体が疲れているときや、集中したいときに回復のために飲む人が増えているエナジードリンク。

飲むと活力が湧き出るイメージから、勃起力にも影響があるのではないかと期待する人が少なくありません。

しかし、勃起力に関する噂や期待は本当に科学的な根拠に基づいているのでしょうか？今回は学術的な視点から分析します。

エナジードリンクに含まれる主要な成分と、その成分が男性の勃起力にどのような影響をもたらすのか。一緒にその真実を追求し、あなたのヘルスケアに関する疑問を解決していきましょう。

メジャーな成分の特徴から深掘りしていくので、どうぞ最後までお付き合いください。
 

エナジードリンクが勃起に効果的と言われる噂の秘密は、配合されている成分にあります。まずは成分を確認してみましょう。

カフェイン

カフェインは、エナジードリンクに含まれる主要な成分の一つ。

強力な覚醒作用を持ち、睡眠不足や疲れた時でも一時的に集中力やパフォーマンスを向上させることが可能です。^出典[1]

毎日の生活での小さなサポートとして、カフェインを含むエナジードリンクは多くの人々に支持されています。

糖質

糖質、特にブドウ糖は、脳にとって唯一のエネルギー源。

脳は糖質を使用してエネルギーを生成し、日常の活動や思考をサポートします。^出典[2]疲れやすい、集中力が続かないと感じる時、エナジードリンクの糖質が即時のエネルギー補給となるでしょう。

アルギニン

アルギニンはアミノ酸の一種で、肉体的な疲労の回復に有効です。

一部の研究では、アルギニンを1日5g摂取して4週間の試験期間中、被験者の疲労感が軽減されたことが報告されています。^出典[3]

ビタミンB群

ビタミンB群は、私たちの体でエネルギー生成の中心となるATPの合成を促進します。^出典[4]

特に疲れやすい日や激しい運動をする前など、エナジードリンクに含まれるビタミンB群がエネルギー供給のサポートとなります。
 

この章では、エナジードリンクが間接的に勃起力を向上させている理由を3つご紹介します。

性的なパフォーマンスは、日常の疲労やストレスが大きく関わるため、以下のような可能性が考えられるのです。

カフェインで眠気が解消されるから

あなたが行為の直前に「眠たい」と感じるなら、カフェインを含むエナジードリンクが助けになるでしょう。

カフェインの覚醒作用により、眠気やだるさが一時的に解消され、活動的な気分を取り戻すことができます。

具体的には、行為の約30分前にエナジードリンクを飲むことで、カフェインの眠気解消効果を最大限に発揮できるタイミングとなります。

糖質で脳に栄養が補給されるから
 

多くの人々が行為の際には夜の時間帯を選びますが、夜はその日の疲労がピークに達していることが一般的です。

この時、頭が働かないと感じたら、ブドウ糖の摂取が有効になります。

そしてエナジードリンクにも含まれているブドウ糖は脳のエネルギー源として直接利用されるため、脳が活性化することで、集中力や感じる快楽も増してくるでしょう。

アルギニン＆ビタミンB群で疲労回復

肉体的な疲労は行為時のパフォーマンスを低下させる大きな要因になります。

特に仕事終わりや1日デートの後など、疲れが溜まっている場合、アルギニンやビタミンB群を含むエナジードリンクは大変効果的です。

アルギニンやビタミンB群が筋肉や体の疲労回復をサポートし、行為のやる気を手助けします。

エナジードリンクは短期的なエネルギーブーストとして多くの人々に愛されています。

しかし、継続的な摂取は男性の勃起力に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

今回は、その理由を3つのポイントで解説します。

過度な糖質が血管にダメージを与える

エナジードリンクは糖質が多く含まれているため、過度に摂取することで血がどろどろとした状態になり、血管にダメージを与えるリスクが増大します。

結果として血流が悪化し、勃起時に必要な十分な血液を供給できなくなり勃起力が低下するおそれがあるのです。

さらに継続的に過度な糖質を摂取すると糖尿病のリスクにもつながります。

糖尿病は勃起機能障害のリスクをさらに増加させることが研究で示唆されているため、ぜひとも避けたいところです。^出典[5]

高カロリーで肥満のリスクUP

エナジードリンクは飲みやすいので、「気づいたら500ml飲んでいた」という経験をしたことがある方も多いことでしょう。すると、気づかないうちに多くカロリーを摂取してしまうことになります。

そしてカロリーの過剰摂取は当然肥満に繋がるわけですが、肥満の状態は勃起機能障害のリスクを高めることが報告されています。

では、ノンシュガーの0kcalエナジードリンクならガブ飲みしても良いのでしょうか？答えはNOです。エナジードリンクの中に含まれる人工甘味料が、体内のHsp70という、ストレスを受けた細胞を修復するための物質を減少させることが明らかにされています。^出典[6]

結果、テストステロンを分泌するライディッヒ細胞や精子を合成するセルトリ細胞が損傷され、修復が困難になることが示唆されています。

結果として、長期的にはEDのリスクにつながってしまうおそれがあるのです。

睡眠の質を低下させテストステロンの減少に

エナジードリンクの主要成分であるカフェインの覚醒作用は、特に夜間に摂取すると、深い睡眠の妨げとなります。

継続的な摂取により、特にレム睡眠の時間が低下し、睡眠の質が下がることが研究で報告されています。^出典[7]

テストステロンは主に夜の深い睡眠中に分泌されるため、分泌が妨げられると勃起力に悪影響を及ぼす可能性があります。

エナジードリンクは、行為の直前や疲れている際の一時的なエネルギー供給としては役立つかもしれません。

しかし、これを日常的に多量に摂取すると、勃起力に悪影響をもたらすリスクが考えられます。

実際に、エナジードリンクの長期的な摂取はEDのリスクを増加させる恐れも指摘されています。真に勃起力を向上させたいと考えるなら、テストステロンの向上や血流の促進に焦点を当てる必要があります。

健康的な食生活や適度な運動などの生活習慣の改善が、根本的な解決の鍵となるでしょう。