「若いころのようにスムーズに勃起できない」「勃起の状態を維持しづらくなった」などに悩んでいませんか？

性行為に関わる心理的要因も原因となることがありますが、体質に注目した場合、勃起力を落とす原因は次の2つに分けられます。

• テストステロンの減少
• 血流の低下

テストステロンは勃起力のほか、性欲や精子の製造能力など、性機能全般をサポートするホルモン。テストステロンは30歳を過ぎた頃から減少が始まり^出典[1]、35～40歳以降ではさらに急激な減少が見られるとされています^出典[2]。

また、暴飲暴食や夜更かし、栄養不足、運動不足など、生活習慣の乱れもテストステロンの減少を加速させます。テストステロンの減少を食い止めるためには、食事や睡眠、運動など、日々の暮らしを見直すことが重要と言えそうですね。

生活習慣の見直しは血流の低下を防ぐためにも重要です。興奮により陰茎へ大量の血液が集まることにより、陰茎は大きく硬くなります。血流が滞った状態では血液が十分に集まらず、硬さが足りなかったり、勃起の状態を維持しづらくなったりするでしょう。

血流は、血管と血液の状態で決まります。血液をサラサラにしたり、血管の拡張能力をサポートしたりできれば、血流も改善され、勃起しやすい体を維持できるでしょう。

勃起力を高める方法として、勃起をサポートする栄養素を効率よく摂取できるサプリメントが役立つ場合があります。手軽にサプリメントを試したい場合は、ドラッグストアのようなすぐに立ち寄れる場所での購入を考えることが多いはず。

そこでここからは、ドラッグストアで購入できるような市販のサプリメントによく含まれる成分のうち、勃起力の向上効果が期待できるものについて解説します。

アルギニン・シトルリン

アルギニンもシトルリンも、血中に存在する遊離アミノ酸の一種です。どちらも血管拡張物質である一酸化窒素（NO）を産生するために必要となる栄養素。NOにより血管を広げる力が高まれば、よりスムーズに勃起できるようになるでしょう。

アルギニンが血中の酸素と反応してNOを生成すると、血管の平滑筋が弛緩して血管が広がり、血流が大きく改善するのです。アルギニンの十分な供給には、シトルリンからアルギニンへの変換も必要なため、アルギニンとシトルリン、どちらもNOを増やすためには重要と言えそうですね。

実際に、軽度から中等度のED患者を対象とした7件の臨床試験において、一日1.5〜5ｇのアルギニンを摂取した540名のED患者を調べたところ、有意な症状の改善が認められたとのデータが確認されています^出典[3]。

さらに、軽度の勃起不全患者24名がL-シトルリン1.5g/日を1か月間服用したところ、勃起硬度スコア（EHS）が軽度のEDを示す3から、正常な勃起機能があることを示す4へと増加したとのデータも^出典[4]。

アルギニンやシトルリンは、摂取後数時間で血中濃度が最大になる栄養素です。性行為の前の、ここぞというときのサポートアイテムとして、アルギニンやシトルリンを効率よく摂れるサプリメントは役立つかもしれませんね。

亜鉛

亜鉛が勃起に与えるよい影響としては、主に次の2つが考えられるでしょう。

• テストステロンの分泌をサポートする
• 抗酸化力により血管や精巣を守る

テストステロンが体内で不足すると、脳からテストステロンの分泌を促す指示が出されます。亜鉛はこの指示を担うホルモンのひとつ、黄体形成ホルモンの合成をサポートするように働くことで知られています^出典[5]。

亜鉛が不足した状態では、テストステロンの分泌を増やす指示が十分に出せなくなり、性欲減退や勃起力の低下、精子の質の低下などの問題が生じる可能性もあるでしょう。

20週間の亜鉛制限によりテストステロン濃度が3分の1以下にまで減少したケースや、6か月の亜鉛補給によりテストステロンが倍近くまで増えたケースも確認されています^出典[6]。体内の亜鉛の充足率が、テストステロンの量に影響を与えていると考えられそうですね。

また、亜鉛の抗酸化力は、体内の過剰な活性酸素による酸化ストレスを減らすように働きます。酸化ストレスはテストステロンの分泌場所である精巣を傷付けたり、血管を硬くして動脈硬化のリスクを高めたりする、ある意味勃起の大敵とも呼べる存在です。

亜鉛の補給により活性酸素の発生を抑えられることは、複数の研究により実証されています^{出典[7]出典[8]出典[9]}。酸化ストレスを減らして精巣や血管を保護できれば、よりテストステロンの増加や血流の改善効果が期待でき、勃起力も改善しやすくなるかもしれませんね。

マカ

マカとは見た目がカブに似ているアブラナ科の植物で、標高4000～4500mほどの中央アンデスで主に栽培されている野菜です。勃起不全に用いられる治療薬の名前から「ペルーのバイアグラ」とも呼ばれることもあり^出典[10]、勃起力への作用が高い食品とされていますね。

マカに期待できるのは血流を改善する効果です。マカ由来の次のような物質が、血液をサラサラにする効果や血管へのダメージを防ぐ効果を発揮しているものと考えられています。
 

実際に2009年にイタリアでおこなわれた臨床試験では、軽度の勃起不全患者である男性がマカ乾燥抽出物2.4gを12週間摂取したところ、国際勃起機能指数 （IIEF-5）の平均スコアが全体の約6.4％上がったと報告されています^出典[11]。

IIEF-5は勃起の硬さや維持能力、維持の困難さなどを25点満点で数値化したものであり、点数が高いほど勃起に関する性機能が良好であることを示しています。勃起の硬さや維持能力などを改善したい場合には、マカの継続摂取が役立つかもしれませんね。

なお、マカには性欲を高める効果も確認されていますが、テストステロンを増やす効果については認められていません^出典[12]。テストステロンの増加により勃起力を高めたい場合には、マカ以外の選択肢が必要となるでしょう。

トンカットアリ

最後に紹介するのはトンカットアリ。インドネシアやマレーシアなどの熱帯に自生するハーブのことで、有効成分として次のようなものが確認されています。

• 酸化ストレスを減らすように働くグリコサポニンやポリサッカライド
• テストステロンを合成する酵素を活性化させるユーリペプチド
• 遊離テストステロンの放出量を増やしたり、テストステロンを減らす酵素を阻害したりするユーリコマノン^出典[13]

高い抗酸化能力により血管や精巣を保護できれば、テストステロンの分泌能力の向上や血流の改善が期待できるでしょう。勃起のコンディションをより高めやすくなりそうですね。

実際に50～70歳の男性35名がトンカットアリ抽出物200mgを摂取したところ、12週間後に総テストステロンが約12.5％、遊離テストステロンが約16.9％増加したとのデータが存在します^出典[14]。

また、平均年齢47歳の男性45名がトンカットアリのサプリメント200mgの摂取とトレーニングを6か月間続けて摂取したケースでは、国際勃起機能指数（IIEF-5）および男性加齢スケール （AMS）のスコアの改善と、総テストステロンの増加が報告されています^出典[15]。

トンカットアリの抽出物の作用を検証する研究では、中高年以降の男性で効果が出やすいことがわかっています。勃起力の低下をはじめ、テストステロンの減少による性機能全般の低下に悩んでいる方は、トンカットアリを試してみてもよいかもしれません。

このように、勃起力の向上に役立つ成分は、ドラッグストアのような店頭で購入できるサプリメントにも含まれています。しかしより高い効果を期待したい場合には、いくつか購入に際して注意しておきたいことがあります。

ここからは市販のサプリメントを飲む際の注意点について解説します。

当日の摂取では効果を得られない可能性がある

勃起に役立つサプリメントの成分のなかには、即効性が確認できないものもあります。アルギニンやシトルリンは比較的すぐに効果を発揮するタイプの成分ですが、亜鉛やマカ、トンカットアリなどは継続摂取による体質改善を主としています。

性行為の直前に亜鉛サプリやマカサプリを飲んでも、勃起のパフォーマンスを高める効果は期待できない点に注意しましょう。

たとえばマカおよびトンカットアリでは、12週間の継続摂取で効果が見られています。亜鉛不足の高齢者に亜鉛補給をおこなったケースでも、血中テストステロン濃度の改善が見られたのは6か月後のことでした。

また、栄養素にとっては摂取の継続期間が長くなるほど、より高い効果を示す場合もあります。たとえば40～65歳の男性が12名がトンカットアリの規格化サプリメント「LJ100」を、別の抗酸化物質とともに摂取したケースを確認しましょう。

3か月後の終了時点において、男性のための性的健康評価質問票（SHIM）や、性交時の勃起の硬さを4段階で評価する勃起硬度スケール（EHS）などでよいスコアが得られ、総テストステロンも増加していました^出典[16]。

なお、6週間後にも中間調査がおこなわれ、同様に総テストステロンの増加や勃起機能の改善が見られましたが、プラセボ（偽のサプリメント）との有意な差はまだ見られず、まだ十分な増加や改善とはいかなかったことが読み取れます^出典[16]。

十分な効果を得るためには、有効とされる栄養素をなるべく長く飲み続ける必要がありそうです。今回紹介した栄養素においては、2～3か月を目安に飲むことをおすすめします。

不足がない状態では効果を発揮しない場合も

亜鉛はマカやトンカットアリのような希少成分とは異なり、普段の食事から十分な摂取が可能な基本栄養素です。不足を解消することでテストステロンの分泌効率を高める効果が期待できる一方で、亜鉛を必要以上に摂取しても、テストステロンを増やす効果は得られない点に注意しなければいけません。

たとえば1日あたり11.9～23.2mgと、十分量の亜鉛を摂取できている20代の男性が、亜鉛の栄養補助食品を摂取しても、テストステロンの有意な増加は確認できませんでした^出典[17]。

日本人の食事摂取基準（2025年版）では、20～29歳や65歳以上の男性で1日あたり9.0mg、30～64歳の男性で9.5mgが、亜鉛の推奨量として示されています^出典[18]。一方で令和5年度の国民健康・栄養調査における亜鉛の平均摂取量は、20～69歳で9.1～9.4mgと、推奨量をおおむね満たす量に落ち着いています^出典[19]。

亜鉛は一般的な健康維持においても重要な栄養素と言われていますが、一般的な食生活においては、亜鉛の深刻な不足は起こりづらいと考えられるでしょう。

ただし次のような方では、亜鉛が不足しやすいため注意が必要です。

• 食事の欠食が多い方
• インスタント食品やジャンクフードの利用が多い方
• 魚介類や赤身肉などの摂取が少ない方
• 運動量や活動量が多く、よく汗をかく方

もし当てはまる場合には、サプリメントによる亜鉛補給が役立つかもしれません。基本栄養素を満たす手段として、ぜひ亜鉛サプリを活用してみましょう。

有効成分が十分量含まれていないものも

マカやトンカットアリのような希少成分を配合したサプリメントは、ドラッグストアでも購入できますが、効果を求める場合には有効成分が十分量含まれているものを選ぶ必要があります。

「トンカットアリ配合」とだけ書かれた商品では、トンカットアリの量が1錠あたり1mgなのか200mgなのか把握できません。配合量が少なすぎると効果が出ないことは想像しやすいのではないでしょうか。

摂取量により効果の出方が変わるケースについて紹介しましょう。50～70歳の男性35名がトンカットアリ抽出物を摂取した研究では、100mgと200mg、2つのパターンで摂取後の影響が調べられました。結果、200mgの摂取の方が、100mgよりもテストステロンの増加量が大きく、更年期症状もより大きく改善できていたのです^出典[20]。

効果をより高く、より早めに感じるためには、やはり十分な量の有効成分が必要ということが分かるでしょう。

効果を実感しやすい量を確実に摂るためには、有効成分の一定量以上の含有が保証された「規格化成分」の利用がおすすめ。トンカットアリであれば、規格化成分として「LJ100」があります。トンカットアリ抽出物としてユーリペプチド22％以上、グリコサポニン40％以上、ポリサッカライド20％以上、ユーリコマノン1％以上と、研究で効果が確認できた成分を含んでいるため、テストステロンを増やす効果をより得やすくなるでしょう。

「トンカットアリ」や「マカ」などの単語だけではなく、含有量に意識を向けることも重要。良質なサプリを選んで、より効率的に勃起力を高めましょう。

市販のサプリメントにも有効な成分はいくつか確認できます。アルギニンやシトルリンは即効性を求める場合に、亜鉛やマカ、トンカットアリなどは体質改善のサポートとして用いるとよいでしょう。

しかしドラッグストアのような店頭で購入できるサプリメントの種類はやはり少なく、有効成分の含有量が多めの、良質なものが手に入りにくいデメリットがあります。

良質なサプリメントを手に入れたい場合には、やはりネット通販での購入がおすすめ。トンカットアリ抽出物の「LJ100」をはじめ、良質な規格化成分を手軽に購入できます。

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