

監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
加齢によって筋量や筋力が衰えてしまう

「年をとると筋肉が衰えていく」と実感している方も多いのではないでしょうか。
実際、加齢に伴って筋肉を維持・合成するための重要な要素であるたんぱく質の吸収能力とテストステロン分泌能力は低下してしまいます。
また消化酵素の減少や腸管機能の低下により、食事から摂取したたんぱく質を効率よく分解・吸収できなくなってしまうのです。
そのため若い頃と同じようにトレーニングや栄養摂取をしていても、筋肉の成長が衰えたり、維持が難しくなったりします。
加齢が気になる年齢になったら、若い頃以上にトレーニングと栄養摂取を意識することが重要です。
そこで本記事では、高齢者向けの筋肥大をサポートしてくれるおすすめサプリを紹介します。
「最近体力がなくなった」「筋肉が減った気がする」と感じる方は、ぜひ最後までご覧ください。
高齢者におすすめの筋肥大サプリ7選
以下では高齢者におすすめの筋肥大サプリを7つ、加齢に伴う筋量の変化を示したデータを引用してご紹介します。
プロテイン

プロテインとはたんぱく質を主成分とした栄養補助食品で、筋肉や内臓、皮膚、髪の毛、爪などの身体の基本的な部分の材料として重要な役割を果たしています。
運動能力が低下した高齢者(70~85歳)を対象にした6ヶ月間の実験では、レジスタンストレーニングと組み合わせて20g/回のホエイプロテイン摂取を1日2回実施しました。
実験の結果、プロテインの摂取によって大腿部中央の断面積や筋力が16%~50%増加したことが示されたのです出典[1]。
さらに12週間の臨床試験でプロテイン補給(1日2回25g)の身体機能に対する効果を調べたところ、プロテイン補給群は対照群よりも歩行速度や握力、バランス感覚といった身体機能が著しく改善したことが分かりました。
ただしプロテインはあくまでたんぱく質を補給するサポート的な要素が強いサプリメントです。
食事から十分にたんぱく質を摂取できていれば、無理にプロテインサプリメントを活用する必要はありません。
EAA

EAAとはたんぱく質を構成するアミノ酸のうち体内で合成できない9種類の必須アミノ酸で、筋肉の合成促進や分解抑制をサポートする筋肥大に欠かせない成分です。
EAA は、1.5~18 g の範囲の投与量で安静時のたんぱく質合成を刺激すると結論づける研究もあります出典[2]。
12人の高齢者(女性7人、男性5人、年齢67.0±5~6歳)を対象に16週間、1日2回食間にEAA11gを摂取した実験を紹介します。
この研究では下半身の筋肉量の増加について「正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量」を占める1RMスコアで計測しました。重量を持った膝の曲げ伸ばし運動を実施したところ、補給前は平均127.5kgだったのが補給期間終了時には145.6kgに増加していたのです出典[3]。
この結果から見ても、EAAは高齢者の筋肉をつけるのに有効な手段のひとつと言えるでしょう。
HMB

HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)とは、必須アミノ酸であるロイシンが体内で代謝されて生成される物質です。
また、HMBは筋肉の合成を促進して分解を抑制する効果があるとされています。
896人の被験者を対象とした合計9件のランダム化比較試験では、HMBの補給ないしはHMB成分を含む製剤は、上肢と下肢の筋力を高める効果があることが観察されました出典[4]。
同研究では日々のウォーキングやトレーニングとHMBを含む栄養補給を組み合わせることで、加齢に伴う筋肉量の減少や筋力をさらに抑制できると結論づけています。
日々の運動習慣にHMBをプラスすることは、筋肉量の維持や増加に効果的だと言えるでしょう。
クレアチン

クレアチンは体内で生成されるアミノ酸の一種で、ATP-PC系のエネルギー供給をサポートすることで、瞬発的な筋力発揮をサポートしてくれます。
このクレアチンも、高齢者の筋肉量増加に貢献してくれる栄養成分のひとつです。
レジスタンストレーニング(7~52週間)中にクレアチンを補給した高齢成人(57~70歳)の実験では、プラセボを補給した場合と比較して除脂肪体重、上半身および下半身の筋力が増加し、バランス感覚が改善されました出典[5]。
クレアチンは筋力向上だけでなく疲労回復にも適したサプリメントなので、加齢でなかなか
翌日の疲れが取れずに困っている方はぜひお試しください。
β-アラニン

βアラニンは、肝臓で内因的に生成される非タンパク質性アミノ酸です。
18人の健康な高齢者 (60~80 歳)を対象にβアラニンを12 週間投与した実験では、プラセボ群と比較して腓腹筋の筋肉カルノシン含有量が+85.4%と有意に増えました出典[6]。
筋肉カルノシンとはβ-アラニンとL-ヒスチジンが結合したイミダゾールペプチドの一種で、骨格筋や脳に多く含まれる成分です。
カルノシンは筋肉に貯蔵されており、疲労の原因である水素イオンの疲労発生を抑制する働きがあります。
つまりβ-アラニンの摂取によってカルノシンが増えることで筋疲労の軽減につながり、トレーニング量の増加といった運動パフォーマンスを向上させる効果が期待できるのです。
β-アラニンは運動パフォーマンス向上による筋肉量アップが期待できる成分のため、健康的な生活を送るための第一歩として生活に取り入れてみるのもおすすめです。
ビタミンD

ビタミンDは骨の健康に欠かせない栄養素として知られていますが、筋肉の機能維持にも重要な機能を果たします。
というのも、ビタミンDは筋肉細胞の増殖を促進させる効果が期待できる栄養素としても注目が集まっているのです。
ビタミンDの筋力に対する効果は12件の研究で評価され、プラセボと比較して1日1000IUのビタミンD2を2年間投与すると、健側の大殿筋と腸腰筋の筋力が有意に改善したことが示されたという研究もあります出典[7]。
これらの研究でビタミンDの投与が下肢の筋力、バランス感覚、歩行能力に有益な効果をもたらすことが実証されました。
ビタミンDが不足すると、筋力低下や転倒のリスクが高まる可能性があるので、特に高齢者はサプリなどを活用して積極的に摂取しましょう。
LJ100(トンカットアリ)

トンカットアリとは東南アジアに自生する植物です。東南アジア諸国では男性不妊などに対して、トンカットアリの根を使った民間療法が行われることがあります。
そしてこのトンカットアリは、テストステロンを不活性化するたんぱく質であるSHBGを減らし、遊離テストステロンを増やす作用があると言われているのです。
SHBGは加齢に伴い増加するため、トンカットアリは中高齢の人と相性がよいと言われています。
50~70歳の男性被験者105名によるプラセボ対照試験では、被験者は12週間毎日トンカットアリの抽出物を100mg、200 mg、またはプラセボのいずれかを投与されました。
その結果、100mgグループでは12週目、200mgグループでは4週目以降に総テストステロンレベルの有意な増加が認められました出典[8]。
結論としてトンカットアリを200 mgを補給すると2週間以内に血清中の総テストステロンが約12%増加し、疲労が軽減されると結論づけられます。
このトンカットアリの有用成分が規格化された「LJ100」は、男性のエネルギー不足やコンディショニング対策、活力サポートなどの効果が期待できる成分として注目が集まっています。
テストステロンは男性の機能を維持する上でも重要な役割を果たすため、精力をつけたい高齢男性にもおすすめです。
高齢者でもサプリを活用すれば筋肥大を目指せる
今回ご紹介したサプリを日常に取り入れることで、高齢者の方でも筋肉量アップを目指すことができるでしょう。
ただし、サプリメントを飲んだからといって急にその効果を実感することはありません。
あくまで食事、トレーニング、休養をメインに身体づくりのサポート的に使用することが重要です。
またサプリメントは継続的に飲むことでその効果を得られるため、しっかりと効果を実感したい場合はサプリメントを飲む習慣を身につけましょう。
高齢者の場合は関節や骨に影響することもあるので、自分の身体に影響がない範囲でトレーニングすることも意識してください。
出典
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