グレープシードとは?7つの効果と適切な摂取方法
2023年8月10日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

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グレープシードとは

グレープシードは、ワインやジュースを製造する際に残るぶどうの種から得られる成分です。グレープシードに豊富に含まれるポリフェノールとフラボノイドは、強い抗酸化作用があることが報告されており、近年活発に研究が進められています。また、グレープシードは不飽和脂肪酸が多い食品としても有名です。まずは、グレープシードの概要や体内での働きについて解説します。

1.どんな栄養素?

グレープシードはぶどうの種から生成される成分であり、ワインやジュース製造の副産物として得ることができます出典[2]

グレープシードを抽出するためには、ぶどうの種を果実から分離した後、25〜30℃の日陰で1週間ほど乾燥させる必要があります。乾燥が終わったぶどうの種を粉砕したら、25%のエタノールに浸し、ろ過します。ろ液を室温(25℃)で乾燥させてエタノールを蒸発させると、粉末状のグレープシードを得ることができるのです出典[1]出典[3]

 

2.体の中でどんな働きをする?

ぶどうの種や皮は、ポリフェノールが非常に多いことで知られています。

ブドウのポリフェノールは化学構造と活性の違いによって、フラボノイドと非フラボノイドの2つに分けられます。それぞれのポリフェノールの含有量は、ブドウの品種によって違っています出典[5]出典[10]出典[15]

また、グレープ シードはα-リノレン酸やγ-リノレン酸 などの不飽和脂肪酸も豊富で、血圧やコレステロールを低下させる役割も担っています出典[1]

 

グレープシードに確認されている作用や効果

記憶力や学習能力の向上、肌の老化防止、白内障の予防にはグレープシードが役立ちます。また、グレープシードに豊富に含まれる不飽和脂肪酸は、高血圧や高コレステロール血症、肥満などの予防に効果的といわれています。ここからは、グレープシードに期待されている作用についてご紹介します。

1.記憶力向上および学習能力の向上

グレープシードは、記憶力や学習能力の向上に大きく関わっています。

年齢を重ねてくると、脳の海馬でシナプスが新しく生成しづらくなり、ダークニューロンが増加することで記憶力や学習能力が低下していきます。また、体内における酸化ストレスによっても、脳神経の変性を引き起こすともいわれています。

そこで、高齢(12歳)マウスの海馬に対するグレープシードの効果について調査が行われました。体重あたり300㎎のグレープシードを8週間投与し、行動テストによって認知能力を評価したところ、海馬での新しいシナプス形成の減少が緩和されることが分かりました。また、ダークニューロンの頻度が有意に低いことも判明しています。行動テストでは、グレープシードの投与が記憶力と学習能力の向上に繋がることが示されています出典[4]

さらに、グレープシードを始めとしたポリフェノールの多い食材によって、アルツハイマー病の発生率を低下させる可能性があるとされています出典[7]

ぶどうの種から得られたポリフェノール抽出物をマウスに経口投与したところ、アルツハイマー型認知機能の低下が有意に抑制されたことが示唆されました出典[6]

記憶力や学習能力は、長い年月をかけて徐々に低下していきます。そのため、脳の働きが活発な若い年代からグレープシードやぶどうの摂取を習慣化しておくことがおすすめです。

 

2.血圧の調整

グレープシードなどのポリフェノールやフラボノイドが豊富な食材は、血圧の調整に役立ち、高血圧を予防する効果が期待されています。

血圧は120/80㎜Hg付近が正常値とされ、140/90㎜Hgを超えると高血圧と判断されます。高血圧を治療せずにそのままにしておくと、心疾患や脳卒中などの重大な病気の原因となるため注意が必要です。

グレープシードが豊富に含まれるポリフェノールは、血圧を正常値に改善させる効果があることが知られています。ポリフェノールによる抗酸化作用によって体内の酸化ストレスが抑えられることに加え、グレープシードに含まれるプロアントシアニジンと呼ばれる物質によって血管拡張を阻害することによって血圧の上昇が抑制されると考えられています出典[9]

ドイツで行われた研究によると、自然発症高血圧を持つラットにグレープシードを投与したところ、収縮期 - 拡張期血圧の大幅な低下がみられたことが分かりました出典[1]

また、メタボリック シンドロームの対象となっている30〜65 歳の男性38名に対して白ぶどうから得られたグレープシードを投与した結果、収縮期-拡張期血圧が大幅に低下したことが報告されています出典[1]

血圧が気になる方は、グレープシードやぶどうを積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

 

3.コレステロール値を改善

グレープシードに含まれる不飽和脂肪酸は、血中のコレステロール値を改善させ、動脈硬化の予防に役立ちます。

α-リノレン酸 や γ-リノレン酸などの不飽和脂肪酸は、血中の総コレステロールとLDLコレステロールの減少に関与する栄養素です。また、LDLコレステロールの上昇が進むと動脈硬化を引き起こすとされています。そのため、グレープシードを取り入れることで動脈硬化の予防に繋がるのです出典[1]

15%のブドウ搾りかすをラットに添加すると、ラットの肝臓と血清中のコレステロール値を半減することが判明しました。それだけでなく、LDLコレステロールの上昇を抑える効果のある HDLコレステロールの上昇もみられたことも報告されています。出典[1]

コレステロール値の上昇は、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足によって発生します。食事バランスが乱れていると感じる方は、グレープシードやぶどうをいつもの食事にプラスしてみましょう。

 

4.脂質の代謝を向上

グレープシードは、脂質の代謝を向上させるためにも重要な働きを担っています。

また、グレープシードには、脂質の過酸化を防ぐ効果の他にも、脂肪の代謝に関わる酵素を阻害することで、脂肪の蓄積を抑える効果も期待されています出典[1]

肥満に対するグレープシードの効果を調査した研究によると、グレープシードを与えたラットに対して、体重減少や脂肪組織の減少、総コレステロールの減少が有意にみられました出典[15]

体重がなかなか減らない、肥満を予防したいと思っている方はグレープシードを積極的に摂取することをおすすめします。

 

5.むくみ改善のサポート

グレープシードには、むくみを改善する効果も期待されています。

厚生労働省の報告によると、ブドウ種子抽出物(エキス)は身体の末端(脚など)の血液が静脈を通って心臓に送られる働きに問題がみられる「静脈不全」の改善に効果があるとされています。身体の末端に血液が留まっている状態が続くと水分も溜まってしまい、むくみ(浮腫)に繋がるのです。出典[16]

ただし、グレープシードによる静脈不全の改善効果は現在はっきりとしたエビデンスが示されていません。そのため、むくみが気になる方は、グレープシードはあくまで運動やマッサージのサポート役として取り入れることをおすすめします。

 

6.肌のハリを改善

グレープシードの抗炎症作用は、肌のハリを改善させるためにも有益です。出典[1]

テキサス州の民間研究機関において、グレープシードを含む栄養補助食品による閉経後の女性の皮膚への影響についての研究が実施されました。閉経後の健康な女性38名にグレープシードを含む栄養補助食品を1日2 回、6ヶ月間投与したところ、額、眼や口周囲のしわ、まだらの色素沈着、弛緩、たるみ、目の下のくまについて有意な改善がみられました出典[11]

お肌のハリが無くなってきた、いつまでも若々しいお肌でいたいと考えている方は、ぜひグレープシードやぶどうなど、抗酸化作用の高い食材を食生活にプラスしてみましょう。

 

7.白内障の予防をサポート

グレープシードに含まれるプロアントシアニジンは、白内障の予防効果も報告されています。

プロアントシアニジンは細胞内の酸化ストレスを抑制する作用があることで知られています。酸化ストレスを抑えることは目の細胞での過酸化脂質の生成を軽減することができ、白内障の発症リスク低下に繋がるのです。

マウスに対して体重あたり100mgのプロアントシアニジンを経口投与し目の健康状態について調査した研究によると、3週間後には白内障の発症リスクが有意に低下したことが判明しました。出典[12]

目の健康は、今後の生活に深く関わってきます。白内障を予防するためにも、グレープシードなどの抗酸化作用の高い食材を積極的に取り入れましょう。
 

グレープシードの摂取量について

グレープシードについて、明確な摂取推奨量は定められていません。ただし、いくつかの臨床試験において効果が確認されているのは、1日300mg〜1000mgと考えられます。

高血圧の治療を目的とした臨床試験によると、健康な被験者に対して1日300mgのグレープシードを16週間補給したところ、血圧の調節について有意な効果が確認されています出典[8]出典[14]

また、グレープシードの摂取による酸化ストレスの軽減による高血圧の改善について調べた研究によると、高血圧患者69名に対して1日500 mgのビタミンC、1日1000 mgのブドウ種子ポリフェノール、ビタミン C とポリフェノールの両方を6週間摂取した結果、血圧の有意な低下が報告されました。出典[13]

グレープシード配合の栄養補助食品を摂取するときは、これらの数値を参考にし、その栄養補助食品に表示されている用量・用法を守るようにしておきましょう。

 

まとめ

グレープシードには高い抗酸化作用が期待されており、今話題の食品の一つとして有名です。体内の酸化ストレスが低下すると、記憶力や学習能力の障害や肌の老化、白内障など様々な症状の軽減に繋がります。

また、グレープシードには、肥満や高血圧、糖尿病の予防に役立つ不飽和脂肪酸も豊富に含まれています。

グレープシードの摂取には栄養補助食品だけでなく、生のぶどうでも十分です。日頃の健康を維持するためにも、グレープシードやぶどうを食生活に取り入れてみましょう。

 

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