

執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
緊張すると勃起しなくなるのはなぜ?

性行為の際にペニスが硬く、太くしっかりと勃起することは性行為の成功のために欠かせないことの一つです。
正常な勃起が起こるためには自律神経(交感神経と副交感神経のバランス)が整っていることが重要になります。
勃起は副交感神経が優位で、リラックスした状態で発生する現象です。緊張により交感神経が活発になると、うまく勃起の命令を伝えられなくなり、たたなくなってしまうのです出典[1]。
2021年のポルトガルの研究グループの発表でも、緊張などで心拍が高まった状態だと勃起不全のリスクが高まることが明らかにされています出典[2]。
対策を進める上で大事なのは、たたなくなってしまう原因が緊張などの心理的要因であるのか、身体面であるのかを見分けることです。
指標となるのは「朝立ち」です。
朝立ちは睡眠中(無意識下)で生じる勃起現象であり、心理的な要素の影響を受けず発生するため、朝立ちがあれば身体に問題はないことが分かります。
つまり、「朝立ちはあるが、本番だけ立たない」場合は、緊張などの心理面が原因の可能性が高いです。
2018年に中国の南京医科大学が発表した論文では、21人の心因性ED患者の朝立ちを調べたところ健康な人と遜色ないことが示されています出典[3]。
本番だけでなく朝立ちもない場合は、身体の衰えも影響しているため、この後紹介する心理面のケアのみならず、身体のケアも行う必要があります。
緊張でたたない時の対処法5選
性行為の際にしっかりと勃起することでペニスを女性の膣内に挿入できるので、正常に勃起することは快適な性生活を送る上で欠かせません。
性行為への緊張などから自律神経が乱れてしまうと交感神経が活発になり、うまく勃起の命令を伝えられなくなることで、たたなくなります。
緊張でたたない時の対処法を5つ紹介します。
1.相手に悩みを打ち明ける

1つ目は相手に悩みを打ち明けることです。
精神的な要因が影響して男性機能の低下が生じる根本には、「勃起しなければならない」といった精神的な切迫感が存在します出典[4]。
性行為は自分ひとりではなく、パートナーとともに行うものです。
例えば、事前に「不安でうまくいかないかもしれない」「最後まで勃たない可能性がある」「緊張している」等の悩みを相手に伝え、「うまくいかなくても大丈夫」と心理的に安心することが大切です。
恥ずかしい部分もあるかもしれませんが、自分の抱えている悩みや不安などの緊張の原因を相手に打ち明け、相談するところから始めてみましょう。
2.睡眠を整える
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2つ目は睡眠を整えることです。
睡眠不足だと自律神経が乱れ、不安を感じやすくなり、緊張に繋がる恐れがあります。
2005年にドイツのマインツ大学が行った研究で、心因性EDの人は睡眠中の脳波が乱れており、睡眠の質が低いことが示唆されています出典[5]。
眠りに満足していない場合は、まずは睡眠の質を整えることから取り組んでみましょう。
3.食物繊維や発酵食品の摂取を心がける

3つ目は食物繊維や発酵食品の摂取を心がけることです。
脳と腸は繋がっているため、腸が健康だと緊張を感じにくくなる可能性があります。
2021年に中国の天津中医薬大学第一付属病院が発表した論文では、ED患者はそうでない人に比べて腸内細菌の多様性が低く、腸内環境が悪いことが示されています出典[6]。
腸内環境を整えるためには、発酵食品や食物繊維が豊富な食べ物を積極的に摂ることは有効な手段の1つです。発酵食品であればチーズや納豆、ヨーグルト、食物繊維であればキャベツ・じゃがいも、ほうれん草などを摂取することを心がけましょう。
4.マインドフルネスに取り組む

4つ目はマインドフルネスに取り組むことです。
マインドフルネスは「心ここにあらずの状態」から抜けだし、心を意識的に今、行われていることに向けるために行う方法(瞑想や呼吸法)のことです。
「余計なことを考えないようにする」のが目的であるため、自律神経のバランスが整います。
2023年にスペインのアルメリア大学の研究グループは、マインドフルネスを行うことで性行為に対する緊張などが軽減し、EDに改善が認められることを報告しています出典[7]。
マインドフルネスを行う上で大事なのは呼吸することに意識を向けることです。
目を閉じ、膝に手を置き、姿勢をまっすぐにして肩の力を抜いた座った状態で行います。呼吸することに意識を向けながら、鼻から息を吸って、口から吐き出す腹式呼吸を繰り返します。
毎日、少しずつでも良いので取り組んでみましょう。
5.鍼治療を受けてみる

5つ目は鍼治療を受けてみることです。
鍼治療は中国の伝統的な医療行為の一つで、頭痛や肩こり・腰痛などの痛みの緩和に用いられるだけでなく、心因性EDの改善にも効果的です。
鍼治療は施術者(鍼灸師)が身体の特定部位(ツボ)に細い針を刺して、刺激を与えることで細胞や神経を活性化します。副交感神経が活性化されることでリラックス効果を感じられるのです。
2023年に中国中医科学院西苑医院が行った研究では、64人の心因性ED患者に鍼治療を6週間行うことで不安やうつ様の症状が改善し、勃起スコアも良くなることが示されています出典[8]。
鍼治療は身体に針を刺すので素人が行うと神経を傷つけてしまうリスクがあるので、専門家に行ってもらうようにしましょう。
結局、緊張を緩和するには?
今回は緊張でたたなくなってしまう原因と対策方法を5つ紹介しました。
性行為の際にしっかりと勃起していることは快適な性生活を送る上で欠かせません。
緊張などから自律神経が乱れてしまうと交感神経が活発になり、うまく勃起の命令を伝えられなくなることで、たたなくなってしまいます。
そのため、緊張を少しでも和らげることができるように、食事や睡眠など日々の生活習慣からしっかりと対策しておくようにしましょう。
出典
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