

監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
ボディビルダーにサプリメントは必要?
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ボディビルダーやトレーニーにサプリメントはいるのか、気になる方も多いかと思います。
結論、身体作りに励むボディビルダーやトレーニーがさらに理想の身体を目指すための方法としてサプリメントの活用は有効な手段のひとつと言えるでしょう。
しかし「身体づくりに本当に効くサプリメントは何か?」「多くのサプリメントから自分の目的に合ったものだけを選びたい」というお悩みがある方も多いはず。
そこで本記事では、ボディビルダーや筋肥大したい人におすすめのサプリメントを10選ご紹介します。
学術的な見地からなぜそのサプリが有効なのかも解説するので、サプリメント選びの参考にしてみてください。
ボディビルダーにおすすめのサプリメント10選
それでは早速、ボディビルダーにおすすめのサプリメントを10つご紹介します。
バルクアップなら「マルトデキストリン」
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マルトデキストリンとは、でんぷんを分解して得られる糖質の一種です。
トレーニング後に素早くエネルギーを補給できるだけでなく、筋肉の合成を促進して効率的にバルクアップをサポートしてくれます。
マルトデキストリンの摂取で筋グリコーゲンが増加し、水分と結びついて筋肉内に補充されることで筋断面積が増加するのです。
5人の被験者が日間の極度に炭水化物を制限した食事の後、さらに4日間の極度に炭水化物を多く摂取したところ、大腿筋の断面積は78cmから80cm、大腿周囲は146cmから150cm、ふくらはぎの周囲は78cmから82cmに増加しました出典[1]。
これは筋線維そのものが大きくなったわけではありませんが、ボディビルダーは「筋肉を大きく魅せること」を目的としています。
そのため大会前はマルトデキストリンを活用し、炭水化物の摂取量を増やすケースもあるのです。
マルトデキストリンは水に溶けやすくて吸収効率に優れるため、ワークアウトドリンクとして飲むのがおすすめです。
減量なら「L-カルニチン」

L-カルニチンとはアミノ酸の一種で、脂肪燃焼サポートやエネルギー生成、心臓の筋肉の動きに関連する栄養素です。
脂肪を燃焼させるためには、脂肪酸が細胞内の発電所とも呼ばれるミトコンドリアに運ばれる必要があります。
カルニチンは、この脂肪酸をミトコンドリアへ運び込む役割を担っているのです。
37件の研究をレビューしたランダム化比較試験では、L-カルニチンの補給により、体重・BMI値・脂肪量が大幅に減少したことが判明しました出典[2]。
1日あたり2000mgのL-カルニチンの摂取が最大の効果をもたらすと結論づける研究があるため、こちらを参考の目安量を参考に少量から始めてみるのがおすすめ出典[3]。
減量中で停滞期に入りなかなか体重が落ちない、またはもう一絞りしたいというボディビルダーにもおすすめのサプリメントです。
食事制限と併用することで、さらに効果的に減量を進められるでしょう。
筋力向上なら「クレアチン」
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クレアチンは体内で生成されるアミノ酸の一種です。
クレアチンは筋肉の収縮運動のエネルギー源である「クレアチンリン酸」の材料でもあり、瞬発的な筋力発揮をサポートしてくれます。
トレーニングと併せてクレアチンサプリメントを56日間、1日0.07 g/kg摂取した実験では、2週間以内にベンチプレス、レッグプレス、ショルダープレス後の筋力が増加したことが明らかになりました出典[4]。
またクレアチンを6ヶ月間毎日4g摂取すると組織の生体エネルギーが大幅に改善し、疲労と一般的な疲労関連症状の大幅な改善が確認されたという研究もあります出典[5]。
クレアチンは筋力向上だけでなく疲労回復にも適したサプリメントなので、翌日に疲れを残さずしっかり追い込みたい方はぜひお試しください。
テストステロンを高めるなら「テスノア」
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筋肉量の増加や筋力の向上にも欠かせない男性ホルモンである「テストステロン」を高めたい人は「テスノア」がおすすめ。
テスノアはテストステロンブースターとして、今注目を集めているサプリメントのひとつで、ザクロの果皮とカカオ種子から抽出した成分を組み合わせた天然成分です。
ザクロ由来のプニカラギンを3.5%、カカオ由来のテオブロミンを0.5%含むように規格化されています。
特に筋力や筋肉量など、スポーツ分野における臨床試験が積極的に行われています。
120名の36~55歳の健康な男性参加者において、200mg/日または400mg/日のテスノアを摂取するランダム化比較試験では、200mg/日群は39.16%、400mg/日群は48.28%遊離テストステロンが増加し、さらに握力の大幅な改善も見られました出典[6]。
トレーニーやボディビルダーには積極的に取り入れてほしいサプリメントです。
トレーニングの集中力を高めるなら「バイオドーパ」
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「バイオドーパ」とは、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダで古くから使われてきたムクナ豆を原料とした新素材。
やる気を引き出すドーパミンの材料となる「L-DOPA」を30%以上含有するように規格化されているため、集中力の向上にはもってこいのサプリメントです。
被験者に100㎎のバイオドーパを摂取させてから90分後に新しい語彙学習をさせたところ、単語学習の速度や学習の定着率、長期的な記憶力の向上が見られました出典[7]。
プラスアルファでより集中力を高めたいときに使えば、トレーニングパフォーマンス向上にもつながります。
特に高重量を扱うトレーニングの際は集中力が必須なので「BIG3をやる日」「重量更新を目指す日」などに取り入れてみてはいかがでしょうか。
代謝のサポートに「マルチビタミンミネラル」

ビタミン・ミネラルは、基本的な細胞機能を支えるさまざまな基礎代謝経路で重要な役割を果たす人間にとって必要不可欠な栄養素。
特にエネルギー産生代謝、DNA合成、酸素輸送、神経機能に関与しているため、脳と筋肉の機能にとって非常に重要です。
97人の被験者を対象に8週間にわたるマルチビタミンを投与した実験では、代謝パラメータと脳血流が調整されてその代謝効果は慢性的に補給しても持続することが判明しました出典[8]。
代謝がよくなると安静時にも多くのエネルギーを消費するようになり、基礎代謝量が増加して脂質代謝もよくなります。
また代謝の活性化によってホルモン分泌も促進するため、筋肉の修復や成長を促す効果も期待できるでしょう。
マルチビタミンミネラルは筋肉をより効率的に成長させたい方や減量サポートの一環で使ってみるのがよいかもしれませんね。
たんぱく質の補給に「プロテイン」
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トレーニングのお供といったら、やはりプロテインがおすすめです。
食事でたんぱく質を摂取するよりも手軽に摂れるだけでなく、消化吸収にも優れているため筋肉の修復と成長も早めてくれます。
2日間にわたり筋トレの直後にホエイプロテインを25g摂取した実験では、たんぱく質サプリメントを摂取したグループはパワーと筋力において有益な効果が見られ、さらに回復率も向上したという結果になりました出典[9]。
ある研究ではプロテインはどの時間に摂取しても筋量や筋力の増加に差が見られないことが判明したため、いつ飲むかではなく1日あたりの摂取量が重要と言えます出典[10]。
別の実験ではレジスタンストレーニングを行った被験者が1.62 g/kg体重/日を超えるタンパク質を摂取しても、筋肉はそれ以上増加しないことが判明しました出典[11]。
以上のことから、たんぱく質は1日あたり約1.6 g/kgを目安に摂取するのが妥当でしょう。
ただしプロテインはあくまでたんぱく質を補給するサポート的な要素が強いサプリメントです。
食事から十分にたんぱく質を摂取できていれば、無理にプロテインサプリメントを活用する必要はありません。
免疫力の強化に「グルタミン」
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グルタミンは「免疫システムの燃料」と考えられるほど重要な栄養素。
とある研究によると、高強度運動によって私たちの体内に侵入してきたウイルスや細菌などの異物から体を守るリンパ球の増殖が抑制されてしまうそうです。出典[12]。
このような懸念点があることから、激しいトレーニングによる免疫低下(オープンウィンド)を予防するためにグルタミンを摂取しているボディビルダーも多いです。
とある動物実験では、食事にグルタミンを含めると細菌感染に対する生存率が向上することが示されました出典[13]。
グルタミンは白血球のエネルギー基質として機能し、細胞増殖、組織修復プロセスの活動に重要な役割を果たしています。
免疫システムは筋肉の修復と再生をサポートして筋肉の構築にも役立つため、筋肉トレーニングには重要です。
風邪予防の一環としてもおすすめなので、身体の調子を整えてトレーニングに臨みたい人にもぴったりなサプリメントですよ。
パンプアップには「ビートルートジュース」
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ビートルートは鮮やかな赤色が特徴的な根菜で、見た目だけでなく栄養価も非常に高く、近年注目を集めています。
血流改善にも効果的で、ステージ前のパンプアップに使用できます。
ビートルートは血管を拡張させる一酸化窒素の前駆体である硝酸塩を含み、血流が改善されることが分かっています出典[14]。
血流改善によって筋肉への栄養供給が促進されて、筋肉が膨張する現象(パンプアップ)が起こりやすくなるのです。
また酸素や栄養素は血液を通じて筋肉に届けられるため、ビートルートジュースの摂取によりトレーニングのパフォーマンスが高まる可能性もあります。
習慣的に筋力トレーニングをしている男性にベンチプレスを1回の最大挙上重量の60%で3セット行う前にビートルートジュースを摂取してもらった研究では、限界までの反復回数 と持ち上げた総重量に有意差を示したのです出典[15]。
大会が近いボディビルダーは、ビートルートジュースでコンディションを整えるのもひとつの手段と言えるでしょう。
レップ数を増やすなら「βアラニン」
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レップ数とは、1セット内で繰り返す回数のことです。
βアラニンは水素イオンの放出を防ぐことで疲労を遅らせる効果があると言われており、これによって反復回数を増やせる可能性があります。
1回2~4gのβアラニンを運動前に摂取した場合、筋持久力、疲労困憊までの走行時間を改善したという研究もあります出典[16]。
筋力アップを目指す場合は1~4回が限界の高重量、筋肥大を狙う場合は10~12回のレップ数が限界の中重量が適しているため、目的にあわせて適宜使うのがおすすめです。
食事とトレーニングをメインにサプリメントも活用しよう
今回は目的別にボディビルダーにおすすめのサプリメントを10選紹介しました。
ここで注意しておきたいのが、サプリメントを飲んだからといって急にその効果が得られるわけではないということ。
サプリメントは食事・トレーニング・休養をメインに、身体づくりのサポートとして使用するのが基本です。
また、一度や二度飲んだだけではその効果を実感することはできません。
継続的に飲むことでその効果を感じやすくなるので、目的に合ったサプリメントを飲む習慣を身につけることが大切です。
今回紹介したサプリメントを参考にして、理想の身体づくりを目指しましょう!
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