ほうれん草が勃起に効く?期待できる効果と食べ方のコツ
2025年8月5日更新

執筆者

管理栄養士

井後結香

管理栄養士の資格取得後、病院に勤務。献立作成や栄養指導を経験後、健康相談員として地域の特定保健指導業務や疾病の重症化予防事業などに取り組む。健康管理の要となる食事の記事では、無理なく日々の生活に取り入れられるような内容を心掛けている。手軽かつ楽しい食改善で体質の向上を目指せるよう、読みやすく分かりやすい文章での紹介に努めている。

ほうれん草が勃起に役立つ理由4選

勃起の悩みを解決するためには食事によるケアも重要。とくに勃起力の向上に役立つ成分を摂取できる食品は、積極的に取り入れたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

今回紹介する食品はほうれん草。まずはほうれん草に含まれる成分と、勃起力との関係について解説します。

 

豊富な抗酸化ビタミンが精巣と血流を守る

緑黄色野菜であるほうれん草からは、抗酸化物質という、体内に発生した過剰な活性酸素の働きを抑え、酸化ストレスを減らすように機能する成分を効率よく摂取できます。

ほうれん草に豊富なカロテノイド、βカロテンは抗酸化ビタミンであるビタミンAの前段階(前駆体)として機能する栄養素。ビタミンCやビタミンEなど、ほかの抗酸化ビタミンも多めに含まれているため、野菜から抗酸化物質を摂りたい方にはうってつけの野菜とも言えるでしょう。

勃起の指令を出す男性ホルモン、テストステロンは主に精巣で合成されますが、精巣は酸化ストレスにとくに弱い組織として知られています出典[1]。実際にビタミンCやEが不足すると精巣で酸化ストレス状態が発生し、テストステロンの生成に支障が出ることも分かっています出典[2]

ビタミンE不足の男性へのビタミンE補給により血中のテストステロン濃度が増加したというデータも存在しているため出典[3]テストステロンの減少を防ぐためにも抗酸化ビタミンは重要と言えそうですね。

また、抗酸化ビタミンは勃起に重要な血流を守る効果も期待できます。たとえばビタミンEは体内のLDLコレステロールの酸化と、過酸化脂質を原因とする動脈硬化のリスクを下げるように働くことが分かっているのです出典[4]

スムーズな勃起にはスムーズな血流が必要。しなやかな血管とサラサラの血液を保つためにも、抗酸化ビタミンが豊富なほうれん草は役立ちそうですね。

 

亜鉛がテストステロンの分泌をサポート

ほうれん草にはミネラルも豊富に含まれています。とくに貧血予防のため、鉄が豊富なほうれん草が勧められることがありますね。

テストステロンに関わるミネラルとして、亜鉛があります。亜鉛はテストステロンの増加を促すホルモンのうち、脳下垂体から精巣ヘ出される指示「黄体形成ホルモン」の分泌をサポートするように働くことが分かっているのです出典[5]

また、亜鉛は体内の抗酸化能力を高めるためにも役立ちます。私たちの体内には、過剰な活性酸素の働きを抑えるためのさまざまな抗酸化酵素が存在しており、これらは亜鉛をはじめとするミネラルのサポートを受けて働くことが分かっているのです。酸化ストレスの軽減には、ミネラルの補給も重要と言えそうですね。

マウスを用いた実験では、亜鉛補給により陰茎の酸化ストレスが軽減され、勃起機能の改善が見られたとの報告も確認されています出典[6]

ヒトにおいても亜鉛の欠乏は精巣の酸化ストレスと炎症リスクを高め、精巣へのダメージが増え、テストステロンの減少につながることが分かっています出典[7]

亜鉛はレバーをはじめとする肉類、およびナッツにも豊富に含まれていますが、レバーからはビタミンAを、肉類やナッツからは脂質を摂りすぎるリスクがあります。より安全に、より手軽に亜鉛を摂れる選択肢として、ぜひほうれん草を活用しましょう。

 

マグネシウムがテストステロンの活性を高める

次に注目したいミネラルとして、マグネシウムがあります。

テストステロンには、たんぱく質のようなほかの物質と結合した状態の結合テストステロンと、血中にそのままの状態で漂う遊離テストステロンがあります。このうち勃起の指令を出したり性欲を高めたりといった機能性を発揮しているのは遊離テストステロンの方。そのため勃起力の向上には、テストステロンのなかでも遊離テストステロンの量を増やすことが重要と言えそうですね。

マグネシウムには、テストステロンと性ホルモン結合グロブリン(SHBG)との結合をブロックして、遊離テストステロンの割合を増やすように働きがあることが分かっているのです出典[5]

実際に、運動の発汗によりマグネシウムが失われやすいアスリートに4週間のマグネシウム補給をおこなったところ、総テストステロンだけでなく、遊離テストステロンの値も上昇したことが確認できています出典[8]

また、マグネシウム不足は酸化ストレス、脂質異常症、血管内皮機能障害などのリスクを高めることも分かっています出典[9]精巣へのダメージを保護したり、血液をサラサラにしたり、血管をしなやかに保ったりするためにも、マグネシウムが重要であることが分かりますね。

マグネシウムは大豆製品、豆類、ナッツ、海藻、野菜など、さまざまな食品に含まれていますが、日本人の摂取量はやや不足しています。手軽に食べられるほうれん草でマグネシウムの不足を解消すれば、遊離テストステロンの量が増え、勃起にもよい影響が見られるかもしれませんね。

 

NO3により血流を改善して勃起をサポート

勃起するためには、興奮により陰茎の血管が拡張し、そこへ大量の血液が流入する必要があります。血管の拡張において重要なのが、陰茎平滑筋の弛緩を担うとされる主成分、一酸化窒素(NO)出典[10]

体内でNOを生成するルートは複数ありますが、ほうれん草からはそのルートに必要な栄養素、ナイトレート(NO3)を摂ることができるのです。NO3からの還元によってNOが得られるため、NO3の摂取量が多いほど、体内でNOを作りやすくなり、勃起もしやすくなると考えられるでしょう。

ほうれん草よりもさらにNO3が多い赤ほうれん草から抽出したNO3を、11名の健康な男性が15日間、6m mol/日の量で摂取した実験では、安静時の呼気NO濃度の上昇が上昇していました。また血圧の低下も確認できたことから、実際にNO3の摂取量を増やすことで、血管が拡張しやすくなったと読み取れるでしょう出典[11]

また、NOは酸化されやすい物質でもあるため、NOによる血管拡張の効果を得たい場合には体内の抗酸化力も重要。ほうれん草に豊富な抗酸化ビタミンや亜鉛により体内の抗酸化力が高まれば、NO3から生成されたNOの酸化を防ぎ、血管の拡張へ利用しやすくする効果も期待できそうですね。

NO3はほうれん草のほか、レタスや白菜、ビートルートからも摂取可能です出典[12]。レタスや白菜などのようは葉物野菜はほうれん草と同様に入手が容易であるため、あわせて積極的に取り入れてもよいでしょう。

 

ほうれん草の効果的な摂り方

このように、ほうれん草からは抗酸化ビタミンやミネラル、NO3など、勃起に役立つ栄養素を複数摂取できることが分かりました。

ここからはほうれん草を食事に取り入れる際に気を付けたいことについて解説します。ほうれん草は手軽な調理でおいしく食べられる野菜です。自炊が苦手な方も、ぜひほうれん草のおかず作りに挑戦してみましょう。

 

1日100gを目安に

ほうれん草は優れた野菜ではありますが、ほうれん草ばかり食べる極端なやり方は避けるべきです。

1日に食べる量の目安を考える際には、厚生労働省から発表されている健康日本21(第三次)が参考になるでしょう。1日の野菜摂取量は350gが目標値として示されています出典[13]。そのため1日にほうれん草を350g食べようと考える方もいるかもしれませんが、ほかの野菜を摂れる余地を残すため、1日100gを目安にするとよいでしょう。

ほうれん草はさまざまなビタミンやミネラルを含む非常に優秀な野菜ではありますが、抗酸化物質として機能するポリフェノールやカロテノイドは、ほかの野菜からの摂取の方が効率的である場合があります。

たとえば玉ねぎに含まれるケルセチン。ラットを用いた実験により、ケルセチンの補給で酸化ストレスが軽減されたことや出典[14]NOの生成量が増えたことなどが確認されています出典[15]

ほかにはトマトから効率よく摂取できるリコピン。リコピンの摂取量が多いほど勃起不全のリスクが下がるとのデータが、3,245名の男性を対象とした調査で明らかになっているのです出典[16]

このように、勃起力の改善に役立つと考えられる栄養素は、ほうれん草以外の野菜にも含まれています。効率よく勃起力を高めるため、さまざまな野菜を日々の食事に取り入れましょう

 

下茹ででシュウ酸を除去して食べよう

ほうれん草ばかり食べる生活を避けるべき理由はもうひとつあります。それがほうれん草のアクの成分であるシュウ酸。

シュウ酸はカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムと呼ばれるカルシウム結石を形成。これが尿道に詰まることで起こる尿路結石は、ほうれん草の摂りすぎにより起こるトラブルのひとつとして有名ですね。非常に激しい痛みが起こるため、尿路結石の発生はなるべく避けたいものです。

尿路結石のリスクを減らすためには、ほうれん草の食べ過ぎを防ぐとともに、調理過程でシュウ酸の量を減らす必要があります。そのために必要なのが下茹で作業、いわゆる「アク抜き」です。鍋にたっぷりのお湯を沸かして、ほうれん草を根元から入れ、1~2分茹でることでシュウ酸を溶出させられます。

下茹でしないままではシュウ酸を多めに摂ることになり、毎日ほうれん草を食べる場合には尿路結石のリスクも高まります。ほうれん草は必ず下茹でしたものを摂りましょう。茹でてすぐに水へと晒すと、色を鮮やかに保ちやすくなるほか、熱に弱いビタミンCの損失を抑える効果も期待できますよ。

スムージーやサラダとしてほうれん草を用いたい場合には、サラダほうれん草の活用をおすすめします。一般的なほうれん草よりもシュウ酸の含有量が少なく、えぐみも感じにくいためおいしく食べられるでしょう。

 

少量の脂質とともに食べて抗酸化力UP

ほうれん草はおひたし、味噌汁、バター炒め、キッシュなど、さまざまな料理に使用できます。

カロリーの摂りすぎによる肥満はテストステロンの減少リスクを高めるほか出典[17]、脂質の摂りすぎによりリスクが高まる脂質異常症は勃起不全の原因にもなるため、高脂質かつ高カロリーのバターやごま油を用いた料理は控えめにしたいところ。

しかしほうれん草に豊富なβカロテン、およびビタミンEは脂溶性のため、油を用いた料理の方が吸収率が高まる性質があります。そのため、少量の油とともにほうれん草を摂れるよう工夫してみましょう。おひたしの上に油揚げの千切りを少量トッピングしたり、良質な脂質が摂れる卵とほうれん草をともに炒めたりする方法がおすすめです。

トマト由来のβカロテンやリコピンのような脂溶性の栄養素の吸収率を調べた実験では、トマトと、高脂質食品であるアボカドを併せて食べた場合、リコピンの吸収率が単体摂取の4.4倍に、βカロテンは2.6倍にもなったとのデータが得られています。一方で、脂質を12g加えた場合と24g加えた場合とでは、吸収率には差が見られなかったとも出典[18]

βカロテンの吸収には脂質が効果的ですが、量をむやみに増やしても吸収効率が上がるわけではないと言えそうですね。

少量の脂質と併せる調理法で、ほうれん草に豊富な栄養素を効率よく摂りましょう。

 

勃起を改善する最適な方法とは?

勃起の悩みを解決するための野菜として、今回はほうれん草を紹介しました。

ほうれん草に豊富な抗酸化ビタミンやミネラル、NO3などには、テストステロンの減少を防いだり、血流を改善したりして勃起力を高める効果が期待できます。適切な下処理をしたほうれん草で、勃起に関わる栄養素を効率よく摂取しましょう。

なお、勃起に役立つ食品はほうれん草のほかにも多数あります。また食事のみならず、運動や睡眠、ストレス管理など、生活習慣全般のケアをおこなうことで、より勃起の悩みを解決しやすくなるでしょう。

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