ぐっすり眠れないのはストレスが原因!耐性を高める7つの方法
2023年11月21日更新

監修者

睡眠健康指導士/ロジスティクス管理3級

室井優作

心と体の健康の要となる睡眠のスペシャリスト。眠りに悩みを抱える方のコンサルティングを日々行っている。プロボクサーを目指しており、運動やダイエットに関する指導も可能。おすすめの寝具はウェイトブランケット。

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

慢性的なストレスは眠りを浅くする?

翌日が休みだと思うとリラックスしてゆっくり眠れます。しかし、翌日が勤務だと思うと少し気が重い…翌日が休日か勤務日かでは、眠るときの気持ちが違いますね。これは感覚的な問題でしょうか。

2014年に韓国で行われたレビュー研究では、翌朝仕事に行くことに対する不安は深く眠ることを妨げると報告しています出典[1]

また、この報告では、勤務日前の労働者の睡眠は休日前より総睡眠時間が短く、健康を左右するレム睡眠時間が短いとも述べています。

翌日が勤務の日は良く眠れない…これは感覚的な問題ではないのですね。ウィークディは翌日の勤務の不安にさらされて、ずっと深くは眠れていないのです。

睡眠には記憶の整理や脳の疲れを取る役割があります。眠りが浅いと脳は働きっぱなしの状態です。

 集中力や記憶力が低下し、書類の書き間違いや忘れなど人為的ミスにつながる可能性も起きます。

仕事上でミスを起こさないためだけではありませんが、毎日生き生きと過ごすためにも深く眠る必要があります。

 

ストレス耐性を高める方法7選

よく眠るためにはストレスの原因を取り除くのが一番ですが、生活する上で完全に取り除くことは難しいもの。この記事ではストレスへの耐性を高める方法を7つ紹介します。できることから実行してみましょう。

1.ストレスはいいものだ!と考えてみる

日常生活の中で逃れることができない数々のストレス。しかし、「ストレス は人生のスパイス」とも言われ、よい効果もあります。ストレスによい効果があるのは以下の理由からです。 

  • 集中力を上げ、能力を高める
  • 困難を克服して目標を達成すれば、充実感がある
  • 人間的に成長できる

ストレスは捉え方次第で味方にもなってくれます。このことについては、2019年にアメリカのペンシルバニア州立大学で、59名の男子学生を対象に行われた研究の報告があります出典[2]。この研究では、マインドセットの違いがストレス反応に及ぼす影響について調査しました。

研究では参加者に15分間マインドセットのレクチャーの後、30分間ストレスのかかるタスクを行いました。

15分のレクチャーでは、「ストレスは生産性や学習能力を高め、成長をもたらす」「プレッシャーがパフォーマンスを高め、達成感や自信をもたらす」などのストレスが味方である旨が伝えられました。

その結果レクチャーを受けたグループでは、タスク後のDHEA(ストレスホルモンの悪影響を和らげるホルモン)の分泌量が2倍以上増加しました。レクチャーを受けなかったグループは全く変化しなかったにも関わらずです。

「ストレスがかかる」と逃げ腰ではなく、「ストレスはいいものだ」と考えてみましょう。そうすれば、能力が高まり、人間的な成長にもなります。ストレスがかかる状況を楽しめるようになると、仕事への取り組み方も違ってくるのではないでしょうか。

 

2.完璧主義をやめる

完璧主義の人は目標設定が必要以上に高く、すべてが整った状態を目指して努力します。自分自身にとても厳しく、自分自身のミスや失敗を許せず、がんばり過ぎてしまう特徴があります。そのため、些細なミスもストレスの原因です。

そのような自分の性格を見直してはみませんか。というのも、2021年にアメリカのブリティッシュコロンビア大学で行われた研究では、完璧主義がうつ病の重症度を高めることを示唆しているからです出典[3]

適度なストレスは成長やスパイスにもなりますが、過剰なのは考えものです。またストレスも仕事上など他人から受けるものや環境によるものは避けられません。そこで完璧主義の人は「まあいっか」の精神を持つことでストレスを受け流すべきでしょう。

完璧主義をやめると、プレッシャーから解放され、自由に行動できるようになります。自分に寛容になると他人にも寛容になれるので、周りの人にイライラすることも減り、人間関係がよくなるでしょう。そして、周りからのストレスも減るでしょう。

 

3.家族や友人との関係を大切にする

家族や友人など親しい人との繋がりも大切にしましょう。ストレス耐性を高めるものの1つは、社会的な繋がりです。

家族や友人などとの繋がりは、脳内のホルモンや神経伝達物質などに作用して、ストレスに対する回復力を与えてくれます出典[4]。これらの繋がりがストレスを感じやすい遺伝的素因や激しい労働環境などを乗り越える支えになってくれるのです。

日本でも2013年に、2,004名の65歳以上の高齢者を対象に震災前と震災後のデータを分析をするという研究が行われました出典[5]。この研究では、震災後のうつ発症リスクは震災前の社会的サポートがあると40%減少したと報告しています。

どんなときも社会と適度につながりが持てるように、周囲の人と仲良くすることが大切です。そのことが自分自身の精神や身体の健康や安全を保つことになります。

社会的サポートは多いほどよいです。「若いから近所との交流は面倒」と言わないで、旅行したら土産を購入するなどして交流する人を少しでも増やしましょう。


4.他人に親切にする

自分が周囲から与えてもらうことだけを期待してはいませんか。自分から他人に親切にすることも大切です。

2019年にニュージーランドのオタゴ大学で親切な行為の量や幸福度、レジリエンス(落ち込んでも立ち直る力)について調べる研究が行われました出典[6]。この研究での親切な行為とは、隣人を助けたり、ボランティア活動をしたりすることです。

報告では、他人に親切にする量が多い人ほど、幸福度が高く、ストレス耐性が高いことが明らかにされています。そして幸福度の35%、ストレス耐性の5%は他人への親切の量で決まるとしています。

ボランティア活動は時間的な制約もあるので少しハードルが高いですが、興味や機会があればしてみるのもいいでしょう。昨今は隣人との関係も希薄ですが、ボランティア活動よりは始めやすく、「もうしている」という人も多いのではないでしょうか。まだの人は自分のためにも始めることをおすすめします。

 

5.1日30分のウォーキングを週2回行う 

ストレス耐性を高めるためには体を動かすことも大切です。

2016年、ドイツのカールスルーエ工科大学では61名の学生を対象に、定期的な運動がレジリエンスを高めるかという研究をランダム化比較試験で行いました出典[7]

この研究では、1回30〜60分のウォーキングを週2回、定期的にしていると、学力試験の時期の自律神経系へのストレスの影響を大幅に減少させると報告しています。

このことは、週2回の軽い運動でもストレスへの有効な予防方法になることを示しています。

ウォーキングは手軽に行える定期的な運動です。ウォーキングのほかに手軽に行えるおすすめの運動を以下に挙げました。

  • 水中ウォーキング
  • 水泳
  • ジョギング
  • 縄跳び
  • エアロビクス
  • サイクリング
  • トランポリン

すぐに週に2回、30分ずつというのは難しいかもしれませんね。1回に10分、15分でもいいから歩くということから始めて、少しずつ時間を長く、回数を増やしてみるという気持ちで始めてみましょう。

 

6.食物繊維と発酵食品を食べる 

「強いストレスや不安でお腹がゴロゴロする」という経験がある人もいるのではないでしょうか。実は脳と腸は深く関わっており、どちらか一方が不調になるともう一方も正常な機能を失ってしまうのです。

また、ストレスは体内に活性酸素を発生させます。活性酸素を消去するためには抗酸化物質を食事で摂取することが必要です。つまり、腸内環境が整い、ビタミンCやビタミンE、カロチンなどを摂取すれば、ストレス耐性が強くなると言えるでしょう。

2022年にアイルランド国立大学コーク校で成人45人を対象に食事とストレスの関係について研究が行われました出典[8]。この研究では、発酵食品を食物繊維を4週間摂ることでストレスの軽減が確認されたと報告しています。

腸内環境を整えるためによい、発酵食品や食物繊維が豊富な食べ物の例は以下の通りです。

【腸内環境を整えるためによい食品・食べ物】

 
発酵食品納豆、生ハム、漬物、ヨーグルト、チーズ、味噌、しょうゆ、酒、パンなど
食物繊維の豊富な食べ物玄米、胚芽米、麦めし、とうもろこしなどの穀類、納豆、おからなどの豆類、ごぼう、ふき、セロリ、アスパラガス、青菜類、キャベツ、白菜など野菜類、くだもの、きのこ類、海藻類

研究では、発酵食品を毎日2~3食、食物繊維が豊富な野菜と果物を毎日6~8皿摂ることを指示されています。

全く摂取していなかったのに、いきなりたくさん食べることは難しいでしょう。まずは1皿増やすことから始めましょう。

 

7.瞑想

瞑想は心と体をリラックスさせるために行う心理療法。近年の研究からストレス耐性を高める効果が期待できることが報告されています。

2021年にドイツで332人の成人を対象に、瞑想のストレスに対する効果を調べるためのランダム化臨床試験が行われました出典[9]。この研究では6か月間の瞑想でストレスが25%減少したと報告しています。

瞑想では不安や心配ごとなどを考えないようにします。コツは「1つのことに意識を向けない」ことです。

簡単な瞑想方法を以下に挙げます。

  1. 静かな場所で、目を閉じ、自分の呼吸に意識を向ける
  2. 息を吸いながら「1つ」と数え、吐きながら「2つ」、次の息を吸いながら「3つ」というように10まで数える。さらに最初にもどって「1つ」から始める
  3. 何かが浮かんできたら、手放して流し、呼吸に意識を戻す

以上を10分間続けます。最初から10分は難しいかもしれませんが、すき間時間で始めてみるのはいかがでしょうか。
 

やってはいけないストレス解消行動4つ

どれだけストレス耐性を高める習慣を意識していても、ストレスを増幅させる行動をとっていると意味がありません。ここでは、やってはいけないストレス解消行動を4つご紹介します。心当たりのある人は今すぐにでも止めましょう。

1.お酒を飲む

アルコールは睡眠の敵です。なぜなら、以下のような理由があるからです。

  • アルコールの利尿作用でトイレが近くなる。体内から水分が奪われて喉が渇きやすくなる。
  • アルコールの筋弛緩作用でイビキをかきやすくなる。気道が塞がれ一時的に呼吸ができなくなる場合もある。
  • アルコールの入眠作用は3時間くらいで切れ、その後は代謝でできるアセトアルデヒドの覚醒作用で深い眠りは減り、浅い眠りが増える。

2022年にアメリカのミシガン工科大学とモンタナ州立大学で31人の成人を対象に、アルコールの摂取と睡眠の関係を調べる研究が行われました出典[10]。この研究では、アルコールは総睡眠時間を15分減少させ、さらに睡眠効率や身体の健康維持に必要なレム睡眠時間の割合を減少させたと報告しています。

アルコールは摂取時刻を考えれば、ストレスを緩和し、コミュニケーションを円滑に進めるのに役立ちます。夜に飲むのは控えて、休日の昼間に飲むようにしましょう。

 

2.ジャンクフードを食べる

ファーストフードやスナック菓子などのジャンクフード(junk food)は食べるとおいしいと感じ、ついたくさん食べてしまいます。しかし、高カロリー、高塩分、高脂肪で、体に必要なビタミンやミネラルなどの栄養素は殆ど含まれていません

「junk」とは、「がらくた」の意味で、体には「役に立たない」という意味で使っています。

2011年にスペインのナバラ大学で、大学卒業生を対象に前向きコホート研究が行われました出典[11]。この研究では8964人のデータを解析しましたが、ファーストフードを食べる人はうつ病リスクが40%も高いと報告しています。

体には役に立たず、メンタル疾患にもなりやすい…そんなジャンクフードの代わりにおやつには以下のようなものを食べましょう。

  • くだもの
  • ヨーグルト
  • チーズ
  • ナッツ
  • ドライフルーツ
  • 高カカオチョコレート
  • 野菜チップス
  • 干し芋
  • 甘栗
  • おからクッキー・おからドーナツ

健康に関心を持って、「からだに良い成分を含んだもの」を食べましょう。

 

3.ストレスに向き合わない 

「時間が解決する」というのが幻想で、実は時間はそれほどストレスを癒してくれないことが研究からわかっています出典[12]。であるならば、積極的に向き合うことがストレス耐性を高めます

ストレスそのものを完全になくすことは難しいですが、上手に対処する方法を考えることができます。例えば下記のようにストレスを感じる状況や対策をリスト化することはおすすめです。

  • 上司に理不尽に怒られた→自分のいいところを3つ考える
  • 仕事が思うように進まない→好きな飲み物を飲んで一度落ち着く
  • 考え事がまとまらない→走って頭をすっきりさせる
  • 家族とうまくっていない→学生時代の友人に話を聞いてもらう

リスト作成のコツはできる限りポジティブな対策を考えること。対策が多ければ多いほどストレス耐性は高まります。

実際にストレスを感じた時に自分でできる対処法や楽しくなる方法、相談できる人を書きだしましょう。リストの内容が多ければ多いほどストレス耐性は高いと言えます。


4.SNSをだらだらと見る 

スマートフォンは時間や場所に関係なく、インターネットに接続できるので、大変便利です。手軽に情報収集や情報発信ができるので、SNSを利用する人が急増しました。

SNSの中で仲間を見つけ、楽しんだり、ストレスを解消したり、悩みを解決したりしている人も多いでしょう。逆に現在社会でSNSに関わらないで、生活するのも難しい…そのくらい、SNSは現代社会に溶け込んでいます。そのため、長い時間SNSを見ている人も多いかもしれませんが、実はあまり好ましくありません。

2016年にアメリカのピッツバーグ大学でSNSの使用時間について、1,787 人の成人を対象にうつ病リスクの研究が行われました出典[13]。この研究では、SNS使用時間が長くなるほどうつ病リスクが増加すると報告しています。

さらにスマートフォンから出ているブルーライトは睡眠の質を低下させます。SNSで友だちや家族と連絡する場合もありますが、就寝前には見ない、だらだら見ることはしないなど自分で決まりを作って守りましょう。

 

まとめ:ストレス耐性を強化して深い眠りを!

ストレスが多くてぐっすり眠れないと悩んでいる方もいるでしょう。しかしストレスが全くない状態はかえって生きづらいものです。自分が一人で孤島で生活することを想像してみましょう。ストレスは適度にあって、うまくつき合って行くくらいがちょうどよいのです。

本記事ではストレス耐性を高める方法を7つ紹介しました。その範囲は食生活や周囲の人たちとのつき合い方にまで及び、自分の生活を見直すいいきっかけになった人もいるかもしれません。すぐに全部を実行するのは難しいかもしれませんが、質の良い睡眠をとるために、可能なものから取り組んでみてくださいね。

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