ED
サイクリスト必見!EDにならない自転車の乗り方7選
2024年3月21日更新

監修者

NP+編集長/NESTA-PFT

大森 新

筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

自転車に乗るとEDになるのか?

そもそも自転車に乗るとEDになる可能性があるのかと言うと、答えはイエス

自転車に乗ると股間部分が圧迫され、ペニスへの血流量が減少してしまうことでEDを引き起こしてしまう可能性があるのです。

2021年にアメリカのノースカロライナ大学で行なわれた研究では、サイクリングとEDの発症に正の相関があることが示されています出典[1]

また、2002年のアメリカ合衆国国立労働安全衛生研究所で行なわれた研究では、長時間(論文中では1日に5時間以上)自転車に乗っていると、EDの指標の一つとなる夜間勃起(朝立ち)の頻度が自転車に乗らない人と比べると約半分程度に減ってしまうことが明らかにされています出典[2]

一方で自転車に乗ることとEDの関係性について否定する研究もいくつかあるのも事実です出典[4]

ただし、ベイラー医科大学が2020年に報告した、1635人の被験者(97%がロードバイクを使用)を対象にEDと自転車に乗ることの関連性を調べた研究においては、骨盤の痛みや痺れを感じているライダーはEDになりやすいことが明らかにされています出典[3]

もし股間部分の痺れや朝立ちの減少などがあったりする場合は特に自転車の乗り方を一度見直してみるのがいいでしょう。
 

ED予防に効果的な自転車の乗り方7選

自転車に乗ると股間が圧迫され、血流が滞ることでEDになることがあります。

基本的に運動はED改善に有益ですし、欠かすことができません。そのため、自転車も適切に付き合えば、男性機能の維持・向上に有効な手段の一つです。

大事なのは股間へのダメージを減らす乗り方をすることです。

ED予防に効果的な自転車の乗り方を7つ紹介します。

1.自転車に乗る時間はできれば週に3時間まで

1つ目は自転車に乗る時間は週に3時間までにすることです。

自転車に乗っている時間が長くなるほど、股間が圧迫される時間が長くなります。

2001年にアメリカのニューイングランド研究所で行なわれた研究で、自転車に乗る時間とEDの発症しやすさが調査されました。

自転車に乗る時間が週に 3 時間未満の人と比べると週に3時間以上乗る人はED になる可能性が2.5倍以上も高くなることが示されています出典[5]

趣味で長時間乗っているような人は一度、見直してみましょう。

 

2.ノーズが短く幅が広いサドルを使う

2つ目はノーズが短く幅の広いサドルを使うことです。

スポーツ/レーシング用などのサドルは、幅が狭く、ノーズが長く突き出た形をしています。前傾姿勢で乗ることでペダルが漕ぎやすくなり、効率よく走れるのが特徴です。しかし、股間部分の圧迫が強くなってしまう要因でもあるのです。

2004年にアメリカ合衆国国立労働安全衛生研究所で行なわれた研究で、スポーツ/レーシング用サドルは、ノーズのないサドルに比べて、会陰部に2倍以上の圧力がかかることが明らかにされています出典[6]

また、先程と同じ研究グループが2008年に発表した論文では、ノーズのないサドルを使用することで、泌尿生殖器(股間周囲)のしびれの発生率が73%から18% に減少し、勃起スコアも増加することが示されています出典[7]

サドルのノーズの長さの理想は6センチ以下です。

股間へのダメージを減らすためにもノーズが短く幅が広いサドルを使うようにしましょう。

 

3.ハンドルはサドルよりも低く

3つ目はハンドルの高さをサドルよりも低くすることです。

2018年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校で行なわれた研究で、ハンドルバーの高さがサドルと平行かサドルより高いと、ハンドルバーの高さがサドルより低い場合に比べて ED のリスクが高まることが報告されています出典[8]

ハンドルを低くすることで、腰を少し浮かせた姿勢になるので、股間へのダメージを抑えることができるのです。

 

4.10分ごとに腰をサドルから離す

4つ目は10分ごとに腰をサドルから離すことです。

長時間サドルに座り続けるとそれだけ股間部分へダメージがかかります。

定期的に立ち上がることで、股間部分への圧迫が開放されるので悪影響を小さくすることができる可能性があるのです。

2021年にポーランドのヴロツワフ医科大学で行なわれた研究で、サドルに5分間座るだけで陰茎への血流や血圧が大幅に低下してしまうが、10ごとに休息を取ることで陰茎にかかる圧力値が正常に戻ることが報告されました出典[9]

信号待ちは必ず立つ、適宜立ち漕ぎを挟むなどして、定期的に腰をサドルから離すことを心がけましょう。

 

5.サスペンション付きの自転車に乗る

5つ目はサスペンション付きの自転車に乗ることです。

サスペンションとは地面からの衝撃を吸収するクッションの役割を持つパーツのことです。サスペンションにより振動が抑えられるので、股間部分への衝撃を小さくすることができます。

2018年にカルフォルニア大学で行なわれた39名の被験者を対象に行った研究で、サスペンションを使用することで股間へのダメージを半減できることが示されています出典[10]

自転車にサスペンションがついてない方は導入することを検討してみてください。

 

6.パッド付のショーツを履く

6個目は自転車に乗る際にパッド付きのショーツを履くことです。

2015年にイタリアのパドヴァ大学で行なわれた研究で、パッド付きのショーツを履くことでサドルから股間にかかる圧力が抑えられることが明らかにされています出典[11]

パッド付のショーツを履くだけで股間部分へのダメージを減らすことができるので試してみてください。

 

7.健康目的の自転車ならリカンベントバイクにする

最後に紹介するのは健康目的のために自転車に乗っているのであればリカンベントバイクに変更してみることです。

リカンベントバイクとはエアロバイクの一種で、背もたれに寄りかかりながらペダルを漕ぐトレーニング器具です。

椅子に座っているような状態になるので股間がサドルからの圧力や衝撃を受けることはほとんどありません。自転車を漕ぐ場合と比較すると股間への衝撃を90%以上も軽減することができます出典[12]

通勤などやむを得ない理由で自転車に乗っている人は他の方法を試すしかありませんが、健康のために乗っているのであれば試してみてください。
 

まとめ

今回はEDにならないための自転車の乗り方を紹介しました。

股間にダメージを与えるような乗り方はEDの原因となりますので避けるようにしましょう。

基本的には運動はED改善に有益であり、自転車も適切に付き合えば、男性機能の維持・向上に良い効果をもたらしてくれます。

自転車を上手く乗りこなすことで、快適なメンズライフを送れるようにしましょう。

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