カフェインが含まれているから寝る前には飲むべきではない・・・。

いやいや、カフェインよりもテアニンの睡眠の質に対する作用の方が強いだろう・・・。

睡眠への影響が議論される「寝る前の緑茶」。

一体正解は何なのでしょうか？

確かに緑茶に含まれるカフェインには、「アデノシン」と呼ばれる眠気を高める物質を阻害することで、覚醒作用をもたらすことが報告されている物質。^{出典[1]出典[2]}

寝る前に飲んだら目が冴えてしまうのは想像に難くないでしょう。

逆にテアニンは脳内でGABAの分泌を促すことで、リラックス作用をもたらすと言われる有効成分。^出典[3]

研究ではテアニン200mgを含む水100mLを飲んだ後40分でα波が出現し、2時間持続したことが報告されているんです。^出典[4]
さらに、寝る前に200mgのテアニンを摂取すると、起床時の眠気や疲労回復感が回復し、睡眠の質が改善されたという報告も^出典[5]

更には、不安を軽減するだけでなく、ストレス反応性の高い成人の血圧上昇を軽減することまで分かっています。^出典[6]カフェインとテアニンをどちらも含む緑茶。

一体睡眠にどんな影響を及ぼすのでしょうか？
 

それでは、寝る前の緑茶の真実について、早速解明していきましょう。

1.データ上でもカフェインとテアニンは拮抗している

まずは緑茶に含まれるカフェインとテアニンについてです。

脳を覚醒させるカフェインと、リラックス効果があるテアニンを同時摂取すると…。

拮抗してテアニンがカフェインの覚醒作用を逆転させるというデータがでているんです。^出典[3]

あくまでマウスを対象とした試験ですが、テアニンとカフェインを同時に摂取することで、覚醒作用は低下する可能性はあるかもしれないわけですね。

2.カフェイン100mg以下に抑えたら覚醒作用は弱い可能性が高い

それでは、カフェインはどの位の量になると覚醒作用を発揮するのでしょうか。

データを確認すると、カフェイン100mg以上が目安。^出典[7]

カフェインが効果を発揮するのは100～600mgとも言われています。

対して、緑茶（玉露）100mLには160mgのカフェインを含むというので、1杯で十分覚醒作用はありそうです。^出典[1]

3.抽出方法は水出しがオススメ

玉露茶100mLに、カフェインが160mg…。

テアニンの効果を最大限発揮するためには、カフェインが気になるところ。

そんなカフェインをお茶の淹れ方次第で減らせるとしたらどうでしょう。

叶える抽出方法は、ずばり水出し。

実は、カフェインは水では抽出されにくいといわれています。

一方、テアニンは水でも十分に抽出可能です。

実際に、水出しにするとテアニンの抽出率は15分で80％、30分で100％。

それに対して、カフェインは15分だと20％、30分だと30％、60分だと50％の抽出率になります。

さらに、氷水で抽出すると、60分でテアニンは80％、カフェインは20％に減らすことも可能です。^出典[8]

さらに、水出しや氷水だし緑茶にすると苦み成分が出にくいので、まろやかで甘みを感じるお茶にすることもできそうです。

4.玉露が最もテアニン含有量が多い

次に気になるのは、緑茶の種類。

それでは、どの緑茶が最もテアニンの量が多いのでしょうか？

それは、玉露。

その量は、ほうじ茶に比べると、テアニンでは約100倍とも言われるんです。

さらにリラックス作用で知られる「GABA」の材料ともなるグルタミン酸では約25倍。^出典[9]

高級緑茶はうま味もリラックス効果も豊富だと言えますね。

寝る前に水出しの玉露を飲むのがここまでのところ、良さそうですね。

5.カフェインレスの緑茶を300ml程度が目安

最後に気になるのは緑茶の量。

どのくらい、緑茶を飲むのが良いのでしょうか？

水出しで5分の1にカフェインの量を抑えた緑茶を用いた実験では、300mLを1週間摂取させることで睡眠の質が向上する結果が出ています。^出典[10]

水出し緑茶なら、無理なく飲めそうですね。
 

ここまで、寝る前の緑茶について真実を解明してきました。

結果的には、睡眠の質を高めるために飲むのであれば、選ぶのは水出しの緑茶。

手間でなく、暑い季節なら氷水出しの緑茶もよさそうです。

ただし、大切なのは日々の習慣を整えることです。

睡眠の質に影響する習慣はこちらも参考にしてください。