執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
目次
テストステロンが増えると顔が変わるって本当?
結論から言うと、テストステロンで顔が変わることは半分正解で半分間違いです。
テストステロンは男性ホルモンの代表格であり、勃起や精子形成などの男性機能の向上、筋肥大などに深く関わっています。
身体面だけでなく、精神面にも影響を与え、勇敢さ・大胆さ・挑戦心などをもたらしますが、顔つきにも影響を与えると言われています。
実際にいくつかの研究で、出生前や思春期のテストステロン量が多いと顔に下記のような特徴が表れることが示されています出典[1]出典[2]出典[3]出典[4]。
- 顔の幅が広くなる。
- 下顎が突き出て、彫りが深くなる。
- 眉間が盛り上がり、相対的に目が細くなる。
- 頬骨の盛り上がりが減少する。
つまり顔の骨格が形成される時に多くのテストステロンが分泌されると、彫りが深く男らしい顔つきに育ちます。
一方で、2018年にドイツのゲッチンゲン大学で行われた研究で、成人においてはテストステロンの量と男らしい顔つき(顔の幅の広さ)には相関関係がないことが示されています出典[5]。
したがって、テストステロンの分泌量が増えると思春期までは顔が変わる可能性があります。
しかし顔の形が定まった大人では、どんなにテストステロンを高める努力をしても顔は変わりません。
なぜテストステロンが増えると顔つきが変化したと感じるのか?考えられる4つの理由
テストステロンは顔の骨格を変化させるわけではないので、テストステロンの作用で直接的に顔つきが変わるわけではありません。
では、なぜテストステロンが増えると顔つきが変わると感じるのでしょうか?
考えられる4つの理由を紹介します。
理由1.顔の脂肪が落ちて顔が細くなる?
1つ目として考えられるのは、顔の脂肪が落ちることで顔が細くなることです。
顎や頬は顔の中でも脂肪が付きやすい部位です。顔の脂肪が落ちると頬のラインが引き締まり、シュッとした、すっきりとした顔立ちになります。
実はテストステロンには脂肪を落とす作用があることがわかっています。脂肪を細胞内に取り込むのを抑えたり、脂肪分解を高めたりすることで脂肪が溜まりにくくなるのです出典[6]。
また、肥満はテストステロンを低下させる要因です。運動や食事管理などで体重を落とすと結果的にテストステロンを高まります出典[7]。
テストステロンを増やすためにダイエットした結果、顔の脂肪が落ち、顔立ちが変わったと感じるのかもしれません。
理由2.内面が変わり見た目も変わる?
2つ目に考えられるのは、テストステロンが増えることでの内面(精神面)の変化が、見た目に影響を与えた可能性です。
「自信のなさは顔に出る」と言われるように、精神面の変化は表情に現れます。例えば、自信がつくと目元がキリッとしてくるので、表情から力強さや堂々とした様子を表情から感じることができるのです。
テストステロンには脳内に作用し、心を前向きにしたり、やる気や行動力を高めたりする作用があります出典[8]。
テストステロンの高まりによる精神面の変化が表情に現れたことで、顔つきが変わったと感じられる可能性があります。
理由3.あまり笑わなくなる?
3つ目として、テストステロンが高まることであまり笑わなくなった可能性が考えられます。
笑う時には表情筋とも呼ばれる、頬の大頬骨筋・小頬骨筋と、目の周りの眼輪筋などの動きが大事です。大頬骨筋や小頬骨筋は口角を上げる役割、眼輪筋には目尻を下げる役割があります。
1997年にアメリカのジョージア州立大学で行われた研究で、男性119名を対象に笑顔のポーズの写真とテストステロンの量の関係が調べられました。テストステロンが多い男性は大頬骨筋と眼輪筋の筋肉活動が少なく、笑顔が小さくなることが確認されています出典[9]。
大頬骨筋や眼輪筋などの活動が減少し、筋力が衰えると表情の変化が小さくなるので、顔つきが変化したように感じられます。
理由4.睡眠を重視することで若々しい顔になる?
4つ目に考えられるのは、睡眠を重視することで若々しい顔になった可能性です。
睡眠が十分でないと、顔色や表情は悪くなります。睡眠不足で血流が悪くなると、肌に栄養が行き届かなくなり、肌がむくんだり、肌の潤いが失われたりして顔全体がくすんで見えるからです。逆に睡眠がしっかりと取れると、肌のむくみや潤いが戻るので若々しく見えるようになります出典[10]。
テストステロンは睡眠中に合成されるので、睡眠不足はテストステロンにとっても大敵です。テストステロンが多い人は睡眠の質や量を重視している傾向にあるので若々しく見えるようになるのではないかと考えられます。
睡眠は肌のトラブル以外にも免疫力の維持や生活習慣病予防にも欠かせません。
しっかりとした睡眠を取るように心がけましょう。
テストステロンと外見に関してよくある質問
テストステロンは骨格を変えるわけではないので顔つきに影響は与えません。
しかし、先程までで紹介したように見た目(外見)には影響を与えます。
次に、テストステロンと外見に関してよくある質問を2つ紹介したいと思います。
テストステロンを増やすと髭は濃くなりますか?
1つ目は男性の特徴的な外見の一つである髭についてです。「テストステロンが増えると髭が濃くなるのではないか?」との質問がよくあります。
答えはNOです。
確かにテストステロンは思春期までは、髭やスネ毛、胸毛などの体毛の成長に関わっています出典[11]。しかし、成人後のテストステロンの変化は髭の長さなどの体毛の成長に影響を与えません。
2021年にポーランドのヴロツワフ大学で97人の若い男性を対照に行われた研究で、ひげの長さとテストステロンの量に関係がないことが示されています出典[12]。
髭が濃いとダンディな印象もありますが、万人受けが良いわけではないので、体毛の濃さを気にしている人もいるかと思います。
テストステロンが増えても髭は濃くならないので安心してください。
オナ禁をするとイケメンになりますか?
2つ目は、「オナ禁をするとイケメンになりますか?」という質問です。
こちらも答えはNOです。
確かに射精を行うとテストステロンは減少してしまうので、一定期間の禁欲はテストステロンの量を維持する上で大事になります。
しかし、禁欲してもテストステロンの量は禁欲前に戻るだけで、ベースの量が上がるわけではありません出典[13]。
テストステロンが増えるわけではないので骨格はもちろんのこと、表情の変化や体脂肪の減少等の効果も期待できないのです。
まとめ:骨格は変わらないが、脂肪量や内面が変化することで顔つきが変化するかも...!!
今回はテストステロンと顔つきの関係について論文を基に紹介しました。
テストステロンは骨格そのものを変えることはできないので顔つきは変わりませんが、脂肪を落とす作用や精神面の変化などにより、見た目の変化はもたらしてくれます。
運動や食事療法などの生活習慣の改善でテストステロンを増やし、男らしい魅力的な見た目を手に入れましょう。
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