 正常な神経伝達と認知機能の維持
ナトリウムは、神経伝達物質の活動に大きく関わっており、神経伝達を正常に維持しています。出典[4]また、ナトリウムは認知機能を維持する働きがあります。カリフォルニア大学で行われた研究によると、50〜 96 歳の男女925名の食事で摂取するナトリウムの量と認知機能テストの結果について調査したところ、ナトリウム摂取量が少ないほど認知機能テストのパフォーマンスが低下することが判明しました。出典[7]さらに、高齢者の低ナトリウム血症の有病率は、健康な個人が7%であるのに対し、急性入院を必要とする老人ホーム居住者は30%と高くなると報告されています。出典[7]高血圧などの症状を避けるためには減塩が重要ですが、ナトリウム摂取量があまりにも低い場合は認知機能の低下を引き起こす可能性があるのです。
3.ナトリウムと食塩の関係
私たちの食生活において、ナトリウムと密接に関わっているのが「食塩」です。
食塩の主成分は、ナトリウムと塩素が結合した「塩化ナトリウム」です。つまり、ナトリウムと食塩は厳密には別の物質なのです。
また、ナトリウムは塩に含まれる成分の一部のことであるため、「ナトリウム量」=「塩分量」ではありません。
食品の栄養成分に記載されているナトリウム量を食塩相当量(塩分量)に変換するためには、ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)と計算する必要があります。出典[6]
4.不足するとどんなリスクがある?
通常の食事をしていれば、ナトリウムが不足することはありません。出典[8]
ただし、運動量の多いアスリートは発汗の量も必然的に多くなるため、ナトリウムと水分の両方が急激に失われることがあります。大量の汗でナトリウムが不足すると、熱けいれんや低ナトリウム血症などの症状を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。出典[5]
アメリカのスポーツ医学に関する研究によると、男子テニス選手の1時間あたりの平均発汗量は1.79〜3.41 L、発汗で失われる1時間あたりのナトリウム濃度が平均 44.5 mmol/Lであることがわかりました。出典[5]
運動した後は水分補給が大切ですが、塩分等のミネラル補給も同時に行う必要があるのです。
5.どんな食材に含まれている?
ナトリウムは調味料や漬物、加工食品に多く含まれています。
【ナトリウムを豊富に含む食品(調味料)とその含有量(100gあたり)】出典[10]
食品名 | 状態など | 含有量 |
食塩 | - | 39000㎎ |
中華だし | - | 19000㎎ |
固形ブイヨン | - | 17000㎎ |
顆粒和風だし | - | 16000㎎ |
みそ | 赤色辛味噌 | 5100㎎ |
【ナトリウムを豊富に含む食品(漬物・加工食品)とその含有量(100gあたり)】出典[10]
食品名 | 状態など | 含有量 |
梅干し | 塩漬 | 7200㎎ |
塩昆布 | - | 7100㎎ |
ザーサイ | 漬物 | 5400mg |
アンチョビ | 缶詰 | 5200mg |
塩分の多い食材や調味料を使う際は、余分なナトリウムの排出を促す作用のあるカリウムを組み合わせておきましょう。カリウムは野菜や果物、海藻類に豊富に含まれています。
ナトリウムはどのくらい摂取すればいい?
私たちの食生活では、ナトリウムが不足する可能性はほとんどありません。しかし、気温上昇や激しい運動で大量に汗をかくと、水分と一緒にナトリウムも失われてしまうため注意が必要です。また、ナトリウムの摂取が多すぎると、高血圧や心臓病、脳卒中などの症状を引き起こす可能性があります。出典[1]ナトリウム摂取目標量は食塩相当量として定められています。1日に必要なナトリウムや食塩の量について知っておきましょう。
1日あたりのナトリウムの摂取目標量は以下の通りです。なお、ナトリウムの食事制限基準は食塩相当量で計算されています。
【ナトリウムの1日あたりの食事摂取基準・目標量(食塩相当量)】出典[8]
性別/年齢 | 男性 | 女性 |
0~5ヶ月 | 0.3g | 0.3g |
6~11ヶ月 | 1.5g | 1.5g |
1~2歳 | 3.0g未満 | 3.0g未満 |
3~5歳 | 3.5g未満 | 3.5g未満 |
6~7歳 | 4.5g未満 | 4.5g未満 |
8~9歳 | 5.0g未満 | 5.0g未満 |
10~11歳 | 6.0g未満 | 6.0g未満 |
12~14歳 | 7.0g未満 | 6.5g未満 |
15~17歳 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
18~29歳 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
30~49歳 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
50~64歳 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
65~74歳 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
75歳以上 | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
ナトリウムの不足は、気温上昇や激しい運動による大量の発汗、極端な食事制限によって起こる可能性があります。ナトリウムが不足すると、血圧の急激な低下に繋がるため注意が必要です出典[9]
オーストラリアやベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ニュージーランド、スウェーデン、イギリス、アメリカで行われた合計36の研究によると、ナトリウム摂取量の減少により、安静時の収縮期血圧が3.39mmHg、拡張期血圧が1.54 mm Hgと大幅に低下したことが判明しました。出典[9]
また、ナトリウム摂取量の必要最低限度については定められていませんが、世界保健機関(WHO)のガイドラインには、ナトリウム 200〜500 mg/日、食塩に換算すると5.0〜1.2g/日と推定されています。出典[8]出典[9]
ナトリウムは血管内に体液を引き込むため、ナトリウムの過剰摂取は高血圧や心臓病、脳卒中などの症状を引き起こす可能性があります。出典[5]
まとめ
ナトリウムは、人体の水分とミネラルのバランスを維持するために重要な栄養素です。普段の食生活ではナトリウムの不足は起こらないとされています。ただし、運動中に大量に汗をかくと、ナトリウムと水分が急激に不足する可能性があるため注意が必要です。
水分補給の重要性はよく知られていますが、脱水に伴う塩分不足はしばしば見逃されています。暑い日や運動の後で大量に汗をかいたら、スポーツドリンクや塩分タブレットでナトリウムを補給しておきましょう。
出典
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