執筆者
薬剤師・公認上級妊活マイスター・公認スポーツファーマシスト
牛尾 真智子
製薬会社2社で乳がん・肺がん・大腸がんなど8つの抗がん剤領域を経験。
患者様の人生に携わること・医療業界での知識と経験を生かして、医療と予防医学の懸け橋となる存在になりたいと考えています。また、少しでもお客様のお悩みに寄り添えるよう公認上級妊活マイスター・公認スポーツファーマシスト・メンタルケアカウンセラーの資格を取得。納得感のある、心が軽くなる情報を届けることで、皆様のより良い生活の一助になれるよう邁進いたします。
リラクゼーションだけじゃない!ヨガがもたらす一石四鳥の効果
ストレス耐性UP
ヨガをすると、ストレスによる生体変化におおむね拮抗できるといわれています。
ヨガのポーズを正しく行なうとストレスを感じた際に生じる交感神経活動とコルチゾール値だけではなく、高感度CRPやIL-6などの炎症マーカー値を低下させ、ストレス性の増加を抑制することができます出典[1]。
「ヨガは女性のものでしょ。。」と思われるかもしてませんが、ヨガ経験のない男性においても基本的なヨガのストレッチをすることで、副交感神経の活動を高め、ストレスホルモンを改善すると報告されています出典[2]。
免疫力UP
コロナ禍で【免疫力向上】というキーワードを耳にする機会が増えましたが、実はヨガをすることでも免疫力向上が期待できます。
ある研究によるとヨガ教師は免疫機能指標である NK 細胞と T 細胞系の機能が一般成人よりも高いことがわかりました。
その理由は心身のリラックス時において大切になる固有のα 波のリズ ムが起因していると考察されています出典[3]。
ヨガをすることで、ぜひ免疫力の高い体をつくってくださいね。
睡眠の質UP
ヨガを行なうと、不安、抑うつ、陰性感情、疲労感は減少し、痛みに対する破局的思考や睡眠障害が改善することが報告されています出典[4]。
またヨガによって抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid, GABA)の脳内レベルや『幸せホルモン』と呼ばれる『オキシトシン』濃度が上昇することにより、よりリラックスして眠りにつくことができると考えられます出典[5]。
また、年を重ねると眠りが浅くなるといわれますが、2年以上の長期にわたってヨガを行っている高齢者は、行っていない人と比べて、睡眠の質が高かったことが示されています出典[6]。
男性らしさもUP
ヨガによって心身のリラクゼーション効果が得られることは想像がつくかと思いますが、実は男らしさも向上させる効果があるというのです。筋肉増強、血行改善、ホルモン分泌機能など改善することも、多くの医学関連の研究から明らかになっています出典[7]。
しなやかで逞しい男性らしさは、女性にとって魅力的にうつるものです。ぜひヨガで心身共に素敵な状態になりましょう!
実践!科学的に証明された男性にお勧めのヨガポーズ
呼吸法~アヌロマ・ヴィロマ~
まずは、動く前に呼吸を整えましょう。マットの上にあぐらをかいてください。座骨の上に背骨をひとつひとつ積み重ねるように体重をのせ、上半身を真っすぐたてます。
手を膝の上にのせます。手のひらを上にむけ、瞼を閉じて。肩の力を抜き、目の奥の力みや奥歯の食いしばりを解きます。
両鼻からゆっくりと吸息し、完全な止息状態を経てからゆっくりと自然に呼息に移ります。呼息後も、完全な止息状態を経てから再び吸息する。これをゆっくりと繰り返しましょう出典[8]。
それでは、心が整ったところで、実際にどのポーズがどんな部位に効果的か、期待できる効果と共に紹介してまいります。
動画では、ヨガ初挑戦の男性が『ヨガは意外と体幹に効く!』ということを実証しています。
呼吸のタイミングや気を付けるポイントも合わせてアナウンスしているので、ぜひご参照ください。
ウォーリアー1戦士のポーズ
まずは、名前から格好良い、戦士のポーズを紹介致します。ウォーリアー1戦士のポーズ
は、全身を強化し、お尻の引き締めに効果が期待できます。首や肩、背中の凝りをほぐし、足首や膝の調子を整えます。
- 顎を引いて肩の力を抜き、足の裏全体で床を押しながら足を揃えて立ちます。(山のポーズです。)
- 右脚を大きく後ろに一歩踏み出し、右脚の足先を45度外側に向けます。左足のつま先は真っすぐマットと並行になるようにセットして、両手は腰にあてます。左膝を90度に曲げ、曲げた膝がかかとの上にくるように調整します。
- 両手を前で合掌し、気持ちよく上にあげます。目線は斜め上です。背筋を伸ばし、胸を開くようなイメージで、肩の力は抜きます。足は大地をしっかり踏みしめるように、このままのポーズを5呼吸ほどキープします。
- 姿勢をもどし、反対側も同様に行ってください出典[9]。
半月のポーズ
こちらは上記のウォーリアー1戦士のポーズから発展するポーズです。
スムーズに歩行できるようにつま先を持ち上げたり、ランニングなどで地面に足を着く時につま先を持ち上げる際にに使われる筋肉(前脛骨筋)や、足にかかった全体重を走ったりジャンプする際に瞬発的に動かす強い筋肉(腓腹筋)を鍛えることができます出典[10]。
- 右足が前の状態で、戦士の1のポーズをキープします。
- 右肩の下に左手をつき、床についた手の手首は肩の真下、前の足首の延長戦沿いに付け根がくるようにしましょう。
- 体重を左足に乗せてバランスを取りながら左足を後方に伸ばして肩の高さまで持ち上げます。左の足首は90度に曲げて踵を押し出しましょう。
- 骨盤を上に向けるように体を開いていきます。胸を開いて、目線を天井に向けます。
- バランスが取れたら左の手を大きく天井方向に伸ばします。頭からかかとが一直線になるように、両手も直線上に伸ばして全身を大きく広げていきましょう。呼吸を5回、繰り返します。
- 左足が前のバージョンも同様に行います。
ウォーリアー2戦士のポーズ
足の形を整え、ウエスト、二の腕を引き締めます。股関節の柔軟性、疲労回復の効果も期待できます。出典[11]。
- 肩幅より広く、大きく前に左足を1歩、踏み出し足を開いて立ちます。
- 左足はつま先をまっすぐ外側にはマットに平衡、かかとの一直線上に右足の足の土踏まずがくるようにつま先を斜め45度ほど内側に向けます。骨盤は正面に向けます。
- 両手を頭上へ伸ばします。肩はすくめず、耳と肩の空間を意識して、上半身はなるべく余計な力が入らないようまっすぐに、伸ばします。
- 両手を鎖骨の延長上に開いて肩の高さまであげてまっすぐに伸ばします。
- 左足を曲げ、膝がつま先の前にでないように足幅を調整し、目線は伸びた手、中指の先をみてください。呼吸を5回、繰り返します。
反対側も同様に行います。
ウォリアー3戦士のポーズ
戦士のポーズ1、2をマスターしたところで難易度の高いウォリアー3戦士のポーズに移ります。
骨盤を支持するために重要な役割を果たしている中殿筋の活性化と後ろ足の引き締め効果が期待できるポーズです出典[12]。
また、片足で立つバランス感覚が養われ、体幹強化などの効果もあります。
- 山のポーズで立ち、両腕を頭上へ横から挙げます。
- 右脚を伸ばしたまま後ろへ挙げていくと同時に上半身を前へ傾けていきます。右脚が外に開かないように、骨盤をなるべく下へ向けます。
- 目線を指先の間に向けて、身体が床に平衡になるようにキープします。
- 軸足側の股関節の根元、お腹をしっかり引きしめます。限界まで傾けたら、伸ばした手の間の先へ目線を送ります。
- 肩の力はぬいて、軸足の膝裏にストレッチを感じたまま、呼吸を5回、繰り返しキープします。
- 反対の足も同様に行いましょう。
プランク
最後にマットに身体を預けるポーズを入れていきましょう。
胴体と股関節の筋肉の活性化パターンを調べた研究によると、ロープランク、ハイプランクをすることで、腹外腹斜筋の強化になることがわかっています。ウエストが絞られ、逆三角形のシルエットに近づくためにも強化したいポーズです出典[13]。
ロープランク
- 四つん這いの姿勢から吐きながら肘を肩の真下に着き、肘が肩幅よりも広くならない位置で固定します。
- 足は閉じた状態で伸ばしてつま先を立てます。肘と肩、足首は90度をキープします。
- 腹式呼吸で鼻からゆっくりと息を吸い、お腹を締めるように息を吐いてください。呼吸を5回、繰り返します。
ハイプランク
- ロープランクから一度四つん這いに戻ります。両手のひらを広げて肩の真下につき、両手のひらに均等に体重を乗せます。
- 足の指の付け根で体重を支えながら脚をまっすぐに伸ばします。腕立て伏せのような姿勢になり、お尻を突き出さないように頭からつま先まで一直線になるように意識します。
- 頭が下がらないように、目線はついた手の前方にむけます。
- 腹式呼吸で鼻からゆっくりと息を吸い、お腹を締めるように息を吐いてください。呼吸を5回、繰り返します。
肩が丸まった状態でプランクを行うと腹斜筋への効果が薄まるだけではなく、他の部位への負荷が強まってしまうため、意識していただきたいのは背中の肩甲骨です。背中の肩甲骨を寄せすぎず、背中の真ん中を持ち上げるイメージで、真っ直ぐとした姿勢をキープします。
★強化版プランク★
まだまだ余力がある皆様へ、プランクの強化バージョンもお伝えします!
★スイッチプランク★
- ハイプランクの姿勢から息をすって、はきながら片肘ずつ床につけ、ロープランクの体勢を作ります。
- 息を吸って、吐きながら片手ずつハイプランクの体勢に戻します。10回ほど繰り返します。
★片手、片足プランク★
- ロープランクの姿勢から息を吸って、はきながら右手と左足を浮かせて真っすぐ伸ばします。
- 手と足で引っ張り合うように均等にのばします。
- ゆっくり呼吸をしながら、まずは十秒間キープします。
- 手足を入れ替えて行います。
脚と腕をしっかり高く上げると、その分負荷が強くなり、効果が上がります。無理せず、呼吸を止めずにゆっくりとキープしてください。
お疲れ様でした。水分補給を忘れずに行ってくださいね。
最後に
如何でしょうか。ヨガには副交感神経を優位にする効果もあるため、忙しい毎日やイライラしがちな日常の寛ぎのお供に、ぜひ取り入れてみてくださいね。
一日の中でも、心を穏やかにしたい時間帯に取り入れて頂くのがお勧めです。
ヨガをすることでQOLが向上し、更には男らしい身体を手に入れる一助になりますと幸いです。
出典
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