

監修者
上級睡眠健康指導士 /NR・サプリメントアドバイザー
関川裕大
睡眠と運動と栄養の3つ面から皆様の健康的なライフスタイルをサポートします。睡眠と運動は特に男性のQoLにおいて非常に重要な役割を果たします。睡眠が不足すると筋肉が付きにくく太りやすくなりますし、運動が十分でない男性は睡眠の質も低下し易いと言われております。そして栄養が不足すると運動効率も睡眠の質も悪化してしまいます。医療に頼らない心と体の健康促進を目指します。

執筆者
管理栄養士/分子栄養学カウンセラー
岡かな
大阪市立大学食品栄養科、大学院修士課程修了。医療機関に勤務し、糖尿病や高血圧など生活習慣病の栄養管理に取り組む。その後はヘルスケア事業に移り、年間500人以上のダイエットをサポートする。現在はダイエットサポートの他、特定保健指導や健康に関わる分野の執筆も行っている。誤った情報で10キロ以上リバウンドした自分自身の経験から、科学的根拠に基づく正しい情報の発信を心掛けている。
性欲や性機能などの精力のカギはテストステロン!
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テストステロンは、脳の指令によって精巣で分泌され、血液を通じて身体の各器官に作用する男性ホルモンです。
テストステロンは、性欲や性機能などいわゆる精力アップに欠かせません。
具体的には、テストステロンが脳に作用することで性欲が高まり、男性機能に作用することで勃起力や精子を造る能力が向上するんです。
しかし、テストステロンの分泌量は30歳を過ぎた頃から年1%ずつ減少していくことがわかっています出典[1]。
さらに食生活の乱れによって、テストステロンの減少が加速することをご存知でしょうか。
例えば、テストステロンの合成に欠かせないビタミンDや亜鉛が不足すれば、テストステロンが十分に作れません。
また、抗酸化物質をしっかり摂取することで酸化ストレスの影響を受けやすい精巣を保護することも、テストステロンの維持向上には重要です。
精力には食生活や食品の選択が重要であると言えますね。
精力アップに役立つおすすめ食品10選
ここからは、精力アップに貢献するおすすめの食品を10つ紹介しましょう。
サーモン

サーモンにはEPAやDHAなどのω-3系脂肪酸が豊富に含まれています。
ω-3系脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸の一種で、動脈硬化の予防や認知機能の維持などに効果があることで知られていますね。
ω-3系脂肪酸は抗酸化作用を持つ脂肪酸としても注目されており、酸化ストレスに弱いテストステロンを保護する働きが期待できます。
実際に、ω-3脂肪酸の摂取量とテストステロン値は正の相関関係があることも示されているんです出典[2]。
また、サーモンを積極的に食べることは、肉食から魚食に切り替えることに繋がりますよね。
じつは、肉や肉製品の摂取量が多いと活性酸素が発生しやすいことがわかっているんです出典[3]。
肉食中心の食事をしている人は、主菜を魚に切り替えてテストステロンの増加を目指しましょう。
イワシ

イワシもサーモンと同様、EPAやDHAの摂取源になります。
さらに、イワシに豊富なビタミンDはテストステロンの合成に欠かせない栄養素。
テストステロンが作られる精巣内にはビタミンDの受容体が存在し、受容体が活性化するとテストステロンの合成量を増やすように働くんです出典[4]。
実際に、性機能障害とビタミンDの不足が見られる60~68歳の患者を対象とした臨床試験では、ビタミンD補充療法により総テストステロンが約15%、遊離テストステロンが約19%増加したことが示されました出典[5]。
イワシはω-3系脂肪酸とビタミンDだけでなく、抗酸化物質として機能するコエンザイムQ10も豊富です。
コエンザイムQ10を補給することで、生成された活性酸素の有害な影響を中和させることが期待できます出典[6]。
抗酸化物質であるω-3系脂肪酸やコエンザイムQ10、さらにビタミンDを効率よく摂取できるイワシは、まさに精力アップに役立つ食品と言えるでしょう。
牡蠣

「亜鉛を補給したいなら牡蠣がうってつけ」と言えるほど、牡蠣には亜鉛が豊富に含まれています。
牡蠣(養殖/生)100g中に含まれている亜鉛量は、14.0mg出典[7]。
牡蠣1粒20gと仮定すると、4粒食べると亜鉛量は11.2mgになりますね。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30〜64歳の男性における亜鉛の推奨量は1日9.5mgと設定されています出典[8]。
牡蠣4粒で推奨量を十分に満たせることからも、牡蠣の亜鉛含有量の多さが分かります。
じつは、亜鉛は「セックスミネラル」と呼ばれるほど、性機能に重要な役割を果たすミネラル。
テストステロンの合成を促すのが黄体形成ホルモンですが、黄体形成ホルモンの合成には亜鉛が不可欠なんです出典[9]。
亜鉛はテストステロンの分泌をサポートするほか、抗酸化作用により活性酸素の働きを抑える働きも期待できます。
実際に、亜鉛不足の透析患者100人に対し、250mg/日の亜鉛を6週間摂取してもらったところ、黄体形成ホルモンが約3.25倍、テストステロンが約1.89倍に増加したことがわかりました出典[10]。
一方、すでに亜鉛が十分に足りている人やテストステロン量が正常値の人は、亜鉛を摂取してもテストステロン濃度に変化がないことも示されています。
亜鉛摂取量が11.9〜23.2mg/日である男性14人に亜鉛サプリメントを補給した研究では、血清テストステロン値に変化はありませんでした出典[11]。
亜鉛の不足が気になる人は、牡蠣を摂取してテストステロンを増やしましょう。
牛赤身肉

肉類の食べ過ぎは活性酸素が発生しやすくなるためおすすめできませんが、赤身肉を選んで食べることでテストステロンを増加させることが期待できます。
牛赤身肉は、テストステロン増加に貢献する亜鉛やL-カルニチンを豊富に含んでいるんです。
L-カルニチンはアミノ酸の一種で、抗酸化作用があり精巣を保護することでテストステロンの増加が期待されています。
実際に、酸化ストレスを発生させたラットに対して、L-カルニチンを補給することでテストステロンの減少を約35%も抑えられたことがわかりました出典[12]。
注意したいのは、ベーコンやウインナーのような加工肉とバラ肉やサーロインのような脂身の多い部位。
脂身が多いことで体重増加の原因になります。
魚料理を中心にしながら、肉を食べるときは脂身の少ない赤身肉を選びたいですね。
全卵

食生活に自信がない人に、積極的に摂ってほしいのが卵です。
卵は「完全栄養食」と言われることをご存知でしょうか。
卵にはビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養素が含まれており、テストステロン増加に重要な亜鉛やビタミンD、さらにマグネシウムなどの栄養素も豊富です。
じつは、男性ホルモンであるテストステロンの働きをコントロールする物質「性ホルモン結合グロブリン(SHBG)」にマグネシウムの働きが関わっているんです。
テストステロンは、主に血清アルブミンと結合して血中を輸送されますが、一部はSHBGと結合することがわかっています。
そして、SHBGはテストステロンに結合すると、ホルモンの働きを阻害してしまうんです。
そこでテストステロンの働きを高めるために役立つのがマグネシウム。
マグネシウムは、テストステロンのSHBGへの結合能力を阻害することで、テストステロンの生物学的利用能を高めることがわかっています出典[13]。
「卵はコレステロールが多いから不安」という方もいるかもしれませんね。
卵のコレステロールは心血管疾患のリスクを大きく高めるものではないことが示されているため、摂取を控えすぎる必要はありません。
実際に、卵の摂取についてのレビューでは、卵の摂取と心血管疾患の発症リスクに関連性が認められなかったことが示されています出典[14]。
コレステロールはテストステロンの材料にもなるため、過度な制限ではテストステロンが減少することも出典[15]。
ビタミンDや亜鉛などの栄養素も卵黄の方に豊富です。ぜひ全卵の形で、卵黄を取り除くことなく食べましょう。
ブロッコリー

野菜の選択に迷ったときは、ぜひブロッコリーをおすすめします。
ブロッコリーには、ビタミンCやビタミンE、βカロテンなど精力を向上させる栄養素が豊富に含まれています。
とくに、ブロッコリーに豊富でテストステロン向上に役立つ栄養素と言えばスルフォラファン。
スルフォラファンは、イソチオシアネートと呼ばれる辛味成分の一種で、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、ケールなどのアブラナ科植物に含まれています。
スルフォラファンには、殺菌作用や抗炎症効果があり、さらに強力な抗酸化作用も認められているんです出典[16]出典[17]。
実際に、肥満により生殖機能が低下したマウスにスルフォラファンを投与した研究では、スルフォラファン投与により精子数と運動性が向上し、精巣組織の病理学的障害が改善したことが示されました出典[18]。
また、ブロッコリーは肥満を防止することでテストステロンの維持向上にも役立ちます。
肥満になると脂肪細胞から炎症性サイトカインが分泌されますが、炎症性サイトカインはテストステロンを分解してしまうんです。
ブロッコリーには食物繊維が豊富に含まれるため、肥満防止にも役立つんですね。
より少量で効果を得たい場合には、スルフォラファンが豊富なブロッコリースプラウトの活用もおすすめですよ。
ほうれん草

ほうれん草には、テストステロンの分泌や合成に重要な亜鉛やマグネシウムが豊富に含まれています。
さらに、ほうれん草に豊富なエクジステロンという成分には、「IGF-1(インスリン様成長因子1)」を増加させる効果があるんです。
IGF-1は、成長ホルモンの分泌を刺激することで骨や筋肉などの成長を向上させる働きがあるため、IGF-1を増加させるエクジステロンには筋トレ効率向上や筋肉増強効果が示されています出典[19]。
また、エグジステロンは細胞へのロイシンの取り込みを刺激してたんぱく質の合成効率を高めます出典[20]。
実際に、若い男性46人に対しエクジステロンのサプリメントを10週間摂取してもらい、筋力トレーニングを行ったところ、筋肉量の有意な増加とベンチブレスのパフォーマンスの増加が見られたことがわかりました出典[21]。
テストステロンの増加効果だけでなく筋トレのパフォーマンスを上げたい人は、ほうれん草を積極的に取り入れたいですね。
ナッツ

ナッツは抗酸化物質も豊富である上、ビタミンEや亜鉛、マグネシウム、セレンなどのミネラルの供給源としても優秀です。
ナッツの中でも、とくに脂質の含有量が多いのがくるみ。
くるみは、ω-3系脂肪酸の一種であるリノレン酸が多いことにより、精巣を酸化ストレスから守る効果が期待できますね。
また、ω-3系脂肪酸のような多価不飽和脂肪酸は食欲を抑制する効果があることをご存知でしょうか。
実際に、ω-3系脂肪酸が豊富な食事を摂ることで、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンの分泌が抑制され、逆に満足感を生じさせる「コレシストキニン(CCK)」という消化管ホルモンの分泌が増加することが分かっています出典[22]。
食欲に関係するホルモンバランスを整えて食事量をコントロールできれば、摂取カロリーの増加を抑えられるため、肥満防止に役立つでしょう。
肥満はテストステロンを減少させる要因になるため、テストステロンの維持増加には適正体重の維持が重要です出典[23]。
その他、カシューナッツには亜鉛が、アーモンドには抗酸化作用の強いビタミンEやマグネシウムが豊富です。
ブラジルナッツには、同じく抗酸化物質として機能するセレンが豊富。
不妊男性のセレン摂取によるテストステロンの増加例も確認されており出典[24]、男性機能によい影響をもたらすと考えられるでしょう。
複数のナッツを摂れるアイテムとして、小分けにパッケージングされたミックスナッツがおすすめ。1日に30gを目安に取り入れてみましょう。
ザクロジュース

ザクロの果肉にはアントシアニンやプニカラギン、タンニンといったポリフェノール、ビタミンCなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
ザクロに豊富なこれらの抗酸化物質は、活性酸素から精巣を保護することで、テストステロンの分泌を維持・向上するように働くでしょう。
実際に、ラットを用いた実験ではザクロジュースの摂取による活性酸素の減少効果が示されています出典[25]。
また、人に対する研究では、60人の男女に対してザクロジュースを2週間摂取してもらったところ、唾液中のテストステロンが平均して約24%増えたことが判明しました出典[26]。
これらの結果から、ザクロジュースの摂取は、活性酸素を減らすことでテストステロンを増加させる可能性があると言えますね。
じつは、ザクロ由来のプニカラギンは、テストステロンを増やす効果があるサプリメント「テスノア」の有効成分としても使用されているんですよ。
生のザクロは手に入りにくいかもしれませんが、ザクロジュースであればネットなどで手軽に購入できるのでおすすめです。
緑茶

緑茶に含有する有名な成分と言えば、緑茶カテキン。
カテキンは、抗酸化作用の強いポリフェノールの一種であり、緑茶の渋み成分です。
エピガロカテキンガレート(EGCG)やエピカテキンなど様々な緑茶カテキンが活性酸素を除去することで、精巣を保護してくれます。
また、EGCGには血糖値の上昇を抑制する効果も確認されています。
というのも、EGCGはα-グルコシダーゼを阻害する働きをするんです出典[27]。
食事に含まれる糖質はα-グルコシダーゼという酵素により分解されて体内に吸収されるため、α-グルコシダーゼを阻害すると糖質の吸収速度が遅くなります。
よって、EGCGの摂取によりα-グルコシダーゼを阻害できれば、血糖値の上昇速度が遅くなり、血糖値の急上昇を防ぐことができるんです。
また、食後高血糖を予防することも肥満予防にも重要なんです。
というのも、血糖値が急上昇するとインスリンの大量分泌が起こり、体脂肪が合成されやすくなってしまうから。
実際に、2025年に中国で発表された最新の研究では、中高年男性の長期的なお茶の摂取はBMIの低下に効果があることが示されました出典[28]。
この研究では、長期的なお茶の摂取でテストステロン値も有意に増加したことが示されています。
肥満を防止しながら精力を高めたい人は、緑茶の摂取を継続してみてください。
効率的に精力を高めたいなら?
今回は、精力アップに効果のある食品10種を紹介しました。
しかし、自分にあった最適解の食品や食習慣を選ぶのはなかなか難しいかもしれません。
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