EDは痩せたら治る?科学的根拠と改善のポイント
2025年4月15日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

痩せたらEDが治るって本当?

性行為の際にしっかりと勃起することは快適な性生活を送る上で欠かせません。

勃起が不十分だと男女ともに満足の行く性行為ができず、パートナーとの関係悪化の原因にもなったり、そもそも失敗に終わったりすることもあります。

EDになってしまう要因の一つが肥満です。

勃起に重要な血流やテストステロンが悪化してしまうのでEDのリスクが高まってしまいます。

勃起は性的興奮を感じることで分泌されたテストステロンによって、ペニスの血管が拡張され、ペニスに血液が大量に流れ込むことで起こります。

しかし、肥満になると体内に炎症が起こることなどで精巣や血管がダメージを受け、テストステロンや血流が低下してしまうので、EDのリスクが高まるのです。

男性機能は様々な要因が関わっているため、必ずしも痩せるだけでEDが治るとは限らないですが、太っている人は、体脂肪を減らすことで、男性機能が回復する可能性があるのです%%%出典%%%1%%%出典[2]

例えば、2005年にカナダのトロント大学が行った研究では、100kg超の人が15kgあるいは15%の体重を減らすと、被験者の31%に勃起機能の改善が認められたことが示されています出典[1]

肥満度を表すBMI(体格指数)が25以上になると肥満です。

適切体重はBMI22ですので、身長170cmの人は63.5kg、180cmの人は71kgくらいが理想的な体重になります。

 

体重を減らしてEDを改善する方法7選

肥満の方がEDを改善するためには痩せることが重要です。

しかし、過酷な食事制限や運動などを実施して、ただ痩せれば良いのではありません。

いくつかポイントがあります。

体重を減らしてEDを改善する方法を7つ紹介します。

 

1.食事は腹七~八分で抑える

1つ目は食事を腹七~八分で抑えることです。

先程も紹介しましたが、体重を減らすことでEDを改善できる可能性があります出典[1]

ダイエットの基本は、摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくすることです。

とはいえ、消費カロリーを大幅に増やすことは難しく、例えばウォーキングを30分してもおにぎり1個分のカロリーしか消費できません。

そのため、摂取カロリーを減らすことが必須となります。

過度に減らしすぎると栄養不足となり、かえって悪影響になることもあるので、まずは腹七~八分に抑えることから始めてみましょう。

 

2.「揚げる」「炒める」はできる限り控える

2つ目は「揚げる」「炒める」などの方法で調理されたものはできる限り控えることです。

揚げ物や炒め物は調理の際に油を使うので脂質が多くなりやすく、高カロリーです。

そのため、「蒸し」や「煮る」、「ゆでる」といった油を使わない調理法の低カロリーな料理を食べるのをおすすめします。

 

3.甘い物を食べたくなったら果物を

3つ目は甘い物を食べたくなったら果物を食べることです。

疲れた時など誰しも甘い物を食べたくなります。

しかし、お菓子などの甘い食べ物は高糖質(ものによっては高脂質)でカロリーが高く太りやすくなる原因です。そのため、甘味として代わりに果物を食べることをおすすめです。

2015年にアメリカのハーバード大学が発表した論文で、果物の摂取量は体重増加と逆相関することが示されています出典[3]

もちろん果物も食べ過ぎれば太ってしまいますが、高い抗酸化作用を持つポリフェノール(食物の色素や苦味の成分)やビタミンCが豊富なため、体重減少やED改善をもたらしてくれる効果もあるのです。

2016年にイギリスのイーストアングリア大学で行なわれた研究で、アントシアニンなどのフラボノイド系のポリフェノールを多く摂取すると、EDの発症リスクが9-11%低下することが明らかにされています出典[4]

ちょっと甘い物を食べたくなったら、お菓子ではなく果物を食べるようにしてみましょう。

 

4.小腹満たしにはナッツがおすすめ

4つ目は小腹満たしにはナッツがおすすめであることです。

ナッツ類は食物繊維を多く含むため、噛む回数が多くなるので、少量でも満腹感が得られやすいです。

また、抗酸化作用を持つビタミンEや、悪玉コレステロールを下げる役割を持つオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含むので血管機能や血流が良くする効果があり、勃起機能の改善が期待できます。

2019年に行われたイタリアのルビーラ・イ・ビルジーリ大学の研究では、60gのミックスナッツを14週間食べることで勃起機能が増加することが示されています出典[5]

ナッツ類は一粒の重さが0.5~4g程度と様々ですが、60gだとだいたい2掴みくらいが目安です。脂肪分を含むので少しカロリーが高いため、食べ過ぎには注意しましょう。

 

5.ストレスを溜め込まない

5つ目は痩せるための生活習慣でストレスを溜め込まないようにすることです。

2022年にインドのマナフ・ラックナ・インターナショナル大学がまとめた総説では、ストレスが溜まるとコルチゾール分泌が上昇し、腹部脂肪の蓄積が促進されることが示されています出典[6]

つまり、痩せるための生活習慣を実践することでストレスを溜め込みすぎると、ダイエット効率が低下してしまう可能性があるのです。

そのため、毎日ストイックな食事を続けることでストレスが溜まってしまう人は、ダイエットブレイクを取り入れることも1つの方法です。

ダイエットブレイクとは、ダイエットの際にずっとエネルギーバランスがマイナスな状態を続けるのではなく、時々、消費カロリーと同程度のカロリーを摂取する期間を設けることで断続的にダイエットをする方法になります。

2018年にオーストラリアのタスマニア大学が発表した論文では、食事制限を伴うダイエットを断続的に行う方が継続的に実施した場合よりも、体重の減りが5kg近くも多いことが明らかにされています出典[7]

効率的に痩せるためにもストレスが溜まるようなダイエットは避けるようにしましょう。

 

6.運動はまずは歩数を増やすことから

6つ目は運動はまずは歩数を増やすことからです。

運動は消費カロリーを増やすことでダイエットをすすめ、血流を改善することで男性機能を高めてくれます。

しかし、太った状態でハードな運動を始めると膝を怪我するリスクもあるため、まずは日常の歩数を増やすことから始めるのがおすすめです。

2018年にコロラド大学デンバー校が発表した論文では、1日に1万歩を18ヶ月以上続けると体重が10%以上低下することを明らかにしています出典[8]

慣れてきたら、ウォーキングやジョギング、ランニングに切り替え、徐々に頻度も増やしていくのがよいでしょう。

 

7.睡眠は十分に確保する

7つ目は睡眠時間を十分に確保することです。

睡眠不足は過食を誘発したり、勃起にとって重要なホルモンであるテストステロンの低下させたりする原因となります。

2022年に国際ギリシャ大学がまとめた総説では、睡眠時間が少なくなると間食が増えて肥りやすくなることが示されています出典[9]

また、2011年のアメリカのシカゴ大学の研究で、1日5時間の睡眠が1週間続くだけでテストステロンが10~15%も低下することが明らかにされています出典[10]

勃起機能が正常であるためにも7~8時間の睡眠時間をしっかりと確保できるように心がけましょう。

 

痩せるだけじゃない!結局EDを改善するには?

今回は痩せたらEDが治る科学的根拠と改善のポイントを紹介しました。

充実した性生活を送る上で性行為時にしっかり勃起することは重要です。

肥満になると勃起に重要な血流やテストステロンが悪化してしまうのでEDになりやすくなります。

ED改善のために痩せることは必要不可欠ですが、過度の食事制限や運動など無茶をするのではなく、無理のない範囲で実施するのが大事です。

まずは、自身の食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直すことから始めてみましょう。

 

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