執筆者
株式会社アルファメイル
NP+編集部
「オトコを科学する」をキーワードに男性の悩みや課題の解決を科学的根拠をもってサポート。運動や睡眠、栄養など、健康に関する正しい知識を提供するためにコンテンツを製作中。
男性ホルモンが乱れるとどうなる?
男性ホルモンのバランスを整えることは男性が健康的な心身を保つために欠かせません。
男性ホルモンも複数の種類がありますが、中でも特に重要なのはテストステロンです。
テストステロンは約95%が睾丸(精巣)、残りの5%が副腎で合成されます。筋肉の肥大や男性機能などの身体面だけでなく、性欲やモチベーションなどの精神面にも関わるホルモンです。
そのため、テストステロンが低下すると次のような症状が出現します。
- 太りやすくなる
- 筋肉量の減少
- 性機能障害(精子の数・質の低下、EDなど)
- 睡眠障害
- 気分の落ち込み
テストステロンが低下してしまう主な原因は加齢と生活習慣です。睡眠・食生活・運動・飲酒・ストレスなどの様々な生活習慣がテストステロンに影響を与えています。
加齢による低下は避けることができません。放っておくと低下する一方です。しかし、生活習慣による低下はセルフケアで対処できるので、テストステロンのバランスを保つために日々の生活に気を配るようにしましょう。
男性がホルモンのバランスを整えるための5つのポイント
体内のテストステロンのバランスを整えることは男性が健康的な生活を送る上で欠かせません。
大事なのは睡眠・食事・運動・ストレスケアなど生活習慣の見直しです。
テストステロンのバランスを整えるための5つのポイントを具体的な対処法と合わせて紹介します。
ポイント1:睡眠の質と量の確保
1つ目のポイントは睡眠の質と量を確保することです。
テストステロンの分泌は睡眠中に高まるのでホルモンバランスを整えるためには睡眠はとても大事です。
睡眠時間だけでなく、就寝前のスマホの見過ぎや過度の飲酒などを避けることで良質な睡眠をとることを心がけましょう。
7~9時間の睡眠
まず、7〜9時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。
テストステロンは睡眠中に分泌されるので、睡眠時間が減れば、テストステロンも低下してしまいます。
2011年にアメリカのシカゴ大学で行なわれた研究では、睡眠時間を1週間1日5時間以下に制限することで、テストステロンが10~15%も低下することが示されています出典[1]。
米国睡眠財団は成人は7~9時間の睡眠時間を取ることを推奨しているので出典[2]、しっかりと睡眠時間を確保するように心がけましょう。
帰宅後はスクリーンを見ない
次に、睡眠の質を高めるために帰宅後、特に就寝前はスマホなどの画面を見ないようにしましょう。
スマートフォンの画面から発生する光には「ブルーライト」と呼ばれる青色光が入っています。ブルーライトを浴びると睡眠誘導ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられてしまうので、寝付きが悪くなるのです。
2020年に中国の第二军医大学で行なわれた研究で、就寝30分前のスマホの使用を4週間制限することで、入眠までの時間が12分短くなり、睡眠時間が18分長くなることが明らかにされています出典[3]。
睡眠の質を高めるためにスマホの使用は就寝30分前までに留めるようにしましょう。
お酒は1~2杯まで
睡眠の質を高めるために意識してほしいことの3つめは、お酒は1〜2杯までにすることです。
お酒に含まれるアルコールには、睡眠の質を低下させたり、テストステロンを減らしたりする作用があります。
アルコールには利尿作用があり、トイレが近くなるので、睡眠の途中で目覚めやすくなります。また、アルコールの分解時に発生するアセトアルデヒドの覚醒作用も睡眠中に目覚めやすくなる原因です出典[4]。
他にも、アルコールは精巣の細胞にダメージを与え、テストステロン合成を低下させたり、テストステロンを女性ホルモンであるエストロゲンに変換したりすることなどでテストステロンを低下させます。
1984年にフィンランドのヘルシンキ大学で行われた研究で、飲酒の4時間後からテストステロンは低下し始め、24時間回復しないことが報告されています出典[5]。
お酒を飲むにしてもほどほどにするようにしましょう。
厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」では、アルコール摂取量は1日20gまでにすることが推奨されています。
各お酒の推奨量は次の通りです。
種類 | 量 |
ビール | 中びん1本(500ml) |
日本酒 | 1合(180ml) |
ワイン | グラス2杯(200ml) |
焼酎 | グラス½杯(100ml) |
チューハイ | 1缶(350ml、アルコール度数7%の場合) |
どのお酒を飲むにしても1〜2杯が一日の目安になります。お酒は飲み過ぎには注意してほどよい量を楽しむようにしましょう。
ポイント2:バランスのよい食事をとる
2つ目はバランスのよい食事をとることです。
テストステロンは様々な栄養素の影響を受けます。
例えば、脂肪分の多い食事はテストステロンを低下させる原因です。逆に、野菜や果物はビタミンやミネラル、抗酸化物質を豊富に含むので積極的にとることでテストステロンを増やせます。
バランスのよい食事をとる上で大事なことを3つ紹介します。
腹八分目で抑える
まず、食べ過ぎ注意。腹八分目で抑えるようにしましょう。
食べ過ぎによる摂取カロリーの増え過ぎは肥満の原因です。肥満になると複数のことが原因でテストステロンが低下してしまいます。
例えば、炎症性のホルモンの分泌が増えることでテストステロンは分解されてしまいます出典[6]。また、脂肪が増えることでテストステロンを女性ホルモンに変換する酵素(アロマターゼ)が増え、テストステロンの低下を招いてしまうのです出典[7]。
一般的にBMIが25を超えると肥満です。2013年にニューヨーク州立大学で行なわれた研究で、BMIが25を超える男性は標準体重の男性と比べて40%もテストステロンが低いことが報告されています出典[8]。
農林水産省の「食事バランスガイド」によると、成人男性は一日に2200±200kcal程度、立ち仕事や移動の多い仕事の人や活発に運動している人の場合は2400〜3000kcalが目安です。
食べ過ぎて摂取カロリーが過多になりすぎないように注意しましょう。
手のひらサイズのたんぱく質食品を5~6種類食べる
2つ目は手のひらサイズのたんぱく質食品を5~6種類食べることです。
テストステロンは主に精巣や副腎から分泌されますが、実は筋肉からも分泌されているので、筋肉量を維持することが大事になります出典[9]。
筋肉量を維持するために重要なのはたんぱく質です。筋肉量を増やすには1.2~1.6g/kg程度のたんぱく質が必要になります。体重70kgだと100g前後が目安。たんぱく質食品は手のひらサイズだと約20g程度ですので、5~6種類食べれば良い計算です。
日本人の食事摂取基準では18~64歳の男性は一日65gなので、基準よりも少し多い量になります。
意識してたんぱく質をとるようにしましょう。
野菜や果物は最低でも3品目は食べる
3つ目に心がけて欲しいのは野菜や果物を最低でも3品目は食べることです。
野菜や果物にはビタミンやミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれています。ビタミンやミネラルはテストステロンの合成に関わります。
また、ビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化物質は酸化ストレスの原因となる活性酸素を減らしてくれるので、テストステロンを酸化ストレスから守ってくれるのです出典[10]。
農林水産省の「食事バランスガイド」では、1日に野菜350g、果物200gが推奨量です。1日あたり野菜は5皿、果物は3皿分に相当するので、野菜と果物で最低でも3品目は食べるようにしましょう。
ポイント3:定期的に運動する
ホルモンバランスを整えるために大事なポイントの3つ目は、定期的に運動することです。
テストステロンは運動により増やすことができます。
運動によって脳が活性化されることで、精巣からのテストステロン合成が増えます。また、肥満(体脂肪)や酸化ストレスなどのテストステロンを減らす要因が改善・予防でき、テストステロンの低下を防げるのです出典[11]。
ランニングや水泳などの有酸素運動でも、筋トレ・ジャンプ・ダッシュなどのレジスタンス運動(無酸素運動)のどちらでもテストステロンは増やせます。
テストステロンを増やすために、日常生活の中に運動する習慣を取り入れてみましょう。
まずはウォーキングから
まずはウォーキングから始めましょう。
これまでに運動習慣がない人や肥満気味の人は特にそうです。
いきなりハードな運動をすると体がついていかず継続して行うのが困難です。また、ケガの原因にもなります。
手軽に行えるウォーキングで体を動かす習慣をつけ、定期的に運動することに体を慣れさせましょう。
慣れてきたらジョギングや筋トレ
定期的に体を動かすことに慣れてきたら、次のステップとして、ジョギングや筋トレを行うようにしましょう。
ジョギングであれば息が上がるくらいのペース(中強度以上)で行うのが効果的です。目安は最大心拍数(220-年齢)の50~70%。 40才の人だと1分間の心拍数が90~126回くらいになります。時間的には30分以上がおすすめです出典[12]。
また、筋トレの場合は10回程度が行える重さ・負荷の強度でのトレーニングが理想的出典[13]。上半身であればベンチプレス、下半身であればスクワットなどが効果的なトレーニングです。
ただし、ケガを防止するためにも最初から高い強度で行うのではなく、強度は徐々に上げるように心がけましょう。
一過的に高い強度の運動を行うのではなく、継続して行うことが大事です。
くれぐれもやり過ぎには注意する
くれぐれもやり過ぎには注意しましょう。
かえってテストステロンを減らす原因となってしまいます。
運動のやり過ぎはストレス・炎症・活性酸素などを増加させ、テストステロンの分解を招きます。また、体内のエネルギーの枯渇はテストステロン合成の低下に繋がる要因です。
例えば、毎週64km以上走っている男性は、運動しないデスクワークの男性よりもテストステロンが低いことが明らかにされています出典[14]。別の研究では、月間200km以上を超えてくるとテストステロンが著しく低くなることが示されています出典[15]。
運動する際はくれぐれも無理のない範囲で行うようにしましょう。
ポイント4:ストレスをケアする
4つ目はストレスケアをしっかりと行いましょう。
ストレスはテストステロンを低下させる要因の一つです。
ストレスを受けると体内では、酸化ストレスや炎症を起こす物質である炎症性サイトカインが産生されます。その結果、テストステロンは分解されたり、精巣がダメージを受けることで合成が抑制されてしまったりするのです出典[16]。
他にも、炎症を抑えるために分泌される「コルチゾール」が分泌されることもテストステロンの減少に繋がる要因の一つです出典[17]。
日々のストレスは溜め込まずにしっかりと発散するようにしましょう。
ポイント5:サプリメントを活用する
5つ目のポイントはサプリメントの活用です。
サプリメントの活用は、食事からの摂取だけでは栄養が不足している方にオススメな方法になります。
ただし、サプリメントは他の生活習慣をしっかりとした上で成り立つ、補助的な位置づけであることを忘れないようにしましょう。
プロテイン
オススメするサプリメントの1つ目はプロテインです。
ポイント2でも解説しているので詳細は省略しますが、たんぱく質の摂取量を増やすことは筋肉量を増やせるのでテストステロンを高めるのに効果的です。
たんぱく質を効率的に摂取できるサプリメントがプロテインです。
ただし、ビタミンなど他の栄養素も一緒に取れるわけではありません。
メインは肉や魚などの食材からとるようにして、足りない部分をプロテインで補うようにしましょう。
マルチビタミンミネラル
2つ目のサプリメントはマルチビタミンミネラルです。
健康維持のために欠かせないビタミンとミネラルを配合したサプリメントであり、一日の摂取推奨量を摂ることができます。商品によっては他の機能性成分が一緒に配合されているものもあります。
ビタミンやミネラルは野菜や果物に豊富に含まれているで、マルチビタミンミネラルは日々の食事で十分な量の野菜や果物を摂ることができない人の食事のサポートとしておすすめです。
1日に必要なビタミンやミネラルを摂取できますが、食事の代わりにはなりません。補助的な位置づけとして摂取することを心がけましょう。
テストステロンブースター
3つ目にオススメするサプリメントはテストステロンブースターです。
テストステロンの分泌を増やす作用を持った成分が配合されたサプリメントなので、効率的にテストステロンを高めることができます。代表例は、テスノア・バイオドーパ・トンカットアリ・テストフェンなどがあります。
とくにテスノアは男性ホルモンのバランスを整えるのに最適。実際にテスノアを7~56日摂取することで、男性ホルモンのバランスの乱れが原因で生じる男性更年期障害の症状が和らいだことが報告されています。
サプリメントはサポートのため、まずは睡眠・食事・運動の生活習慣のケアが前提ですが、気軽に試せることがメリットです。
ホルモンバランスを整えるきっかけとして利用してみましょう。
自身に合った習慣を知りたい方は公式LINEで相談を
今回は男性ホルモンのバランスを整えるためのポイントを論文を基に紹介しました。
男性ホルモンの代表格であるテストステロンのバランスを保つことは、男性が心身ともに健康的に生活するために必要不可欠です。
大事なのは睡眠・食事・運動など日々の生活習慣を意識すること。
テストステロンのバランスを保てるように自身の生活習慣を見直し、充実した性生活を送れるようにしましょう。
しかし、生活習慣を見直すとは言っても、「自分の生活習慣のどこを改善すれば良いのかわからない。自分に合った生活習慣を知りたい。相談したい。具体的な対策方法を教えてほしい。」といった人もいるのではないでしょうか?
株式会社アルファメイルが運営する男性ヘルスケアブランド「ナイトプロテイン」では無料で相談や質問が可能なLINE窓口を設けています。
LINE窓口には栄養や運動、睡眠などの資格を保有している専門家が常駐しており、食事・運動・睡眠など様々な角度からメンズライフを快適にする提案をさせて頂いております。
お気軽にご相談ください。
出典
LINEで専門家に無料相談
365日専門家が男性の気になる疑問解決します