もっと早く走ればよかった...ランニングとテストステロンの関係
2023年11月15日更新

執筆者

株式会社アルファメイル

NP+編集部

「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。

ランニングをするとテストステロンが増える3つの理由

テストステロンは身体付きや男性機能、精神面など男性らしい心身を手に入れるために欠かせないホルモンです。

テストステロンは運動を行うことで増やすことのできるホルモンであり、ランニングもその一つです。

まず、ランニングによってテストステロンが増える3つの理由を解説します。

1.テストステロン分泌システムの活性化

1つ目はテストステロンが分泌されるシステムが活性化されることです。

テストステロンは脳から指令を受けて、95%が精巣で5%が副腎で合成されます。運動は脳の直下にある脳下垂体を刺激し、精巣でのテストステロン分泌を促すホルモンの分泌を増加させるのです出典[1]

2020年にイタリアのラクイラ大学の研究では、テストステロンは運動後30分以内に一過的に増加することが示されています出典[2]

運動した後に気分がスッキリしたり、興奮したりすることがあると思います。テストステロンが増えることで意欲や興奮をもたらすドーパミンの分泌も増えるためです。

テストステロンを継続的に高めたい場合は運動を継続して行うことが大事になります。

 

2.女性化の原因となる肥満を解消する

2つ目の理由は女性化の原因となる肥満が解消できることです。

肥満はテストステロンを低下させてしまう要因の1つ。例えば、炎症性のホルモンの分泌が増えることでテストステロンが分解されてしまいます出典[3]

また、体脂肪が増えることでテストステロンを女性ホルモンに変換する酵素(アロマターゼ)が増え、テストステロンが女性ホルモンに変換されてしまうのも原因です出典[4]

肥満の解消・予防には消費カロリーが摂取カロリーを上回るようにするのが大事です。

特に、身体活動により消費カロリーを増やす方が、カロリー制限で摂取カロリーを減らすよりも肥満によるテストステロン低下を改善するのに効果的であることが2015年の筑波大学の研究で明らかにされています出典[5]

ランニングを行うと消費カロリーが増え、体脂肪が減ることで肥満が解消でき、テストステロンを増やすことができるのです。

 

3.入眠ホルモンを増やし睡眠の質を上げる

3つ目はランニングは入眠ホルモンを増やすことができるので睡眠の質が高まることです。テストステロンは睡眠中に分泌されるので良質な睡眠をとることは大事です。

2010年にシンガポール国立大学病院で行なわれた研究では、睡眠時間の短さと血中のテストステロン濃度の低さには相関関係があることが示されています出典[6]。また、別の論文では1日5時間以下の睡眠が1週間続くとテストステロンが10~15%も低下してしまうことも明らかに・・・出典[7]

質の良い睡眠を取るために欠かせないのがメラトニン。メラトニンには睡眠を誘導する作用があるので「睡眠ホルモン」とも呼ばれます。

2020年にアメリカのエロン大学で行なわれた研究で、ランニングなどの有酸素運動を行うとメラトニンの分泌が2倍以上も増え、眠りの質が高まることが明らかにされています出典[8]

ランニングなどの有酸素運動を行うことで、メラトニンの原料となるセトロニンの分泌が増えるので睡眠の質が良くなるのです。

 

テストステロンを高めるランニング方法3選

ランニングはテストステロンを増やすのに効果的な手段の一つです。

しかし、やみくもに長い時間や距離を走れば良いというわけではありません。強度や時間にメリハリをつける必要があります。

次にテストステロンを高めるためのランニング方法を3つ紹介します。

1.息が上がるくらいのペースで行う

1つ目は息が上がるくらいのペースで走るようにしましょう。

2020年にイタリアのラクイラ大学の研究では、運動でテストステロンを上げるには中~高強度の運動が必要なことが示されています出典[2]。中~高強度のランニングは息が上がるくらいのペースになります。

自分のランニングの強度を測る指標の1つは心拍数です。

中強度のランニングは最大心拍数(220-年齢)の50~70%になります。 個人差はありますが40才の人だと1分間の心拍数が90~126回くらいが目安です。

心拍数は測定機能付きのスマートウォッチを使ったり、手首の裏、首の付け根などに手を当てたりすることで手軽に測れます。

ランニングの強度を知るための指標にしてみてください。

 

2.最低1回30分程度走る

2つ目は1回のランニングで最低でも30分程度走ることを心がけましょう。

ランニングとテストステロンの関係を調べた過去の研究では、30分程度走るとテストステロンが上がったとするものが多いです。

例えば、1977年にデンマークのコペンハーゲン大学で行なわれた研究では、最大強度でトレッドミルランニングを40分間行うとテストステロンが約31%も増加することを報告しています出典[9]

また、ランニングは30分以上行った方が脂肪燃焼効果も高まるとされています。肥満予防のためにも1回に30分は走ることを心がけましょう。

 

3.月に120~150km程度までに留める

3つ目は月間の走行距離を120~150km程度までに留めるようにしましょう。

「何事もほどほどに」とよく言われますがランニングも同じです。走りすぎは逆にテストステロンを低下させてしまう原因に・・・。

走りすぎるとストレス・炎症・活性酸素などのテストステロンを減らす要因が増えすぎてしまうのです。

炎症や活性酸素はテストステロンを分解したり、テストステロンの合成を抑制したりしてしまいます。また、運動後の筋肉の回復にもテストステロンが消費されてしまいます。

目安は月間120~150km

市民ランナーの月間のマラソン距離とテストステロン値の関係を調べた研究から月間200km以上を超えてくるとテストステロンが著しく低くなることが日本性機能医学会の雑誌に報告されています出典[10]

テストステロンを増やせるとは言っても走りすぎには注意しましょう。
 

走って男性らしい心身を手に入れよう!

今回はランニングとテストステロンの関係について論文を基に紹介しました。

ランニングは場所を選ばす行うことができますし、特別な道具も必要もありません。また、1人でも行えるので手軽に行うことができる運動です。

30分程度のランニングでテストステロンUPが期待できるので、継続して行うようにしましょう。

走ってテストステロンを増やすことで、男性らしい心身を手に入れて、充実したメンズライフを送れるようにしましょう。

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