【絶対NG?】寝る前のアイスに関する6つの事実
2023年11月20日更新

監修者

睡眠健康指導士/ロジスティクス管理3級

室井優作

心と体の健康の要となる睡眠のスペシャリスト。眠りに悩みを抱える方のコンサルティングを日々行っている。プロボクサーを目指しており、運動やダイエットに関する指導も可能。おすすめの寝具はウェイトブランケット。

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

寝る前のアイスには様々な噂がある

寝る前にアイスが無性に食べたくなる時はありませんか?たしかにお風呂上がりに食べるアイスは格別においしいですよね・・・。

しかし、そんな欲望に歯止めをかけるのが寝る前のアイスにまつわる悪い噂

太る、ニキビができる、睡眠の質が下がるなど、百害あって一利なしだと思って結局食べない・・なんてことも多いのではないでしょうか。

一方で少し調べると「寝る前のアイスは痩せる」というポジティブな意見も見られました。
果たして真相はどうなのでしょうか?

良いのか?悪いのか?

今回は寝る前のアイスに関する噂について学術的に真相を解明したいと思います。
 

寝る前のアイスに関する6つの噂を学術的に解明

早速寝る前のアイスに関して、6つの噂の真相を確かめていきましょう。

 

噂1.睡眠の質は悪くなる?

まずは睡眠の質について。寝る前にアイスを食べると眠りにはどんな影響を及ぼすのでしょうか?

結論から言うと、睡眠の質が低下する可能性が高い出典[1]

なぜなら血糖値が上がる状態は体にとってストレスだから。

ストレス反応に対して体が抵抗しようとして、交感神経が優位になります

その結果眠りが浅くなり、日中のパフォーマンス低下やメンタルの乱れが生じてしまう・・・。

アイスに限らず、就寝直前の糖質摂取は控えた方が良いでしょう。

 

噂2.「寝る前のアイスで痩せる」は本当?

では、「痩せる」のは本当なのでしょうか?本当なら夢のようなお話ですよね。

しかし・・・残念ながら考えにくいんです

製品にもよりますがそもそも一般的にアイスは100gで約180kcal前後と高カロリーな食品出典[2]

ただでさえ就寝中はエネルギー消費量が低下しています出典[3]。就寝前にカロリーを摂取すること自体が「痩せる」から真逆に向かう行動なわけですね。

さらに、単純に代謝が下がり消費カロリーが減るだけではありません。睡眠の質自体も体重増加をもたらす危険因子であることが分かっているんです。

実際に、睡眠の質や量の低下が子どもの体重増加の原因となることが明らかにされているんです・・出典[4]

寝る前のアイスは痩せるどころか、肥満のリスクが高まる可能性があるわけですね

 

噂3.寝る前のアイスはむくむ?

では「むくみ」はどうなのでしょうか?

じつは寝る前のアイスでむくみが起きる可能性は0ではありません。

それは、アイスに含まれる塩分(ナトリウム)がポイント。

実際に高齢男性で行われた研究では、塩分制限量によってむくみや夜間の尿意が増えるという結果がでています出典[5]

せっかくおいしいアイスを寝る前に摂取して、むくみの原因になってしまうのも悲しいですね。

 

噂4.寝る前のアイスでニキビができる?

ニキビ等の肌荒れはどうなのでしょうか?

残念・・・。ニキビも発生する可能性はあるんです・・。

実際に砂糖が多い食事や牛乳、アイスクリームの摂取頻度が上がるとニキビにつながる可能性が高いという結果が出ています出典[6]

また別の研究では、牛乳、砂糖入り飲料、脂肪分や砂糖入り製品の摂取が、成人ニキビ発症と関連している事がわかっています出典[7]

寝る前にアイスを食べるだけでなく、アイスを毎日食べる習慣自体がニキビにつながりそうな結果が判明

アイスに限らず、高脂肪・砂糖入りのもの、乳製品などの摂りすぎには注意したほうがよさそうです。

 

噂5.”氷菓”なら大丈夫なの?

寝る前のアイスが肥満や睡眠の質などに影響するとしても、全てのアイスがダメなのでしょうか?

じつはアイスの中でも”氷菓”なら大丈夫だという噂があるんです。

氷菓ってなに?という人もいると思いますので、アイスの種類について解説します。

アイスには種類が4つあるのをご存じでしたでしょうか?

それは、乳固形分の含有量で決められています出典[8]出典[9]

乳固形分が多い順に次の①~④のようになっています。

④の氷菓は、乳固形分が3%未満と決められ、かき氷などが該当します。

①アイスクリーム:乳固形分15.0% 以上(うち乳脂肪分 8.0% 以上)

②アイスミルク:乳固形分10.0% 以上(うち乳脂肪分 3.0% 以上)

③ラクトアイス:乳固形分 3.0% 以上

④氷菓:乳固形分 3.0%未満

確かに、氷菓は乳固形分の含有量が少ない分、リスクは低くなると言えそうです。

ただし、砂糖やブドウ糖液など糖分は同じように含まれているので、リスクがないわけではありません。

あくまでも他のアイスの種類よりはリスクが低い、と覚えておきましょう。



噂6.3時間前なら食べて良いの?

「寝る3時間前までならアイスを食べても大丈夫」と聞いたことはありませんか?

データを見てみると、これはしっかり裏付けされているんです。

実際の試験では、就寝前の3時間以内に食事をすると、3時間以上あけた場合よりも夜間に目を覚ます中途覚醒の回数が高まってしまうことがわかりました出典[10]

この結果を踏まえると、3時間は寝る前の飲食の基準になりますね。寝る3時間前までならセーフだと言えます。
 

寝る前は睡眠を最適化する行動を意識しよう

これまで6つの噂について検証してきました。

基本的に寝る前にアイスを食べるのは、デメリットが多い事が解明。

それは、アイスに限らず、そもそも寝る直前に食事をすることが不適切だといえるでしょう。寝る前には睡眠を最適化する行動を意識することが大切なポイント。

寝る前にとるべき行動をまとめた記事もあるので、ぜひ参考にしてください。

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