執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
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目次
ペニスが小さくなるのはなぜ?メカニズムを解説
「もしかして自分のペニスは小さい?」、「最近何だか小さくなった気がする…」といった具合に、男性であれば誰もが気になるのが自身のペニスサイズ。
あなたも一度はトイレや温泉で他人と見比べたことがあるはずです。
ラドボウド大学の調査では、男性574名のうち45%が自身のペニスサイズに不安を抱えていることが報告されています出典[1]。
特に、中高年男性の間では「加齢とともにペニスサイズが小さくなった気がする」など、ペニスサイズの低下に関する疑問の声も非常に多いのが実情。
実際に、弊社が行うLINE相談でも「最近小さくなったように感じる」、「小さくなる可能性はあるの?」、「小さくなる原因は?」など、ペニスサイズの低下に関する相談をいただくことは珍しくありません。
果たしてペニスが小さくなることは本当にあり得るのでしょうか?
今回は、ペニスが小さくなる可能性はあるのか、あるとすれば何が原因なのか、対処法も含めて解説します。
ペニスが小さくなるのはなぜ?メカニズムを解説
ペニスが小さくなることは本当にあるのでしょうか?結論、小さくなる可能性は十分考えられます。
肌寒い季節や水風呂に入った時のことを思い返すと、ペニスが縮み、小さくなった記憶はありませんか?
実はこれ、原因は「血流」にあります。
そもそもですが、ペニスは、明確な形やサイズはなく毛細血管が集合した容器のようなものです。
そして、容器に送り込まれる血液量を増減させることでペニスサイズは変化します。
そのため、血流が悪化してしまうと十分量の血液が流れ込まず、ペニスが小さくなったと感じられるのです。
実際、ヴィタ・サルーテ・サン・ラッファエーレ大学の研究では、血管の異常と下半身のコンディションには関連があることが報告されています出典[2]。
また、身近な例ではありますが、「新型コロナウィルスに感染してペニスサイズが小さくなった」という話を耳にしたことはありませんか?
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジが56か国3762人を対象に行った研究では、新型コロナウィルスの関連症状として一部の被験者でペニスサイズの低下が確認されています出典[3]。
これはコロナウィルスが血管内壁を攻撃するほか、肺炎などの合併症により血管が収縮し、ペニスへの血流が制限されることが原因だと考えられます。
このようにペニスサイズに重要な血流ですが、実は生活習慣などの影響を受けやすく、知らず知らずのうちに悪化してしまう可能性があります。
ここからは、ペニスのサイズにとって重要な「血流」を悪化させてしまう原因を紹介します。
あなたは大丈夫?ペニスサイズを低下させる2つの要因とは
ペニスサイズを低下させる原因が血流だということは理解していただけたかと思いますが、一体何が血流を悪化させるのでしょうか?
大きく分けると2つの要因が考えられます。
1つは、ホルモン分泌や血管の状態が悪化するなど、身体内部で発生する「内的要因」。
もう1つは、医薬品の使用や手術など、「外的要因」によって影響が生じるケース。
具体的にどのようにペニスサイズに作用するのか解説します。
内的要因
1.血管
血管の状態が血流において重要であることは言うまでもありません。
弾力性が失われるなど血管が正常に収縮・拡張しなければ、当然ながら血流も悪化してしまいます。
実際に、血管にダメージを与えることで知られている「喫煙」は、電子タバコを含め、ペニスを小さくする要因であることが明らかにされています出典[4]出典[5]。
また、動脈硬化など血管疾患の原因として挙げられることが多い「肥満」にも注意が必要。
4685人の男性を対象に行われた大規模研究では、BMIの上昇では勃起時のペニスを、体重増加では弛緩時のペニスを収縮させることが確認されています出典[6]。
今回は喫煙と肥満を取り上げましたが、血管にダメージを与えてしまう習慣は少なくないためいずれも注意が必要です。
2.テストステロン
皆さんは「テストステロン」について、ご存じでしょうか?
テストステロンは、男性ホルモンの1つで筋肉を増やす、集中力を高める、性欲を維持するなど、心身にかかわらず重要な働きを果たしています。
このような働きについては広く認知されているため、ご存じの方も多いかもしれませんが、男性にとってさらにうれしい効果も確認されているのです。
実はテストステロンには血管拡張を促進する、血管の柔軟性を維持・向上させるなどの作用があり、下半身へのスムーズな血液の流れ込みにおいても非常に重要。
実際に、テストステロンと心血管の関係をまとめた研究では、テストステロンが血管を拡張させ、心筋梗塞などのリスクを低下させることが報告されています出典[7]。
また、浙江中国医科大学の研究では、テストステロンが低い男性ほど、下半身のコンディションが不十分であることが確認されています出典[8]。
つまり、テストステロンの低下は、血流や下半身のコンディション低下に直結すると言えるのです。
外的要因
1.医薬品
加齢に伴い、抜け毛や睡眠の質が低下するなど身体に関する悩みが増え、医薬品に頼らざるを得ないことも増えてきますよね。
しかし、一部の医薬品では、ペニスサイズを低下させる可能性が示唆されています。
例えば、薄毛に悩む中高年であれば一度は聞いたことがあるフィナステリド・ディタステリドですが、ペニスサイズを低下させる可能性が報告されています出典[9]。
特定の医薬品を使用し始めてから明らかなペニスサイズの低下を感じる方は、お医者さんに相談することをおすすめします。
2.手術
血管を傷つけ、血流を物理的にブロックしてしまう可能性がある手術は、当然ですが下半身のコンディションを低下させる可能性が考えられます。
実際、マイアミ大学が124名の男性を対象に前立腺摘除前後のペニスサイズを比較した結果、全体で有意に小さくなり、うち12人は15%以上小さくなったことが確認されています出典[10]。
また、広告などで頻繁に見かける増大手術にも注意が必要かもしれません。
ワシントン大学の研究では、陰茎の周囲長増大手術が陰茎線維症や性機能障害など、下半身のコンディション低下を引き起こす可能性が示唆されています出典[11]。
血管やテストステロンがペニスサイズにおいて重要であることは理解していただけましたか?
しかし、当然ですが医薬品の使用や手術などの医療行為は、健康状態の改善など明確な目的があり、ペニスサイズ以上に重要性の高いケースがほとんどです。
そのため、自分自身の意識や習慣次第でコントロールが可能な内的要因に目を向け、下半身のコンディションを整える必要があります。
ここからはテストステロンと血管に焦点を当て、ペニスサイズを低下させないための取り組みを紹介します。
増大効果も?ペニスサイズを低下させないための取り組み7選
ペニスサイズを低下させないためには基本習慣を見直し、テストステロンや血管のコンディションを最適化する必要があることはすでにお伝えした通りです。
ここからは、具体的な取り組み7つをピックアップして紹介します。
1.揚げ物は極力控えよう
家庭内に限らず、飲み会などを含めると週に複数回は揚げ物を食べているという方も珍しくないでしょう。
しかし、揚げ物がテストステロンや血管のコンディションを低下させてしまう可能性が考えられます。
なぜなら、揚げ物に豊富に含まれるトランス脂肪酸がテストステロンの材料となるコレステロールを減少させてしまうからです。
また、揚げ物に使用される精製油は非常に酸化しやすい性質を持っているため、体内に吸収されることで酸化ストレスを引き起こし、精巣を傷つけてしまいます出典[12]。
実際に、男性256名を対象とした台湾医学大学の研究では、日常的に揚げ物や加工食品を摂取する機会が多い男性ほどテストステロンが低いことが確認されています出典[13]。
さらに、揚げ物の摂取が血管の状態を悪化させ、冠動脈疾患などのリスクを高めることが報告されています出典[14]。
どうしても飲み会などが重なる場合には、意識的に揚げ物の摂取を控える必要があります。
2.過度な飲酒や喫煙は控えよう
過度な飲酒や喫煙が身体に悪影響を及ぼすことは皆さんがご存じのとおりですが、実はテストステロンや血管にとっても例外ではありません。
まずはアルコールについて。
大量のアルコールを摂取すると、酸化ストレスにより精巣が傷つき、テストステロンの生成が阻害される可能性が考えられます。
さらに、アルコールの摂取はコレチゾールを増加させるため、相対的にテストステロンを低下させてしまいます。
実際に、モデナ大学が10,199名を対象に行った最新の大規模研究では、慢性的にアルコールを摂取している男性はそうでない男性と比較して、7.5%程度テストステロンが低いことが報告されています出典[15]。
また、過度なアルコール摂取が、高血圧や動脈硬化、脳卒中など、心血管疾患の発病リスクを高めることが確認されています出典[16]。
つづいて喫煙について。
たばこに含まれるニコチンなどの有害物質は、内分泌系に作用し、体内でのホルモン生成やホルモンバランスを乱すことが明らかにされています。
実際、アメリカの総合心臓血管センターの研究では、喫煙は血管機能障害や心血管疾患の大きな要因であると結論づけています出典[17]。
また、喫煙がテストステロンに及ぼす影響については議論の余地があるものの、複数の研究から精巣を傷つけ、生殖機能を損なわせる可能性が示唆されています出典[18]。
いずれにせよ、過度な飲酒と喫煙がテストステロンや血管機能を低下させる可能性が示唆されているため、極力控えることを推奨します。
3.長時間の座位姿勢は避けよう
皆さんの中にはバイクが趣味、毎日自転車通勤という方もいるのではないでしょうか?
しかし、テストステロンに良いとされている運動の中でも、長時間のサイクリングなどは避けた方が良いかもしれません。
なぜなら、股間が圧迫されることで熱がこもる、血流が制限されるなど、精巣にダメージを与える可能性が考えられるため。
実際に、プロの自転車選手のトレーニング前後のテストステロン調査した研究では、トレーニング後にテストステロンが低下したことが確認されています出典[19]。
また、愛媛大学の研究では、1日9時間以上の座位姿勢が下半身のコンディションを低下させる可能性が高いことが報告されています出典[20]。
サイクリングの習慣がある方は、ノーズが短く通気性の高いサドルに変更する、ハンドルよりもサドルの位置を高くするなどの工夫をしてみてください。
また、デスクワーカーは、一定時間置きに立ち上がり、休憩を挟むなど長時間の座位姿勢は避けるように意識しましょう。
4.最低でも7時間以上の睡眠は確保しよう
睡眠が健康全般に重要な役割を果たしていることは周知の事実ですが、実はテストステロンにも大きく影響します。
というのも、テストステロンは時間帯に関係なく、睡眠中に分泌されることが確認されているからです。
また、睡眠には日中のストレスを整理する働きがあるため、睡眠不足が続くことでコレチゾールが増加し、テストステロンが低下する可能性も考えられます。
実際に、10名の男性を対象に1週間睡眠時間を5時間に制限したところ、テストステロンが15%程度低下したことが確認されています出典[21]。
テストステロンが20代をピークに毎年1~2%程度低下していくことを踏まえると、15%の低下は約15歳老けるのと同じと言うこともできます。
さらに、一時的か慢性的かに関係なく、睡眠不足がテストステロンを低下させ、不足の程度が大きくなるほどテストステロンも低下することが報告されています出典[22]。
つまり、たった1日の睡眠不足でさえテストステロンを低下させてしまう可能性があるのです。
もちろん個人差はありますが、複数の研究から7~9時間程度の睡眠が好ましいとの結果が示されているため、最低でも7時間以上の睡眠を意識しましょう。
5.1日30分以上の運動に取り組もう
前項では睡眠の重要性について言及しましたが、中には7時間以上の睡眠は難しいという方もいるのではないでしょうか。
このような方には、運動を行うことを推奨しています。
なぜなら、運動が一時的にテストステロンを高めるだけでなく、睡眠の質を改善するとの研究結果が報告されているからです。
実際に、テストステロンレベルに対する運動効果をまとめた研究では、いずれの運動でも一時的にテストステロンレベルを上昇させることが確認されています出典[23]。
効果は一時的ではありますが、テストステロンが高まることでストレス緩和や不安軽減などの効果にが期待できます。
運動の効果はこれだけではありません。
運動が血管機能に与える影響についてまとめた研究では、運動が血管内皮や血管拡張機能を向上させ、心血管疾患のリスクを低減することが確認されています出典[24]。
また、身体活動と睡眠の関係についてまとめた研究では、1日30分以上の運動が睡眠の質を改善させ、睡眠時間を延長させることが報告されています出典[25]。
一方で、長時間の高強度運動が逆にテストステロンと睡眠の質を低下させてしまう可能性も示唆されているため、1日30分以上を目安にしてみてください。
6.ビタミンDを摂取しよう
前項ではテストステロンや血管のコンディションを低下させてしまう食品として揚げ物を挙げました。
一方、テストステロンを向上させたいという方は基礎栄養素をバランス良く摂取することが非常に重要。
中でも、ビタミンDは意識的に摂取する必要があります。
というのも、パナソニックホールディングス株式会社によると、日本人の9割がビタミンD不足との見解が示されています出典[26]。
実際、ビタミDとテストステロンの関係を調査した研究では、体内のビタミンDレベルが低い男性ほどテストステロンも低いことが確認されています出典[27]。
これは、ビタミDがテストステロンを生成する精巣の働きを調整しているため。
また、アメリカの研究では、ビタミンD欠乏と心血管疾患には相関関係が認められ、ビタミDが不足している人ほど心血管疾患のリスクが高いことが報告されています出典[28]。
テストステロン値や血管状態を改善したいという方は、ビタミンDを中心に基礎栄養素の摂取を意識してください。
家庭の食事などの兼ね合いで摂取が難しいという方は、天然由来のマルチビタミンなどからビタミンDを摂取するのもおすすめです。
7.サプリメントを活用しよう
マルチビタミンについて紹介しましたが、世の中にはこのほかにも優秀なサプリメントが数多く存在します。
その1つが「テストステロンブースター」。
テストステロンブースターとは、文字通りテストステロンをブーストさせるためのサプリメントで、アスリートやボディメイク勢の間では主流になりつつあります。
特に、近年になって登場した最先端のテストステロンブースター成分に「テスノア」があります。
実際に36~55歳の男性120名に200mgまたは400mgのテスノアを56日間連続摂取させたところ、200mgでは39%、400mgでは48%テストステロンが増加したことが確認されています出典[29]。
このほかにも、ペニスサイズを気にかける方にとっては、うれしいサプリメントが存在します。
それは、飲むことで体内のNO(一酸化窒素)の生成を促進させる「NO系サプリメント」です。
NOとは、血管拡張作用を持つ体内物質で、増加することで運動や下半身のパフォーマンス向上、疲労回復などの効果が期待できます。
特に、「ブラックVキューブ」という成分では興味深い研究結果が確認されています。
研究では平均年齢65歳の男性に対して、2か月間ブラックVキューブを1日90mg摂取させた結果、通常時の周囲径が約1cm、勃起時の周囲径では約2cmもペニスサイズが増大したこのです出典[30]。
つまり、ブラックVキューブを含有するNO系サプリメントは、血管機能に限らず、ペニスサイズまで向上させる可能性を秘めているのです。
NO系サプリメントはプレワークアウトとしても非常に優秀であるため、先ほど紹介した運動と併せて摂取するのもおすすめです。
基本習慣を整えてペニスサイズを最適化
ここまで、ペニスが小さくなる原因と対処法について解説しましたがいかがでしたか?
ペニスが小さくなる原因が血流に隠されていたことは驚きですが、原因さえわかってしまえば対策は可能です。
加齢とともにペニスサイズが小さくなったと感じられている方は、テストステロンが低下している、血管のコンディションが悪化している可能性が考えられます。
ペニスサイズを低下させないために、本来のペニスサイズを取り戻すためにも、本稿で紹介した、7時間以上の睡眠や30分以上の運動、サプリメントの摂取などを意識してみてください。
出典
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Liang Su, Si-zheng Zhang, Jian Zhu, Jie Wu, Yong-zheng Jiao,
Effect of partial and total sleep deprivation on serum testosterone in healthy males: a systematic review and meta-analysis,
Sleep Medicine,
Volume 88,
2021,
Pages 267-273,
ISSN 1389-9457,
https://doi.org/10.1016/j.sleep.2021.10.031.
(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S138994572100544X)
Abstract: Background
Currently, there is no consensus on the effect of sleep deprivation on male serum testosterone. This systematic review and meta-analysis aimed to determine the association between partial/total sleep deprivation and male serum testosterone level.
Methods
The literature related to sleep deprivation and male serum testosterone in the PubMed, Embase, and Cochrane Library databases were searched from their inception to July 15, 2021. Data were pooled using the Stata 15 software. The results were presented as standard mean differences (SMDs) with their 95% confidence intervals (CIs).
Results
Eighteen studies involving 252 men were included in the systematic review and meta-analysis. The findings revealed that short-term partial sleep deprivation had no significant effect on male serum testosterone (SMD = −0.22; 95% CI: −0.5, 0.06; P = 0.13), while total sleep deprivation reduced the male testosterone levels (SMD = −0.64; 95% CI: −0.87, −0.42; P < 0.001). According to the intervention duration of total sleep deprivation, subgroup analysis was conducted by a fixed-effects model. The results revealed that the serum testosterone was significantly decreased after 24 h total sleep deprivation (SMD = − 0.67; 95% CI = − 0.93, −0.42, P < 0.001), as well as 40–48 h total sleep deprivation (SMD = − 0.74; 95% CI = − 1.22, −0.26, P = 0.002).
Conclusions
This meta-analysis revealed that total sleep deprivation (more than or equal to 24 h) reduces the male testosterone levels, while short-term partial sleep deprivation has no significant effect on male serum testosterone. Sleep duration plays a pivotal role in maintaining male serum testosterone levels.
Keywords: Sleep; Sleep deprivation; Male; Testosterone; Meta-analysis
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