<副作用に注意!!>ロディオラとは?7つの効果と適切な摂取方法
2023年9月11日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

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ロディオラ(イワベンケイ)とは

ロディオラは、ヨーロッパやアジア、北米などの気温が低い山岳地帯で生息するハーブの一種です。日本では北海道や高山帯にみられ、「イワベンケイ」とも呼ばれています。

ロディオラには精神的疲労やストレスを改善する効果があるとされており、ロディオラ成分が配合された栄養補助食品も販売されています。

まずは、ロディオラが人体に与える働きやアシュワガンダとの違いについてご紹介します。

 

1.精神的疲労を改善するハーブとして知られている

ロディオラ(イワベンケイ)は精神的疲労やストレスを軽減させるハーブとして、中国やギリシャ、ロシアなど世界中で古くから使用されてきました出典[1]出典[2]。現在では、ロディオラの成分が配合された栄養補助食品も市場に出回っています。

ただし健康効果は、厚生労働省からヒトを対象とする研究データが不足していると指摘されています出典[3]

また副作用としてめまいや口渇、過剰な唾液分泌などの症状が確認されているのです出典[2]出典[3]。ロディオラのサプリメント摂取後にこれらの症状が発生した場合は、一旦使用を中止して医療機関に相談しましょう。

 

2.作用機序:交感神経を優位にさせる

ロディオラは、交感神経を優位にさせる働きを持っています出典[4]出典[5]。交感神経が優位になると、やる気が出る・体の疲れを感じにくくなることからポジティブな気持ちが生まれ、アクティブな生活ができるようになるのです。

ロディオラを始めとしたストレスを軽減させる・人体への悪影響が少ないハーブは「アダプトゲン」と呼ばれています。

アダプトゲンは、疲労やストレス状態によって引き起こされる症状を軽減させるだけでなく、抵抗力も高めるとして注目されている成分です出典[4]

 

3.ロディオラとアシュワガンダの違いは?

ロディオラと同じく「アダプトゲン」の一つとされているハーブが、アシュワガンダです。ロディオラとアシュワガンダは得られる効果が似ているものの、人体への働きには違いがみられます。

ロディオラは交感神経を優位にさせることでストレスへの抵抗力を高める作用があります出典[5]一方、アシュワガンダは、副交感神経を優位にさせることで気分を落ち着かせ、ストレスを緩和させる働きがあるのです。

このことからエネルギッシュに過ごしたい場合はロディオラ、リラックスしたい場合はアシュワガンダが適していると言えるでしょう。

 

ロディオラ(イワベンケイ)の効果効能8選!

ロディオラ(イワベンケイ)は、ストレスを軽減させる効果だけでなく、認知機能の改善や有酸素運動のパフォーマンス向上、肝機能障害の改善など幅広い健康効果に繋がる可能性が示されています。

ここからは、ロディオラに報告されている健康効果についてみていきましょう。

 

1.認知機能の改善

ストレスや疲労が重なると、注意力や作業効率などの認知機能が低下してしまいます。ロディオラの摂取によるストレスや疲労の軽減は、認知機能の改善に役立つのです。

30〜50歳の健康な被験者50名に、ロディオラ抽出物200mgを1日2回、12週間投与し、開始時、6週間後、12週間後の認知機能について調査が行われました。その結果、ロディオラの投与期間が長いほど注意力や作業効率が高まることが分かりました出典[6]

疲れが溜まって作業がなかなか進まないという方は、ロディオラのサプリメントの力を借りてみるのも良いでしょう。

 

2.不安感の改善

ロディオラは、不安症状を改善させる効果が期待されています。

イギリスの大学において、自己申告による不安などの気分症状に対するロディオラ抽出物の影響についての研究が行われました。この研究では、軽度の不安を持つ被験者80名を、ロディオラ抽出物200㎎を朝食前と昼食前に1錠ずつ摂取するグループと摂取しないグループに無作為に振り分けて分析しています。

14日間にわたり4回のテストを行ったところ、ロディオラ抽出物を摂取したグループでは、14日目で自己申告による不安が約14%減少し、全体的な気分が大幅に改善されたことが判明しました出典[7]

日々の生活で不安感を抱えている方、メンタルを改善させたい方は、ロディオラのサプリを検討するのも良いかもしれません。ただし、ロディオラには副作用が確認されているので、体調の様子を見つつ摂取することを意識しましょう。

 

3.「幸せホルモン」のセロトニンを分泌させ気分を改善する可能性

セロトニンは、不安や気分の落ち込みを改善させることから「幸せホルモン」とも呼ばれる物質です。ロディオラはセロトニンの分泌を促すことで、気分を改善する効果が期待できます。

ラットを対象に、ロディオラ投与によるセロトニン分泌への影響について実験が行われました。ニコチンの禁断症状がみられるラットにロディオラ抽出物を投与したところ、セロトニンの受容体が有意に増加しました。この結果は、ラット体内でセロトニンの感度がアップしたことを示唆しています出典[8]

ストレスや不安を軽減したい方は、セロトニンの分泌量を高めることも重要なポイントです。セロトニンを高める目的でも、ロディオラの使用について検討の余地があります。

 

4.燃え尽き症候群の改善

強い責任感を持って物事に取り組んでいた人が、突然やる気が無くなって何もできなくなってしまうことがあります。こうした症状は燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)と呼ばれており、要因とされているのは過度なストレスです。

燃え尽き症候群の患者118名を被験者とした臨床試験が行われました。ロディオラ抽出物を1日あたり400 mg、12週間にわたって投与したところ、89.7%といった大多数の患者に症状の改善傾向がみられています出典[9]

突然やる気が出なくなった・仕事や生活に対して意欲が出ないといった燃え尽き症候群を抱えている方は、ロディオラのサプリメントを使いながら解決方法を探っていきましょう。

 

5.慢性疲労の改善

疲労は、エネルギー不足や感情の落ち込み、モチベーションの低下、集中力と記憶力の低下が要因とされています。特に、疲労感が6ヶ月以上続く状態を慢性疲労と呼びます。

ロディオラは、こうした慢性的な疲労の改善にも有効です。

ウクライナの病院において、慢性疲労を抱える人に対するロディオラの影響についての研究が行われました。この研究では、慢性的な疲労症状のある被験者100名を対象に、ロディオラ抽出物200 mgを1日2回、8週間にわたって投与し、疲労やストレス症状の変化を測定しています。その結果、ロディオラ抽出物を投与して1週目で疲労症状の減少が始まり、8週目には有意な改善が見られました出典[10]

忙しくてなかなか疲れが取れない方は、リフレッシュのためにロディオラのサプリメントを使ってみるのも良いでしょう。

 

6.運動後の疲労を軽減

ロディオラは、運動後の乳酸と脂肪酸濃度を減少させる作用があります。この効果は、運動後に感じる疲労の軽減に大きく関わっています。

男性アスリート14名を被験者としてロディオラ摂取による運動後の疲労への影響について研究が行われました。この研究では、4週間にわたり、ロディオラを補給してからトレーニングを行い、血液サンプルを採取して疲労について分析しています。その結果、ロディオラの摂取によって血液中の乳酸や脂肪酸濃度が有意に減少したことが判明しました出典[11]

運動後の疲れが取れない方・モチベーションが上がらない方は、運動前にロディオラのサプリメントを摂取するのがおすすめです。

 

7.有酸素運動の能力向上

有酸素運動はダイエットやボディメイクに効果的であることが広く知られています。しかし、長時間の有酸素運動は身体的な疲労だけでなく精神面にも負荷がかかることから、なかなか継続できない方も多いのではないでしょうか?

ロディオラは運動中の精神的負担を軽減させる効果が確認されている成分です。またこの結果から運動パフォーマンスの向上も期待されています。

20〜30代の男性10名を被験者として、ロディオラの摂取によるサイクリングの影響について分析が行われました。被験者は体重あたり3mgのロディオラ抽出物を摂取した後、30分間のサイクリングを2回実施し、運動中に感じる強度(きつさ)と運動後のポジティブな感情の強さを測定しました。その結果、運動開始30分の時点で運動中に感じる強度(きつさ)が約13%軽減され、運動後のポジティブな感情が有意に高くなったことが判明しています出典[12]

日頃からサイクリングやジョギングなどを行っている方はもちろん、精神面にかかる負担から有酸素運動の継続ができなかった方にも、ロディオラは心強い成分と言えそうですね。

 

8.肝機能障害を改善する可能性

「肝臓の機能が悪化する=お酒の飲み過ぎ」とイメージしてしまいますが、肝機能の悪化に関わるのはお酒だけではありません。全くお酒を飲まなくても、肥満や脂質の摂り過ぎが続くと肝臓に脂肪が蓄積します。その結果、肝機能障害が引き起こされるのです。こうしたお酒以外の原因による肝機能障害は「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」と呼ばれ、肝硬変や肝臓がんのリスクを高めるといわれています。

最近の研究では、ロディオラの投与が脂質の代謝を促進し肝臓への脂肪の蓄積を軽減させることから、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を改善させる可能性が示されているのです。

高脂肪食を16週間摂取したラットに、ロディオラ抽出物を投与した結果、肝臓に蓄積していた脂肪が軽減していたことが分かっています出典[13]

肝臓の健康を維持するためには、食事バランスを整える・適度な運動を心がけることが大切です。ロディオラには肝機能障害を改善させる可能性が示されていますが、臨床実験によるデータが乏しいため議論の余地があります。肝機能をサポートする目的でロディオラを使用する際には慎重に判断を行いましょう。

 

ロディオラの摂取方法や副作用

1.最適な摂取量とタイミングは?

ストレスや疲労を軽減させることが目的であれば、ロディオラの摂取量は1日400㎎が推奨されています出典[14]

また、ロディオラは交感神経を高める作用があるため、サプリメントを摂取するタイミングは朝や午前中がおすすめです。交感神経は興奮している際に活発になるのでロディオラを夜に摂取すると寝付きが悪くなる可能性があります。ぐっすり眠りたい時よりも、これからアクティブに活動したい時に摂取した方が良いでしょう。

 

2.<要注意!!>副作用が確認されている

ロディオラにはめまいや口の渇き、唾液の過剰分泌などの副作用が確認されています出典[3]ロディオラのサプリメントを摂取した後に体調不良を感じた場合は、サプリメントの使用を中止してかかりつけの医療機関に相談しましょう。

また、妊娠中や授乳中にロディオラを使用する場合の安全性については分かっていません出典[14]。そのため、妊娠中や授乳中の使用は避けた方が良いでしょう。

持病の薬とロディオラを併用して使いたいと考えている場合は、事前にかかりつけ医に相談することをおすすめします。

 

まとめ:副作用のリスクを踏まえ摂取は慎重に!

ロディオラ(イワベンケイ)は交感神経を高める働きにより、認知機能や不安感を改善するだけではなく運動疲労も緩和する効果があるアダプトゲンの一種です。1日エネルギッシュに過ごしたい方は午前中に摂取すると良いでしょう。

ただし、厚生労働省によるとデータが不足しており副作用も報告されている成分ではあるため、リスクを考慮した上で摂取するか検討してくださいね。

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