30代男性の性欲減退の原因と対策とは?徹底解説
2025年7月7日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

30代男性が性欲減退するのはなぜ?

30代の男性には、性欲減退の悩みが見られることがあります。20代の頃のようにムラムラできず、自信をなくす方もいるかもしれません。

性欲に関わるホルモンのひとつに、男性ホルモンのテストステロンがあります。30代の男性において性欲減退が見られた場合、テストステロンの減少が大きいことを疑うべきかもしれません。

テストステロンは性欲や勃起力をはじめとする性機能を支えるホルモンです。ほかにも筋肉の合成効率を高めたり骨密度を維持したりする身体面への作用や、やる気や競争心を高める精神面への作用も確認されていますね。

しかし多くのホルモンの体内量が年齢により異なるように、テストステロンにも年齢による体内量の差があります。テストステロンのピークは20代で、その後は加齢とともに減少することが分かっているのです。30歳を超えると、テストステロンは年に1%の割合で徐々に減少するとの報告も出典[1]

さらに暴飲暴食、運動不足、夜更かし、ストレスのような生活習慣の乱れによってもテストステロンは大きく減少します。生活習慣のケア不足により、テストステロンの減少が加速すれば、より性欲も減退しやすくなるでしょう。

加齢によるテストステロンの変化はある程度避けようがないため、性欲を若いころのように維持するためには、生活習慣のケアが重要になると言えそうですね。

30代での性欲減退に考えられる10の理由

30代で性欲が減退したり、ムラムラしづらくなったりした場合、どのような理由が考えられるでしょう。

ここからは30代での性欲減退においてよく言われる10の理由について、原因の詳細と対策をそれぞれ解説します。思い至るものがある方は、ぜひ本記事を参考に改善に取り組んでみましょう。

 

30代後半になった

テストステロンの減少の中でも、最も大きい原因はやはり加齢です。加齢とともに徐々に減少が見られるテストステロンですが、35歳を過ぎると減少ペースがさらに上がるとも言われています。

30歳を超えると年に1%の減少ペースであったのに対し、35~40歳を過ぎると年に1~3%になるとのデータもあるほど出典[2]。35歳を過ぎると、テストステロンはより減りやすくなる点に注意が必要ですね。

ただし20~40歳の男性のうち、低テストステロン血症の定義とされる320ng/dLを下回る方の割合はわずか1%程度とも言われています出典[1]。テストステロンの体内量のピークは20代で過ぎているとはいえ、30代ではまだ性欲減退を顕著に感じるほどの減少は起こりにくいと考えられるでしょう。

しかし30歳と39歳では生活にさまざまな差があります。仕事での役職の変化、家庭での役割の変化、生活スタイルの変化などが、30代半ばから起こりやすくなるものです。これらによる生活リズムの乱れやストレスなどにより、さらにテストステロンが減りやすくなる可能性は十分に考えられそうですね。

30代後半は、テストステロンの分泌量が落ちやすくなる時期であるとともに、テストステロンを減らす悪習慣も増えやすい時期であることを覚えておきましょう。

 

体重が増えた

20代のころに履けていたズボンが入らなくなったり、体が重くなって休日の外出や趣味のスポーツが面倒になったりしていませんか?

30代では給与も増えるため、おいしい食事を楽しみやすくなります。また仕事での役職が上がるにつれ、会食や飲み会への参加も断りづらくなるかもしれません。おいしいものをたくさん食べる機会があれば、当然ながら体重も増えやすくなるでしょう。

肥満はエネルギーの過剰分が体脂肪として体に蓄えられた状態です。過剰な体脂肪が炎症を起こすと、テストステロンの分泌能力を落とす活性酸素や出典[3]テストステロンをほかのホルモンへと変換してしまう酵素の分泌量が増加出典[4]。テストステロンの体内量が減りやすくなると考えられているのです。

BMIが35~40を超えるような重度の肥満では、痩せ型の男性よりもテストステロンが50%以上低いとのデータ出典[5]。体脂肪が過剰であればあるほど、テストステロンは減りやすくなると考えられるでしょう。

過剰な体脂肪によるテストステロンの減少を防ぐためには減量が一番。過激な食事制限や運動による急激な減量では、筋肉とともにテストステロンも大きく減ってしまうため、基本は食事と運動を無理のない範囲で組み合わせ、1か月に1~2kgのペースで減らせるようにしましょう。

 

お菓子やジュースを食べる量が増えた

デスクワーク中心の仕事では、取引先からの差し入れや職場の方からのお土産などで、和菓子やクッキーのようなお菓子を食べる機会も増えやすくなるでしょう。休憩時間にお菓子をつまむことが習慣になっていたり、水分補給にジュースや砂糖入りコーヒーなどを飲んでいたりする場合には、とくに注意が必要です。

お菓子やジュースの摂りすぎが太るもとになることはもちろん、甘いものにはもうひとつ、性欲に関わるリスクがあります。それが糖質の摂りすぎによる血糖値の急上昇。食事の度に繰り返される血糖値の急変動(血糖値スパイク)は、活性酸素の発生量を大きく増やすことが分かっているのです出典[6]

テストステロンの主な合成場所である精巣は、過剰な活性酸素による酸化ストレスにとくに弱い組織出典[7]。糖質のみの75g経口ブドウ糖負荷試験で食後高血糖を起こすと、血中テストステロンが25%低下したとのデータもあることから出典[8]、糖質の摂りすぎによる食後高血糖がいかにテストステロンの害となるかが分かるでしょう。

また、甘いものにより血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが一気に分泌されます。インスリンの働きで体に脂肪が付きやすくなることや、大量のインスリンによる血糖値の急降下により、ますますお腹が好きやすくなることなども、肥満のリスクを高めます。

おやつは少量にするとともに、糖質の少ない、チーズや小魚アーモンドなどを選ぶ習慣を付けるとよさそうですね。

 

実家を出て魚や野菜を食べる量が減った

大学や専門学校などを出て数年は実家からの会社通いを続けていたものの、社会人としての生活にも慣れたことで、一人暮らしを始める方が増えてくるのも30代の特徴です。

しかし一人暮らしの男性は自炊の習慣が付きづらく、外食や総菜などで済ませがち。魚や野菜など、実家では頻繁に出ていたものを摂る機会が一気に減り、栄養素の偏りが生じやすくなる点にも注意が必要です。

野菜、果物、魚のような生鮮食品からは、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどの栄養素を効率よく摂取できます。これらの栄養素のなかにはテストステロンの合成や分泌、体内量の維持などに関わるものも。

とくに牡蠣や赤身の魚に豊富な亜鉛や、貝類および緑の葉物野菜などから摂取できるマグネシウム、脂身の多い魚やきのこから摂取できるビタミンDなどの充足は、テストステロンの分泌能力を維持するために重要であることが分かっています出典[9]出典[10]

また、ポリフェノールをはじめ、ビタミンやミネラルのなかには、過剰な活性酸素の働きを抑える、抗酸化作用を持つものが存在します。これらの栄養素の不足により酸化ストレスが増たり、テストステロンの分泌を促す脳からの指令効率が落ちたりすることで、テストステロンが減りやすくなることも分かっているのです出典[11]出典[12]

自炊が難しい場合でも野菜料理や魚料理を毎日食べられるよう、購入する総菜や外食の選び方を工夫することも重要と言えそうですね。

 

デスクワーク中心の生活で運動しなくなった

仕事が忙しくなると、学生の頃に楽しめていたスポーツやレジャーなどの時間も取りづらくなり、運動量も減ってしまいます。デスクワーク中心の生活では活動量を増やしづらく、また残業での疲労が溜まると、休日の筋トレで体を鍛えることも難しくなるでしょう。

とくに仕事中、何時間も椅子に座って動かなかったり、休日もソファに座ってテレビやネットサーフィンばかりしている方は要注意。1,210人の健康な若いデンマーク人男性を調査した研究では、テレビを座って1日5時間以上視聴する男性は、長時間視聴をしない男性よりもテストステロンが低いとのデータが得られているのです出典[13]

また、スペインの男性においては、身体活動量が多い男性は運動不足の男性よりもテストステロンが有意に多いことも分かっています出典[14]

テストステロンを維持して性欲減退を防ぐためには、座りっぱなしの生活を避け、運動の機会を作ったり、活動量を増やしたりすることが重要と言えそうですね。

おすすめは意識して歩数を増やすことと、自宅でできる筋トレを習慣化することです。歩数はたった1000歩(10分の歩行)でもテストステロンの増加に役立つため出典[15]、今より10分多く歩くことを意識するだけでも、性欲によい効果をもたらすかもしれません。

テストステロンを増やす効果のある筋トレでは、とくにスクワットのような反復動作のあるものがおすすめ出典[2]。ぜひ自宅でのちょっとしたスキマ時間に、スクワットを取り入れてみましょう。

 

飲み会の増加によりお酒をよく飲むようになった

30代に差し掛かり、飲み会に参加する機会が増えると、お酒の飲みすぎも起こりやすくなります。また仕事のストレスを自宅での飲酒で発散することが習慣になっている方もいるでしょう。

お酒が性欲において完全悪というわけではありませんが、飲みすぎは悪影響でしかありません。アルコールはさまざまなメカニズムでテストステロンの分泌能力を落としたり、体内量を減らしたりすることが分かっています出典[16]出典[17]。性欲減退の悩みを解決したい場合には、まずお酒の量を減らす必要があるでしょう。

性ホルモンへの影響が出にくいとされている量として、週あたり7単位(純アルコール換算で140g未満)、すなわち1日純アルコール換算で20g未満が示されています出典[17]。純アルコール換算で20g未満に留めるための、お酒の上限について簡単にまとめました。

【一般的な酒類のアルコール度数と適正量の目安】

 

アルコール度数

純アルコール20g相当量

ビール

約5%

500mL(ロング缶1本)

日本酒

約15%

約165mL(1合弱)

ワイン

約12%

約208mL(グラス1杯半)

ウイスキー

約40%

約63mL(ダブル1杯)

焼酎20度

20%

125mL

焼酎25度

25%

100mL

飲み会では健康のためにお酒を控えていることを公言し、必要以上にお酒を飲まなくてもよい状況を作ることで、飲みすぎを防ぎやすくなるでしょう。自宅での飲みすぎを防ぐため、お酒のストックを置きすぎないようにすることも重要ですね。

 

残業が増えて睡眠時間が減った

30代になると、仕事において重要な役柄を任されることも増えてきます。プロジェクトを詰めたり残務処理を担当したりするために、残業を繰り返し、睡眠時間が削れることもあるでしょう。

しかし性欲減退を防ぎたい場合、睡眠は最も優先して確保すべきもののひとつです。なぜならテストステロンの分泌は、睡眠時にこそ最も活性化するから出典[18]短時間睡眠が続けば、その分テストステロンのゴールデンタイムを多く逃すことになるため、テストステロンを思うように増やせなくなるでしょう。

平均年齢24.3歳、平均睡眠時間が8時間55分あった男性10名が、睡眠制限により4時間48分まで減らした状態を1週間続けた研究では、日中の血中テストステロンが10~15%減少したと報告されています出典[19]。20代の男性でも短時間睡眠だけでこれほどまでに大きくテストステロンが減るというのは驚くべきことですね。

繁忙期の場合にはやむを得ないかもしれませんが、残業があまりにも長期間続く場合には、仕事量の調整について相談し、睡眠時間を取れるよう働きかけましょう。夕方からはコーヒーのような、覚醒作用のあるカフェイン飲料の摂取を減らすと、入眠までの時間を短縮しやすくなります。

睡眠の質が改善すれば、精神的健康の向上にもつながり、ストレスを減らしやすくなります出典[20]社会人としてのメンタルを健康に保つためにも、十分な睡眠を取れるようにしたいものですね。

 

寝付きの悪さから寝酒をするようになった

性欲減退に悩まされている方、夜の手っ取り早い睡眠導入として、寝酒が習慣になっていませんか?

確かにアルコールは眠気を誘発しやすいため、寝付きはよくなるかもしれません。しかしその後はアルコールの代謝物により交感神経が刺激され、覚醒しやすくなってしまうのです出典[21]

また、慢性的にアルコールを摂り続けることで神経適応が起こり、アルコールがある状態でも脳が正常に活動できるように「慣れて」しまうことが分かっています出典[22]。アルコールに慣れた体はより多くのお酒を飲まなければ寝付けなくなるため、睡眠導入の効果を求めて飲むお酒では量がとくに増えやすく、テストステロンの減少リスクや性欲の減退リスクもさらに高まるでしょう。

厄介なことに、アルコールを今日限りで完全にやめても、睡眠への影響が離脱症状としてしばらく続いてしまいます出典[22]。寝酒の離脱症状として夜の覚醒が強まり、睡眠の質が一時的に大きく下がる可能性もあることも、寝酒をやめづらくしていると考えられるでしょう。

セルフコントロールで寝酒をやめることが難しい場合には、医療機関の助けを借りることも選択肢のひとつです。

 

仕事や妊活などでプレッシャーがかかるようになった

30代は何かとストレスが増えやすい時期です。新人でとにかく目の前のことをこなすことを優先できていた20代の頃と異なり、30代では重要なプロジェクトを任されたり、部下を指導したりする機会も増えてきます

家庭を持った方では家族付き合い、妊活、育児など、さらにライフイベントが増えるため、ストレスの種類も量もさらに増えることでしょう。

こうした精神的ストレスが長期間続く状況では、性欲減退も起こりやすい点に注意が必要です。

長期間のストレスに晒されている例を2つ紹介しましょう。まずストレスを受けやすい立場にある病院の研修医のテストステロンは、同じ病院のほかの職種の方よりも約42.7%も低いとのデータが得られています出典[23]

また、スイスの士官学校では、長期かつ重度のストレスを受け続けた生徒の唾液中のテストステロンが、ストレスが増す前の平均約4.5pg/mLから、9週間後には約3.0pg/mLまで減少したと報告されています出典[24]

ストレス自体も性欲においてよくありませんが、ストレスが続くことによるやけ食いや不眠などもテストステロンを減らす要因となるため危険です。強いストレスのかかる状況が続いている場合には、働き方を相談することも考えてみるべきかもしれません。

 

仕事の忙しさからリフレッシュの機会が減った

現代人とストレスは切っても切れない関係にあり、すべてのストレスを回避することはほぼ不可能です。しかしストレスが多くとも、リフレッシュできる時間や環境があれば、ストレスを減らせて性欲減退も防ぎやすくなるでしょう。

たとえば1399名の男女を対象にした調査では、レジャー活動への参加が多いほど、ネガティブな感情や抑うつ状態のリスクが減少するとの結果が得られており出典[25]、リフレッシュの機会とストレスには逆相関の関係があると考えられそうですね。

ただし30代では仕事が多忙であったり家庭での役割も増えたりして、なかなか自分の時間を作れず、リフレッシュできないと感じている方も多いでしょう。

趣味や気晴らしの時間を作れない場合には、食事や睡眠、入浴で体調を整えることでストレスを抑えてみましょう。十分な睡眠を取ることでストレスを減らしやすくなることや出典[20]ジャンクフードに偏った食生活では、ストレス、うつ病、不安などのリスクが上昇することなどが判明しています出典[26]

野菜や魚など、さまざまな栄養素を取れる食事の用意や、十分な睡眠時間の確保などを意識すれば、体も心もリフレッシュしやすくなるでしょう。

 

性欲減退を改善する最適な方法とは?

30代で性欲減退が見られる場合、加齢によるテストステロンの減少以上に、生活習慣の乱れによるテストステロンへの影響を強く受けている可能性があります。肥満や大量飲酒、睡眠不足にストレスなど、思い当たる課題がある場合には、まず毎日の暮らしを見直し、改善できるところから取り組んでみましょう

とはいえ、課題が複数ある場合にはどれを優先すればよいのかと迷うこともあるかもしれません。また、お酒を控えたり睡眠時間を増やしたりしても、テストステロンの体内量に影響するまでには時間がかかるため、自らの取り組みが適切かどうかの判断がすぐにできず、不安になる場合もあるでしょう。

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