【副作用はある?】α-GPCの6つの効果と飲み方について
2024年1月11日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

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α-GPCってどんな成分?

サプリメントの成分の一つ、「α-GPC」という名前を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ここでは、α-GPCとはどういう成分なのか、どんな働きをするのかについて解説します。

α-GPCは神経伝達物質の前駆体? 

α-GPCは神経伝達物質アセチルコリンの前駆体です出典[1]

神経伝達物質のコリン含有量が高く、血液脳関門を通過するのでコリン源の 一 つとして良く使われています。

摂取後、α-GPCは容易に ホスファチジルセリン(PC)に代謝されます。PCとは、神経伝達物質 アセチルコリンおよび脳由来神経栄養因子 (BDNF)の放出を増加させるコリンの活性型です。

 

身体の中でどんなはたらきをする? 

α-GPCは脳内のアセチルコリンを増やすことで記憶力や注意力をサポートすることや、アルツハイマー病や認知症などの神経変性疾患や血管疾患の治療に効果があることが知られています出典[1]

また、α-GPCは、コリンエステラーゼ阻害剤と組み合わせるとより効果的であることや、様々な研究で脳血管障害後遺症の治療に良い効果も確認されました。

さらに、α-GPCには身体的および精神運動パフォーマンスを向上させることも確認されています。これは、アセチルコリンに筋肉を収縮させる指令を伝える役割もあるためだと考えられます。

α-GPCの摂取は、私たちの脳内活動を活発化するように働くようです。となると、積極的に摂った方が良いということになりますね。

 

どんな食べ物に多く含まれる?

α-GPCはいろいろな食品に含まれていますが、非常に微量です。

主な食品のα-GPC含有量は以下のとおりです(100g当たり)出典[1]

【一般的な食品中のコリンおよび α-GPC 含有量 (コリン部分 mg/食品 100 g):米国農務省 (USDA)】

食品遊離コリンα-GPC(コリン部分 mg/食品 100 g)
 
サーモン(紅鮭)(燻製、アラスカ産) 46.0130.0
サーモン(キング、生、アラスカ産)20.050.0
シーフィッシュ(乾燥物、アラスカ産)12.074.0
アザラシ(肉、風乾、アラスカ原産)17.052.0
牛乳(乳脂肪分2%、ビタミンAを添加)2.810.0
低脂肪プレーンヨーグルト2.39.1
マザーズオーツ麦ブランのドライ シリアル4.43
フローズン ヨーグルト(バニラ、無脂肪)3.713.0
パン(イースト)6.116.0
チーズフィリングのサンドイッチタイプ クラッカー6.715.0
スナックケーキ5.010.0
チーズ食品(低温殺菌、アメリカ産、リン酸ナトリウム不使用) 
 
7.914.0
キャンディーやミルクチョコレートコーティングされたウエハースバー7.916.0

サーモンに多く含まれるようですね。今度、サーモンを食べる時には、記憶力や注意力をサポートしてくれることを意識して食べてみましょう。

 

α-GPCに期待できる効果6選

α-GPCには、どんな効果が期待できるのでしょうか。ここでは、α-GPCに期待できる効果を6つ紹介します。あなたが期待する効果もあるかもしれませんね。

1.認知機能の改善 

認知症を患っている高齢者数は2025年には約700万人、65歳以上の約5人に1人にも上るであろうとの試算があります。しかし、現時点で根本的に治す治療薬はなく、販売されているものも数種類に留まっています。

2003年にメキシコの国立セネクトゥド研究所で、261名の患者に対して臨床試験が行われました出典[2]%。

この研究では、軽度から中等度の認知症患者に、α-GPC(400mgカプセル)またはプラセボカプセルを1日3回投与しました。

結果の判定に用いられたのは、アルツハイマー病評価尺度認知サブスケール(ADAS-Cog)やミニ精神状態検査(MMSE)などです。

180日後、軽度の認知症が改善したという結果が得られました。

生き残っている脳神経細胞を活性化させ、活気を出したり、イライラを少なくしたりすることで生活の質を上げるようです

サプリメントで認知症を完全に治すことはできませんが、生活の質を向上させることは期待できます。治療薬と違って発症まで待つ必要もないので、少し不安に感じたら、摂取するようにして、安心して暮らせるようにするのも良いですね。
 

2.モチベーションの向上 

しなければならないことがあるのに、なんとなくやる気が出ない、したくないので引き延ばして時間切れ…こんなことは意外によくあります。

しかし、大人であればこのようなことはなるべく避けたいもの…やる気が出ないとき、皆さんはどのように対処していますか。

2016年に、理化学研究所生命機能科学研究センターは、39 名にα-GPC投与前後の感情の変化を調査する研究を行いました出典[3]

この研究に参加したのは、39 人のボランティアです。参加者は、調査で自己申告の感情状態を治療前の2週間毎日3回、その後治療中に2週間実施しました。

この研究では、α-GPC が健康な人のモチベーションを高めるために使用できることが分かりました。

なんとなくやる気が出ないときの自分なりの対処方法を見つけている方も多いと思いますが、見つかっていない方や自分の方法の効果が今一つの方は、α-GPCを試してみるのもアリではないでしょうか。
 

3.瞬発力の向上

「ここぞ!」という時にパワーを発揮できる瞬発力をつけるために、α-GPCは役立ちます出典[5]

2015年、テキサス州のアンジェロ州立大学で、20名を対象にサプリメント摂取時のジャンプ力について調査する研究が行われました出典[4]

この研究で摂取したサプリメントは、400 mg のα-GPCか200 mg のカフェイン、もしくはプラセボでした。結果、垂直跳びのピークパワーがα-GPCを摂取したグループで 8.5% 高くなったと報告しています。

さらに、2008年、アメリカオハイオ州の応用健康科学研究センターで、α-GPC摂取時のベンチプレスのピーク力を測定する研究が行われました出典[6]

筋力トレーニングを完了する90分前に600mgのα-GPCを摂取させると、プラセボを摂取したグループよりもベンチプレススローのピークパワーが14%向上しました

上の3つの研究はいずれも、いざという時にパワーが発揮できる、瞬発力が向上するというものでした。瞬発力が向上した場合のメリットは、以下の通りです。

【瞬発力を鍛えるメリット】

  • 筋力が高まり素早く動ける
  • スポーツのパフォーマンス向上につながる
  • 動作のロスがなくなる

摂取して体を動かしていると向上する瞬発力のために、α-GPCはどんどん取り入れたいものですね。
 

4.等尺性収縮能力の向上 

等尺性収縮とは、関節を動かさず筋肉に力を入れて、筋肉の長さを一定に保ったまま収縮することです。両手を壁につけ、力一杯押し続けている状態のときなどが等尺性収縮に当たります。

2015年に、ルイジアナ大学は、3名の男子大学生を対象に、6 日間の α-GPC補給がプラセボと比較して等尺性筋力の生成を増強するかどうかを調査しました出典[7]。その結果、α-GPCは下半身の等尺性収縮能力を増加させていました

等尺性運動は少ない動きでできるトレーニングです。関節や筋肉の働きが弱まるのを防ぎ、維持する目的で行います。

筋肉は使わないと1日約5%ずつ低下します。そのため、関節リウマチのような疾患でも痛みや疲れが出ない程度の筋力訓練が必要なのです。

しかし、関節に負荷がかかる運動や過度な運動では関節破壊が進行する可能性があります。等尺性運動はこのような場合に推奨されています。
 

5.成長ホルモンの分泌量増加 

成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるホルモンです。成長ホルモンは子どもの成長のためだけではなく、大人でも分泌されており、代謝調節や免疫機能、認知機能などにも関わっていることが分かってきています。

2012年、立命館大学の研究では、健康な男性8名で α-GPC1000 mgを摂取した場合の成長ホルモンの分泌と肝脂肪の酸化について調査しました出典[8]

その結果、α-GPC摂取の1~2時間後に成長ホルモンの分泌増加が確認されました

α-GPCは、成長ホルモンの分泌増加へも働きかけ、認知機能へ影響を及ぼしているのですね。成長ホルモンは、身体に働きかけて組織の修復も行います。したがって、α-GPCを摂取すると疲れもとれるでしょう。

 

6.脂質代謝の改善

α-GPCは、脂質代謝の改善にも作用しています。

2012年、立命館大学の研究では、健康な男性8名で α-GPC1000 mgを摂取した場合の肝脂肪の酸化について調査しました出典[8]

この研究では、α-GPCの単回投与により、若年成人において肝脂肪酸化が増加していることが確認できました。これは、肝脂肪酸化の増加に付随してコリンレベルが増加することを示唆しています。

コリンレベルが増加すると、認知機能の改善やモチベーションの向上、瞬発力の向上なども起こります。全般的に生活が活発になり、アクティブに行動できますね。この研究の対象者は若い男性でしたが、中高年齢層でも似たような結果が出ることが期待できますね。

 

α-GPCの効果的な飲み方は?

摂取するのであれば、効果的な方が良いのは言うまでもありません。ここでは、α-GPCの効果的な飲み方、摂取量・摂取タイミング・摂取量について、解説します。摂取する時の参考にしてください。

1日に摂取量は? 

α-GPCは効果が確認された研究から、1日200~600mgを摂ると効果が期待できると考えられます。

2003年にメキシコの国立セネクトゥド研究所では、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症患者261名に治療しました出典[9]

この研究では、α-GPCを400 mg カプセルで 1 日 3 回、180 日間摂取しました。180日後、認知症は改善され、有害な副作用は確認されませんでした。

上限は明確には定まっていないけれども、1,200mgまでは安全に利用できると考えられます。

 

いつ飲むのがベスト? 

α-GPCは、運動やモチベーションを高めたいタイミングの30~90分前に摂取するのが良いでしょう。

しかし、「〇〇する前」というのは、意外に忘れがち。そのため、例えば運動前に摂取すべきと考えるのであれば、運動準備の場所にα-GPCを置いておきましょう。

そして、トレーニングウエアに着替える時に飲んでしまうのです。自分のルーティンにしてしまえば、忘れずに済みます。

 

どのくらいの期間摂ればいい? 

α-GPCの摂取期間は、期待する効果によって違います。

モチベーション向上や筋力の向上を期待する場合、6日間程度摂取すれば良いでしょう。単回でも効果は期待できる場合もあります。

認知機能の改善目的の場合は、3か月程度継続して摂ることがおすすめです。

認知機能改善を期待する場合は、ある程度の期間、摂取する必要がありますね。すぐに効果を実感できなくても、継続するための工夫の必要がありそうです。

 

副作用はある?

α-GPCは、基本的には安全に利用できます出典[10]。ただし、脳卒中リスクとの関連を報告した論文もあるため、長期的な摂取には注意が必要な可能性があります。

2021年、韓国のソウル国立大学病院は、脳卒中やアルツハイマー病のない50歳以上の男女12,008,977名を対象にα-GPCの安全性について調査しました。

その結果、α-GPC の使用は用量反応的に 10 年間の脳卒中発症リスクの上昇と関連していました出典[11]。その他にもアテローム性動脈硬化を促進する可能性を示唆する研究もあります出典[12]

 3か月程度の利用であれば大きな問題はないと考えられますが、長期的に使用した際の危険性についてはまだまだ明確になっていません。

 

モチベーションを高めるならバイオドーパを選択するのもアリ

α-GPCはモチベーションを高め、運動パフォーマンスを向上させる効果が期待できます。

そのため海外のプレワークアウトには配合されていることもしばしば。

しかし長期的に利用すると脳卒中の発症リスクが高まる可能性もあります…。

そこで、モチベーションアップが目的の場合は「バイオドーパ」を検討するのもよいでしょう。

バイオドーパはムクナマメが原料の素材。ドーパミンの前駆体のL-DOPAが30%以上保有するように規格化されており、高いモチベーションアップ効果が期待できます。

「α-GPCの副作用が気になる…」という方はまずはバイオドーパを試してみることがおすすめです!

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