執筆者
薬剤師・公認上級妊活マイスター・公認スポーツファーマシスト
牛尾 真智子
製薬会社2社で乳がん・肺がん・大腸がんなど8つの抗がん剤領域を経験。
患者様の人生に携わること・医療業界での知識と経験を生かして、医療と予防医学の懸け橋となる存在になりたいと考えています。また、少しでもお客様のお悩みに寄り添えるよう公認上級妊活マイスター・公認スポーツファーマシスト・メンタルケアカウンセラーの資格を取得。納得感のある、心が軽くなる情報を届けることで、皆様のより良い生活の一助になれるよう邁進いたします。
運動がストレス解消に効果的な3つの理由
具体的な運動方法に入る前に、そもそもなぜ運動がストレス解消に繋がるのか、科学的根拠をもとにご紹介いたします。
ストレスホルモンのバランスを調整する
運動にはストレスに関連するホルモンのバランスを調整する働きが期待できます。
例えば、コルチゾール。身体を緊張状態にするホルモンであり、長期的に体内量が高くなるとストレスの原因になります。酷い場合には鬱症状の原因になりうるホルモンです。
実は運動時にもコルチゾールは高くなります。身体に注意信号を出し、機敏に動ける状態に保つ必要があるためです。しかし、運動後は体内量が劇的に低下します。このホルモン分泌量の上下に身体が慣れる事で、通常時のコルチゾール量も制御できるようになるのです。
スコットランドの研究者が世界中で行われた運動とコルチゾールの関連性を調べた結果でもその働きは証明されています出典[1]。
運動にはストレスの原因に直接的に働きかける効果が期待できるのです。
エンドルフィン放出がリラックスをもたらす
運動は実は麻薬よりも麻薬的幸福感を得られる行動です。
その秘密がエンドルフィンの分泌。気分の高揚や幸福感などをもたらす体内物質です。その効果は絶大で麻薬「モルヒネ」の6倍も強い効力があるとも言われています。
マラソンランナーが時折感じる「ランナーズ・ハイ」は、身体を追い込む事でエンドルフィンが体内で増加し、もたらされる興奮&幸福状態なのです。
この運動によるエンドルフィンの分泌がリラックスをもたらし、ストレスの解消に繋がる事もわかっています。マサチューセッツの病院では、エンドルフィンの体内量増加に伴いコルチゾールが減少すると確認しました出典[2]。
エンドルフィンの分泌は運動の強度や持続時間にも影響を受けます。簡単な運動だけでパッと分泌が増加するわけではありません。
しかし、適切な強度と時間で行う事で、リラックスやストレスの解消だけでなく、これまでに感じた事がないような“快感“も楽しめるかもしれません。
テストステロン量が増えメンタルが強くなる
ちまたに溢れるストレス解消/発散方法。あくまでも『解消』『発散』が目的であり、対症療法であることに注意が必要です。
本質的なストレス対策。それがストレスへの『耐性』を高めること。ストレス要因をストレスと感じ辛くし、ストレスの許容量を増やす事で、精神的負担による諸症状を抑えることができるのです。そのために不可欠な体内物質が男性ホルモンの『テストステロン』です。
実際に、ノルウェーの臨床医学研究所が3413名の男性を調査し、テストステロンレベルが低いと不安を感じやすくなると報告しています出典[3]。
運動はテストステロンの向上に繋がります。筋肉量の増加に伴い、テストステロンの受容体も増加。身体は「もっとテストステロンが必要だ」と判断し、より多くを作り出すようになるためです。
実際に運動不足の人が週に1〜2度の運動を6週間行った結果、テストステロン値が約10%も増加したことの研究データも存在します出典[4]。
逞しい筋肉は運動の成果物。見た目だけではなくストレスに強い心をつくることができます。
【手軽さと根拠で選ぶ】ストレス解消&メンタル強化できる運動TOP20
化学的な根拠に基づき、ストレスの解消に繋がるスポーツや運動を20選ご紹介します。
強度や手軽さ、ご自身の興味でぜひ選んでみてくださいね。
大股で地面を踏みしめながらのお散歩
手軽な運動の代表といえば、いつでもどこでもできるウォーキング。
国立精神衛生研究所は30分歩くだけで気分が高揚し、健康状態が改善されると紹介しています出典[5]。
日本医科大学によると2022年に20名の男性が森の中の散歩を実施。その結果、セロトニン量が12%向上し、疲労のスコアは減少。また健康のバロメーターでもある起床時の眠気と爽快感(疲労回復)が改善。爽やかな朝を迎えることができたとのこと出典[6]。
また、周りに自然がない場合も大丈夫。都市には都市の良さがあり景観や建物、文化的な刺激に触れることで新しい視点や体験を得ることができ、気分を向上させる助けになります。
ゆったり眺めを楽しみながら歩くのも良いですが、慣れてきたら大股で地面を力強く蹴ることに意識を向けるとインナーマッスルも鍛えることができ、更に効果的といえるでしょう。
壮大な自然を踏みしめる『登山』
壮大な自然を楽しむ登山は、心身リラックスできるアルファ波を放出、ヒーリング効果をもたらします。
険しい道を上る無酸素とゆるやかな丘陵を歩く有酸素運動の組合せであるため、筋力と持久力、テストステロン向上にも効果的です出典[7]。
実際に、登山により活力ならびにメンタルヘルスが1.2倍向上し、うつ病の患者にはリラクゼーションのセッションを受けるよりも効果的だったとドイツの大学より報告されています出典[8]。
自然の中にいるだけでも癒される登山ですが、テストステロンの面からも期待ができます。もし落ち込むことがあったら、山へ出かけましょう。
明確なゴールと挑戦がある『ボルタリング』
ボルダリングもストレス解消&耐性付けに効果的な運度です。
身一つという手軽さに加えて、さまざまな体力レベルの人が、無理をせずに自分の身体能力に合わせて取り組むことができ、達成感が得られます。
ドイツの大学からの報告では週1回3時間、8週間のボルタリングで、うつ病のスコアが4.5倍改善し、自己肯定感も約4倍向上が認められました出典[9]。
またボルダリング施設は、夜遅く利用可能な場所も多く、仕事後に通うことができるのもビジネスマンにとって押しポイントの1つといえますね。
水泳の全身運動で免疫強化とメンタル改善
習い事ランキング1位の水泳。根強い人気があります出典[10]。
水に触れる感覚が、皮膚の神経を通して様々な身体の部位を刺激する水泳は、ストレスホルモンの分泌低下を促します。
70名の生理前の精神的不安定感に悩む女性を対象にした研究で水泳を週3回約30分、3週間継続すると、抑うつと緊張は約5分の1に緩和、疲労感や不安感は3倍以上和らいだと示されています出典[11]。
水の中では余計な考え事を洗い流すことができ、かつ全身運動として体内の脂肪をエネルギーとして利用してくれるため綺麗で健康な心身が実現できそうです。
浮力と水圧を生かした水中エクササイズ
泳がずとも水の中で体を動かすだけでもストレスには効果的。
週に2回、45分の水中エクササイズを12週間続けたところ、うつ病と不安感の症状が半減したと報告されています。また、細胞内の活性酸素を分解する「スーパーオキシドジスムターゼ」は160%も増加した事も確認されました出典[12]。
身体に適度な負荷をかけつつ、膝や腰などのケガを予防ができる水中エクササイズはスクールなどでも人気のプログラムです。取り入れて気持ちよくストレス発散しましょう。
颯爽なサーフィンで不安な気持ちを乗り越える
モテの代名詞とも言えるサーフィン。
実は不安の解消にも効果的です出典[13]。
波を掴み、バランスを取るため『今に集中する』必要があることや、“乗りこなす経験”がポジティブな気持ちを促すためストレスや不安の解消や緩和に繋がると言われています。
イギリスの現役軍人を対象とした試験ではサーフィンを楽しむ事で、不安の悪循環を断ち切ることができると示しています出典[14]。
モテる男は心も強い。大丈夫かな…など不安感を感じたら、波と会話しながらサーフィンを楽しんでくださいね。
ロマンスにも期待!?スキー/スノボで楽しく発散
夏は波と会話するサーフィン、冬は白銀の世界を走り抜けるスキー&スノボがストレス解消に効果的です。
しんしんと降り積もる雪。真っ白の景色。頂上から見る雄大な景色。そのそれぞれがバイタリティの向上や心理的不安感の解消に効果的と言われています。
実際に男子大学生238 人を対象にした韓国の漢西大学でもスキー&スノーボードのストレス解消効果は確認済。被験者の不安は20%軽減され、ストレスは半減出典[15]。
ストレスを軽減するために重要な要素は楽しむこと。恋のワクワク感が加わるとスキー場でのストレス解消は更にポイントが高くなりそうです。
リズムに合わせたフィットネスで軽快に汗を流す
音楽に合わせてダンスの要素を取り入れるフィットネスダンスは、健康増進、社会的つながり、ポジティブな感情など、メンタルヘルスを促進する効果があります。
学業に追われる女性博士を対象とした中国の試験では、週に2回、40分間の中強度のフィットネスダンスを取り入れたところ、ストレススコアが25%軽減されました出典[16]。
最近はYouTubeなどを見ながら気軽にできるため、わざわざスクールに通う必要もなくなりました。実際に、自宅でのフィットネスダンスもうつ症状のスコアが約30%減少との報告もあります出典[17]。
ご自分のモチベーション・心地よさに合わせてうまく活用しましょう
風をきるサイクリングで気分爽快
体を動かすのが苦手という方も自転車で爽快に駆け抜けることでストレス発散ができます。
123万人を解析したアメリカの大規模データをご紹介します。運動をした人は種類問わず精神的な不安解消に効果的としたうえで、特にサイクリングは顕著でメンタルヘルスの負担を21.6%減少させたと結論付けられています出典[18]。
しかしサイクリングのしすぎは要注意。肛門と性器の間にある”会陰”と呼ばれる部分を圧迫することで、男性機能に重要な血流や筋肉の衰弱につながり、EDのリスクを高めるといわれています。負担にならない程よい頻度と時間で楽しみましょう出典[19]。
ヨガの動きでリラックス&ポジティブ思考に
ヨガは特別な道具が少ないため誰でも行える運動です。また呼吸やポーズに集中することで脳がストレスや不安について考え得る隙間をなくしてくれます。
セロトニン研究の第一人者である東邦大学、有田名誉教授監修下の研究によると、ヨガでセロトニン分泌が70%上昇、ストレスホルモンであるコルチゾールは90%以上抑制したとのこと出典[20]。
また、マサチューセッツ大学の報告では週に2回、8週間ヨガを実施したところポジティブな感情スコアは、23.2%増加。ネガティブな感情は、22%減少しています出典[21]。
このように様々なエビデンスに裏付けられたヨガ。短時間でも脳のリラックスに有効であるともいわれているため、空いた時間を見つけて心地よいポーズを探してみましょう出典[22]。
ゲームでバーチャルならではの爽快感を味わう
ゲーマーの方必見。リアルでは味わえない、ゲームでのストレス発散なんていかがでしょうか。
特にWiiのように、実際に身体を動かすゲームは効果的。いわゆるコントローラーでポチポチと遊ぶゲームよりもリアルな達成感が『努力で能力が向上する』経験を育み、自己認識にポジティブな影響があると言われています出典[23]。
西フロリダの研究では、アクティブにWiiでゲームをすると、ストレスや不安の変化が最小限に抑えられました。それだけでなく、体型改善や皮下脂肪、BMI減少、と体にも良い影響が報告されています出典[24]。
最近ではVR(ヴァーチャルリアリティ)が注目されています。ギリシャの大学が行った臨床試験でも、VRを楽しむ事でストレスが減少したと確認されています出典[25]。
また、大学生の実験で、30分のVRボクシングを週に2 回すると、うつ病レベルが35%減少、73%の参加者が友人に勧めると回答しました出典[26]。
身体を動かし、爽快感を得てストレスを軽減させる。今までは屋外がマストなストレス解消法が、技術の進歩とともに屋内でもできるようになっているのです。
大人の社交場、ゴルフでフルスイング
品の良い大人の嗜みの代表的スポーツ『ゴルフ』。
ドライバーをフルスイングして250ヤード(約230メートル)も飛ばせれば、『ストレス解消になる』というのは容易に想像できるでしょう。
「爽快感」に加えて、一緒にラウンドする人とのコミュニケーション、半ば強制的なウォーキングもゴルフがストレス解消に効果的な理由です。
実際にヨーロッパからの報告ではゴルフがストレス、怒り、憂鬱を軽減することが示されています出典[27]。
身体強化に加え交流が広がりQOLや幸福度も向上。更に高貴なスポーツは自尊心を高めることができるためメンタルケアにはもってこいといえるでしょう。
グリップを握りしめ、テニスで一球入魂!
テニスは老若男女に健康メリットがあるスポーツです。
もちろん精神面にも好影響。トルコからの報告によると、週に1回テニスの練習に参加するとうつ病や不安の症状が約20%軽減されることがわかりました出典[28]。
またラケットをしっかりとグリップする事で握力が向上すると、ストレス耐性やうつ病や不安症のリスク低下に繋がるとも報告されています出典[29]。
テニス選手は活力、楽観主義、自尊心のスコアが高いといわれており、仕事や人生全体へのプラス効果が期待できそうです。
嫌な出来事をかっ飛ばす、バッティングセンター
アンケート結果によると、特に気心知れた家族で楽しむバッティングセンターがストレス発散に好評。もちろん1人や同僚と行くもよし。用途に合わせて使い分けることができるのもバッティングセンターの良さといえますね出典[30]。
またバッティング自体は一定のリズム性があるため幸せホルモン、セロトニン分泌に効果的な運動です。精神科医によるとストレスの原因を思い浮かべ1回のスイングで思い切り吐き出すように振る(ストレスを出し切る)ことがポイント。また、バッティングは体を回すことで軸が整い、歪みを解消する効果も期待できるとのこと出典[31]。
仕事終わりや空き時間にササっと行けるバッティングセンター。モヤモヤを一気に吐き出す手軽な方法として活用しましょう。
サッカーなどで仲間と一緒に汗を流す
仲間と一緒に取り組めるスポーツは、ストレスが 2 倍軽減されるといわれるほど。
チームスポーツ(本研究ではバレーボールとサッカー)に参加すると、個人競技よりもストレスレベルや抑うつが低下したとミシガン州と北京の大学から報告されています出典[32]。
更にアメリカ123万人の大規模データも存在。様々な運動を解析したところ、チームスポーツがトップで、ストレスを含むメンタルの不調を22.3%も減少させました出典[33]。
1人では心が折れそうなときも仲間と一緒なら競争力を維持し、頑張ろうというモチベーションにも繋がると考えられます。
日常からの解放、自然を感じるキャンプでリフレッシュ
家族や友達、時にはソロでも、様々なスタイルで楽しむことができるキャンプ。近年、キャンプ場の平均稼働率は更新し続けています。その1つの要因が現代人の抱えるストレスを解消する働きがあるからかもしれません。
触覚や聴覚刺激として木に手のひらで触れる・自然の音を聞くことで副交感神経が優位になり生理的弛緩効果が明らかになっています出典[34]。
森林セラピーについて言及した千葉大学からのレポートには、精神的な癒しの効果や仕事でのストレス緩和などに効果があることが科学的に証明されていると示されています出典[35]。
ふと日常から遠ざかり草木を踏みしめることで心身リフレッシュできるスポーツと呼べるでしょう。
たった10分のマインドフルネスで疲労・ストレスを手放す
生命活動を維持するために不可欠な“呼吸”。酸素を取り込み血液に乗せて心臓をポンプとして全身に届けるというメカニズムを考えると、運動を支える大切な活動です。
実は呼吸を整える事でストレス解消に繋がる事もわかっています。その最たる例がマインドフルネス。呼吸を整えながら自己と向き合う事で副交感神経の働きを優位にし、精神的な負担感や疲労を緩和する働きが報告されています。
仕事で長時間の疲労やストレスを感じる起業家を対象に1日10分のマインドフルネス瞑想を行うと、1日44分も睡眠時間を増やした事と同程度の疲労回復効果を感じたとのこと出典[36]。
更にカナダの研究グループは、マインドフルネスを4週間行うことでストレスやプレッシャーなどが原因で生じる心因性EDに改善が認められると報告しています出典[37]。
ストレス解消で疲労軽減・心因性EDにも効果的と良いことづくし、ぜひ1日10分を瞑想の時間にあてましょう。
NO3:筋トレ/HIITで筋肉を追い込みテストステロン向上
筋トレの中でも追い込むHIIT(High Intensity Interval Training)は、テストステロン向上に最も繋がるスポーツであるため第3位にランクイン。日本語では「高強度インターバルトレーニング」などと呼ばれます。HIITでは強度に波が生じる点が特徴です。
ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが増えると、男性ホルモンであるテストステロンをはじめとするホルモンの合成を抑制してしまいます。
そこでHIITの登場です。ホルモンを調整する報告がありストレス発散にもってこいです。
アメリカの研究者をはじめとするグループは、活動的でない男性を対象に、HIITを行わせたところ、運動後のコルチゾールレベルが約30%低下、テストステロン値も約1.6倍上昇したことが分かりました出典[38]。
また、中国の大学での研究では、5,228人を7年間追跡。筋力が強い人はうつ病になるリスクを53%以上も軽減したという結果が示されています出典[39]。
HIITは自分を追い込むかなりハードな筋トレ。継続するためのモチベーションとして日々のストレス発散を目的に実施するのはいかがでしょうか。
男らしさを司るテストステロン向上かつ筋肉質な体型で、ストレスを跳ね飛ばす強靭な心身を作り上げましょう。
NO2 :ボクシング/キックボクシングでサンドバックをたこ殴り
思いっきりサンドバッグにパンチを入れるボクシングやキックボクシング。簡単に想像できる事ですが、ストレスに非常に効果的です。
米国で120万人を対象に身体運動と精神的健康との関連性を調べた研究では、ボクシングエクササイズを行った人では精神的負担感が20.1%減少すると示されました出典[40]。
特にメニューがしっかりと決まっているボクササイズはHIITに則った運動方となります。短時間、パンチとキックを全力で行い、短い休憩時間を挟み、再度行うためです。
前項でお話した通り、HIIT自体にはストレスホルモンのコルチゾールを下げ、リラックスを促すセロトニンを増やす効果が認められています。
実際にイランの研究では、1週間のHIITトレーニングによりコルチゾールは約20%減少、セロトニンは約50%上昇、それに伴い睡眠の質も約33%改善が確認されました出典[41]。
ボクシングはストレス軽減だけではなく自尊心、集中力の改善につながります。心身格好良くいたい男性にかなりお勧めです出典[42]。
NO1:ランニングでドーパミン&セロトニン分泌促進
手軽さの面でも、効果の面でもストレスを解消するためにベストな運動はランニング。
適度なランニングにより、体内ではやる気や快楽を促す『ドーパミン』、モルヒネの6倍も強い麻薬作用がある脳内物質『エンドルフィン』、リラックスや幸福をもたらす『セロトニン』の3つの物質が爆発的に増加します出典[43],出典[44]。
対ストレスに効果的なこの3つの物質の増加は鬱の予防や解消にも効果的です。
2023年にオランダで行われた実験では、うつ病の被験者に45分間のランニングを週2回以上16週間行わせました。その結果、なんと43.3%の被験者でうつ病の症状の大きな改善が見られたのです。
この効果は抗鬱剤とほぼ同様。ただしランニングには薬のような副作用はありません。安全性まで加味すると、安易に薬に頼るよりもまずはランニングを取り入れるべきだと結論付けられているほどです出典[45]。
ランニングやウォーキングなどの有酸素運動がストレス解消に効果的であると報告する研究は枚挙に暇がありません。
また、ランニングは道具が全く必要ないのも魅力的。
その手軽さと効果の強さから、ストレス解消に繋がる運動ランキングにおいて文句無しの第1位です!
まとめ:ストレス対策は解消とメンタル強化の平行が最重要
願望(理想)と現実のギャップから生じるストレスは日常に蔓延しており、完全に防ぐことは難しいものです。しかしながら対策をすることで、溜まりがちなストレスを効果的に解消、ストレスに打ち勝つメンタルをつくることができます。
まずはエビデンスに基づいた運動の中から好きなものを試してくださいね。『自分に合った解消方法』を見つけ、逞しくしなやかな心身をつくりましょう。
出典
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