

監修者
NP+編集長/NESTA-PFT
大森 新
筑波大学大学院でスポーツ科学について学んだ後、株式会社アルファメイルに入社。大学院では運動栄養学を専攻し、ビートルートジュースと運動パフォーマンスの関係について研究。アルファメイル入社後は大学院で学んだ知識を基に、ヘルスケアメディア「NP+」の編集やサプリメントの商品開発に携わる。筋トレ好きが高じて、NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会トレーナー資格)も取得。ラグビー、アイスホッケー、ボディビルのスポーツ経験があり、現場と科学の両面から健康に関する知識を発信できるよう日々邁進中。

執筆者
NSCA-CPT、調理師免許
大里 亮太(筋肉料理研究家Ryota)
激太り&うつで入院するも入院中にTeststerone氏の「筋トレが最強のソリューションである」に出会い、退院後に筋トレとお料理で体重-25kgに成功。精神的にも立ち直り、パーソナルトレーナー資格のNSCA-CPTを取得。元々所有していた調理師免許を生かし、筋肉料理研究家として活動するように。昔の自分のように心身ともに悩んでいる方のサポートになればと、日々簡単ダイエットレシピを発信している。
筋力増強のために重要な3つのメカニズム
おすすめのサプリメントをご紹介する前に、まずは筋力アップのために押さえておきたいメカニズムを解説。
以下の3つの仕組みを理解しておけば、より効率よく筋力を高めることができるでしょう。
筋肉量の増加が筋力向上に繋がる

そもそも「筋力」とは、筋肉が収縮したときに発揮できる力のこと。
筋力は筋肉の断面積や速筋と遅筋の割合などによって左右され、当然ながら筋肉量が多いほど発揮できる力は大きくなります。
そのため、筋力を向上させるためには、筋肉量を増やすことも重要なポイントなんです。
とはいえ、「とにかく食べて鍛えてデカくなる!」とただ筋肥大させれば良いのかというと、実はそうではありません。
なぜなら、筋肉が増えすぎると関節可動域が狭くなったり過体重を招いたりして、動作の邪魔になってしまうこともあるからです。
従って、例えば競技のパフォーマンスのアップに繋げたい場合は、競技に合わせた体格を目指して筋肥大させる必要があります。
また、体重別の競技に参加する場合は、体重をキープしたまま筋力を向上させることも重要。
つまり、筋肉量を増やすと言っても、目的に応じたトレーニング計画や栄養管理が不可欠なんです。
加えて気を配りたいのが、トレーニングの負荷設定。
筋肉を効率よく増やすためには、8~12回程度で限界になる中程度の負荷でトレーニングを行うのが効果的。
種目については、一度に多くの筋肉を動員することができるスクワットやベンチプレスなどの多関節種目がおすすめです。
さらに、目的に合わせて単関節種目を取り入れれば無駄なく筋肉量を増やすことができ、筋力も高めることができるでしょう。
筋力向上においては神経伝達のスムーズさも重要

筋力は、脳から「筋肉を収縮しなさい」という指令が筋肉に伝達されることではじめて発揮されます。
そのため、筋力を向上させるためには筋肉量だけでなく、神経伝達をスムーズに行えるかどうかにも着目する必要があるんです。
例えば、筋肉が収縮する際には、カルシウムの原子がプラスの電気を帯びた「カルシウムイオン」が放出されます。
カルシウムイオンは筋収縮だけでなく、神経伝達全般において重要な役割を果たす物質。
従って、スムーズに筋肉を動かすためには、普段からカルシウムを十分量摂取しておく必要があります。
他にもマグネシウムやカリウムといったミネラルは、神経機能の維持に不可欠な栄養素。
さらに、ビタミンB1、B6、B12などのビタミンB群の補給は、神経伝達物質の合成や神経の回復に役立ちます。
また、良質な睡眠は神経細胞を修復・再生し、神経伝達の効率を高めるためにも重要です。
加えて、過剰なストレスは神経の伝達を阻害してしまうため、ストレスフリーな生活を送ることも大切なポイント。
つまり、神経伝達をスムーズにするためには、健康的な食生活や生活習慣を身につけることが必要なんです。
筋肉が収縮するためのエネルギー供給も忘れずに

どれだけ筋肉を増やしても、その筋肉を動かすためのエネルギーが不足していては意味がありません。
そのため、筋肉が瞬発的に力発揮をするためのエネルギーを十分に供給しておくことも重要なポイント。
ちなみに、筋肉の収縮にはエネルギー源としてATP(アデノシン三リン酸)という物質が利用されます。
しかし、筋肉中に蓄えられているATPは少なく、継続的に力を発揮するためには素早くATPを再合成する必要があるんです。
なお、ATPを合成する経路は3つ存在し、それぞれATP-CP系、解糖系、有酸素系と呼ばれます。
これらの経路は運動強度や時間によって貢献度が変化し、特に瞬発的な力発揮のために重要なのはATP-CP系と解糖系。
ATP-CP系はクレアチンリン酸という物質をエネルギー源とする経路。
そのため、クレアチンリン酸の構成成分となるクレアチンを摂取しておけば、パフォーマンスアップが期待できます。
また、解糖系は糖質(グリコーゲン)をエネルギー源にするため、運動前に十分な糖質を摂取しておけば力発揮もスムーズに。
さらに、水分不足は筋肉の収縮力を低下させるため、適切な水分補給も重要なポイントになります。
筋力をつけるためにおすすめのサプリメント7選
ここからは、お待ちかねの筋力増強のためのサプリメントをご紹介。
ご自身の体質や目的に合ったものを見つけられれば、より効率よく筋力を高められるはずです。
1.カフェイン

コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれていることで有名なカフェイン。
じつは、カフェインには脳を覚醒させ、カルシウムイオンの放出を増やすことで筋力を高めてくれる働きがあります。
実際にブラジルのパラナ連邦大学から発表された論文では、筋力トレーニング経験のある被験者らに体重1kgあたり8mgのカフェインを摂取させてトレーニングを行ったところ、プラセボを摂取したグループに比べて挙上重量が大きく向上したと述べられています出典[1]。
このことから、運動前にカフェインを含む飲み物やサプリメントを摂取すれば、より効率よく力を発揮できる可能性があるんです。
「それなら、トレーニング前にコーヒーガブ飲みしよう!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、カフェインは過剰摂取するとめまいや震え、嘔吐などを引き起こすことも。
そのため、コーヒーやエナジードリンク、サプリメントを利用する場合は、飲み過ぎないように注意しましょう。
また、前述の通りカフェインには覚醒作用があるため、就寝時間に近いタイミングで摂取すると睡眠の質を低下させてしまいます。
特にカフェインは個人によって感受性が異なるため、人によっては少量でも強い覚醒効果が出ることがある成分。
特に飲み慣れていない方は試しに少なめの量を飲んでみて、体調の変化を確認してみるというのもおすすめです。
2.クレアチン

クレアチンはアミノ酸の一種で、瞬発的な筋力発揮時のエネルギーを供給してくれる栄養素。
先ほど紹介したATPを再合成する材料となり、摂取すれば筋力を高めてくれるとして、信頼性の高いサプリメントです。
若年成人を対象にした研究でも、セット後にクレアチンを補給させて6週間の筋力トレーニングを行わせたところ、プラセボを摂取したグループに比べて全身の筋力が大きく増加したというデータが得られています出典[2]。
ちなみに、クレアチンにはスポーツの試合やトレーニングに備えて行う「クレアチンローディング」と呼ばれる摂取方法があります。
クレアチンローディングは短期間で大量のクレアチンを摂取し、筋肉中のクレアチン量を増やす方法。
具体的な方法としては、まずローディング期として1日20gのクレアチンを4~5回に分け、1週間程度を摂取します。
その後は、メンテナンス期として1日に2~5gを摂取して、クレアチンの貯蔵量をキープ。
これにより、筋肉が激しいトレーニングや大きな負荷に耐えられるようになり、回復スピードが早くなる効果も期待できます。
ちなみに、クレアチンの貯蔵量を徐々に増やしたい場合は、1日3gほどを4週間程度続ければオーケーです。
3.ビタミンD

ビタミンDは、骨の成長や免疫機能の調整、肌の健康などに関わるビタミン。
それだけでなく、テストステロンの分泌にも関わっており、不足すると筋合成率や筋力の低下を招いてしまいます。
上海体育大学から発表された論文においては、ビタミンDの補給はアスリートの下半身の筋力にプラスの影響を与えるとも述べられています出典[3]。
ちなみに、ビタミンDは食品やサプリメントから摂取する意外にも、日光を浴びれば体内で合成することが可能。
逆に言えば、屋内で競技を行うアスリートや、1日中室内で仕事をしている方は不足してしまうことも。
そのため、外に出て陽の光を浴びる機会が少ないという方は、意識して摂取したいビタミンでもあります。
ただし、ビタミンDは脂溶性のため、体内に留まりやすいという性質を持つ栄養素。
過剰に摂取するとかえって筋力を低下させるだけでなく、食欲不振や嘔吐、体重減少などの体調不良を招くこともあります。
また、ビタミンDは血液中のカルシウム濃度を高める働きを持つビタミン。
過剰摂取が続けば腎臓や血管壁、心筋などにカルシウムが沈着し、動脈硬化や腎障害などの重大な疾病の原因にもなります。
従って、複数のサプリメントを摂取している場合は配合量を確認し、取り過ぎてしまわないように注意しましょう。
4.HMB

HMBは、必須アミノ酸の中でも筋肥大に最も重要な成分だと言われる「ロイシン」の代謝物。
現在は落ち着いたものの、「飲むだけで筋肉がつく!」などと広告されていた時期もあって話題を呼びました。
当然ながら、HMBは飲むだけで筋肉が増えたり、筋力が高まったりするようなものではありません。
しかし、摂取すれば筋合成をサポートして筋肉量を増やしたり、筋肉の分解を抑えてくれる働きが期待できます。
そのため、上手く活用できれば、筋力アップにも役立つ可能性があります。
実際に格闘技選手を対象にした研究でも、HMBを継続的に摂取することでパワーが大幅に増加することが分かっています出典[4]。
※パワーは筋力×速度で算出され、瞬発的な力を発揮する能力。
ただし、HMBはトレーニングの負荷に慣れてきた中級者以上の方には、効果が得られにくい傾向にあると言われています。
もちろん、厳密に初心者と中級者以上を分ける基準が設けられている訳ではありません。
しかし、トレーニング経験が1年以上ある方は先ほど紹介したクレアチンなど、他のサプリメントを頼ってみるのが良いでしょう。
5.オキシストーム

オキシストームは、東南アジアなどで食用されている赤ほうれん草(レッドスピナッチ)から抽出されたエキス末。
NO3(硝酸塩)を豊富に含み、摂取すれば血管を拡張させて血流を促し、筋力を高めてくれる働きが期待できるサプリメントです。
実際に研究によれば、硝酸塩を1日あたり90mgと多く摂取している人は、そうでない人に比べて筋力が高くなることが分かっています出典[5]。
じつは現在のところ、NO3が筋力向上に与える具体的なメカニズムは明らかになっていません。
しかし、先述の通りNO3は筋肉への血流を増加させ、筋疲労を軽減してトレーニングパフォーマンスを高めてくれます。
さらに、カルシウムイオンの放出量を高めたりするなど、プラスの生理学的変化をもたらす可能性も考えられます。
ちなみに、オキシストームによる筋力アップの効果を期待するなら、運動の1〜2時間前に摂取するのがおすすめ。
ただし、オキシストームの働きはあくまでも補助的なもので、「飲んだらすぐに筋力アップ!」ということはありません。
適切な栄養管理や他のサプリメントなどと併用すれば、より効果的に筋力を高めることができるでしょう。
6.テスノア

テスノアは、抗酸化力の高いザクロの果皮とテオブロマ・カカオ種子という、天然由来の原料から作られた素材。
テストステロンブースターとして名高いテストフェンを生み出したGENCOR社開発の素材として、注目を集めている成分です。
摂取すればテストステロンの分泌を促して筋肥大をサポートすることから、筋力を高めてくれる働きが期待できます。
実際に健康な若年成人にテスノアを1日400mg、56日間に渡って摂取させたところ、テストステロンが増加しただけでなく、握力も大きくアップしたというデータもあります出典[6]。
テスノアは他のテストステロンブースターに比べて味や香りにクセが無いため、飲用しやすいという特徴があります。
加えて、有効成分が規格化されているため、安全性の高いというのも嬉しいポイント。
ただし、テスノアは比較的新しい素材のため、配合されている商品は多くありません。
ネットで検索すれば簡単に見つけられるので、気になる方はチェックしてみてください。
7.elevATP

elevATPは70種類以上の古代泥炭と70%以上のポリフェノールを含有するアップルエキスで構成されている素材。
名前に「ATP」とある通り、筋肉へのATP供給を増やして筋力を高めてくれる成分です。
実際に健康な成人を対象にした研究では、被験者らにelevATPを1回150mg摂取させたところ、プラセボを摂取させたグループに比べて血中のATPレベルが64%も上昇出典[7]。
また、別の研究では、健康な男性被験者らにelevATPを1回150mg摂取させて12週間トレーニングを行ったところ、プラセボを摂取させたグループに比べてスクワットやデッドリフトの1RMや、垂直ジャンプの結果が向上したというデータがあります出典[8]。
ちなみに、elevATPは2018年にシカゴで開催されたサプリメント業界の優秀性を称える「ニュートライングレディエンツUSA」のスポーツ栄養部門にて年間最優秀原料賞を受賞出典[9]。
また、カナダ保健省より製品の安全性などが認められ、ナチュラルヘルス製品として承認されるなど実績のあるサプリメントです。
しかし、記事執筆時点では日本製サプリメントで摂取できる商品は販売されていません。
海外製のプレワークアウトサプリには配合されている商品がいくつか販売されているので、気になる方は検索してみてください。
まとめ
筋力増強のためのメカニズムや、おすすめのサプリメントについてお分かりいただけたかと思います。
しかし、サプリメントは人によって合う合わないが大きく、継続して摂取しても効果を感じられないこともしばしば。
そのため、自己判断だけで自分の体質にフィットするサプリメントを選ぶのは難しいものです。
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